「子どもに市販薬」オススメしない驚きの理由【3児ママ小児科医の育児】
抗ヒスタミン薬のなかには小児では禁忌(使ってはいけない)と言われている薬もあり、安易に使っていいものではないので、きちんと病院で診察してもらい、処方された薬を使うようにしましょう。
抗ヒスタミン薬はアレルギーの時によく使う薬です。アレルギー性の鼻炎などにはよく効きますが、風邪の鼻水には効きにくいため、少し鼻水がでているくらいなら、薬を使うのではなく、鼻水吸引器などでまめに吸い取ってあげるといいと思います。一概に「抗ヒスタミン薬は悪」とするのではなく、必要な時に適切なお薬を使いましょう。
風邪をうまく乗りきるために
2003年のLancetに出た研究によると(※5)、6歳未満の子どもは平均して年6-8回風邪になり、1回の風邪が完治するのに2週間かかると言われています。1年でかなりの期間、風邪症状があると言えます。子どもが風邪をひいて苦しそうにしていると、ママたちは早く治してあげたいと思うでしょうが、本来、風邪は子ども自身の免疫で治るものです。副作用のない薬はほとんどありませんし、内服しなくていいものは、内服せず済んだら嬉しいですよね。
風邪薬を必要のないものと決めつけるのではなくうまく利用して、お子さんが風邪をひきやすいこれからの時期を乗り切ってもらえたらと思います。
(※1)コクランシステマチックレビューに基づく
(※2-※5)国立生物工学情報センター
著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生
医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
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