首の後ろの隙間を埋めるのが枕の役目……12cmじゃ高すぎる!「殿様枕」で脳卒中リスク
から比べれば「極端に高い」枕では、特発性椎骨動脈解離の人の割合は2倍以上にも増加するのだ。
「枕が高いほど有病率が高くなることが示されたうえ、この関連は、枕が硬いほど顕著であり、やわらかい枕では緩和されることもわかりました。低反発枕などのやわらかい枕なら、頭を預けたときに沈むことで、もともとの高さより低く正しい位置で睡眠できると考えられます」
田中先生によれば、
「枕が高すぎると、首が極端に曲がって、首に大きな負担がかかった状態のまま、長時間眠り続けることになってしまう。一日の3分の1を占める睡眠時間に、適正な寝姿勢は非常に重要なんです。枕が高いことによって椎骨動脈が頸部の前屈によって引っ張られ、傷んで血管が裂け、脳卒中を起こす可能性があります。最悪の場合、動脈瘤やくも膜下出血などを併発することも考えられるんです」という。
では、私たちはどんな高さの枕を選んだらいいのだろうか。寝具メーカーの西川広報担当の森優奈さんに聞いた。
「今回の調査結果では12cm、15cmなどと高さが設定されていますが、枕は素材によって頭をのせると沈みますし、寝る姿勢の個人差でも条件が変わります。当社ではセンチでは表さず、あくまでお客さま個人個人の最適な寝姿勢を前提にしています」