5月5日は「こどもの日」。日本には、古来から“端午の節句”として男の子の健やかな成長を願い、こいのぼりやかぶと(五月人形)を飾る風習がある。モデラーのスバルさん(@TjilpMb06bw75JD)は、五月人形風に仕上げた、『真武者頑駄無』を5月5日に投稿。ガンプラを五月人形に見立てて、フォロワーの“男子”の健やかな成長を願い、賞賛された。本作制作の裏側を聞いた。■生活様式の変化で節句をお祝いできない家庭も「ガンプラの五月人形があっても良いのでは?」――端午の節句に、「武者ガンダム」を飾るとは素晴らしいアイデアですね。【スバル】ありがとうございます。MG『真武者頑駄無 戦国の陣』を5月5日の「こどもの日」にポストするため、4月末頃から作り始めました。――そもそも、このアイデアはどのように発案されたのですか?【スバル】近ごろは生活様式の変化で、こいのぼりをあげたり、五月人形を飾れない家庭も多くあると思います。時代の流れとともに、「ガンプラの五月人形があっても良いのでは?」と考え、プラモデルでも豪華に見えるように心がけて制作しました。――この『真武者頑駄無 戦国の陣』は“積みプラ”(購入後、いつか作るときのために大切に家で保管しているプラモデル)だったとお伺いしました。【スバル】そうなんです。コロナ禍をきっかけにガンプラを作り始めて間もないころ、隣町の大きな家電量販店にたくさんガンプラが売っているとの情報を得て、友人と2人で買いに行きました。塗装するつもりだったので、普通の真武者頑駄無を買おうとしましたが、友人の強い勧めで、『真武者頑駄無 戦国の陣』を購入したことを覚えています。「いつか綺麗に作れるようになったら(作ろう)」と思い続けて約4年、今できる精一杯の『武者頑駄無』を作ってみました。――制作に至る物語も素敵ですね。ちなみに「武者ガンダム」には何か思い入れがあるのですか?【スバル】古本屋で必死に探して見つけた『プラモ狂四郎』で元ネタ(?)を知りました。実は『SDガンダム』シリーズの映像作品を、今まで見る機会がなかったので、ぜひ見てみたいです。■五月人形、甲冑、漆塗りを参考にイメージを膨らませた「塗分けに苦労しました」――本作について伺っていきます。このキットはもともと完成度が高いですが、ご自身が手掛けられたことによって、より上品で格式高く、趣深いものになったかように思います。どのようなコンセプトを決めて制作されたのですか?【スバル】鎧武者姿のガンダムを作るにあたり、まず、「五月人形に寄せる」か「実際に使用された古い甲冑に寄せるか」で悩みました。今回は、「こどもの日」に発表するつもりだったので、基本的に「五月人形」のイメージですが、あまり派手になりすぎないよう全体の色合いを考えました。――制作時、特にこだわったポイント、苦労したポイントをそれぞれ教えてください。【スバル】作り始める前に、「五月人形」や「甲冑」の画像、「漆塗り」の動画などを見てイメージを膨らませました。苦労したポイントは、種子島砲を作る時、木目調塗装に初挑戦したことですね。あと、今まで失敗続きだったマスキングゾルを使用した塗り分けも苦労しました。――この苦労の甲斐もあって、賞賛のコメントが非常に多く寄せられました。【スバル】「ウチにも飾りたい美しい作品です」「重厚感があってカッコイイ」「武者頑駄無作る時の参考にします」「なんたる迫力!これなら悪鬼悪霊からお家を守ってくれますな!」などのコメントをいただいて、とてもうれしかったです。――「こどもの日」を意識した投稿ですが、本作を通じて子どもたちに伝えたいメッセージはどんなことですか?【スバル】立派な大人ではない私が言うのもおこがましいですが、好きなことはもちろん、いろいろなことに興味をもってほしいです。ガンプラを作る時も、映像作品やゲームの設定だけでなく、実物の金属の特性や質感、工事現場で見かける重機の油や泥汚れの付き方、現行兵器の仕組みなどを知っていればリアルな模型を作ることができますし、その知識に自分なりの解釈、空想やイメージを加えれば、オリジナリティーのある作品を作ることができます。そんな、広い知識を持ち自分なりに解釈して何かを作り出す力があれば、将来仕事をする時も、きっと役に立つと思います。――いいメッセージですね。ちなみに本作を作り終えて、次に挑戦しようと思っている機体があれば教えてください。【スバル】来年の、こどもの日には『武者頑駄無Mk‐II 徳川家康Ver.』を作りたいと考えています。その他には自分が考える、宇宙世紀、コズミックイラ、ガンダムビルドシリーズ設定の妄想機体をどんどん作っていきたいと思います。――これもまた楽しみですね。では最後に、モデラーとしての今後の野望、目標を教えてください。【スバル】私のモデラーとしての目標は、自分のイメージするカッコイイ(美しい、かわいい)模型を作ることです。イメージが形にできるようになったら、映像作品や美術品、普段の生活から、さらにイメージを広げてまたそれを形にしていく、模型は一生楽しめる趣味だと考えています。所詮は自己満足の趣味ですが、私の作品を見てポジティブな感情を持っていただける方がいたなら、こんなにうれしいことはありません。
2024年05月19日声優の鈴村健一が、体調不良のため休養することが16日、自身が代表を務める所属事務所「インテンション」の公式サイトにて発表された。公式サイトでは「鈴村健一に関しましてのご報告」とし、「平素より鈴村健一へ温かいご声援をいただきまして、誠にありがとうございます。弊社所属の鈴村健一ですが、この度、体調不良のため静養に専念することとなりました」と報告。理由については「体調不良が続き、医師の診断の結果、休養が必要との判断に至りました。今後につきましては回復を最優先とし、活動再開につきましてはあらためてご報告申し上げます」と説明。「いつも応援してくださっている皆さま、ならびに各関係者の皆さまには多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます」と伝えた。鈴村はアニメ『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』シン・アスカ役、『銀魂』沖田総悟役、『黒子のバスケ』紫原敦役、『宇宙戦艦ヤマト2199』島大介役、『銀河英雄伝説 Die Neue These』ヤン・ウェンリー役などで知られる人気声優で、アーティスト活動もしており、現在は放送中のアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編で蛇柱・伊黒小芭内役で出演中。多くのラジオ番組のパーソナリティも務めている。また、中村悠一、東山奈央、内田雄馬ら人気声優が所属する声優事務所「インテンション」の代表も務めている。
2024年05月16日3児のママで小児科医、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、「子どもの五月病」について解説してもらいます。こんにちは。小児科医の保田典子です。今日は「子どもの五月病」についてです。5月から6月は大人も子どもも体調不良が出やすい時期です。そのような兆候があれば参考にしていただけると幸いです。 子どもの五月病って?五月病とは病名ではなく、4月に新年度が始まってしばらくたってから現れる心身の不調の総称です。特別な診断基準があるわけではありません。また、子どもの五月病といっても大人と変わりがあるわけではありません。大人があるように、子どもにも体調不良が出やすい時期ですよ、ということです。 五月病に限らずですが、夕方だけ微熱がでる、木曜日や金曜日になると熱がでる、食欲が減ってくるなどは疲れがたまってきている兆候です。 特に、4月から保育園や幼稚園に新しく入園した子は、最初緊張しながら頑張って体調を維持していたのが、5月ごろには疲れがたまってしまい、体調不良が出ることがあります。4月は風邪症状のみで熱を出すことはなかったのが、熱を頻繁に出したり、悪化すると肺炎になったりもします。 大人は集中力の低下など精神症状が前面に出ることが多いようですが、子どもは身体症状に出ることが多いです。朝に腹痛が出たり、頭痛などを訴えたりする子もいます。症状が出た場合は、受診しましょう。 五月病の予防と対処法五月病は心身の疲れなので、特別な治療法があるわけではありません。その代わり、当たり前の生活習慣を整えることが最大の予防であり対処法です。 ① 早寝(早起き)特別早寝をする必要はありません。いつもの時間より早寝をするのは睡眠学上難しいともいわれています。いつもの時間に、いつものように寝る習慣を心がけましょう。 ② 入浴:湯船に入る熱のない子は湯船に入りましょう。湯船に入ると自律神経も整いやすく、体の循環にも良いです。入浴後1時間から1時間半後に寝ると睡眠が深くなり良質な睡眠が得られると言われています。鼻水がある子は入浴によりすっきりしやすいというメリットもあります。咳がひどい子は長湯をしないほうが良いでしょう。 ③ 食事の栄養バランスに気をつける食事の栄養バランスも大切ですが、疲れているときは胃腸も弱っているので、脂っこいものを避けたほうが体にも良いでしょう。食欲がないときのおやつは、スナック菓子など脂っぽいお菓子を食べさせないほうがベター。補食はおにぎりなどが理想的です(が、食べられるものを食べましょう)。 理想の生活はありますが、無理せずに!5月は大人も子どもも疲れがでやすい時期。「無理なく、大人も子どももラクな生活」を目指しましょう。理想の生活を目指して子どもにつらく当たってしまっては本末転倒です。 4月に環境が大きく変わった家庭は、週末は遠出ではなく、お家の近くで遊ぶなど週末に体調を整えるのも良いですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2024年05月10日2024年5月2日(木)、「團菊祭五月大歌舞伎」が東京・歌舞伎座で開幕。初日公演のオフィシャルレポートが到着した。昼の部は尾上松也、中村萬太郎、尾上右近の花形三人による『鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのひめごと)おしどり』で華々しく幕開き。鴛鴦の精が本性を顕すぶっかえりなどの華やかな演出も盛り込まれた、幻想的で古風な趣溢れる舞踊だ。昼の部『鴛鴦襖恋睦』左より)河津三郎:尾上松也、遊女喜瀬川:尾上右近、股野五郎:中村萬太郎©松竹遊女の喜瀬川(尾上右近)をめぐって源氏方の河津三郎(松也)と平家方の股野五郎(萬太郎)が喜瀬川を行司役にして相撲を取る。わざと河津へ勝負を譲り、酒に酔わせた上で討ち取ろうと考えた股野は、池で泳ぐ鴛鴦の雄を殺し、生き血を河津の酒に混ぜる……。やがて泉水に雌鴛鴦の精(尾上右近)が姿を現し、股野に子らそれた雄鳥の死を嘆く。そこへ雄鴛鴦の精(松也)が河津の姿を借りて現れ……。鴛鴦の精の艶やかさ、華やかな所作ダテが繰り広げられると、客席は拍手に包まれた。昼の部『鴛鴦襖恋睦』左より)股野五郎:中村萬太郎、雌鴛鴦の精:尾上右近、雄鴛鴦の精:尾上松也©松竹続いては、歌舞伎十八番の内『毛抜(けぬき)』。