そのうえ、バリア機能が衰えている皮膚はかゆみを感知する知覚神経が表皮まで到達し、少しの刺激にもかゆみを感じて掻き壊しやすくなります。掻くことによって、バリア機能がさらに悪化するという負のスパイラルに陥ることがあります。
アトピーの薬の種類と効果
アトピー性皮膚炎の治療薬として、以下のような抗炎症外用薬や内服薬が処方されることがあります。
抗炎症外用薬
アトピー性皮膚炎の炎症を鎮静する外用薬として、安全性や有効性が十分に考慮されている薬剤としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)が考えられます。
<ステロイド外用薬>
ステロイド外用薬は適切に使用することで、アトピー性皮膚炎の炎症に対して年齢にかかわらず、確実かつすみやかに鎮めることが可能な薬剤だといえます。ステロイドは、薬効の強い順にストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5ランクがあり、皮膚炎の重症度に合わせたランクの薬剤を正しく選択し、適切に使用することが大切です。また、アトピー性皮膚炎の重症度には、重症、中等症、軽症、軽微の4段階あり、症状の重症度によってステロイド皮膚炎のランクを選択するとされています。