“グアーガム分解物”と酪酸産生菌の組み合わせ効果を検証 シンバイオティクスとしての有用性を確認
3. 主な研究結果について
・グアーガム分解物を添加した場合、難消化性デキストリン及びイヌリンと比較して、有意に培地のpHが低下し、菌体量、及び酪酸濃度が増加しました(いずれもp<0.05)。
・マンノースとガラクトースを添加した場合、グルコース、でんぷんと比較して、有意に菌体量、及び酪酸濃度が増加しました(いずれもp<0.05)。
・人工腸液の培養においても、グアーガム分解物の添加により、菌の増殖に伴いpHが低下し、酪酸濃度が増加しました。
・低分子グアーガム分解物は、グアーガム分解物と同程度に酪酸産生菌の増殖及び酪酸産生を促進しました。
4. 考察と今後の検討
本研究では、グアーガム分解物は、難消化性デキストリン及びイヌリンと比較して酪酸産生促進能が高いことが示されました。また食物繊維の構成糖の酪酸産生能の検証においても、グアーガム分解物の構成糖であるマンノース及びガラクトースで良好な結果が得られ、グアーガム分解物の酪酸産生能の高さを裏付ける結果となりました。なお、低分子グアーガム分解物とグアーガム分解物との間に群間有意差はみられなかったことから、グアーガム分解物の酪酸産生能に分子量による影響は少ないと考えられました。