「そんな物で窒息するの!?」油断大敵!赤ちゃんの思わぬ事故【3児ママ小児科医のラクになる育児】
東京衛生病院の小児科医、私生活では3児のママでもある保田典子先生のコラム。今回は子どもの安全対策後編「やけど」と「誤嚥、誤飲」のお話です。
こんにちは、3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。今回は、子どもの安全対策について。コロナ禍で家にいることが多くなった今、もう一度気をつけたいことを私の体験談を踏まえて、お話ししたいと思います。
子どもの死亡原因
1歳以降の子どもの死亡の大きな原因の1つ、「不慮の事故」。実際には、動きが活発になってくる生後9カ月ごろから、赤ちゃんはさまざまな危険に自ら突っこんでいくことが多くなっていきます。
子どもから1秒たりとも目を離さない、というのは不可能なので、子どもの事故は多かれ少なかれ必ず起こります。
ポイントは、「命の危険がない事故にするという工夫」です。
家の中で気をつけたい、命に危険が及ぶような事故とは、溺水、やけど、窒息が多いかなと思います。転倒で頭を強くぶつけることにも気をつけたいですね。後編は「やけど」と「誤嚥、誤飲」のお話です。
危ない事故3:やけど
やけどもいろいろありますが、気をつけたいのは広範囲のやけどになるようなものです。やかん、お味噌汁、炊飯器の蒸気などには、特に気をつけましょう。
電気ケトルの転倒事故が多い
よく拝見するのは、電気ケトルが倒れて大やけどをしている症例です。ケトルは転倒してフタがガバッと開いてしまうものがあります。これから買う予定のある方は、転倒対策がしてあるケトルを購入することをおすすめします。
使用後は、手の届かないところへ
ケトルにしても、お鍋などにしても、使っているときに目を離さないのもそうですが、調理が終わったらコンロの奥に置くようにしています。奥に置いておけば、万が一倒れたときも頭から熱湯をかぶることはないからです。(もちろん、ケトルのお湯はすぐ使い切る、お鍋や揚げ物油もすぐお皿などに移すのが基本です)。
テーブル下に引っ張れるテーブルクロスは使用しない
ダイニングでは、お味噌汁やスープなどをかぶるおそれがあるので、下から引っ張れるテーブルクロスの使用は避けましょう。わが家ではランチョンマットを使用しています(ランチョンマットも手が届けば引っ張ってしまうのですが、うちはみんな猫舌でぬるいスープしか出さなかったので使っていました)。