“グアーガム分解物”と酪酸産生菌の組み合わせ効果を検証 シンバイオティクスとしての有用性を確認
そこで、本研究では優れたプレバイオティクス作用をもつ水溶性食物繊維グアーガム分解物と、プロバイオティクスの一つであるClostridium butyricumの組み合わせ効果を検証しました。Clostridium butyricumは医療の現場でも広く活用されているプロバイオティクスで、健全な腸内環境の維持に寄与する酪酸を産生する酪酸産生菌の一種です。
本研究ではClostridium butyricumとグアーガム分解物の組み合わせによる酪酸産生促進能について、他の水溶性食物繊維と比較検証しました。また、分子量の異なるグアーガム分解物や、各種食物繊維の構成糖の酪酸産生促進能も比較しました。
2. 研究方法について
Clostridium butyricum培養液を、グアーガム分解物、低分子グアーガム分解物、難消化性デキストリン、イヌリンを各1%含む液体培地に添加し、37℃で120時間培養し、培養後の菌体量(OD660)、pH、酪酸濃度を測定しました。また食物繊維の構成成分であるグルコース、マンノース、ガラクトース、でんぷんを用いて同様の試験を行いました。さらに、胆汁酸を添加した人工腸液にグアーガム分解物、低分子グアーガム分解物をそれぞれ1%ずつ添加し、Clostridium butyricumの培養試験を行いました。