■初産が予定日超過しやすい原因
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原因1:子宮口が硬い (熟化が起きにくい)
初産が出産予定日を超過しやすい傾向にある一番の原因として、子宮口の塾化が起きにくい、つまり子宮口が硬いからという意見があります。
ただし、これは陣痛が始まって出産までの時間には関係しますが、予定日の超過とは直接関係がないという意見もあります。
原因2:ママの運動不足
初めての妊娠・出産ということで、無理しないようにという気持ちが先立って、初産婦は運動不足の傾向があるようです。
妊婦健診で医師から体重増加を指摘されたり「なるべく歩くようにしてくださいね」と言われたら要注意。運動不足による予定日超過となるかもしれません。
それに対し経産婦は、すでに子どもがいるわけですから、ジッとしてはいられません。家事に育児に動き回らなければいけないので、運動不足とは無縁。逆に動き過ぎて、出産が早まる傾向があるようです。
■予定日を超えても赤ちゃんは大丈夫?
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42週未満なら大丈夫
出産予定日を超えたとしても、41週6日までは正産期なので何の問題もありません。
初めての出産で予定日を過ぎてしまうと「大丈夫かな」「陣痛ってどんな感じ何だろう」「突然破水したらどうしよう」と心配でしょうが、気にしすぎることはありません。
42週を超えた場合のリスク
ただし、出産予定日を2週間以上過ぎると「過期妊娠」となりリスクが多い出産となります。主に、赤ちゃんにとって次の3つのリスクがあるといわれています。
・鎖骨骨折
赤ちゃんが大きくなりすぎて、出産中に鎖骨を骨折するリスク。
・Erb麻痺
出産時の外からの力によって、赤ちゃんの末梢神経が圧迫されるなどで運動麻痺が残るリスク。
・胎便吸引症候群
赤ちゃんがおなかの中で胎便や羊水を飲み込んでしまい、呼吸障害を起こすリスク。
一方、母体にも以下のようなリスクがあります。
・分娩障害
お産が途中で止まってしまう。
・肩甲難産
赤ちゃんの肩の部分が引っかかって出てこない。
・弛緩出血
産後の出血が止まらなくなる。
いずれも、妊娠期間が長くなったことで赤ちゃんが大きくなりすぎたためのリスクです。
■初産で予定日を超えたらどう過ごしたらいい?
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落ち着いてリラックスして過ごしていればOK
出産予定日を超えているということは、赤ちゃんは十分育っているので、いつ生まれても大丈夫な状態です。
リラックスして、無理のない範囲で適度な運動を心がけ、出産を待ちましょう。
陣痛促進剤とは
陣痛促進剤(陣痛誘発剤・子宮収縮剤)は、自然陣痛で母体から分泌されるホルモン(オキシトシン、プロスタグランジン)と同じ製剤を投与することで、陣痛を促す効果があります。
病院や担当医の考え方や方針にもよりますが、一般的に、妊娠41週を過ぎたらこの陣痛促進剤を使用するかどうかを決断することになります。
陣痛促進剤については、事故やトラブルもあることから使用の賛否が分かれるところですが、自然陣痛を待って出産した場合に比べ、死産のリスクは約7割減、胎便吸引症候群のリスクは約6割減という報告もあります。
陣痛促進剤による分娩誘発を行う際は、赤ちゃんの状態に問題がないこと、子宮口が熟化していることなどを確認して行われます。陣痛促進剤を使用しない場合は、帝王切開の出産などに切り替える場合もあります。
陣痛促進剤の使用については、医師と十分相談したうえで決めるといいでしょう。
■まとめ
初めての妊娠・出産は楽しみが大きい反面、同じくらいの不安もあるでしょう。
「陣痛ってすごい痛いって聞くけれど耐えられる?」「子どもが生まれるまで何時間?」「ちゃんと赤ちゃんを育てられるかな?」と疑問と心配だらけだと思います。
しかし、「母は強し!」で、生まれてきた赤ちゃんの顔を見たらすべてが吹き飛びます。それまで、ゆったりリラックスして、赤ちゃんと会える日をゆったりした気持ちで待ちましょう。
参考資料:国立成育医療研究センター「出産に際して知っておきたいこと」