また、単独では有害でない物質も、複数が混ざり合うことによって、有害な物質に変化する可能性も否定できません。化学物質から発生するガスを吸い込んだり、液体状態の物質に素手で触れたりすることで損傷につながり、それがやけどとなることがあります。
職業上、化学物質に触れる機会が多い人は、化学熱傷を患うことも多く、危険度の高い化学物質を扱う場合は、その化学物質に関する国家資格を持つ必要があるとされています。
化学熱傷の治療と応急処置
通常のやけどの場合は、やけどした患部に流水をあてて徹底的に冷やすなどの応急処置をしてから皮膚科を受診することが求められます。やけどの範囲が広い場合には、119番通報して救急車に来てもらうことも考える必要があります。化学熱傷では、原因となった化学物質が何であるのかを突き止めたうえで、治療を行う必要があります。しかし、原因となった化学物質が特定できない場合は、治療を行いつつ、その正体を突き止めるということになります。
損傷の程度に応じて治療方針が決定されます。
中和剤などによる特殊治療法や外用療法などがあげられます。重度の場合には、形成外科手術が行われることがあり、入院が必要になることもあります。