© Aidman - stock.adobe.com
子どもができるまで「授乳ケープ」という言葉は、聞いたことのない単語だったのではないでしょうか?
筆者は同時期に出産した友人から授乳ケープをプレゼントされ、授乳ケープというものがあることを知りました。必要かどうかは、その人の置かれた状況によって異なりますが、個人的にはとっても役立つアイテムだと思っています。
「私に必要なの?」「どういう風に使うの?」「どんなものを選んだらいいの?」。いままでなじみのないものだったので、いろいろな疑問がわいてくることと思います。そんなあなたのために、授乳ケープの特徴や使い方、おすすめ商品などをご紹介します。
■授乳ケープは必要なのか
© tatsushi - stock.adobe.com
赤ちゃんは大人の都合を考えてくれません。どんな状況でも、要望があれば泣いてしまいます。そんな赤ちゃんに対して、ママはできるだけ欲求をかなえてあげようと考えていることでしょう。でも、もしそれが外出先だったら? 義理両親の家だったら? ママは、どうすればいいのでしょうか。
おなかがすいたと泣き出した赤ちゃん。でも周囲には授乳室の個室が満室で入れないこともよくあります。こんなときに活躍してくれるのが授乳ケープです。
授乳ケープがあれば、外出先だとしてもさっと手軽に取り出せて、授乳できるので、外出時のママは、ぜひバッグに入れておきたいアイテムです。
また赤ちゃんを連れた外出は何かと気を使うことが多く、いろんなことに心配になります。そんなときにもバッグに入れて持っておくだけでも安心するママも多いのではないでしょうか。
▼授乳ケープを使うときに意識したいマナーとは
© Decellio - stock.adobe.com
授乳ケープを使ったとしても、人目のある場所で授乳することに賛否両論があるのは事実でしょう。同じように子を持つ立場のパパやママなら、事情を理解してくれる場合が多くあります。
しかし、子どもがいない人や育児に関わってこなかった人が、状況を理解できないのも無理はありません。ひと昔前なら、公共の場での授乳も普通だったかもしれませんが、いまはあまり見かける光景ではありませんね。
現在は多くの施設で授乳室が用意されています。こういった設備があることを確認して、外出するなどの準備も必要でしょう。
ただ友人の家や義理実家に伺った際など、やはり人の目は気になります。また車が密室だと言っても、外からまったく中が見えないわけではありません。
© Nagamasa - stock.adobe.com
こうしたときに授乳ケープを使うことは、周りへの配慮が行き届いた行為といえそうです。また赤ちゃんOKなレストランで、多くの赤ちゃんとママが集うところであれば、授乳ケープを使った授乳も受け入れてもらえることが多いでしょう。授乳ケープを使う際には、壁側を向く、一緒にいる人に一言断るなどの配慮も身に着けておきたいところ。
ただ授乳ケープがあれば、どんな場所でも授乳しても大丈夫か、というのは、やはり難しい問題だと思います。授乳していることがわかると不快な思いをする方、目のやり場に困る方もいます。またビジネスとして利用されることが多い場所、大人の雰囲気を楽しむ場所も注意が必要です。
▼外出先での授乳方法とは
© taka - stock.adobe.com
キッズルーム、児童館などでは、授乳ケープを使っているママを見かけることがあります。そういった場所では、上の子が遊んでいる間に授乳ができたり、一緒に行ったママ友さんとおしゃべりをしながら授乳できるところもあります。
© kai - stock.adobe.com
それから車でお出かけの途中。休憩中のサービスエリアの駐車場でも授乳ケープがあれば車のなかでの授乳が可能となります。運転中は赤ちゃんが泣いていても、ベビーシートに乗せておかなければなりません。そのためサービスエリアが授乳のチャンスなのです。
新幹線の移動の場合、多目的室が利用させてもらえる場合もあるので、必要な場合には車掌さんに尋ねてみるといいでしょう。ただし「多目的室」の利用は、お体の不自由なお客様が優先ですので、いつでも利用できるわけではありません。
新幹線や飛行機など座席での授乳が必要となる場合には、できるだけ窓側の席を確保し、通路側に夫や友人が座ってもらった状態にして、授乳ケープを利用すると周囲に気が付かれずに済む場合もあります。
■授乳ケープのタイプ
© Bernd Rehorst - stock.adobe.com
授乳ケープには大きく分けてポンチョ型・ストール型・エプロン型の3種類があります。
ポンチョ型は360度覆われるので、どこからも見える心配がなく、ママにとって安心です。
ストール型は授乳ケープとしてだけでなく、首に巻いてママのおしゃれのアクセントにしたり、赤ちゃんのブランケットにしたり、使い道がたくさんあるのが特徴。
エプロン型は数が多く、たくさんの選択肢の中からお気に入りのデザインを選べます。着用は簡単だし、コンパクトに折りたためるので持ち運びに便利です。
▼ポンチョ型
© NinaMalyna - stock.adobe.com
ポンチョ型のメリットは、頭からかぶるだけで簡単に使えることと、360度隠れるので安心できることです。赤ちゃんが泣いてしまうと焦ってしまい、いつもの動きもスムーズにできなくなるもの。外出先ならなおさらですよね。
