2022年11月11日 13:40
<毒親>「忘れ物多いよね」友だちに言われたけれど、本当は忘れているわけじゃなくて…
最初はやさしかった五月さんのお母さんが、生活の苦しさや母親というプレッシャーからか、だんだん毒母の片鱗を見せ始めるお話です。
3年後。お母さんのおなかの中に、新しい命が宿っていることを知った五月さん姉妹。
家族が増えるので、今よりも大きい家に引っ越すことに。引っ越した先の家は、お世辞にもきれいとは言えないほどの有様でした。この家での五月さんの役割は、保育園のお迎えと3人目の妹、四葉ちゃんのママ役。
五月さんの家は貧しかったけれど、お母さんは決して「お金がない」とは言いませんでした。
あまり家に帰って来ないお父さんに、実は借金があったこと。
お母さんにとって、お父さんがどんな存在だったのか、このときの五月さんはまだ知りませんでした……。
ごめん、鉛筆借りてもいいかな?
小学校の教室での出来事です。五月さんは筆箱を開けたのですが、鉛筆が入っていませんでした。
五月さんは「ごめん……鉛筆1本貸してもらえないかな」と、友だちに言いました。すると、友だちは鉛筆を貸してくれたのですが、五月さんは友だちに「ほんと五月ちゃんって忘れ物多いよね」と言われてしまいます。
しかし、本当は忘れたわけではなく、書ける長さの鉛筆がなかったのです……。
そこへ、もう1人のサツキさんが現れました。そしてサツキさんは、「あの子と同じかわいい鉛筆が欲しいって言いなよ」と五月さんに言いました。しかし、「え……言わないよ。
いらないし、言えない……。いつか自分で買うから、今は大丈夫」と答える五月さん。
五月さんは、大人になって仕事して自分で買えばいいと、自分に言い聞かせたのでした。
◇◇◇
五月さんの側にたびたび出てくるもう1人のサツキさん。サツキさんの言葉は、五月さんの、声に出すことのできない本心を表しているのでしょうね。サツキさんとのやりとりから、五月さんの心の葛藤が伺えて、とても切なくなりますね。
著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
東京在住の漫画家。自分の過去と日常をエッセイ漫画にしている。
<毒親>「ギャアアアア」突然聞こえてきた叫び声。急いで向かうと子どもの口から…!?