元禄歌舞伎の大らかな雰囲気に溢れる本作は、七世市川團十郎が「歌舞伎十八番」に選定し、その後長らく上演が途絶えていたが、1909(明治42)年に二世市川左團次が復活上演。以降、左團次家に大切に受け継がれ、四世左團次は左團次襲名の際にも演じて以来の当り役とした。当月は、昨年逝去した四世市川左團次一年祭追善として上演し、左團次長男の市川男女蔵が父の当り役・粂寺弾正に挑み、左團次孫で男女蔵長男の市川男寅が錦の前を勤める。所縁の出演者で名優を偲ぶ今回の上演で、左團次と数々の名演を魅せた尾上菊五郎は小野春道を初役で勤める。菊五郎は男女蔵の弾正について「お父つぁんに大分似てきましたね」と述べている。また、市川團十郎が後見として出演。昼の部『毛抜』左より)秦民部:河原崎権十郎、乳人若菜:市村萬次郎、粂寺弾正:市川男女蔵、錦の前:市川男寅、小野春道:尾上菊五郎、小野春風:中村鴈治郎、八剣玄蕃:中村又五郎©松竹小野小町の子孫、小野春道(菊五郎)の屋敷。錦の前(男寅)の許嫁である文屋豊秀の家臣、粂寺弾正(男女蔵)がやって来る。弾正が花道に登場すると、亡き父左團次を彷彿とさせる大らかな姿と、よく通る声に客席からは大きな拍手が送られた。前半では弾正が腰元の巻絹(中村時蔵)や若衆の秀太郎(中村梅枝)に言い寄って振られてしまう愛嬌を見せ、後半では鋭い知性で小原万兵衛(尾上松緑)の嘘を見破り、錦の前の髪が逆立つ原因を突き止め、派手な見得の数々で何度も観客を沸かせた。弾正は見事小野家の騒動を収め、後見で登場した團十郎に見守られながら、「いずれも様のおかげをもちまして、身に余る大役をどうやらおおせた様にござりまする。どりゃ、お開きと致しましょう」と明瞭なセリフと共に意気揚々と花道を引っ込むと、客席からは割れんばかりの拍手が送られた。昼の部『毛抜』左より)粂寺弾正:市川男女蔵、秦秀太郎:中村梅枝©松竹昼の部の幕切れは、『極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)』。日本の俠客の元祖といわれ、江戸時代に実在した幡随院長兵衛を題材にした数多の作品の中でも、名作者・河竹黙阿弥によって書かれ、1881(明治14)年に九世團十郎によって初演された本作が「極付」。昼の部『極付幡随長兵衛』左より)女房お時:中村児太郎、幡随院長兵衛:市川團十郎©松竹劇中劇として上演される『公平法問諍』が舞台上で繰り広げられる中、客席から幡随院長兵衛(市川團十郎)が登場すると、客席からは大きな拍手が起きる。騒動を収めた長兵衛だが、対立する水野十郎左衛門(尾上菊之助)が呼びかけたことで長兵衛の子分たちがいきり立ち一触即発の事態に。続く長兵衛内の場では、水野邸へ招かれた長兵衛が死を覚悟して女房のお時(中村児太郎)や息子の長松、弟分の唐犬権兵衛(市川右團次)はじめ子分たちに別れを告げ、観客の涙を誘う。水野邸では、長兵衛と水野、近藤登之助(中村錦之助)が過去の遺恨を水に流そうと盃を交わすが……。湯殿で大立廻りの末、潔く散る長兵衛の生き様に胸が打たれる。「長兵衛の孤高の精神は、女房や子分たちには理解されません。しかし、そのもどかしさや心の動きがお客様に伝わるように演じるのが重要です」と事前の取材会で話していた團十郎。父・十二世團十郎から最後に教わった役であるという長兵衛を十三代目襲名後初めて勤め、盛大な拍手が送られた。昼の部『極付幡随長兵衛』幡随院長兵衛:市川團十郎©松竹夜の部は菊之助・丑之助が親子共演、團十郎出演の「先代萩」、松緑が初役に挑む『四千両小判梅葉』夜の部の幕開きは、江戸初期に起きた三大御家騒動のひとつ「伊達騒動」を題材に作られた『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』。忠義を尽くす乳人政岡の苦衷を描く「御殿」と、御家乗っ取りを企む仁木弾正の妖しさと凄味が印象的な「床下」の場面は繰り返し上演されている。今月の上演では、「御殿」で乳人政岡を尾上菊之助、その息子の千松を菊之助長男の尾上丑之助という親子共演が話題。「床下」では代々の團十郎が演じてきた仁木弾正を、襲名以降初めてとなる市川團十郎が勤める。夜の部『伽羅先代萩 御殿』左より)乳人政岡:尾上菊之助、鶴千代:中村種太郎、一子千松:尾上丑之助、栄御前:中村雀右衛門©松竹夜の部『伽羅先代萩 床下』仁木弾正:市川團十郎©松竹足利家の乗っ取りを目論む仁木弾正らの策略により、隠居を命じられた足利頼兼に代わり息子の鶴千代が家督を相続るが、鶴千代は弾正らに命を狙われる。舞台は足利家の御殿。毒殺を恐れ、政岡(菊之助)が自らの手で鶴千代(中村種太郎)と千松(丑之助)の食事を用意している。茶道の作法で米を炊く「飯炊(ままた)き」に今回初めて挑む菊之助は「鶴千代と千松に対してそれくらい母性を出せるかが課題だと思っています」と公演前にコメント。母の言いつけを守り鶴千代の身代わりとなった健気な千松の姿と、我が子の亡骸を前にして包み込むような母性を政岡が見せ、客席は温かい空気に包まれた。床下では、鶴千代を守る荒獅子男之助(市川右團次)の豪快さと、仁木弾正(市川團十郎)の妖しさの対比が弾正の凄味を増幅させ、客席を圧倒した。夜の部『伽羅先代萩 御殿』前左より)八汐:中村歌六、一子千松:尾上丑之助後左より)乳人政岡:尾上菊之助、鶴千代:中村種太郎、栄御前:中村雀右衛門©松竹夜の部『伽羅先代萩 床下』左より)仁木弾正:市川團十郎、荒獅子男之助:市川右團次©松竹続いては、『四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)』。盗賊を主人公にした「白浪物」を多く著した河竹黙阿弥の晩年作で、明治18(1885)年に五世尾上菊五郎の富蔵で初演。黙阿弥が実際の牢内の様子や囚人たちの姿とそのしきたりなどを舞台上に再現させ、好評を博した。今月は、祖父である二世松緑が上演を重ね、当代菊五郎に師事した尾上松緑が初役で富蔵を勤めることが話題となる。夜の部『四千両小判梅葉』左より)野州無宿富蔵:尾上松緑、藤岡藤十郎:中村梅玉©松竹四谷見附で屋台のおでん屋を営む富蔵(尾上松緑)は、以前勤めていた屋敷の恩義ある若旦那の藤岡藤十郎(中村梅玉)と偶然再会し、江戸城の御金蔵破りを持ち掛ける。松緑は富蔵について「物の道理をわきまえた肚の座った人物」と話し、梅玉は藤十郎を「気の弱い、世間知らずのボンボンです」と語る通り、命がけの悪事を面白がる富蔵と小心者の藤十郎の対比が観客の目を惹く。無事に金を盗み出した二人でしたが、富蔵は生き別れた母を訪ねた加賀で捕らえられる。江戸へ送られる途上の熊谷の土手で、降りしきる雪の中で女房おさよ(中村梅枝)と娘お民、舅の六兵衛(坂東彌十郎)と今生の別れを惜しむ場面は涙を誘った。富蔵が入れられた伝馬町西大牢では、牢名主の松島奥五郎(中村歌六)を筆頭に、隅の隠居(市川團蔵)、数見役(坂東彦三郎)、頭(坂東亀蔵)、三番役(中村歌昇)、四番役(中村種之助)たちが牢内のしきたりや決まりに従って暮らしている。囚人となっても大物ぶりを発揮する富蔵の姿を、客席は固唾を呑んで見守った。場面ごとに様々な表情を見せ、ドラマチックに展開させる黙阿弥の異色の白浪物に大きな拍手が送られた。夜の部『四千両小判梅葉』左より)牢名主松島奥五郎:中村歌六、頭:坂東亀蔵、数見役:坂東彦三郎、野州無宿富蔵:尾上松緑、三番役:中村歌昇、四番役:中村種之助、隅の隠居:市川團蔵©松竹夜の部『四千両小判梅葉』左より)黒川隼人:中村莟玉、野州無宿富蔵:尾上松緑、石出帯刀:坂東楽善、藤岡藤十郎:中村梅玉©松竹「團菊祭五月大歌舞伎」は5月2日(木)から26日(日)まで、東京・歌舞伎座で上演中。<公演情報>團菊祭五月大歌舞伎【昼の部】11:00~一、『鴛鴦襖恋睦』二、四世市川左團次一年祭追善狂言歌舞伎十八番の内『毛抜』三、河竹黙阿弥 作『極付幡随長兵衛』【夜の部】16:15~一、『伽羅先代萩』二、河竹黙阿弥 作『四千両小判梅葉』2024年5月2日(木)~5月26日(日)※8日(水)、16日(木)休演※9日(木)、10日(金)は学校団体が来観会場:東京・歌舞伎座チケット情報:()公式サイト:
2024年05月07日バタバタしがちな新年度を乗り越えて、楽しいゴールデンウィークが終わってしまうと、何もしたくない…なんて無気力状態に陥ることも。いわゆる「五月病」など、気分が落ち込みやすい時期でしょう。今回は、イラストが何に見えるかの答えから、あなたにピッタリな「五月病の撃退法」がわかる心理テストをお届けします。Q.次のイラストは何に見えますか? 一番近いものを選んでください。A:プリンアラモードB:電気スタンドC:テレビD:ソファーあなたはどれを選びましたか?さっそく結果をみてみましょう。この心理テストでわかるのは?「五月病の撃退法」深層心理において“いろいろに見えるイラスト”には、無自覚な感情や現在のパワーが投影されます。そのため選んだ答えから、「五月病の撃退法」を調べることができるのです。A:「プリンアラモード」を選んだあなた……マインドフルネスを日課にする他人にも自分にも優しいあなた。無理は基本しない傾向があり、辛いときはサッと逃げ出すことにも抵抗感はないかもしれません。意思も弱めとはいえ、周りの人達とはうまくやれるタイプでしょう。ただし、メンタルが揺らぎやすいため、意外と五月病に悩む可能性も高そうです。撃退するには、マインドフルネスを日課にして心身を整えておくことが大切。日々マメにチューニングしておけば、環境の変化やちょっとしたトラブルにもダメージを受けることなく、常に健やかマインドをキープできるでしょう。B:「電気スタンド」を選んだあなた……優等生をやめるあなたは、明るくしっかりしたタイプ。ハキハキとした受け答え、どんなことにも前向きに取り組む姿はオールラウンドな世代から好印象を持たれていそう。それは素晴らしい長所とはいえ、いつもきちんとした自分でいることに疲れてしまうこともあるのでは?五月病を撃退するには、優等生をやめるのが一番。それは好き勝手にやれという意味ではなく、何事もきちんとしなくてはいけないという自分で自分を縛っていた考えを手放すこと。いい意味で肩の力を抜けば、理由もなく感じるモヤモヤや不安も自然と消えていくでしょう。C:「テレビ」を選んだあなた……気持ちを紙に書き出す好奇心旺盛で行動力抜群なタイプと言えば、この答えを選んだ人。やってみたいと思ったら、すぐに試してみないと気が済まないチャレンジャー気質の持ち主と言えます。いつもあちこち飛び回って元気なあなたは、五月病とはあまり縁のない人生を送っているかも。とはいえ、どんな人でも不調に陥ることがあります。もし五月病かな?と思ったら、モヤモヤを紙に書き出してみましょう。心に浮かんだ気持ちや思いをそのまま吐き出せば不思議とスッキリ!またいつもの前向きさが戻るでしょう。D:「ソファー」を選んだあなた……信頼している人に話すこの答えを選んだ人は、デリケートで傷つきやすい傾向が。新しい環境やメンバーの中に放り込まれると、緊張で疲れ切ってしまうこともあるでしょう。ただし、あなた自身メンタルが弱いことを自覚しているため、セルフヒーリング力が高いのは幸いかも。いつも通り日々メンテナンスしていれば実は、五月病になる可能性は少ないはず。それでも心が重たくなったり、辛くなったりしたときは、信頼している人に話を聞いてもらってください。会話のキャッチボールをすることで、袋小路にハマっている原因がわかったり、モヤモヤが消えたりするでしょう。おわりに五月病は、誰がかかってもおかしくないもの。ぜひ今回の解説を参考に、この時期を乗り切ってくださいね。©Graphics Designer Nakib/shutterstock文・月風うさぎ
