急な眠気が襲ってきたら、ナルコレプシーという睡眠障害が疑われますが、最近では、オレキシンという脳内たんぱくによって改善することが分かっています。ナルコレプシーは、学業や仕事の妨げになるといわれているので、まさにオレキシンは救世主といえそうです。
急な眠気のくるナルコレプシーとは?
ナルコレプシーとは、夜、十分な睡眠をとっていても昼間に突然眠気に襲われて、居眠りをしてしまうという病気です。脳の中の睡眠を調節する機構がうまく働かない状態にあります。
ナルコレプシーの原因は、目を覚まし続ける役割を持つ、オレキシン (ヒポクレチン)と呼ばれるたんぱく質を作り出すことができなくなることが原因だといわれています。
症状は突然眠ってしまうだけでなく、笑ったり怒ったりして感情の変化が起きる際に、体の一部に脱力感が起きる情動脱力発作のほか、眠っているときに金縛りにあったような状態になったり、入眠時に幻覚症状があったりするものです。
救世主ともいうべき「オレキシン」
このナルコレプシーは、近年、オレキシンによって改善されることが明らかになっています。実証はマウス実験によって行われました。
オレキシン神経細胞が欠損しているマウスに対して、新たにオレキシン遺伝子を導入することによって、脳内でオレキシンが作れるようにしたのです。