お盆休みに家族で夫の実家へ帰省、というママも多いのではないでしょうか。必要以上に気負いなどしていませんか。そもそも、お盆とはご先祖さまを敬う儀式。そこで、夫の実家でダメ嫁認定されないための心構えと、お盆に関する基礎知識を紹介します。
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お盆はいつ? お盆って何?
お盆って、そもそも何でしょう?
お盆の時期は、7月13日から4日間。地域によっては月遅れで8月13日4日間行われます。(月遅れのお盆にお休みを取って帰省される方が多いと思います)
日本人は一年に2回、ご先祖様を迎えています。1回は仏教と結びついてお盆です。
もう1回は神道と結びついてお正月です。ご先祖様をお迎えするために家を綺麗にします。昔は6月と12月、1年に2回大掃除をしました。
6月30日に神社で行われる夏越しの払いもそれにあたります。半年間の体についた穢れや厄を落とすのです。
そして、私たちが今、生きているのは、ご先祖様のお陰でもあるわけですから、お迎えしたご先祖様に、感謝のお供えものをしました。その感謝の気持ちが、両親やお世話になった人に広まったのがお中元です。
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知っておきたいお盆の由来
また、なぜ7月の15日になったかというと、二つのエピソードが関係しています。
一つは、中国の道教の三官大帝の一人である地官赦罪大帝(大地の神々を統率し、人々の罪を許す神様・中元二品の位)が7月15日生まれで、この日に地官赦罪大帝の廟を訪れてお参すると、日頃の罪が許され、厄が払らわれて幸せになると言われています。
二つ目は、仏教の盂蘭盆会が7月15日だったからです。釈迦の十大弟子の目連の母親が、自分の子供さえよければ他の子はどうなってもよいと思ったため地獄に落ちて苦しんでいました。目連は母親を救いたいと思い、お釈迦様に尋ねたところ7月15日に供養するように教えられ、その結果 母親は救われたのです。
この二つの風習が日本に伝わり、日本古来の祖霊祭と一緒になってお盆の習慣が民間に広まっていったと言われています。
ご先祖様を迎える儀式?
ご先祖様をお迎えするのですから、お盆に入る前に、家を綺麗にするとともに仏壇もお墓もきれいにお掃除します。祖霊をもてなす盆棚(精霊棚・先祖棚とも言います)を作ります。
家にお迎えした先祖の霊は、仏壇でなく、この盆棚に祀ります。
今では仏壇の中に祀ったり、仏壇の前に小机をおいて盆棚を作るところが多いようです。
盆棚には、初物の果物、野菜、牡丹餅、お花(盆花)を飾ります。キュウリを馬に見立てて苧殻(割り箸でもよい)で足を作ります。茄子は牛に見立てて同じように飾ります。
13日は頭を家の方に向けて、帰る日には頭を玄関の方に向けるように言われました。ご先祖様は来るときには早く来たいので馬で、帰りはノロノロと牛で帰るとも母親から聞きました。
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お子さんと一緒に精霊棚を作りながら亡くなった方のお話をしてあげてください。亡くなった方も喜びますし、お子さんの心の栄養にもなると思います。
盆に入り(13日)の夕方に提灯をもってお墓まで迎えに行きます。お墓が遠い家は、家の前で「迎え火」をたきます。先祖の霊が道に迷わず家にたどり着くようにです。門前で苧殻(麻の茎を干したもの)をたいて迎えます。
お盆の間、お供え物は毎日かえます。必ず最初のものを供えます。
お盆の最後の日(15日または16日)には、先祖が無事にあの世へ戻れるように迎え火と同じ場所で送り火をたきます。お墓が近ければ提灯をもって送っていきます。
京都の「五山送り火」も送り火の一つです。
盆踊りは、ご先祖様が帰ってきたことを喜び慰める踊りと言われています。
夫の実家に帰省する際のマナー
夫の両親はよい人なのですが、私も若いころ、やはり実家に帰るのと違い少し気が重かったものです。ですから喜々として夫の実家に帰る人を見ると私は、なぜそうなれないのだろうと思ったりしました。
私にも息子がいましたから、いずれは息子の嫁も私と同じ気持ちを味わうのだと思ったのです。夫の実家に帰るのが嫌だ嫌だと思っていると息子も家に帰ってこないようになるのだと思ったのです。
それは、寂しい!いずれは自分も行く道ならば、夫の両親も私も、滞在中、気持ちよく過ごせることを、思いやりの気持ちで考えていったらどうだろうかと思いました。
それから、コミュニケーションを自分からとるようにしました。
明日は何時に起きたらよいのでしょうか? 早い場合は、もう少し寝ていてもよいでしょうか? などお互いに理解することが大事だと思います。
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お土産は、義理の父母が好きな物を少し。例えば日本酒が好きだったら1合瓶の美味しいお酒を。自分のことを考えて選んできてくれたと思うと嬉しいものです。あとは、皆で食べられる「おかず」になるようなものを持っていけばよいと思います。
経済を扱っている義理のご兄弟姉妹がいる時は、その方だけに一つ何か買って行ってあげてください。
滞在費は、両親だけ住んでいるのならいらないと思います。かえって水臭いです。
ご兄弟姉妹が財布を握っている場合は、滞在費として一日家族で2~3千円ぐらいを目安に,行った日に封筒に入れて、「気持ちばかりのものですが」と渡すか、滞在中外食に誘ってご馳走するのも喜ばれると思います。
沢山お世話になったと思えば帰ってから商品券など贈っても喜ばれます。
滞在中はお客様にならず何をしてよいか指示してくださいとお願いして動きましょう。普段、老人が手が届かない窓ガラスや高い処をふいたりしてくれると有難いです。
エプロンと動きやすい服装をバックの中に入れてください。ただし、行くときには、ご近所の方にも会うでしょうから、ちょっと素敵な格好、スタイルでお願いします。「あそこのお嫁さん、綺麗な方ね」とほめられた方が夫の両親も喜びます。
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泊り客が帰った後は、洗濯、布団干しなど何かと大変です。そんなことも思いやって行動できると気の利いた、好かれる嫁になるのだと思います。
帰ったら、電話を入れてください。夜中になるのでしたらその旨、伝えて朝電話をしましょう。できたら滞在中の写真をとって、それにコメントをつけてお礼状と一緒に送るのも喜ばれるでしょう。
ダメ嫁認定されるのは、お客様気取りで何も手伝わない気遣いをしない人ではないでしょうか。
何でも悪く取ると自分が辛くなります。夫の両親と自分の両親を知らないうちに比べているのです。義理のお母様をお隣のおばさまと思えば、そんなに感情的にならずに済むのかなと思います。
お盆を伝えることは命のリレー
お子さんに「あなたが、今ここに生きているのは、パパとママがいて、パパとママのおじいちゃん、おばあちゃんがいて、そのまたおじいちゃんとおばあちゃんがいるからなのよ。20代まえにさかのぼると109万人の人があなたの前にいるのよ。誰か一人かけててもママもパパもあなたもこの世にいなかった。今、いるのはご先祖様が命のリレーをしてきてくれたお陰なの。だから感謝の気持ちでご先祖様を大切にしましょうね」と上手に教えていただけると命を大切に、また人を大切にするお子さんに成長すると思います。