2024年05月06日新年度が始まり、環境が変わった人もいるでしょう。5月の連休が終わったころは、期待とともに感じるストレスや不安から、五月病と呼ばれる不調を抱える人も少なくありません。メンタル不調を防ぐためには食事の選び方も大切です。そこで今回は、五月病を防ぐために避けるべきNGな食事と、おすすめの食べ物について解説します。五月病とは新年度が始まった直後は、新しい環境に慣れるためにもやる気に満ちた毎日を送っていたのに、5月の連休が終わったころにだるさを感じたり、体調不良になったりしたことはありませんか。新しい環境や職場に慣れようとする過程で受けるストレスや不安、疲労などによりモチベーションの低下などが生じることも多いといわれています。メンタルの健康を保つためには人とのコミュニケーションや適度な運動などが効果的ですが、日々の食事もメンタルに影響を与えているでしょう。五月病を防ぐために避けたい食事甘いものなど間食を食べ過ぎるスナック菓子やチョコなどの間食は気分転換にもなりますよね。しかし、ストレス解消に間食を摂る習慣がある人は注意が必要です。間食による摂取エネルギーが多いと食事量が減り、栄養の偏りや不足につながっている可能性があります。また、間食を多く摂る習慣がある人は、そうでない人に比べてうつ病リスクが高くなるという説も。間食の適量は1日当たり200kcal程度ですので、適度に楽しみましょう(※1)。お菓子ではなく果物やヨーグルトなど、栄養価の高いおやつを選ぶのもおすすめです。炭水化物に偏った食事日々忙しいとパンやおにぎり、カップラーメンだけなどの炭水化物に偏った食事が多くなる人もいるかもしれません。しかしこのような食事は栄養バランスが乱れ、メンタルに影響を与える栄養素なども不足しやすくなります。たとえば精神状態に影響しやすい「セロトニン」(※2)の材料となる「トリプトファン」は肉や魚などに多く含まれるため、不足しないように毎食摂りたいものです。主食・主菜・副菜のそろった食事を心がけましょう。朝食欠食など不規則な食生活食事の時間が不規則になると、生活リズムの乱れや睡眠不足にもつながります。その結果、心と体のストレスもたまるという悪循環に陥りやすいのです。特に朝ごはんを抜くと、脳のエネルギー源のブドウ糖が不足し、頭がぼんやりしたまま集中力が持たない可能性も。仕事や勉強の効率も下がり、精神的なストレスにつながります(※3)。朝ごはんを抜く習慣になっている人は、ヨーグルト・果物・味噌汁など、食べやすいもから摂ってみてください。五月病を防ぐためにおすすめの食事トリプトファントリプトファンとは、脳内の神経伝達物質「セロトニン」を作る原料となるアミノ酸の一種です。セロトニンは心を落ち着かせる働きがあるため、不足すると不安やうつなどの精神症状がおこりやすくなるといわれています。トリプトファンは肉・魚・玉子・大豆製品などのたんぱく質が多い食品のほか、バナナやナッツなどに多く含まれています。これらはぜひ日々の食事に取り入れましょう。ビタミンC野菜や果物に多く含まれているビタミンCは「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、ストレスから体を守る働きを担っています(※4)。ビタミンCはピーマンやブロッコリー、キウイやいちご、ジャガイモやさつまいもなどに多く含まれます。日々の食事で野菜や果物を意識して摂れるとよいでしょう。いも類に含まれているビタミンCは加熱しても壊れにくくおすすめです。鉄体内の鉄が不足すると、疲れやすさ・めまい・頭痛など、貧血の症状があらわれやすくなり、メンタルにも影響をおよぼす可能性が示唆されています。特に女性は鉄が不足しやすいため、食事から摂って鉄不足を予防しましょう。鉄はレバー、ひじき、赤身の肉や魚、小松菜・ほうれん草などの野菜、納豆や豆腐などの大豆製品などに多く含まれています。鉄には、肉や魚など動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよいため、積極的に摂れるとよいでしょう。また鉄はビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすくなります(※5)。食生活に気を付けながら五月病を乗り切りましょう五月病の予防には、今回お伝えしたような食事のポイントに加え、充分な睡眠や運動、リラックスする時間を持つことも大切です。ストレスをためないよう適度に気分転換できるといいですね。心配な症状が続く場合は専門家への相談をお勧めします。心身の健康を保ち、楽しい春を過ごしましょう。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)※2 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン※3 農林水産省.朝食が大事なワケ※4 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン※5 厚生労働省.e-ヘルスネット 鉄©hakase420/Adobe Stock ©Paylessimages/Adobe Stock筆者情報寺内麻美管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。文/管理栄養士・寺内麻美
2024年05月04日息子は義実家にとって初孫で、義父も義母も息子の誕生をとても喜んでくれました。初節句が近づき、義母から「息子(私の夫)の五月人形を譲りたい」という申し出が。いったんはその申し出を受け入れてしまった私の後悔と、そこで学んだことをお伝えします。初節句が近づき、義母からの提案息子の初節句が近づいたころ、私の両親から息子に五月人形を贈りたいと提案がありました。私たち夫婦はその提案をありがたく受けようと思い、念のため夫の両親にもその旨を伝えました。 すると義母から「息子の五月人形をずっと保管しているので、それを譲りたい」と連絡が。せっかくの申し出でしたが、夫の実家はお世辞にもきれいとは言えず、物が多く散らばっている印象……。夫の初節句の人形なら30年以上も前の物なので、嫌な予感がした私は夫に実家に帰って実際の人形を確認してもらうことにしました。 夫曰く、「たしかに古いけれど、目立つ汚れもなく状態はよかったよ」と。それであればと私の両親からの提案は断り、夫の五月人形を譲っていただくことにしました。 汚れが目立ち、壊れている五月人形数日後、五月人形を持って実家から帰宅した夫。夫が出した人形を見ると、明らかに人形は劣化して汚れが目立ち、付属品は壊れている物もあったのです。その人形の状態を見た私は思わず絶句……。わざわざ確認に行った夫にも、この状態の人形を譲りたいと言った義母にも怒りに似た感情がわいてきました。 そうは言っても、もういただいてしまったもの。でもこの人形をせっかくの息子の初節句に飾るなんて嫌! そう思った私はすぐにネットで調べ、こどもの日に間に合うタイミングまでに五月人形のクリーニングと修理をしてくれるところを探しました。見つけた業者にすぐ依頼し、子どもの日の3日前に壊れた部品の交換とクリーニングを終えた人形が無事に帰ってきました。 人形をしまうとき、さらなる追い打ちが……戻ってきた五月人形は年月が経っているため劣化はあるものの、夫が持ち帰ってきたときよりはだいぶマシな状態に。初節句のお祝いも無事に終え、せっかくいただいた物だし来年からもちゃんと飾ろう、と考えていた私。しかし、人形をしまうときにまた私は絶句するのです……。 夫が持ち帰ってきたときは夫が箱から出したため気がつかなかったのですが、保管されていた箱がカビだらけ!! 何か鼻をつくような臭いもします。こんな状態の箱に入っていたら、人形の内部もカビているかもしれません。この人形をこれからずっと息子の節句に飾ると思うと、悲しい気持ちになりました。 夫にキレてしまった私そして私は夫にブチ切れ! なぜ箱がこんな状態なのに気がつかないのか、そもそも人形自体、劣化も汚れも、壊れている部分もあったのに、と。こんな物をこれから先ずっと飾るなんて到底無理だと伝えました。 私の怒りと箱の状態を目の当たりにし、夫もようやく事の重大さに気がついたようでした。「自分の初節句に母方のおばあちゃんが買ってくれたものだから、断りにくさもあった。汚れや壊れているのに気がつかなかったのも悪かった。たしかにこの状態はひどいと思う」と認めてくれ、夫と話し合った結果、五月人形は夫の実家に返すことになったのです。 結局翌年、息子の2回目の節句に五月人形を買うことにしました。私たち家族と私の両親で選び、良いものが購入できて大満足! 今回のことで夫の実家からは基本的に何かをいただくのはやめたいと夫に話しました。もしも何かいただくときは、必ず私も実物を見て確認することに。五月人形に関しては、夫がきちんと確認せずに大丈夫と言ってしまったこともあり、義母も悪気があったわけではないと思いますが、価値観の違いを感じた一件です。 著者:林 ゆり2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2024年05月03日歌舞伎俳優の市川團十郎が4月4日(木)、都内で行われた歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」の取材会に出席した。歌舞伎座の5月公演として開催される「團菊祭五月大歌舞伎」(5月2日初日~26日千穐楽)は、“明治の劇聖”とうたわれた九世市川團十郎と五世尾上菊五郎の偉業を顕彰するために始まった、長年ファンに愛される五月興行恒例の祭典。今回は昼夜二部制で行われ、昼の部では、九世團十郎に当てて河竹黙阿弥が書いた傑作『極付幡随長兵衛』を上演。江戸時代初期の浅草花川戸に実在し、日本の侠客の元祖と言われた幡随院長兵衛を主人公にした物語で、團十郎は襲名以降、初めて長兵衛役を勤める。『極付幡随長兵衛』幡随院長兵衛=市川團十郎(当時 十一代目市川海老蔵)2014(平成26)年5月歌舞伎座写真提供:松竹(株)長兵衛役は、2013年2月に死去した父・十二世團十郎から最後に教わった役。亡くなる前の2012年12月、稽古の様子を撮影したDVDを入院中の父に見てもらったといい、「私の本名の『堀越寶世へ』と手紙をつづってくれた。私がやっている幡随長兵衛への思いですとか、周りの部分はこういう風にしてもらったらいいと丁寧に書いてくれた。あまり褒めることはしない父でしたが、その時はめずらしく『悪くないんじゃないか』と」と回想。「その時のように、今回も頑張りたい」と決意を語った。