子育て情報『搾乳器はいる?いらない?購入する前に知っておきたいこと【助産師解説】』

搾乳器はいる?いらない?購入する前に知っておきたいこと【助産師解説】

乳頭の直径を測ったり、可能であれば助産師に見てもらってから購入するほうが安心です。

電動は高額なものもありますが、手動で握って圧をかけるのに手が疲れたり、腱鞘炎などの手の痛みがある方にはおすすめです。また、赤ちゃんが入院中などで母子分離のために長期間搾乳が必要の場合も良いかと思います。反対に、たまに使用する程度の予定であればコストからみて手動タイプの搾乳器で十分かと思います。

搾母乳の保存・取り扱い方

搾乳は消毒した容器におこない、保存するときも消毒したフタ付きの容器に保存します。消毒した母乳瓶に搾乳後、フタをして保存すると便利です。持ち運びや冷凍する場合は、市販されている母乳用の滅菌パックを使用するのも良いでしょう。常温では4時間(室温19〜26度)、冷蔵では72時間(4度以下)、冷凍は3カ月保存が可能です。
※正期産で出生した健康な児を対象。

家庭用冷蔵庫は開閉などで温度が上がりやすく、4度以下は保てないときもあり、24時間としている文献もあります。

温めるときは、電子レンジや熱湯での湯煎は、母乳の中の細胞成分が破壊されてしまうため避けましょう。搾乳は40〜50度程度のお湯で湯煎してください。冷凍したものは常温において解凍するのは避け、凍ったまま湯煎するか冷蔵庫内で解凍しましょう。搾乳は一回ごとに保存し、一つの容器に追加しながら保存するのはやめましょう。搾乳をあげるときは、複数回分を一つにまとめてあげても大丈夫です。

産後のママや赤ちゃんの様子で、搾乳器が必要か、どのようなタイプが良いか変わってきます。
産前には、搾乳器の種類や購入できる場所、値段などの情報収集は大切ですが、購入するのは産後が良いかもしれません。

<引用・参考>

ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル
June 2008,2006,1998 No.10134 Strong Human Milk
2009年日本語初版訳「しぼった母乳の保存と取り扱い方」「母乳の保存についてのガイドライン(指標)」

監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」

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