連載記事:ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策
プール熱「のどが痛い、目が真っ赤…」症状、感染経路、予防、対処、登校基準は?【ママが知るべき「子どもの感染症」傾向と対策 第12回】
6月に入り、保育園や幼稚園、学校ではプール開きや水遊びの季節ですね。
親としては水着などの準備や洗濯物が増えることを気にしがちですが、これからの時期にこそ気を付けたいのが感染症です。
夏にかかることの多い感染症の一つが「咽頭結膜熱」、いわゆる「プール熱」。症状や感染経路、予防法についてご紹介します。
■プール熱、5月下旬の感染者数が今年最多に!
プール熱とは、アデノウイルスによって引き起こされる、突然の高熱とのどのはれ、目の充血などが特徴の感染症。感染者のうち、5歳以下の子どもが全体の6割程度を占め、幼児から小学生が多くかかります。
かつて、夏にプールを介して感染することが多かったため、「プール熱」と呼ばれるようになりましたが、現在はプールの塩素濃度管理が徹底されているため、プールの水から感染することは滅多にないようです。
毎年6月から8月にかけて、プール遊びの時期に流行ることが多いとされます。
現在、咽頭結膜熱(プール熱)はどの程度流行っているのでしょうか?
国立感染症研究所によると、2019年5月20日から5月26日までの全国約3000の医療機関1定点あたりの報告数は0.64人で、今年に入って最多人数になっています。
過去5年間の同時期と比較するとやや低い数字ですが、前週から急激に増えています。また例年、流行のピークを迎えるのはこれからのため、今後も感染者数が増えていく可能性があるといえそうです。
都道府県別に見ると、鳥取県が1.42人、新潟県が1.30人、沖縄県が1.18人の順に多くなっています。
咽頭結膜熱は夏の感染症と思われがちですが、近年では冬にも流行ることが多くあります。一年を通して注意したほうがよさそうですね。
■プール熱の症状、潜伏期間、感染経路は?
では、咽頭結膜熱(プール熱)の症状をくわしく見ていきましょう。また、咽頭結膜熱と流行性角結膜炎の違いはどこにあるのでしょうか?
【症状】
1日の間に39~40℃の高熱と、37~38℃の微熱の間を行き来する症状が4~5日続きます。
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扁桃腺がはれて、のどが赤くなり、痛みをともないます。リンパ節がはれたり、頭痛や腹痛が起きることも。さらに、目が真っ赤に充血して、目やにや涙が多く出るなどの結膜炎症状が出ます。
【潜伏期間】
潜伏期間は2日から14日です。
【感染経路】
目をこすった後に手指をふいたタオルなどを介した接触感染、くしゃみやせきなどのしぶきによる飛まつ感染。
【流行性角結膜炎との違い】
咽頭結膜熱と流行性角膜炎、どちらもアデノウイルスによって引き起こされる感染症ですが、ウイルスの型が異なります。
どちらも目に結膜炎の症状がありますが、高熱になりやすく、のどの痛みなどの症状がプラスされたものが咽頭性結膜炎といえるようです。