「トリプトファン」の過剰摂取は病気を引き起こす!?
その症状は、「好酸球増加筋肉痛症候群」(EMS)と名付けられ、FDA(アメリカ食品医薬品局)は「トリプトファン」の健康食品としての販売を禁止し、全製品の回収を命じました。
やがて、疫学調査と若干の動物実験を基に、原因は昭和電工の製造した「トリプトファン」に含有されていた不純物であるとの結論が出たのです。
サプリはあくまでも「補うもの」
しかし、内藤裕史氏の著書「健康食品中毒百科」によると、昭和電工の不純物がEMSの原因だという説は完全に否定されているそうです。
理由は、(1)疫学調査の方法論に致命的な誤りがあること、(2)動物実験では昭和電工の「トリプトファン」を摂取した場合の8000倍でやっとEMSが出ること、(3)昭和電工以外の製品でも大量摂取によってEMSが報告されていること、(4)トリプトファンが全く関与しないで発症するEMSが存在すること――などです。
ここで注目したいのは、サプリメントには過剰摂取による障害が起こる可能性があるということ。まずは毎日の食事を規則正しくバランス良くとりましょう。
サプリメントは、それでも補えない部分をまかなう「健康補助」製品ということを認識しておくことです。