若年型の寝ぼけがノンレム睡眠時に現れるのに対して、高齢者の寝ぼけはレム睡眠時に現れます。「レム睡眠行動障害」は、放置しておくと、本人や家族がケガを負う危険があります。
レム睡眠時に起こる寝ぼけが、「レム睡眠行動障害」です。高齢者に多くみられる症状です。レム睡眠のときは、脳は活発に活動していますが、筋肉は弛緩している状態にあります。
ところがレム睡眠時なのに、筋肉の動きを停止させている体の仕組みが異常をきたし、安全装置が外れたように筋肉が活動してしまうのがレム睡眠行動障害です。
暴力的な夢に始まり、やがては歩いたり、走ったりするようになる
レム睡眠行動障害は、筋肉が活動するので眠っていても、体が動いてしまいます。肉体的な疲労が回復しないだけならまだしも、レム睡眠行動障害では、起き上がって、壁や家具に体をぶつけたり、家族に暴力をふるったりします。
はじめは暴力的な夢をみることから始まり、手を動かしたり、腕を動かしたり、やがては立ち上がったり、歩いたり、走ったりするようになります。
夢のなかの敵から逃げようとしたり、夢のなかの敵と闘ったりするようになると、眠っている状態にありながら、大声を出したり、起きあがって暴れたりするようになります。