『幡随長兵衛』では、水野十郎左右衛門役の尾上菊之助と共演することが決定。取材会では、かつて“平成の三之助”として注目を浴びた尾上松緑の名前も挙げ、「今回も3人で何かやりたいという思いが強かったのですが、叶いませんでした」と少々、残念そうな表情。それでも、「菊之助さんとは先日も『勧進帳』で共演しましたし、松緑さんとは誕生日プレゼントを贈り合う仲で、皆さんが思うほど、仲は悪くないです(笑)。歌舞伎のために、何ができるのか、考え合える仲間でありたい」と絆を語った。同じく昼の部では、四代目市川左團次さんの一年祭追善狂言として上演する歌舞伎十八番の内『毛抜』を上演し。團十郎は後見として、左團次さんの長男で、粂寺弾正役を勤める市川男女蔵を支えることに。「左團次さんには大変お世話になりました。市川宗家のためにどうあるべきか、考えてくださる方でしたし、左團次さんへのご恩を返さないといけないと思いまして、後見として見守らせていただきます。今回が限りではなく、これからもやれることをやりたい」(團十郎)。夜の部『伽羅先代萩』では、悪の魅力あふれる仁木弾正を演じることになっている。『伽羅先代萩』仁木弾正=市川團十郎(当時 十一代目市川海老蔵)2017(平成29)年5月歌舞伎座写真提供:松竹(株)取材・文・撮影:内田涼<公演情報>歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」2024年5月2日(木)~5月26日(日)昼の部:11:00~夜の部:16:30~【休演】8日(水)、16日(木)会場:東京・歌舞伎座<昼の部>一、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)おしどり河津三郎/雄鴛鴦の精:松也遊女喜瀬川/雌鴛鴦の精:尾上右近股野五郎:萬太郎二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)四世市川左團次一年祭追善狂言粂寺弾正:男女蔵腰元巻絹:時蔵小野春風:鴈治郎小原万兵衛:松緑八剣数馬:松也秦秀太郎:梅枝錦の前:男寅若菜:萬次郎秦民部:権十郎八剣玄蕃:又五郎小野春道:菊五郎後見:團十郎三、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)河竹黙阿弥 作「公平法問諍」幡随院長兵衛:團十郎水野十郎左衛門:菊之助女房お時:児太郎出尻清兵衛:男女蔵唐犬権兵衛:右團次近藤登之助:錦之助<夜の部>一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)御殿床下〈御殿〉乳人政岡:菊之助栄御前:雀右衛門沖の井:米吉八汐:歌六〈床下〉仁木弾正:團十郎荒獅子男之助:右團次二、四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは)河竹黙阿弥 作「四谷見附より牢内言渡しまで」野州無宿富蔵:松緑数見役:彦三郎頭:坂東亀蔵女房おさよ:梅枝浅草無宿才次郎:萬太郎伊丹屋徳太郎:巳之助浜田左内:権十郎うどん屋六兵衛:彌十郎隅の隠居:團蔵牢名主松島奥五郎:歌六藤岡藤十郎:梅玉チケット情報:()公式サイト:(無断転載禁止)
2024年04月06日こいのぼり製造会社の株式会社 徳永こいのぼりは、2024年2月1日に木製の五月人形「新樹の光」の販売を開始いたしました。新作五月人形「新樹の光」これからの時代に合う新しい五月人形を作るにあたり、原型の作製とデザインを世界的に活躍する彫刻家の灰原愛先生に依頼しました。灰原先生の作品は、木の魅力を活かした温もりのある優しい表現が特徴的です。作品の世界観を実現するにあたり、無垢の木を一から彫刻し、一つ一つ手作業で塗装するという、今までにない新しい作り方に取り組み、ここにしかない新しい五月人形が完成しました。彫刻でしか出せない、着物の模様やしわなどの立体的な表現。色を何層にも塗り重ねることで作り出される、深みのある色彩と温もりのある雰囲気が魅力。■木でつくる、新しい五月人形灰原先生の作品は、木の風合い、優しい色彩と温もりのある表現が特徴です。上品で日本らしさとともに、現代のインテリアによく合います。使用する木材は木目も柔らかで美しいヒノキ材を使用。天然木の優しい雰囲気で空間を包み込んでくれます。無垢の木を一から彫刻し、一体ずつ手作業で塗装するという工程を経て、作品の優しい雰囲気を再現することに成功しました。彫刻でしか出せない、鎧の立体的な文様を表現しました。色を何層にも塗り重ねることで作り出される、深みのある色彩と温もりのある雰囲気が魅力です。■現代のインテリアに合うモダンな五月人形木の温もりのあるモダンなデザインの五月人形は、現代のインテリアによく合います。華美過ぎない洗練された佇まいは洋室、和室、どんな空間にも馴染みます。木の持つ温もりと、優しい表情でお子さまの成長を見守り、大きくなってからも宝物のようにずっと大切に飾っていただける価値のある五月人形です。■商品と販売について商品名: 灰原愛の五月人形〈新樹の光〉価格: 154,000円(税込)本体価格: 140,000円(税抜)材質: 雛人形、台座:ヒノキ材サイズ: H235×W193×D195mm重さ: 850g(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2024年02月16日こいのぼり製造会社の株式会社 徳永こいのぼり(岡山県)は、2024年2月1日に木製の五月人形「新樹の光」の販売を開始いたしました。《商品ページ》URL: 新樹の光01■新作五月人形「新樹の光」これからの時代に合う新しい五月人形を作るにあたり、原型の作製とデザインを世界的に活躍する彫刻家の灰原愛先生に依頼しました。灰原先生の作品は、木の魅力を活かした温もりのある優しい表現が特徴的です。作品の世界観を実現するにあたり、無垢の木を一から彫刻し、一つ一つ手作業で塗装するという、今までにない新しい作り方に取り組み、ここにしかない新しい五月人形が完成しました。新樹の光02彫刻でしか出せない、着物の模様やしわなどの立体的な表現。色を何層にも塗り重ねることで作り出される、深みのある色彩と温もりのある雰囲気が魅力。■木でつくる、新しい五月人形灰原先生の作品は、木の風合い、優しい色彩と温もりのある表現が特徴です。上品で日本らしさとともに、現代のインテリアによく合います。使用する木材は木目も柔らかで美しいヒノキ材を使用。天然木の優しい雰囲気で空間を包み込んでくれます。新樹の光03新樹の光04新樹の光05無垢の木を一から彫刻し、一体ずつ手作業で塗装するという工程を経て、作品の優しい雰囲気を再現することに成功しました。彫刻でしか出せない、鎧の立体的な文様を表現しました。色を何層にも塗り重ねることで作り出される、深みのある色彩と温もりのある雰囲気が魅力です。■現代のインテリアに合うモダンな五月人形木の温もりのあるモダンなデザインの五月人形は、現代のインテリアによく合います。華美過ぎない洗練された佇まいは洋室、和室、どんな空間にも馴染みます。木の持つ温もりと、優しい表情でお子さまの成長を見守り、大きくなってからも宝物のようにずっと大切に飾っていただける価値のある五月人形です。新樹の光06新樹の光07■作家紹介灰原愛は1981年、岡山県生まれの彫刻家。東京藝術大学、そして同大学院に学び、修了の翌年から個展やグループ展で積極的に作品の発表を始める。伝統的な木彫りにアクリル絵具を融合させた作品で、実力に裏付けされた独自の世界を展開する灰原は、現代彫刻界で注目を浴びる新星。新樹の光08Profile灰原 愛 Ai Haibara〈略歴〉1981年 岡山県生まれ2004年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業2006年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了〈個展〉2007年 胸のざわめき/フタバ画廊(東京)2008年 秘密の花園/unseal contemporary(東京)2010年 はじまりの世界/unseal contemporary(東京)2011年 colorful/Butchart International , Contemporary Art Space(台北)2013年 愛ある世界/岡山天満屋5階美術ギャラリー(岡山)2016年 予感/高島屋(東京、横浜、名古屋、大阪、京都、新宿)2019年 いつかどこかで出会った君へ/瀬戸内市立美術館(岡山)気になるあの子/高島屋(東京、大阪、横浜)2021年 流星のスペクトル/Neptune Gallery(台北)2022年 君にことづて/高島屋(東京、大阪、横浜、新宿)〈グループ展〉2007年 第2回アトリエの末裔あるいは未来展/旧平櫛田中アトリエ(東京)クロスロード -共鳴する美術-/倉敷市立美術館(岡山)2008年 21世紀の立体造形vol.2/松坂屋本店(名古屋)2009年 第6回犬島時間(岡山)2010年 第7回犬島時間(岡山)Japanese group show/Gallery IHN(ソウル)2011年 木の系譜三代展/高島屋(東京、大阪、京都、横浜、新宿、名古屋)2012年 Artistic Christmas vol.VI /新宿高島屋(東京)2013年 21世紀の立体造形-シリーズ最終章-/松坂屋名古屋店(名古屋)アートの今・岡山 2013/天神山文化プラザ(岡山)2014年 第4回I氏賞受賞作家展/岡山県立美術館(岡山)2015年 第10回アトリエの末裔あるいは未来展/東京芸術大学陳列館(東京)2016年 蜃気楼展/Lower Akihabara(東京)2017年 新宿高島屋美術画廊10周年記念-そして広がる-展/新宿高島屋(東京)Current Traditions: Contemporary Japanese Sculpture/ソールズベリー大学ギャラリー(アメリカ、メリーランド州)華炎/Lower Akihabara(東京)2018年 木学/XYLOLOGY -起源と起点-/旧平櫛田中邸(東京)2019年 Japanese Contemporary Sculpture Exhibition/Neptune Gallery(台北)2020年 あなたの知らない富士がある 立体造形富士山展/高島屋(東京、大阪、京都)House of the Rising Light/Dorothy Circus Gallery(ロンドン、ローマ)2021年 SPES‐9 アーティストグループ展/ギャラリー椿(東京)ライジングトライアングル~彫刻家3人の探求/新宿高島屋(東京)2022年 辰汐 彫刻家展/Neptune Gallery(台北)〈受賞〉2011年 第4回岡山県新進美術家育成「I氏賞」 奨励賞受賞■商品と販売について商品名 : 灰原愛の五月人形〈新樹の光〉価格 : 154,000円(税込)本体価格 : 140,000円(税抜)材質 : 雛人形、台座:ヒノキ材サイズ : H235×W193×D195mm重さ : 850g商品ページ: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月09日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生の頃は多忙な母に代わり子どもの世話をしてくれるものの、彼独自のルールは虐待に近いものでした。