熱性けいれんは一般的に、38度以上の発熱がきっかけとなる発作のことで、髄膜炎や脳炎などほかの疾患を持たないケース。手足をつっぱらせたりガクガクとするけいれんのほか、白目をむいたり、嘔吐やチアノーゼを起こすこともあります。確率としては低いですが、ぼーっとして脱力した状態になり、意識障害や失神を起こしているように見えるケースもごくまれにあります」
福田先生によると、約8割の熱性けいれんの症状は、5分以内に発作が収まるそうだ。これは脳自体に消火器のようなけいれんを止める機能が備わっているため。ただし「5分以上けいれんが続く場合は止まりにくい場合もあり、救急車を呼ぶべき」とのこと。
熱性けいれんには、治療の必要がない良性の単純型と、ほかの疾患が潜んでいる場合もある複雑型がある。5分以上けいれんが続く場合や、24時間以内に一度ではなく複数回の発作を起こした場合は、良性ではないことも考えられる。
では、複雑型の熱性けいれんにはどのような疾患があると考えられるのか?
「約1割ではありますが、脳炎や髄膜炎、急性脳炎などが潜んでいることも否定できません。
またこれまで症状が見られずにてんかんが潜んでいて、熱をきっかけに発作が出てしまうこともあります」