子育て情報『100人に2~3人の赤ちゃんに発生!?「先天性筋性斜頸」って?手術は必要?』

100人に2~3人の赤ちゃんに発生!?「先天性筋性斜頸」って?手術は必要?

目次

・先天性筋性斜頸とは
・先天性筋性斜頸の原因と発生率
・先天性筋性斜頸の治療法は? 手術は必要?
・家でのケアの方法や気を付けること
・まとめ
新生児のイメージ


新生児の首が傾いた状態で固定されている場合は、先天性筋性斜頸(せんてんせいきんせいしゃけい)の可能性があります。生命に重大な危機が及ぶ心配はありませんが、そのまま放置すると将来、全身にさまざまな影響が及ぶ恐れがあります。多くの場合は自然に治りますが、まずは診断を受けることが大切です。ここでは、先天性筋性斜頸の症状や原因、治療法などについてご紹介します。

先天性筋性斜頸とは

先天性筋性斜頸とは、耳の下から鎖骨の根本に向かって伸びている筋肉である「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」が拘縮することにより、頭部が傾く状態です。

生後約1週間で胸鎖乳突筋部にこぶを確認できることが多く、生後2~3週に渡って徐々に硬く大きくなっていきます。こぶは自然に軟らかく小さくなっていき、生後数カ月から1歳くらいまでには改善することが多いとされています。しかし、こぶが硬くなったままの場合もあり、改善がみられない場合は2~3歳までに手術が必要とされています。


筋性斜頸は、首が向かない方向へ向かせようとしても、非常に動きにくい状態です。こぶがない方向へ顎が向き、こぶがある方向へ頭部が傾きます。右側の胸鎖乳突筋にこぶがある場合は、顎が左に傾くため、顔全体としては右に傾いて見えます。左側の胸鎖乳突筋にこぶがある場合は、顎が右に傾き、顔全体は左に傾いて見えます。斜頸を放置すると、時間の経過と共に頭部が変形し、脊椎(せきつい)が側弯(そくわん)したり、傾いている方向へ目や眉が引き伸ばされたりします。

斜頸は、こぶと顔の向きを確認するだけで容易に診断できますが、向きぐせとの鑑別が必要です。なお、首のこぶだけ確認できて、首の運動制限がみられない場合には、頸部のリンパ節の炎症による腫れや甲状腺腫瘍などを疑わなければなりません。

また、斜頸には筋性斜頸のほかに次のような種類があります。


・骨性斜頸(こつせいしゃけい)
頸椎や胸椎(きょうつい)に先天性の奇形があることで、首が傾きます。

・炎症性斜頸(えんしょうせいしゃけい)
中耳炎や扁桃炎などの炎症が頸椎におよぶことで起こる斜頸です。そのまま固まってしまうこともあり、入院をしてけん引療法をおこないます。

・眼性斜頸(がんせいしゃけい)

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