しかし、あおいさんが中学生になると理不尽なルールへの対処法も身につけます。一方、ピンちゃんは酒に溺れ、親友との電話を邪魔された母に「アル中」と言われて逆上した彼は母に手を上げます。一度は暴力を反省し家を出るも、すぐに母に連れ戻されます。依存症になるほど酒漬けのピンちゃんは体調が急変し病院で急性膵炎と診断されます。入院したことでこれまで彼が働いてなかったことが明らかになりーー。7年一緒に暮らしてきたピンちゃんですが、驚くことに5年も仕事せずにいたことが判明。4人の子どもがいるあおいさん一家。生活を支えるため懸命に働いてきた母の身体は満身創痍。これ以上彼を支え続ける余力はなく、母はピンちゃんとの別れを決めるのでした。 たくさんの「もしも」をクリアできれば、彼は2人目のお父さんになれた? ピンちゃんは退院後、あおいさん一家と言葉を交わすこともなく実家へ帰りました。彼のいない生活ーー。それはモノが隠される心配のない、宿題後のゲームやアニメを制限されることがない、お菓子を好きなだけ食べることのできる、誰にも縛られない・怯えない「平和な時間」でした。 そんな平穏な時間を取り戻した後に残ったのは、ピンちゃんに対するほんの少しの後悔でした。「もし、彼のお母さんが普通の人だったら」「もし、彼が普通の幸せを知っていたら」「もし、出逢うのが今だったら」 たくさんの「もし」があおいさんの心に浮かびますが、すべては結果論であり、いろいろ乗り越えた「今」だから思えること。時間を巻き戻すことはできません。いつか不幸のループから抜け出し、願わくば彼も幸せであってほしいと思うのでした。 ◇◇◇ ピンちゃんがあおいさんたちから自由を奪ったように、あおいさんたちもまた彼から家族になる機会を奪っていたのでは、と振り返るあおいさん。 それは「少し大人になった今」のあおいさんだからこそ気づけることで、母も兄弟も、そしてピンちゃんも、それぞれが「その瞬間」を必死に生きていた結果のはずです。 「もし(私たちが)面倒なことから目を背けず、押し黙らず、(彼と)向き合うことを諦めなければ」この言葉は、あおいさん一家やピンちゃんに限らず、すべての人・物事に通じることかもしれません。そして、ピンちゃんにはあおいさんが願うように、どこかで幸せでいてほしいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月13日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生の頃は多忙な母に代わり子どもの世話をしていましたが、彼独自のルールは虐待に近いものでした。しかし、あおいさんが中学生になると理不尽なルールへの対処法も身につけます。一方、ピンちゃんは酒に溺れるように。親友との電話を邪魔された母に「アル中」と言われて逆上した彼は母に手を上げ一度は暴力を反省し家を出ますが、すぐに母に連れ戻されます。依存症になるほど酒漬けのピンちゃんは、ある日体調が急変し病院で急性膵炎と診断されます。ピンちゃんはあおいさんに幼少期の話をしたことがあり、その内容は悲惨なものでした。両親と弟がいる周りから見ればごく一般的な家族ですが、無関心な父と寡黙な弟、心の病でピンちゃんを道連れに死のうとする母……。彼が頼れる人は周囲におらず、強烈なまでの家族への憧れと心の闇を抱えたまま大人になったのがピンちゃんでした。 考えてみたらおかしいことばかり。なぜ今まで気づけなかったのか…… 「ピンちゃん仕事してなかったんだって。5年も」母が彼のこれまでをあおいさん兄弟に告白します。考えてみればおかしいことだらけでしたが、目の前に必死だった母は気づく余裕がありませんでした。 これからどうするの?と問うと、別れるよのひと言。子どもたちの進学にお金がかかる時期に彼を支え切れないと答える母。父と別れてから4人の子どもを育てるため、指紋がなくなるほどの摩擦や腱鞘炎など、整体師の仕事で必死に頑張ってきた母の努力をピンちゃんは踏みにじっていたのでした。 7年にわたるガマンを強いられてきた生活は意外にもあっさりと訪れ……。 ◇◇◇ あおいさんは加害者であると同時に被害者でもある彼のことをあおいさんは嫌いつつも、心の底からは拒絶できませんでした。ですがーー。 「親に恵まれなかったから可哀想」「ひとりぼっちになったら可哀想」過酷だった彼の家庭環境に同情はしますが、それだけでは彼は変わることができませんし、あおいさん一家にも彼に向き合い続ける余力はありませんでした。ピンちゃんには適切な治療と自分の心に向き合って、健全な心と体を取り戻してほしいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月12日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生の頃は多忙な母に代わり子どもの世話をしていましたが、彼独自のルールは虐待に近いものでした。しかし、あおいさんが中学生になると理不尽なルールの対処法も身につけ、家のことを話せる友人もいて、彼から逃げ場を作り日々を乗り切っていました。一方、ピンちゃんは酒に溺れるように。ある日親友との電話を邪魔された母が、「アル中」と言ったことでピンちゃんから暴力を受けます。兄弟4人は母を守りこの家から彼を追い出しますが、母がすぐに連れ戻すのでした。家に戻ったピンちゃんはすでにアルコール依存症で日々お酒の量が増え続けていました。ある日、異様な体臭を放つことに気づいたあおいさんは母に連絡。病院へ搬送されたピンちゃんは急性膵炎と診断されます。アルコールの離脱症状で彼に見える幻覚にはいつも子どもの姿があるようで……。 彼はずっとひとりぼっちだったーー 彼が話す幼少期の話によると、両親と弟とピンちゃんの4人家族。家族で出かけた際に母からバス代が足りないと言われ、兄弟2人は靴ずれができるほどの長い距離を人に尋ねながら歩いて帰ったことがあると話し、そんな理不尽もごくありふれた日常の光景だったようです。 無関心な父と寡黙な弟、心の病にかかりわが子と一緒に死のうとする母。家族の中でピンちゃんはずっとひとりでした。誰も気づかず、助けてくれない。満たされない心の孤独を抱え、身体だけが大人になったのがピンちゃんでした。 ◇◇◇ ピンちゃんを嫌っているあおいさんが一緒にいることを拒否し切れなかったのは、加害者であると同時に被害者である彼の人生の背景や闇を感じ取り、他人事には思えなかったからと振り返ります。 子ども時代に彼が憧れた「自分の家族」を持ちたいという気持ち。もしピンちゃんが、心から安心できる家庭環境で育っていたら、違った未来になったのでしょうか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月11日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生の頃は多忙な母に代わり子どもの世話をしていましたが、彼独自のルールは虐待に近いものでした。しかし、あおいさんが中学生になる頃には理不尽なルールの対処法も身につけ、家のことを話せる友人もいて、彼から逃げ場を作ることで日々を乗り切っていました。この頃から、ピンちゃんは酒に溺れるように。ある日、親友との電話を邪魔された母が、「アル中」と言ったことでピンちゃんから暴力を受けますが、兄弟4人で母を守り彼にこの家から去るように訴えましたーー。母を殴ったことを悔い一度は家を離れたピンちゃんでしたが、ほんの数日で母に連れ戻されます。男は酒を飲んで自分の身を心配されること、母はそんな彼に寄り添うこと、互いに相手に自分の存在意義を見出している2人は共依存という関係に陥っていました。 果物が腐ったような甘くて苦い、鼻にまとわりつくにおいーー 家に戻ってきたピンちゃんはすでにアルコール依存症の状態に。朝から晩まで飲み続け、その量も日毎に増えていました。 ある日、あおいさんと次女は熱と汗とともに異様な体臭を漂わせているピンちゃんの異変に気づきます。救急車を呼ぼうとすると拒否の態度を取るためあおいさんは戸惑い、仕事中の母に電話をかけます。 母が呼んだ救急車で病院へ搬送されたピンちゃんは、過度のアルコール摂取により「急性膵炎」になっていることが判明。痛みと空腹、喉の渇きがあり、さらにアルコールの離脱症状として幻覚との闘いが始まります。彼の幻覚にはいつも小さなこどもの姿があるのでしたーー。 ◇◇◇ 家に戻ってもお酒を飲み続けるピンちゃん。熱と汗、異様な体臭を漂わせ、誰がみても明らかに緊急を要する状態で、あおいさんは救急車を呼ぼうとするも、ピンちゃんに呼ぶなと言われると許可がないと動けませんでした。 自分の判断を信じて動くことができなかったあおいさん。それはピンちゃんと暮らしてきた期間、ずっと彼に従い自分の意見を押し殺す毎日を過ごしてきたからではないでしょうか。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月10日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生だった頃は多忙な母に代わって世話をしてくれましたが、彼独自のルールは虐待に近いものでした。しかし、あおいさんが中学生になる頃には理不尽なルールの対処法も身につけ、家のことを打ち明けられる友人もいて、何とか彼から逃げ場を作ることで日々を乗り切っていました。しかしこの頃から、ピンちゃんは酒に溺れるように。ある日、母は親友との長電話を邪魔され、「アル中」という言葉を発したことでピンちゃんに殴られてしまいーー。母に手を上げたピンちゃんに泣きながら立ち向かう小学生の長男。これまでずっと彼に怯えて理不尽な生活に耐えてきた子どもたちでしたが、唯一の肉親である母親を傷つけられた今は怖さよりも怒りが優先。反撃の体勢を取り、家から立ち去るよう要求するのでした。 自分に手を上げたピンちゃんを連れ戻す母。別れられない2人ーー 子どもたちの反撃に我に帰るピンちゃんは、母に手を上げた後悔と世話をしたはずの子どもに自分に対する味方がいないことに傷つき家を出ますが、母が数日で連れ戻してしまいます。 子どもたちはピンちゃんのいない生活に期待していましたが、一方で母が彼と別れられないこともわかっていました。 公園で話し合いをする母とピンちゃん。俺を捨てないでくれと泣いて懇願する彼を見て、母は自分がピンちゃんと支えないとという使命感にかられます。心配されることに自分の存在価値を確認するピンちゃんと、彼に寄り添うことで自分の存在価値を見出す母。2人の関係は共依存に陥っていました。 ◇◇◇ 幼かった頃はピンちゃんに逆らうことなんて怖くてできなかったのに、兄弟4人で力を合わせてようやく立ち向かうことができ、新しい生活を期待していましたがーー。 