100人に2~3人の赤ちゃんに発生!?「先天性筋性斜頸」って?手術は必要?
眼の運動に関わる筋肉の異常によって斜頸になります。何かを集中して視ることで首の傾きが大きくなるため、テレビなどを見るようになる生後6カ月以降に発見されることが多いです。
いずれの場合も放置することでさまざまな問題が発生する恐れがあるため、首を傾けていることが多いと感じたら、自己判断せずに受診しましょう。
先天性筋性斜頸の原因と発生率
先天性筋性斜頸の原因は明らかになっていませんが、おなかの中の赤ちゃんの胸鎖乳突筋の圧迫説が有力です。発生頻度は100人に2~3人とされており、右側にやや多いとされています。なお、発生頻度に男女差はありません。
先天性筋性斜頸の治療法は? 手術は必要?
これまでは先天性筋性斜頸の治療は、マッサージなどがおこなわれていましたが、斜頸を起こしている側を軽く伸ばすように寝かせて、経過観察することが多いようです。また、こぶがある側(赤ちゃんが向けない方向)から赤ちゃんをあやしたり授乳したりして、自発的に向けない方向へ向けさせるようにします。近年では新生児期からのストレッチが有効とする報告もあるようですが、日本では普及していません。
1歳6カ月を過ぎても改善がみられない場合は、手術を検討します。首のしわに沿って切開するため、比較的手術の痕は目立ちにくいとされています。術後は、首を安静にするために4~5日は入院し、退院後は首を固定するカラーを装着します。手術をおこなう時期は、2~3歳ごろです。
わずかな斜頸であるために放置して、全身に悪影響が及ぶケースもあります。
小学校に入学したぐらいになって斜頸が気になるということで受診し、筋性斜頸の診断を受けたケースもあるようです。子どもの顎が左右のどちらかに傾いて運動が制限されている場合には、ほかの病気との鑑別をするためにも受診することをおすすめします。
家でのケアの方法や気を付けること
無理なマッサージは斜頸の悪化を招き、手術が必要となるケースがあります。そのため、自宅では赤ちゃんに自己流でマッサージを施すことなく、専門機関にかかることが大切です。
まとめ
赤ちゃんの先天性筋性斜頸は1歳6カ月ごろまで経過観察をして、改善がみられない場合は手術を検討します。それまでは、赤ちゃんが向けない方向を向かせるように、あやしたり授乳したりしましょう。