妊娠中の胃の不調を感じたら、胃薬を飲んでも大丈夫?
一般名:レバミピド(ムコスタ)
以下のH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬は、胃酸分泌を抑える効果が高く、胃酸過多の状態にはとても有効な薬剤です。妊娠中でも、必要性があれば使用しても良い薬剤(一般的に有益性投与と呼ばれています)に分類されていますし、FDA(米国食品薬品局)の安全性カテゴリー分類でもほぼ安全とされていますが、担当の医師と相談し慎重に使用するのが良いでしょう。
・H2受容体拮抗薬
一般名:ファモチジン(商品名:ガスター)
一般名:シメチジン(商品名:タガメット)
・プロトンポンプ阻害薬
一般名:ランソプラゾール(商品名:タケプロン)
つわりや胃部の不快感などに、漢方薬も広く使用されています。小半夏加茯苓湯、五苓散、六君子湯などが用いられていますが、漫然と使い続けるのは避けましょう。
妊娠中の禁忌薬について
プロスタグランデイン製剤(商品名:サイトテック)や制吐剤(商品名・ナウゼリン)などのように妊娠中には、使用禁忌の薬剤もありますから、いずれのお薬を使用するにしても、勝手に使うのではなく、担当の先生ときちんと相談してから使うようにしましょう。
※参考:薬物治療コンサルテーション妊娠と授乳第2版南山堂
有益性投与について
胃薬を含めて多くの薬剤は、製薬メーカーの説明書では、妊娠または妊娠の可能性のある婦人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとあります。このような表示ではそれら薬剤の使用はほとんど問題ないのですが、医師や薬剤師に相談しましょう。
胃痛以外に症状があったら要注意!
妊娠中に胃が不調となることは珍しいことではありませんが、妊娠経過に影響することもあるため見過ごしてはいけない症状でもあります。
下記のようなケースは早期発見と治療が大切です。
・細菌やウィルスなどの感染の可能性がある。
妊娠中は抵抗力が弱まり、妊娠していない状態よりも細菌やウィルスなどに感染しやすいため、食中毒や胃腸炎を起こすことがあります。胃やおなかが痛いだけでなく、嘔吐や発熱を伴う場合は、早めに産婦人科へ受診しましょう。やむを得ず、内科や消化器内科など他の診療科や医療機関を受診する場合は、妊娠していることを伝えて診察を受けましょう。