ざんねんないきもの辞典の著者が語る! 大ヒットの理由と子供の好奇心を殺さないために
■大人の感覚で“子どもの好奇心”を止めちゃダメ!
出典:『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
――今泉先生ご自身は、小さな頃から「なぜ」と疑問を抱くお子さんでしたか?
その気持ちは、子どものみなさんは全員持っていると思うんです。でも、僕はその疑問の持ち方が少ししつこかったのかもしれませんね(笑)。(疑問に思ったら)自分で「バラしてみよう」と考えるような子でした。
――「なんでだろう?」で終わらないということですね。
そうそう。当時は、まだそれほど“動物愛護”という流れもなく自由自在でした。だから、たとえばトンボを捕まえたら、おなかを抜いて代わりにわらを入れてしまう。そうなってもバランスよく飛べるのかというのを観察していました。
トンボがどういう風にバランスを取って飛んでいるのかということが知りたかったんですよね。
ですから、子どもが興味を持ったら、親としては止めないでやらせることが大事です。“残酷な子”になるんじゃないかと親は心配するけれど、そんなことはありません。僕は小さな頃、「アリの巣穴に水を入れ続ける」ということもしました。そういった
子どもの好奇心を大人の感覚で「やめなさい」と言うのは、よくないんじゃないかと思います。
――親としては、どうしても「かわいそうだからやめなさい」と声をかけたくなってしまいます…。
そうかもしれないですね。でもそこを通過することで、足が折れちゃったアリを見て、いつしかかわいそうだと思えるようになるんです。
子どもは、大人と違って“残酷”という概念がありません。それを理解した上で、一生懸命育ててあげた方がいいと思います。そうすれば、きっと曲がることなく大きくなってくれるはずですよ。
■子どもに「なぜ?」と聞かれたら…?
出典:『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
――子どもから「なぜ?」、「どうして?」と聞かれたとき、親としてどう返すべきかというのも難しいところです。
そういうときには「一緒に調べよう」というのがいいと思います。教えようとせずに、レベルを子どもに合わせればいいんです。
子どもにとって大事なのは、調べる方法。だから、「私なら図書館で本を調べるわ」とか調べ方の手順を教えてあげて、一緒に調べることが大切ですね。
――いまはスマートフォンなどですぐに検索できてしまう時代です。それでもやはり図書館に行くことが大事ですか?
指は脳とつながっているので、紙の感触やめくるっていう作業が重要なんです。スマートフォンは画面をなぞるだけですから、進歩はしないですね。
“皮膚感覚から書物を知る”ということが大事だと思います。
――たしかに、同じ知識でもスマホで観ると「そうなんだ」とその場で終わってしまうような気がしますね。
そうですね。もちろん、大人になってから仕事で調べ物をするときにはいいと思うんです。ただ子ども時代には、やっぱり本がいいですね。