母とピンちゃん、2人は共依存という関係性に陥っていました。あおいさんたちの力で何かできることはあるのでしょうか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月09日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。あおいさんが小学生だった頃は多忙な母に代わって世話をしてくれましたが、彼独自のルールは虐待に近いもので、幼かった子どもたちは従わざるを得ませんでした。しかし、あおいさんが中学生になる頃には対処法も身につけ、家のことを打ち明けられる友人もいて、何とか彼から逃げ場を作ることで日々を乗り切っていました。子どもが成長して最近では酒に溺れるようになったピンちゃんは、仕事が休みと言って朝から酒をあおるように。 中学生のあおいさんには学校が避難場所でしたが、夏休みのような長期休みはその唯一の逃げ場を失う憂鬱な期間。酔った彼はさらにタチが悪くーー。 母を傷つけた。その事実だけで反撃するには十分だ! 夏休み初日。酔ったピンちゃんが外食をしようと誘いますが、外食続きでお金も心配なため食事を作るとあおいさんが断ると、「別に酔ってねぇよ!!!子どもが生意気に金の心配もすんじゃねぇ」彼は子どもたちを外食に連れ出しては、人目も憚らず些細なことで怒鳴りつけていました。 そこへ仕事終わりの母が酔っているピンちゃんにお酒飲んだのかと尋ねても、飲んでないとシラを切ります。そんな彼に悩む母は、親友に電話でグチを聞いてもらい気を紛らわせていましたが、話が盛り上がってピンちゃんの呼びかけに、つい禁句を使ってしまい……。 「誰がアル中だっ!!バカにすんじゃねぇっ」母に相手にされず、「アル中」の言葉にカッとなって思わず手を上げてしまうピンちゃん。すると長男が泣きながら全身を震わせて怒りを表し、そこでやっと正気に戻りますが時すでに遅しーー。これまで虐げられてきたあおいさんたちでしたが、唯一の肉親である母を傷つけられ、ピンちゃんに反旗を翻したのです。 ◇◇◇ 一家の長であるピンちゃんの顔色をうかがい続けてきた母とあおいさんたちは、酒に溺れて手がつけられない彼に限界を感じ、今では疎ましい存在になっていました。 母に手を上げられたことでそのタガが外れ、ずっとピンちゃんの圧力に耐え忍んできたあおいさんたちは反撃に移りますが、これからどうなるのでしょうか……。著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月08日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で家をあけることが多い母に代わって子どものめんどうを見てくれるのですが、虐待に近いルールばかりで長女のあおいさんがストレスで10円ハゲができたことも。次女の保育園の運動会で別れたはずの父の姿を発見し久々の再会に喜ぶあおいさんですが、その裏で母は父が自分の親友と付き合っていることを突きつけ、子どもには近づかないように宣告していました。あとで話そうと言っていた父が何も言わずに帰り、母から兄弟に父が来ていたことを口止めされたあおいさん。両親が別の道を歩んでいる事実にやり場のない思いを抱きますが、なす術もなく従わざるを得ません。 母の新しいパートナーであるピンちゃんが、家族の思い出をさも知っているかのように語り、父親ぶる態度に憤りを覚えるのでした。 帰りたくないーー。ピンちゃんから逃げるように学校に向かう毎日 時が過ぎ、長女あおいさんと次女あかりが中学生、長男と三女が小学生になっても、あおいさんたちの日常に大きな変化はありませんでしたが、成長したことでピンちゃんの嫌がらせに対応できるようになっていました。 一方ピンちゃんには悪い方向への変化が。酒に溺れるようになり、毎朝彼から逃げるように学校へ向かうあおいさんですが、母には相談できないピンちゃんの悩みを聞き一緒に怒ってくれる友人もできました。 しかし、夏休みには学校という逃げ場を失い、部活動などどれだけ予定を詰め込んだとしても、家にいる時間が増えてしまいます。お酒に酔ったピンちゃんは機嫌に関係なくタチが悪くなっているのでしたーー。 ◇◇◇ 中学生と小学生に成長したあおいさん兄弟。ピンちゃんのいる日常に大きな変化はないものの、幼い頃とは違って彼の嫌がらせをかわす知恵もつき、あおいさんには母に相談できない家の悩みを打ち明ける友人もいて、たくましく対応方法を見つけていました。 しかし、夏休みは嫌でも家の時間が増えてしまい、さらに酒に溺れるピンちゃんには対策が打てず、気が重いあおいさん。仕事が休みで朝から酒を飲み、家に帰っても状況が変わっていない様子。子どもが学校に行っている間、彼は何をしていたのでしょうか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月07日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安な母の隣に父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で家をあけることが多い母に代わって子どものめんどうを見てくれるのですが、虐待に近いルールばかりで長女のあおいさんがストレスで10円ハゲになるほど。一度はピンちゃんの別居の話が出るも、母を思うあおいさんは同居続行を選択します。次女の保育園の運動会で別れたはずの父の姿を発見したあおいさん。久々の父との再会に喜びますが、その裏で母は父にもう子どもに会わないよう言い渡していました。「もう来ないで。ナオミと付き合ってるんでしょ」その言葉に父は驚きますが、母は自分の親友と父が付き合っていることを以前から知っていました。 自身とピンちゃんが付き合っていることも告げ、今後はあおいさん以外の兄弟には会わないように宣告していました。 父がいた私たちの大切な過去をなかったことにしないで! 運動会会場で父を探すあおいさんでしたが、その姿が見つからず母に行方を尋ねると、「帰ったよ。パパが来てたこと、ほかの子たちには言わないでね」 その言葉で詳しいことまではわからなくても、子どもが踏み込めない「大人の事情」があることを理解するあおいさん。母と父が別の道を歩んでいることを、頭ではわかっていても心が追いつきません。 そこへ運動会を終えた次女が戻ってきて、家族全員で今日の活躍を褒めるのですが、「あかりがまだ赤ちゃんだった頃を思い出して…泣いちゃったよ!」出会ったのはつい最近のことなのに、感極まりながら事実とは異なる昔話をするピンちゃんに母も子どもも戸惑います。 まだ幼い子どもだから細かい昔のことなんてわからないと思っての発言なのか真意は分かりませんが、あおいさんにとって過去は父との大切な思い出ばかり。それを踏みにじって自分との思い出に塗りかえようとするピンちゃんにあおいさんは憎しみを覚えるのでしたーー。 ◇◇◇ 長女あおいさんは小学1年生。幼いといっても、ここ最近知り合ったピンちゃんが自分たち兄弟の赤ちゃんの頃を知っていることには違和感を覚えました。 父と母が別の道を選んだことは受け入れたくなくても従うしかなく、その状況自体に小さな心を痛めているというのに、父がいた大切な過去を簡単になかったことにすることは、子どもの心を傷つけてしまうことにピンちゃんには気づいてほしいものです。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月05日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安な母の心の隙間を埋めるように父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で夜まで家をあけることが多い母に代わって子どもたちのめんどうを見てくれるのですが、子どもたちにとっては虐待に近いルールばかりで長女のあおいさんがストレスで10円ハゲになるほど。一度はピンちゃんの別居の話が出るも、母を思うあおいさんは同居続行を選択。ある日、次女の保育園の運動会で別れたはずの父の姿を発見したあおいさん。思わず父のもとにかけよりますがーー。運動会での妹の勇姿を前列で見るためにあおいさんは早朝からピンちゃんと場所取りに行き、母を含めた3人で写真におさめる様子は側から見れば仲の良い家族そのもの。 そんな家族団欒のひとときも束の間、あおいさんの「パパがいる…」の言葉に警戒する母ですが、父の元へ行きたそうにしている様子を見て父に会うことを了承してくれました。 母「もう何もできないのに子どもに会いに来ないで!」 祖母から次女の運動会のことを聞き、仕事を抜けて見に来たという父。すぐ帰ってしまうのか心配するあおいさんに、父はほかの兄弟にも会いたいと答えてくれました。 その頃、母とピンちゃんの間ではあおいさんに父に会いに行かせたことについて口論になっていました。母はパパ好きのあおいさんのため今回は許しましたが、父が中途半端に顔を見せることは子どものためにならないので会いに来ないように話してくると言い……。 「もう来ないで。知ってるよ、アンタなおみと付き合ってるんでしょ?」母の言葉に驚く父。父は母の親友ナオミと付き合っていました。離婚前はたまに家に遊びに来る関係性でしたが、母は女の勘で彼女が父に好意を抱いていることに気づいていました。 2人の関係がいつから始まったのかわかりませんが、離婚前からだったのかもしれません。「気まぐれに会いに来たりしないで。私がピンちゃんと付き合ってるの知ってるでしょ?迷惑なの」母はあおいさん以外の子どもに会わせないと父に言い渡すのでしたーー。 ◇◇◇ 久しぶりの父との再会に喜ぶあおいさんですが、別れた父との面会について口論になる母と現在のパートナーであるピンちゃん。別れた父が母の親友と付き合っていることを知り、子どもに近づくなと元夫に訴える母。 子どもたちをめぐって複雑に絡み合う大人の事情。あおいさんをはじめ子どもたちが、昔のように気兼ねなく父と会うことは叶わない夢というのが辛いですね……。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月04日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安いっぱいの母の心の隙間を埋めるように父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で夜まで家をあけることが多い母に代わって子どもたちのめんどうを見てくれるのですが、彼が子どもたちに課すルールは理不尽で虐待に近いものでした。長女のあおいさんはストレスで10円ハゲができ、一度はピンちゃんとの別居話が出たものの、母の本心を知っているあおいさんは彼との同居を拒めず。ピンちゃんとの暮らしは続きますが、彼への反抗は母の地雷につながり、さらに母自身もピンちゃんの無言の圧力に怯えていました。ピンちゃんの知らない過去の思い出話は、彼の前ではタブーとなっていました。母の、無意識下のピンちゃんへの依存に子どもたちも同調し、あおいさん親子は彼が望む理想の家庭像を演じるようになっていたのですーー。 