完璧主義ママ、過保護ママは要注意! 子どもの共感力の育て方【世界一幸せな国デンマークの子育て Vol.3】

2018年4月20日 07:00
 

楢戸ひかる ライター
楢戸ひかる

人生をプラスに変える世界一幸せな国の子育て

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良好な人間関係は、幸せを感じる上でもっとも重要な条件のひとつ。共感力のある人は、そうではない人より成功の度合いが大きいことも研究からわかっています。

共感力を身につけることで、他人も自分自身も、より尊重できるようになるそう。今回は、そんな「共感力」についてお伝えします。

■共感力って、何ですか?

共感力とは、他人の気持ちに感情移入できる力。その感情を理解するだけではなく、気持ちに寄り添うことができる力のことを言います。

「共感力がありすぎると、いまの世の中、かえって生きづらいんじゃないの?」。そんなふうに思うかもしれませんね。でも、ちょっと想像してみてください。成功している人は一人で働いてはいません。人生においてプラスの結果を得るためには、他人のサポートが必ず必要です。

たとえばママが「この人と一緒に仕事をしたい!」と思う人は、どんな人でしょうか? きっと自分の感情に、きちんと向き合ってくれる人なのではないでしょうか?

■完璧なママの子どもは、共感力が低くなる?

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じつは、「何でも、ちゃんとできちゃうママ」は、子どもの共感力の発達に悪影響を及ぼすことがあります。「わが子に失敗させたくない」「嫌な思いをさせたくない」と、子どもの前の石ころをせっせと拾い、子どもの願いをすべてかなえてあげようとするママ…。

完璧なママとして弱い自分を子どもに見せないと、子どもが持つ「他者の感情を読み取る能力」の発達をさまたげ、ひいては共感力を減退させてしまいます。

過保護な家庭に育った子どもはナルシシズム、不安障害、うつ病になりやすい傾向があるそうです。なぜなら子どももまた「完璧な自分」を作り上げようとしますが、そのための行動と、本来の自分の感情とが一致しないために、自己調整がうまくいかないからです。

■子どもの感情を受け止める

では、どうすればいいのでしょうか?

デンマークの親は、子どもと話をする前に、子どもの感情をまず受けとめることを考えます。
「どうしたの? なぜ泣いているの?」
その後、親の目線から見える内容を伝えます。
「あなたは怒っているのね。どうして怒っているの? あの子がおもちゃを取ったから? あの子はまだ小さな赤ちゃんなの。わざとやったとはママには思えないわ。あなたは、どう思う?」

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子どもの感情に常にもっともな理由があるとは限らないですし、簡単に解決できる方法が見つかるとも限りません。しかし、少なくとも子どもの感情を受け止めて批判しないように努めれば、親は子どもに「人を尊重すること」を教えることができます。

■デンマーク流「共感力」の育て方

自分が何かを思うたびに「ばかばかしい/不必要/間違っている」と批判され、「こう感じるべきだ」と強要されたら、ちょっと、いや、相当イヤな気分になりますよね?(笑) デンマーク流の共感力の教育の大きな柱は、批判しないことなんです。

デンマークの親は、自分の子どもやその友人や家族に厳しすぎる批判をしません。一番声が大きい人だけではなく、家族の全員に、「意見を尊重してもらう権利がある」と考えているからです。自分にも他人にも、「寛容であること」が最優先。

子どもは、ママのマネをします。寛容なママの姿勢は、子どもを「他者への批判が少ない大人」に成長させる助けになることでしょう。この「他者」は、ほかならぬママ自身も含まれています。

■日本のママはどうしたら感情を受け止められる?

そうは言っても、日本のママにとって「批判なく子どもの感情を受け止める」のは、なかなか難しいこと。なぜなら、自分が「批判なく感情を受け止めてもらった経験」が、あまりないからです。

まずは、自分の共感力のスタイルを理解することから始めましょう。次の質問について考えてみたり、パパと話し合ってみたりするのも良いかもしれませんね。
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<「共感力」のヒントへの問い>
・私にとって、共感力はどんな意味を持つ?
・私のパートナーにとって、共感力はどんな意味を持つ?
・私は、自分と他人に批判的? パートナーは、自分と他人に批判的?
・そのことが、言葉の使い方にどのように反映されている?
・もっと共感力を強めて批判を減らすために、言葉遣いをどう変えればいい?

■壊れた人間関係は、心理的ダメージを受ける

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壊れた人間関係は、肉体的・心理的なダメージの原因になることが証明されています。共感と許しは、脳の同じ領域を活性化させるため、共感力を磨けば、「許す・許される」が楽にできるようになります。

大切な友人や家族との良好な人間関係。これはお金よりもはるかに大切な、真の幸福を決定づけるもっとも重要な要因のひとつなのです。

■デンマーク企業で働く女性たちの声

デンマーク人の子育てが、日本人の私が「無意識に伝承していた子育て」と大きく違うことにカルチャーショックを受けました。これぞ異文化体験なのでしょうか!?

この記事を書くためにデンマーク企業で働く女性たちにお話しを聞いてきました。ある人は、「デンマーク人の上司は、私に寄り添ってくれます。『必要なことがあったら、サポートをするから遠慮なく言ってね』というのが、彼らの基本スタンスなんです」とおっしゃっていました。

毎日、子どもを叱ってばかりで苦しい。そんなとき、「子どもが『未来の幸せな大人』になるために、適切なサポートって何だろう?」。ちょっと立ち止まって、考えてみることができると良いですね!

■今回の記事の参考文献
『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』
『デンマークの親は子どもを褒めない~世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方~』
ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー/イーベン・ディシング・サンダール 著/鹿田昌美 訳/集英社 ¥1,500(税別)
ジェシカ・ジョエル・アレキサンダーさん
アメリカ人の作家、コラムニスト、文化研究者。デンマーク人と結婚して13年になり、常に文化の違いに強い関心を持ってきた。
イーベン・ディシング・サンダールさん
ナラティブ・セラピーの認定療法士など資格を持ち、コペンハーゲン郊外で個人診療を行う。専門は家族と子どものカウンセリング。
翻訳者 鹿田昌美(しかた まさみ)さん
国際基督教大学卒業。訳書に「フランスの子どもは夜泣きをしないーパリ発『子育ての秘密―』(集英社)など多数。

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