ちなみにてんかんは「発熱などのトリガーになる要因がなくても、突然に発作を起こしてしまう疾患」のこと。複雑型であることが疑わしい場合は、医師に相談しよう。CT検査や脳波の検査を勧められることもある。
熱性けいれんを起こす子どもが多い理由とは
『熱性けいれん診療ガイドライン2015』によると、熱性けいれんの多くは生後6カ月~5歳までの子どもが起こしており、日本では20人に1人の割合で見られる。また一般的に、緊急搬送で運ばれてくる子どもの1/2〜1/3がけいれんによるもので、そのうちの1/2〜1/3が熱性けいれんなのだという。なぜこれほど多い確率で熱性けいれんが起こるのだろうか?
「これは脳の発育に関係していて、脳を抑制させる神経系統と興奮させる神経系統のアンバランスにより、保育園に通うくらいの年齢のお子さんの脳はけいれんが起きやすい状態になっているとも考えられます。熱性けいれんを複数回起こしている子でも、一般的には小学生になる頃には治ることが多いです。たまに中学生でインフルエンザなどにかかり、熱性けいれんを起こすお子さんがいらっしゃいますが、これは非常に珍しいケースで、成長と共にいずれ収まるものです」