ざんねんないきもの辞典の著者が語る! 大ヒットの理由と子供の好奇心を殺さないために
■「生き抜く知恵」を付けるために親ができること
出典:『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
――今泉先生も、小さな頃から本を読まれていましたか?
『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』を読んでいました。家にそれしか本がなかったというのもあるんですけどね(笑)。気づいた時には、パラパラとよく本をめくる子どもだったと思います。
ただ、僕は「鉄砲玉」とも呼ばれていたんですよ。一回家を出たら、暗くなるまで帰って来ない(笑)。毎日、秘密の小屋を作ったり、田んぼや原っぱで遊んだりしていたので、いざというときに
「生き抜く知恵」が付いたと思います(笑)。遊びをとおして「これは危ないぞ」と予測がつくようにもなるんです。だから本だけでなく、外遊びも大事でしょうね。
――親は先回りして注意してしまいがちですが、子どもの好奇心や行動力を大人が抑えつけてはいけないということですね。
そうです、そうです。子どもの頃のケガは当たり前で、ケガをして痛さを知るんです。そうすることで、思いやりもわく…全部がつながっているんですよ。それなのに、思いやりだけを育てようとするから無理がある。
痛みがなければ、思いやりの心は生まれませんからね。
――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。
いまのお母さんは時間がなくて大変だと思うけれど、できるだけアナログで子育てすることが大切だと思います。
すべては本人のヤル気が問題なので、どうすれば子どものヤル気が出るかを親は考えなくてはいけません。
たとえば子どもに本を読んでほしければ、自分が本を読んで笑ってみたり、おもしろさを伝える演技をしてみる。そうすれば、陰で見ていた子どもがその本を手に取るかもしれません。子育てには、子どもと接する時間、そして、子どもをだます演技力も必要だと思いますよ!
■お話を伺った今泉忠明さん監修書籍
『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(左)、『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』(右)
●『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
今泉忠明/監修 高橋書店
生き物の“ざんねんな進化”にスポットを当てた事典。「どうしてそうなった!?」と思わずつっこみたくなる、愛おしき「ざんねんないきもの」122種を紹介する。『こどもの本総選挙』第1位。
●『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』
『ざんねんないきもの事典』第2弾。オールカラーで、恐竜などの絶滅種についても紹介する。
笑えて、ちょっとためになる“ざんねん"な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『こどもの本総選挙』第4位。
今泉忠明さん
1944年東京都生まれ・動物学者。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館でほ乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。
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