■カフェインだけじゃない! ほうじ茶に含まれるもの
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▼カテキンやタンニン
カテキンと聞けば、抗酸化作用やコレステロールの低下、抗菌作用など、健康的な成分だというイメージを持っていることでしょう。それではタンニンは? 実は、別のもののようで、実はカテキンはタンニンの成分の一部なのだとか。
カフェインが入っているかどうかを気にする人は多くても、カテキンやタンニンを避けるべきものとして気にしている人はさほど多くはないかもしれません。
一般的にはよいとされる成分でも、妊娠中は話が別。少し気をつけたほうがよさそうです。妊娠すると鉄欠乏性貧血になる女性が多く、その治療のために鉄剤を処方されることも。
お茶に含まれるタンニン(カテキン)には鉄の吸収を妨げる作用があるため、せっかくの治療が無意味なものになってしまうかもしれません。
<抽出液100mlあたりのタンニン含有量>
ほうじ茶 40mg
煎茶 70mg
玄米茶 10mg
玉露 230mg
ウーロン茶 30mg
紅茶 100mg
コーヒー 250mg
緑茶を焙煎してできるほうじ茶は、茶葉をほうじることでカテキンは減少するという特徴があります。
結果、ほうじ茶はお茶類の中でもタンニンの含有量が少なくなり、鉄分の吸収を阻害する影響は少ないと考えられます。
また、鉄剤を服用する前後1時間を避けるなど、ほうじ茶を飲むタイミングも工夫できるといいですね。
▼ピラジン
茶葉をほうじることで減少する成分があれば、増える成分もあります。それがほうじ茶の香ばしい香りの成分となるピラジンです。香りがいいだけでなく、ピラジンは血液をサラサラにしたり、リラックスさせるうれしい働きをしてくれます。
ピラジンを含んだほうじ茶は、実は家庭でも簡単につくることができます。
作り方は、いつも飲んでいる緑茶や、少し古くなった茶葉をフライパンに広げて火にかけるだけ。あらかじめ茶葉をザルでふるい、粉になったものを除いておけば焦げる心配もありません。
フライパンを振りながら好みの色になるまでいり、冷ましたらできあがりです。ほうじ具合で色やコク、味に違いが出るので、好みのほうじ茶を追求するのも楽しそう。
ほうじ茶の香りを堪能したいなら、高温のお湯でいれるのがおすすめ。冷たく冷やすとスッキリとした味わいになります。
参考書籍:『あたらしくておいしい日本茶レシピ』(日本文化社)著者 本間節子
▼ほうじ茶のいいところ
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お茶には、アミノ酸の一種であるうまみ成分の“テアニン”という物質が含まれています。テアニンには心身をリラックスさせる効果があることがわかり、注目を集めています。
また、テアニンとカフェインをいっしょに摂取すると、カフェインだけを摂取したときよりも気分がよくなり、注意力がアップするという研究結果もあるのだとか。ほうじ茶を飲むと、ほっと心がほぐれるのにはきちんとした理由があったようです。
また、先に述べたように、カテキンの含有量が緑茶と比べて少ないところもポイントです。
ほかのお茶類と比べてカフェインやカテキンの含有量が少ないだけではなく、ほうじ茶にはさらにうれしいポイントがあります。それは、妊娠を希望する女性や妊娠中のプレママが意識的に摂取している葉酸を多く含んでいるところです。
<浸出液100gあたりに含まれる葉酸の量>
ほうじ茶 40mg
玉露 150μg
煎茶 16μg
ほうじ茶 13μg
玄米茶 3μg
紅茶 3μg
ウーロン茶 2μg
一見すると、葉酸を多く摂取したいならほうじ茶よりも玉露や煎茶を飲んだほうがいいように思えます。しかし、これらには葉酸だけではなくカフェインやカテキンも多く含まれることを忘れてはいけません。
その点、ほうじ茶は葉酸を多く含みながらもカフェインやカテキンの量が少なく、妊婦さんやママにとってはバランスの取れたうれしいお茶であるといえそうです。
■まとめ
ほうじ茶なら、コーヒーや紅茶、緑茶と比べてカフェインやカテキンの含有量が少ないことから、妊娠・授乳中でも比較的安心して飲むことができそうです。また、ほうじ茶ならではのうれしいリラックス効果も。
最近では、ほうじ茶ラテや、タピオカほうじ茶も登場。和のイメージをくつがえし、ちょっとおシャレな飲み物という一面も見ることもできます。コーヒーや紅茶が飲めなくても、楽しいチョイスができるのはうれしいこと。もちろん、飲みすぎには気をつけて、すてきなティータイムを楽しんでくださいね。
参考資料:
・厚生労働省食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
・文部科学省「日本食品標準成分表
・『茶の辞典』(朝倉書店)編者 大森正司ほか
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