2018年8月26日 06:00|ウーマンエキサイト

「学校行きたくない」と言われたら(前編)/子どもが追い込まれる危険日は夏休み明け


■夏休み明けは一番注意が必要!

子どもが「学校行きたくない」と言ったら

© tatsushi - stock.adobe.com


――1年をとおして、不登校になりやすい時期というのはありますか。

厚生労働省が発表している「自殺対策白書」によると、9月1日に18歳以下の日別自殺者数は突出して高くなっています。

「自殺」というと大げさだと感じるかもしれませんが、これまで数多くの不登校の人たちと出会ってきて、この時期というのは不登校が始まる時期に限りなくイコールだと思っています。

――この統計では、夏休みやゴールデンウィーク、冬休みなどが明ける時期に、自殺者が多くなっていますよね。不登校が始まるのも、休み明けの時期が多いということですか。

そうですね、とくに夏休み明けは注意してあげてもらいたいです。


■不登校になる理由はひとつじゃない

子どもが「学校行きたくない」と言ったら

© takasu - stock.adobe.com


――なぜ子どもたちは「学校に行きたくない」というのか、その理由は特定できるものなのでしょうか。

それは難しいと思います。なぜなら、子どもたちが不登校になる理由はひとつだけではなく、3つくらいの理由が重なり合っているからです。

子どもたち自身が、学校に行きたくない理由を説明するのが難しいと同時に、いじめられている場合は親に言いたくないと感じるものです。ですから、子どもの不登校の理由を見つけるのはなかなか容易なことではありません。

――子ども自身も理由がわからないということがあるのですね。

私が取材したなかで、小学生から不登校だった子がいるのですが、その人は話を聞くたびに不登校だった理由が変わったんです。

約5年おきに取材をしていたのですが、初めは「雷が怖かったから」、次は「いじめられていたから」と話していて、いじめられていたと言いにくかったのだなと思っていました。


しかし、その後「やっぱり雷が怖かった」と言っていて、よく話を聞くと彼はいわゆる「HSC」で、雷の音に敏感に反応していてパニックを起こし、それが理由でいじめにも遭っていたことがわかったのです。

このように、子どもたちが学校に行けない理由は複数ある可能性があります。まずはそのことを知ってあげることが大切ですね。

次回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、引き続き石井編集長にお話をお伺いします。具体的な子どもとの向き合い方についても、ご紹介します。

■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール
子どもが「学校行きたくない」と言ったら
1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。
19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。



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