専門医が解説「アルツハイマー病新薬“レカネマブ”は軽度患者への効果に期待」
70歳以上の一般的な収入の人の自己負担額の上限は14万4千円なので、月に換算すると1万2千円ほどの負担で利用できそうだ。
ただし、どんな認知症の患者にも効果があるわけではない。対象となるのは軽度認知障害(MCI)や早期アルツハイマー病の患者。
「多少の物忘れがあっても、着替えや入浴、外出など、身の回りのことができ、生活が自立できていて、加えてアミロイドβの蓄積が認められた人などです」
アミロイドβの蓄積は、通常のMRIでは判別できず、アミロイドPET検査や脳脊髄液検査で判定することになる。
「現在、これらの検査は全額自己負担で、当院でもPET検査の薬剤だけで25万円もします。しかし検査が高額では、新薬の導入のハードルが高くなってしまいます。薬価を決めるとともに、アミロイドPET検査も保険診療にする必要があるでしょう」
アルツハイマー病に向き合う患者や家族の福音となるのか、新薬の普及と効果に期待したい。
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