電気代もガソリン代もどんどん高くなっており……、それを気にした夫は私に過度の節約を強制してきました。
夫は、自分の在宅時間しか暖房の使用を許可しません。冬でも半袖で過ごせるくらい、暖かい温度に設定する夫。電気代が上がったのは、夫のせいだと思うのですが……。
しかも買い物に車を使わせてくれず。豪雪の中、夫のビールを買いに徒歩でスーパーを往復したときは涙が出てしまいました。そんなことが続いていたとき……。
耐えられない…こんな生活もあと少し?
夫は自分が勤める会社の社長に憧れており、彼に気に入られようと日ごろから必死に取り入っています。
社長とメッセージアプリのIDを交換するくらい親しくなり、自分は期待されていると思っている夫。昇進も近いと確信しているようです。節約はそれまでの辛抱だと言いますが、それまで耐えられるか不安を感じており……。
夫は社長のすごさを語り、私も熱心に聞いていたのですが、話の最後に「専業主婦のお前には理解できないだろう」とバカにされ、何とも言えない気持ちに。
本日、私たちが住む地域の天気予報は大雪。しかし夫は、社内の人たちとオンライン飲み会をするから夜までにお酒とつまみを用意しておけと言ってきて……。外は今にもホワイトアウトになりそうですが、覚悟を決めて買い物に出ました。その結果、事故に遭いそうになったのですーー。
幸運の神さまを引き当てました!
「お前もう会社クビな」
社長からの突然の連絡に、夫は慌てふためいたようです。気に入られようと必死になり、自分の中では評価されていると感じていたので、まさかそんな連絡が来るとは夢にも思わず……。
「え? 社長どうしたんですか急に?!」
「雪の中、嫁を放り出すような男はうちに必要ない!」
じつは私を引きそうになったのは、夫が尊敬するあの社長だったのです。奥さまと一緒に車ででかけたところ、雪がひどくて視界を失ったとのこと。私は転ぶこともなく無事ですが、慌てて私に駆け寄って暖かい車に入れてくれました。
暗い表情の私を見て、何か事情があると思ったそうなのです。私も気持ちをラクにしたい一心で洗いざらい話したのですが、そこで私たちの関係がわかり、互いに驚きました。社長は妻の支えによって今まで頑張ってこれたと感謝しており、妻のことを虐げる夫のような男は大嫌いだと話し、クビを決めました。