持久力の高い高齢者は作業記憶も優れる:新たな脳内メカニズムを解明
公益財団法人 明治安田厚生事業団の兵頭 和樹研究員と中央大学の檀 一平太教授、筑波大学体育系の征矢 英昭教授らの研究グループは、高齢者の有酸素能力(持久力)と認知機能の一つである作業記憶能力の関連性、さらにこの背景にある脳の前頭前野の活動パターンについて、近赤外光脳機能イメージング装置を用いて、高齢者と若年成人、また、有酸素能力に差がある高齢者を比較して検討しました。
【ポイント】
●有酸素能力※1(持久力)の高い高齢者は認知機能の一つである作業記憶能力※2が高いことが知られていますが、その脳内メカニズムは解明されていなかったため、近赤外光脳機能イメージング装置※3を用いて検証しました。
●作業記憶能力テスト中、特に難しい課題に取り組む際、高齢者の前頭前野では若年成人に比べて多くの領域が活動していました。これは、加齢による一部の脳機能の低下を他の領域が補う代償的な脳活動を示しています。
●さらに、有酸素能力が高い高齢者ほど、前頭前野の代償的な活動が顕著であり、作業記憶能力テストの成績が優れていることを確認しました。
研究結果の概要
【概要】
公益財団法人 明治安田厚生事業団の兵頭 和樹研究員と中央大学の檀 一平太教授、筑波大学体育系の征矢 英昭教授らの研究グループは、高齢者の有酸素能力(持久力)