そんなとき、ポンチョ型はかぶるだけですぐに授乳できるので、とても便利です。
「脇や後ろの隙間から胸や肌が見えたりしないか」と、授乳中にも気になってしまうもの。
また急に赤ちゃんが暴れ出すこともありますよね。そんなときでもポンチョ型なら心配がいりません。
デメリットとしては、夏場はケープの中がこもって暑くなりがちなことと、かさばるので持ち運びが不便なこと。しかし現在は、通気性が良く「夏は涼しく、冬は暖かい」という素材にこだわった商品や、コンパクトに持ち歩けるという商品も販売されています。
▼ストール型
© peach100 - stock.adobe.com
一般的なストールと同様に、首に巻いたり、赤ちゃんの肌掛けにしたり、オムツを替えるときに下に敷いたりと、何通りもの使い方ができるのがストール型。寒い季節のお出かけには、ママの首に巻いておくだけで授乳できるので、安心です。
メリットは、やはりファッションアイテムとして使えること。身につけておけば荷物も少なくなります。
デメリットは、慣れないと背中が出たり、横から見えてしまったりすること。外出の前には、自宅でケープをつけて授乳してみて、着用のコツをつかむと良いですよ。
▼エプロン型
一枚布に、エプロンのように首にかける肩ひもがついている形が、エプロン型。首元にワイヤーが入っているものが多く、赤ちゃんの顔を見ながら授乳できます。デザインや素材が豊富で、たくさんの選択肢の中からお気に入りの一枚を探せますよ。ひもを首にかけるだけなので、着用も簡単です。
© radmila85 - stock.adobe.com
一方、上から布で覆って隠すだけなので、横から胸が見えてしまう可能性も。めくれ防止のため、背中側にひもがついているものもあります。
■授乳ケープの使い方
授乳ケープは、外出先や自宅にお客さんが来たときなどに使うことが多いので、どの型も簡単に着用できるようになっています。着用した後に授乳の体制で赤ちゃんを抱っこして、布で隠すだけ。
ポンチョ型はかぶるだけで360度隠れるので、隙間から見える心配がなく安心ですよ。
ストール型やエプロン型は、着用に慣れていないと、隙間から見えていないか不安になってしまうかもしれません。外で実際に使う前に、自宅で使って慣れておくことをおすすめします。
▼授乳ケープをつける
型によって着用方法が違うので、それぞれ説明していきますね。
ポンチョ型は、上からかぶって着用します。
ストール型は、タイプによってさまざま。肩にボタンがついているタイプや、中心にたてに切り込みが入っているタイプなど、着用しやすいように工夫された商品もあるのです。
エプロン型は、エプロンのようにひもを首からかけて着用します。ひもにはDカンという長さを調節できる金具がついていて、一度調整するだけでずっとそのまま使えるものもあれば、リボンのようになっていて毎回結ぶデザインのものもあります。
▼赤ちゃんを抱っこする
© buritora - stock.adobe.com
授乳ケープをつけたら、次に授乳するときの体制で抱っこしてください。縦抱きや横抱き、フットボール抱きなど、どの抱き方でも使えます。
ケープを使って授乳するときは、見える景色が突然変わって驚いたり周りが見えず不安になったりして、赤ちゃんが暴れる場合がありますので注意してください。
外出時の授乳はいつもと環境が違うので、赤ちゃんの気が散ってしまい、上手に飲めないことがあります。そんなとき、抱き方のバリエーションをできるだけ増やしておくと、授乳しやすいので便利ですよ。
▼赤ちゃんをケープで隠す
赤ちゃんを抱っこした次は、上からケープで覆い、赤ちゃんを隠します。エプロン型は、肌が見えないように注意してくださいね。
月齢が上がってくると動きが大きくなったり、ケープに気をとられて遊び始めたりすることもあります。赤ちゃんの体も大きくなってきて、ケープで隠れなくなってきますので、丈が長いものを選んでおくと安心ですよ。
▼ケープの中で胸を出す
次に、ケープの中で胸を出します。ケープの中で手間取ることなく胸を出すには、授乳服を着るのがおすすめ。なぜなら、胸のところにボタンがついていたり、ゆったりしたデザインで前開きだったりと、胸を出しやすいデザインになっているからです。
どうしても普通の服を着たいという場合は、ボタンで前を開けられるデザインのものや、下からまくっても背中が出ないようなものがイチオシ。いくらケープの中といっても、胸を出しづらい服は避けた方が良いでしょう。前が開かないワンピースやサロペット、コンビネゾン、オールインワンは卒乳するまでは着用できないでしょう。
赤ちゃんのためにも自分のためにも、授乳をスムーズに行うべく、洋服のチョイスも工夫してくださいね。
▼授乳する
胸を出したあとは、ケープの隙間から位置を確認して授乳を始めてください。
エプロン型であれば、首元にワイヤーがついているものが多いので、首とケープの間から赤ちゃんの様子を確認できます。
ポンチョ型やストール型は、外から見えない分、安心して授乳できますが、ワイヤーがついていないと赤ちゃんの様子が見えないことも。最近では、ワイヤーがついていないものでも、中を見えるように設計された商品も販売されていますので、購入の際には確認ください。
赤ちゃんの様子が見えない場合は、ちょうど良い位置を手探りで探さなければなりませんので、まずは自宅で練習してコツをつかむと良いでしょう。