連載記事:どならない子育て特集
叱る=しつけにはならない!?(どならない子育て特集 Vol.2)
「どならない」のではなく、「どなる頻度」を減らす
の続きです。
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「つい子どもにキレて、自己嫌悪になる。そんなの、僕だってよくあります」。と言うのは、『どならない子育て』の著者、伊藤徳馬さん。プライベートでは2児の父だ。
伊藤さんが実際にご自分の娘さんに試して、その効果を実感した「どならない子育て練習法」。今回は、その基本的な考え方を紹介しよう。
しつけとは教育、そしてトレーニング
最初に最も根本的な問いが伊藤さんから、問いかけられる。
「しつけとは何でしょうか? そもそも、私たちは何のためにしつけをするのでしょうか?」
たいていの人は「子どもがうまく生きられるため」「幸せに生きられるように」「まずまずの生き方ができるように」といった回答となるのでは? つまり、私達がしつけで実現したいのは、特別なことではなくて、普通のこと。
「こうしたら、お前もうまくやっていけるよ」ということを子どもに伝えるようとしているのだ。
「どならない子育て練習法」風に少し堅い表現で言うと、
「しつけとは教育、そして、トレーニング」ということになる。
「しつけ」=「叱る」となってしまう理由
教えるためには、まず伝わらないと始まらない。
ところが、子どもにはなかなか伝わらない。何回言っても直らない。注意をすれば、聞こえないふりをしたり(そもそも聞こえていない)、言い訳を始めたりして、伝わらないことの方が多かったりする。そうなると、いつの間にか叱る頻度が増え、
子どもを強く叱る
↓
子どもが泣く
↓
子どもが反省して「ママごめんなさい」と言う
↓
「まぁ伝わったのかな」と、親の気が済んで終了
というように、叱ることで成立するしつけが多くなり、「叱る」=「しつけ」となっていきがちだ。