2019年6月18日 17:00|ウーマンエキサイト

子育ては親だけの責任?「私だって迷惑をかけたくない…」【今日からしつけをやめてみた 第5回】



■しつけなくても子どもはできる! あなどれない「観察力」

――先生、ここでちょっと疑問です。自分流に根拠のあるしつけだけを実践してみたものの、本当にそれだけで社会のマナーや礼儀などが身に付くのか、不安になるママもいるかと思うのですが…。

柴田先生:そうね。いいエピソードがあるわ。あるとき、りんごの木に通っている4~5歳の子どもたちを、隣の保育園の園長先生が招待してくれたのね。

お正月に獅子舞がくるイベントだった。イベントが終わったあとで園長先生が「今から年長さんは部屋の中でお茶のお点前をいただきます。一緒にどうですか?」と誘ってくれたの。


――楽しそう…!

柴田先生:でも「うちは無理です(たぶん、落ち着いていられない)」って断ったの。園長先生は「そんなこといわず、どうぞ」って…。

だから子どもたちに「これからごちそうしてくれるようだから、おじゃましようか?」と相談したの。そうしたら、子どもたちは玄関のほうにバーっと走っていって、靴をきちんとそろえてなかに入ったの。りんごの木では一切靴なんかそろえないのに…。

――「ここは、ちゃんと靴をそろえるべき」と分かっている…?

柴田先生:そう。きちんとする場所は「分かってる」ってことよね。

それから部屋の中でも正座してるのね。
お菓子にあんこ入りのおまんじゅうが出たんだけど、あんこが苦手な子が中身を知らず、口に入れてしまった。

ペッと吐き出すかと思ったら、私の顔を見て「どうする…?」って泣きそうな顔をしてるの(笑)。「紙に包んで…」と小声でいったら、紙にそうっと包んだのね。

――ここでは、いつもみたいにペッと吐き出しちゃいけない、と思ったんですね。

柴田先生:そうかもね。こんなふうに子どもは大人を見ている。それに大人がどういうことを好むか、分かっていると思うの。だから家の中ではちゃめちゃでも、外にいくと「おはようございます」っていったりするじゃない?

外だと良い子っているわよね。
これは外面が良いというより、場をわきまえる子なの。

――場をわきまえる子…。

柴田先生:保育園の園長先生に「ちゃんとした子どもたちですね」っていわれて、私「はあ…(苦笑)」って。そのあと「何か質問はありますか?」って園長先生がいったら、子どもたちは「はい! はい! はい!」って手を上げて。

「なんで、これはこうなんですか?」って質問攻め。そこは空気を読むんじゃなくて、自分を持っている。そこでのふるまいを心得ているんだと思ったの。

――場をわきまえて、ふるまう。
知りたいこと、興味のあることは素直に聞く(笑)。その姿勢って、すごく理想的ですね。





心にストンと落ちる。柴田先生のお話はそんな表現がぴったりです。

「子どものことは親だけの責任」という空気感に「私がしっかりしなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と息苦しくなっているママは多いのではないでしょうか。

みんなが心にゆとりを持てるような社会。そのためにまずは自分の心を楽にしてあげようと思いました。

参考図書:
『今日からしつけをやめてみた』(主婦の友社)
あらい ぴろよ (イラスト), 柴田 愛子 (監修)
子育ては親だけの責任?「私だって迷惑をかけたくない…」【今日からしつけをやめてみた 第5回】
「小さいうちから、きちんとしつけないと…」そうしておこなわれる「しつけ」は子どもにどんな影響を与えているのか? しつけなくして、親子が笑顔になる方法はあるのか? 子どもの目に映る世界は、大人が見ている世界とは違うもの。
親子でストレスの溜まる「しつけ呪縛」から解放される一冊。



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