※今回の内容は、具体的な描写が含まれます。トラウマやフラッシュバックの可能性がある方、不快に思われる方は閲覧をお控えください。
ザワッとするような性犯罪のニュースを見かけます。
小さな女の子が公衆トイレに連れ込まれたとか、歯の治療中に胸を触られたりとか、ニュースを目にするたびに犯人への憎悪が沸くとともに、被害に遭った女の子はさぞかし怖かっただろうな…と同情せずにはいられません。
ただその一方で、「明るみに出ているだけ凄いな」と思う気持ちも。。
表面化しているのはほんの氷山の一角で、多くの事件は被害者の胸の内に秘められているのではないかと思います。
何故かというと、私もかつてそうだったからです。
■小学生の時、知らないお兄さんに話しかけられて…
当時、小学校低学年でした。
あの日は下校後、お友達と遊ぶ約束をしていて、自転車に乗って出かけているときでした。
細い坂道の下に差し掛かった時、
向かいの細道から男の人が自転車でこっちに向かってきたのです。
低学年の私から見たら大人の男の人の年齢は正確には分からないけれど、おじさんではありませんでした。
20代ぐらいのお兄さんのように見えました。
てっきりすれ違うものかと思っていたら、お兄さんが私に声をかけていました。
「ねぇ」
「虫がついてるよ」と言ってきたのです。
…虫?? どこに??
自転車を停めて洋服を確認しましたが見当たりません。
そして男は言いました。
「取ってあげるよ。こっちへおいで」
自転車を停めて死角になっている建物の影へ連れていかれました。
どうしてこっちまで行かないといけないのかな?
7歳の頭でも違和感は覚えました。
でも、「こういう所に行かないと取れないものなのかな?」と判断がつかなかったんです。
言われるままに建物の影に移動すると、今度は優しい声で、
「ほら、ここについてるよ。取ってあげる。じっとしてて」と言いました。
そして、スカートの中に手を入れてきました。
ここでもやはりおかしいと思いました。
でも、判断がつかないんです。
大人になった今なら明らかにおかしいって分かるのですが、7歳の経験値では「そういうこともあるのかな?」って思うしか出来なくて、じっとしてるしかありませんでした。
そして手はさらに下着の中に伸びました。
痛い!
痛いし怖いし、気持ち悪いし、どうしていいかわかりません。
学校や幼稚園や、そして親からも、「怪しい人にはついて行かない」とか「危ない目に遭ったら大きな声を出しましょう」とか「キケンから身を守る方法」は聞いてきましたし、頭には入っていました。
でもこのお兄さんは全然怖そうな人じゃないし、優しそうだし、虫を取ってくれるって言うし、でも感覚的に怖いし逃げたいしどうしたらいいかわかりません。
とうとう怖くなった私は泣きだしてしまいました。
すると男は「ごめんごめん!!」と言ってそそくさと立ち去っていきました。
1人建物の影に残された私。
しばらくは男が戻ってくるのかもしれないと思ってそこから動けませんでした。
怖くて…何が起こったのかわからなくて、その場でしばらく泣いて、状況を頭の中で少し整理すると、今度は不安が襲ってきました。
「どうしよう、お母さんにバレたら怒られる…」
そう思うようになったんです。
「怪しい人にはついていかない」「危ない目に遭ったら大声で助けを呼ぼう」
そう教えられてきたのに、自分は何も出来なかった…
私がダメなんだ、私がいけないんだ。
この頃、性的な知識は一切ありませんでしたが、感覚的にこれは絶対に誰にも言っちゃいけない事だと思いました。
そして、服を整えて、何事もなかったかのようにお友達の家に遊びに行き、決して悟られないようにしました。
ふぅ…よかった。
誰にもバレずに済んだ。
怖かったけど、バレたくない。
平静を必死で装って次の日学校に行くと、思わぬ事態が起こりました。