「代わりはいくらでもいる」モラ夫が下請け業者に圧をかけているとまさかの!?<99%離婚>
主人公の彩さんは妊娠を機に仕事を辞めて専業主婦になり、娘の柚と大手商社に勤める高学歴エリートサラリーマンの夫の翔と3人で暮らしていました。幸せな家庭を築こうと頑張っていた彩さんでしたが、翔がモラハラ体質だということに気付き、柚のために翔と離れて暮らすことを決意。実母の元を訪ね、翔との別居を相談した彩さん。すると、男を信じるなと言い続けた実母は「あんたほんとバカだね」と言い放ちました。そんな実母へ、彩さんはずっと言えなかった両親に甘えたかったこと、必死に我慢して頑張っていたのに、なぜ助けてくれなかったのか……という思いをぶつけ、実母の家を飛び出しました。
一方で、彩さんの気持ちが離れていることに気づいていない翔は、自分の人生はうまくいっていると思い込んでいました。十分なお金を稼ぎ、家族を支えているという自負があり、家長としての威厳を保つため、朝の見送りがなければ彩さんを1週間無視し、家事を手伝うことは一切ありませんでした。周りの人を見下し、自分だけは人生の競争に勝っていると思っていたのです。
勝ち組にいる自分を誇らしく思うモラハラ夫は…
駅直結の大きなビルに勤める翔は、受付嬢に挨拶されながら、会社のセキュリティを通過。自分が“勝ち組”であることを感じられるこの瞬間は、いつも気分がいいのです。
翔は後輩の面倒も積極的に見ていました。目をかけるのは、男気と根性があって、飲み会も最後までついてくるタイプ。お酒を飲まず、自分のプライベートを優先する後輩は出世しないと決めつけていました。
翔は仕事でも見下している下請けには、高圧的な態度をとっていました。期限内にメールを送ってこない下請けに催促の電話をかけ、「代わりの業者はいくらでもいるんですよねー」と強気の態度。
そんな翔を軽く注意してくれるのは、前の部署で直属の上司だった鳥羽課長。
上司に好かれる術も会得している翔は、笑顔で「わかっていますよ」と返事……。
昼時になって、お弁当を食べようとする翔に駆け寄ってきたのは、かわいがっている後輩の有馬。大事なプレゼン前でも、頼ってくる後輩にはアドバイスやサポートを欠かさない翔なのでした。
大きなビルの会社に勤務する高収入の翔は、確かに一般的には勝ち組と言うのかもしれません。