次女の勇姿を見届けるためにピンちゃんと一致団結。そこへ父がーー そんなある日、次女あかりは運動会で鼓笛隊の指揮者に抜擢されていました。その勇姿を家族全員で見るために、あおいさんはピンちゃんと場所取りへ。普段は嫌いな相手ですが、この日ばかりは協力関係に。 確保した特等席でピンちゃん、母、あおいさんの3人は、デジカメとインスタントカメラも用意してあかりのシャッターチャンスをうかがっています。 すると、あおいさんが観客の中に父の姿を見つけます。「パパがいる…」と思わずつぶやいた言葉に母が警戒しますが、父の元へ行きたそうにしているあおいさんを見て仕方なく了承してくれます。 「会わない間にまた大きくなったなぁ」久しぶりの再会で抱きつくあおいさんに父は笑顔で応えてくれます。求めていた温もりがそこにありました。 ◇◇◇ 子どもにとってはもちろんのこと、親にとっても子どもの運動会は一大イベントです。ピンちゃんのことは嫌いなあおいさんですが、運動会という目的があるので次女の勇姿を写真におさめるため協力関係に。普段でもこんな関係性が続くといいのですが……。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月03日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安いっぱいの母の心の隙間を埋めるように父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で夜まで家をあけることが多い母に代わって子どもたちのめんどうを見てくれるのですが、彼が子どもたちに課すルールは理不尽で虐待に近いものでした。長女のあおいさんはストレスで10円ハゲができてしまい、一度はピンちゃんとの別居話が出たものの、母の本心を知っているあおいさんは彼との同居を拒めません。ピンちゃんに反発心があるあおいさんの態度に母の怒りが爆発します。母にとって子どものピンちゃんへの反抗は地雷のひとつで、口ごたえや反抗的な態度が母の耳に入ると見せしめとして容赦ない暴力が加えられます。あおいさんは母とピンちゃんの関係が長くは続かないことを願っていますが、この地獄はまだまだ続くのでしたーー。 ピンちゃんが望む理想の「家庭像」を演じる家族 ピンちゃんの機嫌を損ねないよう、顔色を窺う毎日が常となってしまった頃、あおいさんの10円ハゲもいつの間にか消えていました。 そんなある日、母がタンス整理をして出てきた写真をあおいさんと次女のあかりさんに見せてくれました。そこに写っているのは、申し訳程度の小さな誕生日ケーキに満面の笑みを浮かべている三女あまね。ケーキのサイズと不釣り合いな笑顔に、母とあおいさんは思わず吹き出します。 そこへピンちゃんが帰宅し、急いで写真を片付ける母と姉妹。いつの頃からか彼の知らない過去の話はタブーという暗黙のルールができており、母はピンちゃんの圧力に怯えていました。そんな母のピンちゃんへの依存に子どもも同調し、あおいさんたちは彼の望む家庭像を演じるようになるのでした。 ◇◇◇ 三女あまねの1歳の誕生日の頃は、まだ父との離婚前のことで家族揃っての思い出のひとつでした。父の借金の返済のため生活は困窮しており、母には大変だった思いがよみがえりますが、子どもたちにとってはやさしい父との幸せな記憶だったはずです。そんな心から笑える日が、ピンちゃんとの生活の中でもあることを願うばかりです。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月02日お金と女にだらしない父が原因で離婚したあおいさんの両親。あおいさん含めた4人兄弟は母と暮らしていますが、女手だけの子育てで不安いっぱいの母の心の隙間を埋めるように父の職場の後輩ピンちゃんが現れます。仕事で夜まで家をあけることが多い母に代わってピンちゃんが子どもたちのめんどうを見てくれるのですが、彼が子どもたちに課すルールは理不尽で虐待に近いものでした。長女のあおいさんはストレスで10円ハゲができてしまい、一度はピンちゃんとの別居話が出たものの、母の本心を知っているあおいさんは彼との同居を拒めませんでした。子どもたちにとっては厄介な存在でしかないピンちゃんですが、母の心の支えとなっていることを知っているあおいさんは自分の本心を押し込めたままです。子どもたちとピンちゃんの関係性の詳細を母は把握できていないため、あおいさんたちは唯一の逃げ場さえ失っていましたーー。母の地雷ーー。それはピンちゃんに対する反抗的な態度 ピンちゃんが強要する理不尽なルールに納得できていないあおいさんは、つい彼に反抗的な態度を取ってしまうのですが、それは母の地雷となっていました。 ピンちゃんへの口ごたえや反抗的な態度が母の耳に入れば、その見せしめとして何度も殴られるあおいさん。次女が心配して母を止めるのですが、殴られても表情ひとつ変えないあおいさんの反応がさらに母をヒートアップさせてしまいます。 見かねたピンちゃんが止めに入ったことでやっと暴力が止まりました。「どうせ、長くは続かない」そう思っていたあおいさんたちの地獄の日々はまだまだ続くのでした……。 ◇◇◇ 一度はピンちゃんと別れてもいいよと言ってくれ、子どもたちの味方だと思っていた母でしたが、ピンちゃんの普段の生活の実情を知らないからか、彼に反抗的な態度を取ること自体が許されない状況となっていました。 とはいえ、まだ幼いあおいさんたちにとって、日常の困っていることを正しく親に伝えることはとても難しいことです。手を出す前に、なぜ子どもが反抗的な態度を取っているかのかその理由に耳を傾けてほしいですが……。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年08月01日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機に。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけ。父との離婚後、父への恐怖心と女手だけの子育てに不安でいっぱいの母の心の隙間を埋めるように、父の後輩「ピンちゃん」はあおいさん一家に近づいてきました。多忙な母に代わって兄弟の面倒をみていたピンちゃん。ときに虐待ともとれる支配的な態度に、子どもたちはいつしか彼の顔色を窺うようになります。 そんな日常であおいさんには10円ハゲができ、その原因は自分かもしれないとピンちゃんは母に相談。母はあおいさんがピンちゃんが嫌いなら別れると言ってくれましたが……。 母は知らない。息が詰まるようなピンちゃんとの毎日 母の気持ちを知っているあおいさんは「嫌い」と言うことができませんでしたが、たとえ嫌いと言ったとしても、母はピンちゃんと別れなかったと感じていました。 こうしてピンちゃんの別居話はなくなり、また彼による理不尽な支配が続きます。鍵を忘れると家を閉め出され、遊びには詳細な報告が必要で報告完了まで食事のおあずけ。 さらには、あおいさんが母から持たされている携帯の中身の監視と彼の意に反する内容の隠蔽、許可制の娯楽は子どもの懇願を楽しんでいる節があるなど、息が詰まるような不条理の連続でした。何より、子どもたち唯一の逃げ場であったはずの母がーー。 ◇ ◇ ◇ 鍵は忘れない方がいいですし、遊びに出かけたときの報告で子どもの行動を把握することは大事ですが、ピンちゃんのルールは厳しすぎて本来の目的を見失ったような状態になっているので、健全・公正なルール設定をしてほしいものです。 各家庭にはそれぞれ親と子のルールがあります。みなさんはどんなルールを決めていますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月29日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけ。強行突破の離婚後、別れた父への恐怖心と女手だけの子育てに不安でいっぱいの母の心の隙間を埋めるように、父の後輩はあおいさん一家に近づいてきました。母は整体師の資格を取り、それまでよりも一層忙しくなります。ピンちゃんに逆らうこと、母への言いつけ、どちらも自分たちのためにならないと刷り込まれたあおいさんたちは、ただ黙って耐えることが一番楽だと学びます。しかし、それはあおいさんの体にストレスとなって現れていましたーー。「正直に言いな」これが最初で最後のチャンスかもしれない…… 長女あおいさんの10円ハゲを知ったピンちゃんは、さすがにその原因に自身の責任を感じたようで、母に現在の同居状態から自分だけ住む場所を変えたほうがいいのではと相談をします。 ピンちゃんからの相談を受けて、母はあおいさんと話し合いをします。ピンちゃんがあおいさんの10円ハゲが自分のせいかもしれないと気にしており、あおいさんがピンちゃんのことをどう思っているかを尋ねます。「ピンちゃんのこと嫌い?いいよ、あおいが嫌ならママ別れてあげる」 ピンちゃんといるときの母の笑顔、あおいさんのことで自分を責めたピンちゃんは悪い人じゃないこと、そしてこれまでのこと。いろんな思いがあおいさんの中で駆け巡りーー。「嫌いじゃないよ」と母に答えるのでした。 ◇ ◇ ◇ 「〜のこと好き?(嫌い?)」小さな子どもによく投げかけられる質問ですが、子どもだからといって本音をぶつけるとは限りません。むしろあおいさんのように、母の思いも汲み取って自分の気持ちを押し込めることは多いのではないでしょうか。みなさんの小さな頃はいかがでしたか? そしてお子さんはいかがですか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月28日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけ。強行突破の離婚後、別れた父への恐怖心と女手だけの子育てに不安でいっぱいの母の心の隙間を埋めるように、父の後輩はあおいさん一家に近づいてきました。ピンちゃんに謝罪をして、ようやく晩ごはんを作ってもらえたあおいさん兄弟。どれだけ憎んでも、大の大人であるピンちゃんに逆らうことはできず、目の前の苦々しい現実を受け入れるしか方法がないのでした。ピンちゃんの顔色を窺うのがいちばん楽だから…… 母は整体師の資格を取り、それまでよりもさらに忙しくなっていき、努力の甲斐あって店の一番の売れっ子になるほどでした。 ピンちゃんに逆らっても、母に言いつけても事態は改善せず、あおいさんたちは毎日毎日、母の帰りを待ちわびていました。そんな日々を送るうちに、次第に子どもたちは何も言わなくなっていき、ただ黙って理不尽に耐えることを選択するように。 そんなピンちゃんの顔色を窺うことが日常となって積み重なるストレスは、確実に幼いあおいさんの心身に負担をかけ、ある日10円ハゲとなって現れます。今のあおいさんたちにはよりどころとなるものが何もありませんでした……。 ◇ ◇ ◇ ピンちゃんに逆らうと面倒に、母に言いつけるとひどい目に遭う。八方塞がりとなってしまったあおいさんたちは、心を殺して毎日を過ごさないといけない状態まで追い込まれています。 