2014年10月6日 08:00
アトピー性皮膚炎発症は保湿で予防可能?比較試験の結果が公開
アトピー性皮膚炎を発症していない割合を乳児の週齢ごとに計算して、アトピー性皮膚炎の発症率をコントロール群と保湿剤塗布群の差をlog-rank testという解析法で比較しました。
(画像はプレスリリースより)
その結果、保湿剤塗布群はコントロール群に対して有意に(P=0.012)アトピー性皮膚炎の発症を抑えました。
卵に対するアレルギーがあるかどうかをIgE抗体の血中濃度を調べましたが、保湿剤塗布群とコントロール群ではどちらもIgE抗体が高値になっていました。
しかし、塗布の有無にかかわらず、アトピー性皮膚炎の有無でIgEを検討したところ、アトピー性皮膚炎を発症した群ではIgEが高くなっていました。
今後の展開アトピー性皮膚炎の皮膚では免疫細胞が表皮を貫いて突起を伸ばしていることが報告されています。
保湿剤により、アトピー性皮膚炎の発症の可能性は示されましたが、アトピー性皮膚炎が発生してからのIgE抗体の発生に保湿剤は効果がありませんでした。今後は、保湿剤で発生を予防するとともに、免疫細胞の突起に対する処置が必要になるとのことです。
また、保湿剤による効果が例えば3歳児になったときにはどうなっているかなどは興味のあることです。