連載記事:子どもの「病気・けが」教えて!ドクター
【医師監修】コロナ禍のインフルエンザ、今年はどのように対策すべき?【子どもの「病気・けが」教えて!ドクター 第5回】
新型コロナウイルスの感染が収束しないまま、本格的な冬がまもなく訪れます。これからの時期に心配な感染症の一つが、インフルエンザ。今年は特にどのような対策をとる必要があるのでしょうか。
今回は、インフルエンザの対策や予防対策について、書籍
『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』からご紹介します。
■インフルエンザの症状とは?
出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』(KADOKAWA)
インフルエンザは、年齢を問わず
冬に大流行する呼吸器の感染症です。熱は4〜5日続くことが多く、
合併症を引き起こすこともあって、重症化しやすいのが特徴。
子どもの場合は、いったん解熱した後、数日後に再び発熱することもありますが、ほとんどはその後自然に解熱します。
インフルエンザの主な症状には、
発熱やだるさ、喉の痛みや頭痛があります。さらに、腹痛やおう吐などの症状が出る場合もあります。
■インフルエンザによる合併症
出典:『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』(KADOKAWA)
インフルエンザは、
脳炎や脳症、気管支炎や肺炎など の合併症を引き起こすことがあります。
日本では、小児の脳炎の原因としてインフルエンザが最多であり、
毎年200〜500人が発症しています。脳炎は、発熱してから2日以内に起こりやすく、治療しても死亡や後遺症を残してしまう場合があります。
また、インフルエンザは、時に
異常行動を引き起こすこともあるため、家の中では子どものそばで注意深く見守りましょう。
■インフルエンザのおうちケア
もし子どもがインフルエンザにかかってしまったら、おうちで下記のようなケアをしてあげましょう。
【インフルエンザのおうちケア】
1、自宅で水分をしっかりとって安静にする
2、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を内服後はおう吐や下痢などの副作用に注意する
3、インフルエンザの合併症で、異常行動を起こすこともあるので、注意して見守る
インフルエンザは、自然経過で治ることがほとんどなので、
安静にすることが一番の治療です。
タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、発熱後48時間以内に飲めば、1〜2日早く熱を下げる効果がありますが、重症化や脳症を予防できるわけではないとも言われています。内服後は、おう吐や下痢などの副作用にも注意が必要です。