あおいさんのストレスは、円形脱毛症となって現れました。みなさんはストレスを感じたときに、どのような症状が現れますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月27日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけ。強行突破の離婚後、別れた父への恐怖心と女手だけの子育てに不安でいっぱいの母の心の隙間を埋めるように、父の後輩はあおいさん一家に近づいてきました。ピンちゃんの虐待に近い言動に耐えかねた次女が母にそのことを打ち明け、その場では収まったかのように見えたのですが、母は仕事や勉強で家を空けることが多く、実質的には家はピンちゃんの独壇場。 翌日、帰りの遅い母がピンちゃんに子どもたちの晩ごはんを依頼しているにも関わらず、前日の腹いせか食事のことは知らないと取り合ってくれません。子どもたちの空腹は限界にきてーー。私たちがピンちゃんに何をしたって言うの? 「ピンちゃん…ごめんなさい、ごはん作ってください…」気の強い次女のあかりでしたが空腹も限界になり、ごはんを作ってもらえるようにピンちゃんに謝るのでした。 「わかればいいんだよ。良い子だなあかりは」「あははっ、そんながっつくなよ。よっぽど腹減ってたんだな〜」 目にいっぱいの涙を溜める次女。子どもたちを支配下に置いたピンちゃんは、都合のいいときだけ父親扱いするよなぁと言いつつ、その顔は満足げな笑みを浮かべています。 「父親はあんたじゃない、消えてくれ」心の中でピンちゃんへの怒りに震えるあおいさん。まだ子どものあおいさんたちでは、大の大人には敵うことができず憎しみを募らせるも、目の前の現実を受け入れることしかできないのでした。 ◇ ◇ ◇ ピンちゃんは母から子どもたちの食事を任されていたにも関わらず、それを放棄し何も悪くない子どもたちに謝罪させてやっと晩ごはんを作ってくれました。 「こんなときばっかり父親扱いして、都合いいよなぁ」都合がいいのは、食事作りを天秤にかけて幼い子どもを支配しようとする大人げないピンちゃんの方です。良識ある判断で行動してもらいたいですが……。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月26日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけ。強行突破の離婚後、別れた父への恐怖心と女手だけの子育てに不安でいっぱいの母の心の隙間を埋めるように、父の後輩はあおいさん一家に近づいてきたのです。母が「ピンちゃん」と呼ぶその男は、母との交際前から家に来るように。母は仕事や資格取得の勉強で家を開けることが多く、帰りも遅いため、必然的にピンちゃんと子どもたちだけの夜が増えます。ピンちゃんによる食事中の「しつけ」は、まだ幼いあおいさんたちにはハードルの高いものばかりで、母にピンちゃんによる支配的な態度を言いつけたのですがーー。何時になるかわからない母の帰り。子どもたちの空腹は限界にーー 次女から事情を聞いた母は、「しつけではなく虐待」なので二度としないように烈火のごとくピンちゃんに怒りますが、ふだん子どもの面倒を見ているのは自分だと反論。その言葉でさらにブチギレる母が、子育てのやり方に従えないなら家から出ていくように迫ると、しぶしぶ従うそぶりを見せますが、本心はまったく納得がいっていない様子。 翌日、帰りの遅い母はピンちゃんに食事をお願いしていましたが、夜になっても彼は行動を起こしません。そんなピンちゃんに、あおいさんが晩ごはんのことを尋ねると、父親じゃないから何もしないと言います。仕方なく、あおいさんが自分でも作れる焼きそば作りをしようとすると、勝手なことしてケガでもされたら怒られるのは自分だと強引にやめさせ、母の帰りを待てばと突き放します。 「ごめんなさい…ピンちゃんの言うこと聞くから、ごはん作ってください…」限界に達した次女は、ピンちゃんに許しを乞いごはんの準備をお願いします。母がどれだけ彼に怒ってくれたとしても、母が家を空けているときは、実質ピンちゃんの独壇場に変わり、子どもたちになす術はないのでした。 ◇ ◇ ◇ 母はピンちゃんに晩ごはんのお願いをしていましたが、前日の母とのケンカを根にもっている彼は、子育てに自分は介入しないという態度を取って、子どもたちの食事作りを放棄しました。 長女のあおいさんがまだ小1という年齢でできることも限られているなか、この対応は虐待と言われても仕方がない行為。子どもに感情をぶつけるのではなく、大人としての冷静な判断を持ってほしいものです。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月25日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけでしたが、その後、後輩が家に遊びに来ることはありませんでした。父との面会はスーパー銭湯と自宅のお泊まりがお決まりのコースでしたが、父のことが好きなあおいさんにとって大切な時間でした。ある面会日のこと、あおいさんが持っていた鍵に目をつけた父は、自分が預かるふりをして合鍵を作り、母がひとりのタイミングを狙って家に訪問。恐怖に怯える母は警察呼ぶから今すぐ出てってと父を追い出すのでした。「ママ、ピンちゃんとお付き合いしてもいいかな…?」 元夫に対する恐怖心と、ひとりで4人の子どもを育てる不安と孤独。そんな母の心の隙間に、「あの男」が入り込んでくるようにーー。 母は父の職場の後輩のことを「ピンちゃん」と呼び、長女のあおいさんに交際の相談をします。交際前から毎日家に来るようになっていた男との同居に母自身は前向きではなかったものの、仕事と資格取得の勉強で家を空けることが多いため、子どもたちだけよりは安心と事実上は同居状態に。 母の帰りは遅く、ピンちゃんと過ごす夜が増えていったあおいさんたちでしたが……。食事中の正座やテレビ禁止など、しつけと称した自分ルールを課すだけでなく、食卓を囲むときは家族団欒として今日一日の出来事を話すよう、あおいさんに強要。 気の強い次女あかりはピンちゃんの横暴な態度に反抗します。思い通りにならないと機嫌を損ねて部屋に閉じこもるなど大人らしくない行動や、子どもたちに対する支配的な態度も母に言えばなんとかなると思っていたのですが。母に助けを求めたあおいさんたちに待っていたのは、ピンちゃんからの報復だったのですーー。 ◇ ◇ ◇ 食事中の正座やテレビの禁止だけでなく、今日一日の出来事を話すことを求める。父親たるもの、躾たるもの、こうあるべきというピンちゃん自身の家族観だったのでしょうか。 長女のあおいさんがまだ小1という年齢でこのルールはあまりにもハードルが高いものです。みなさんの家庭では食事中にどんなルールを決めていますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月24日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけでしたが、その後、後輩が家に遊びに来ることはありませんでした。この頃、父の借金返済に追われていたあおいさん一家。母は所得制限のある公営住宅の入居のため、再婚を前提とした離婚を父に迫ります。これは離婚をするための母の計画でした。当然父は納得するわけもなく、夫婦関係は緊張状態でしたが、母は父から子どもを取り上げることはせず、子どもたちとの面会日を作っていました。まさか、うちの鍵? なんであなたがこれを持ってるの!?ーー 父との面会では、スーパー銭湯と父の家に1泊するのが定番コース。いろんな場所に遊びに行けなくても、父のことが好きなあおいさんにはそれで十分でした。 「あおい、その首からさげてるのなに?家帰るときまでパパ預かってようか?」あおいさんが持たされている自宅の鍵を見た父は、なくさないように自分が預かると言います。 翌日、次に会える日を尋ねるあおいさんに、父はいい子にしていればすぐに会えると笑顔で答えますが、それが叶わないことになるなんてーー。 母1人、子ども4人の生活にも慣れてきたある日のこと。洗濯中の母が玄関の開く音を聞いて学校の忘れ物をしたあおいさんかと思って声をかけると、そこに立っていたのは別れた父。2人だけで話がしたいと言うのです。 自宅に入れるはずのない父のまさかの襲来に母は恐怖を覚えます。今すぐ出て行かないと警察を呼ぶと叫ぶ母に、父は舌打ちをしながら自宅の鍵を投げつけます。 「ひとつだけだと思うなよ」そう言って立ち去る父。あおいさんから預かった鍵で合鍵を作り、母が1人のときを見はからい家に押し入って来たのでした。 ◇ ◇ ◇ あおいさんが大人になるまでこの出来事を胸のうちに秘めていた母。夫としては許せない存在であっても、子どもたちにとっては良き父の面も見せているため、子どもの前で愚痴を一切漏らさないというという覚悟は、母の葛藤と子どもへの深い愛情を感じて切ないですね。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月24日両親と妹と弟がいる小1のあおいさんの家は、お金と女にだらしのない父の影響で借金まみれ。幼いあおいさんにとって両親の離婚は生活が変化する大きな転機でした。「その男」は、父の職場の後輩で父が自宅に彼を招いたのが出会いのきっかけでした。父が自宅に招いた後輩は開口一番、「どっちがパパかわかる?」と質問してきました。父は笑ってとくに気にしていない様子でしたが、小1で物心もついているあおいさんは返答につまり、少し変わった人という印象を持つのでした。 「子どもたちにお金かかるし、生活保護も視野に入れて一度離婚」母の策略 料理上手な母は、父が突然連れてきた職場の後輩をもてなし、翌朝まで滞在した後輩と父の2人分の弁当まで用意する手厚さで、それに父も満足している様子でした。 この頃、1歳になった三女の誕生日ケーキも買えないほど父の借金返済に追われ、生活に困窮していたあおいさん一家。母は父に、低所得向けの公営住宅に入りたいと訴えます。 公営住宅の入居条件に世帯所得をクリアする必要があり、再婚を条件に一度離婚するのですが、これは父と離婚するための母の計画。そんな強行策に出ないと父からの執着・束縛から逃れられないーー。追い詰められた母の苦肉の策だったのです。 もちろんこのやり方に父が納得するはずがなく、夫婦の関係は緊張状態でしたが、母は父から子どもを取り上げることはせず、子どもたちに会える日を作っていました。それが後に思わぬ事態を招くのですが……。 ◇ ◇ ◇ 借金状態で女にもだらしがない。1日に何度も電話で行動を監視され、夫が不機嫌になるので買い物と自宅前の公園以外の外出ができない。 あおいさんの母が取った離婚の仕方は、だまし討ちのような方法でしたが、夫の支配下で社会と隔離された状況では、こんな逃げるような方法しか取れないほど思考が追い詰められていました。 そんな夫でも子どもたちにとってはかけがえのない父親。距離を置くことで、関係修復になるといいのですがーー。 著者:マンガ家・イラストレーター 鈴村五月
2023年07月22日