夏休み自由研究「好きを仕事にする第一歩!」“サメ博士”が教える自由研究のコツ



■夏休みの自由研究「生物観察ならここが大事!」

夏休み自由研究「好きを仕事にする第一歩!」“サメ博士”が教える自由研究のコツ

寄藤文平さん描き下ろしの「サメ図鑑」


――小学生の頃は、どんなテーマで夏休みの自由研究をやっていましたか?

沼口さん:低学年、中学年の自由研究では、「無脊椎動物の標本作り」をしました。

家族で海辺へ遊びに出かけた時、東京大学の学生さんが開催する海洋生物セミナーに参加したんです。そこでホヤなどの無脊椎動物のことを学び、そのあと、海辺で採取したカニや貝を乾燥標本にして、クッキーの箱の中にディスプレイして提出しました。ニオイがなかなか強烈で、クラスメートには嫌がられましたけど…。

高学年では、カブトムシ観察記録。これもなにかのイベントで、虫捕りの専門家と一泊で山の中に昆虫をとりにいくセミナーに家族で参加しました。

そこで採取したカブトムシの観察記録と、自分で撮影した写真や図鑑の情報などをまとめて提出しました。これは、学年トップ10に選ばれて、長らく学校に展示してもらった記憶があります。
父の一眼レフカメラで、カブトムシの飛び立つ瞬間を撮影したことと、じっくりとした観察記録が好評だったようです。

両親も一緒に考えてくれていたので、どちらかといえば自由研究は好きな方でした。

――この時期、自由研究に四苦八苦している子どもたちが多いと思います。うまくやるコツはありますか?

沼口さん:好きな生物をひたすら観察して、その記録をとるのが面白いかもしれません。仕事柄、自由研究を添削することも多いのですが、「こんなことをやった結果、こんなことがわかりました!」という文面でも、論理性に欠けている内容では「もったいないな…」と感じることが少なくありません。

生物の観察を自由研究のテーマにした場合、内容は次の2つに大きく分けられると思います。

・自分で見たこと…自分しか見ていないかもしれない貴重な体験。

・他人が見たこと…一般論だったり、一般的な図鑑に書いてあること。


この2つのうち、「自分で見たこと」の方が価値のあることだと、まずは認識しましょう。そのうえで、次の2つをうまく切り分けてまとめられるといいですね。

・結果…「自分で見たこと」「他人が見たこと」からいえる論理的な結果。

・考察…「結果」についての自分の意見や展望。


ただ、低学年や中学年でこの作業は少し難しいので、ママパパのフォローが必要かもしれません。

――お子さんがサメをテーマに自由研究をする場合、どうしたらいいでしょうか?

沼口さん:サメのなにに興味を持ったかにもよりますが、実体験が大事だと思いますので、私が主宰するイベントに参加いただければ、生きたサメの観察や解剖、標本作りなどを指導することができますよ。
夏休み自由研究「好きを仕事にする第一歩!」“サメ博士”が教える自由研究のコツ

毎年、山の日前後に静岡市で開催している「シャーク塾」。今年は、全国からサメ好き参加者が26名集まった


それが難しい場合は、水族館に行って、「ほぼ命がけサメ図鑑」に書かれているサメを探して観察したり、飼育員さんにインタビューしたり、ほかの図鑑なども調べたりするといいかもしれませんね。


本書には、第1章にサメについての生態や概要、第2章には私が体験したサメのエッセイ、第3章は実際にサメに会いたくなった人のためのオススメスポットが書かれてていますから、参考にしてください。

ちなみに、「サメサメ倶楽部」というネット上のサロンでも、夏休みの自由研究の指導もやっていますよ。


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