コミックエッセイ:夫婦・子育ていまむかし

太夫と花魁の違いとは? 調べてみると奥が深い「遊女の歴史」(後編)【夫婦・子育ていまむかし Vol.6】

夫婦・子育ていまむかし

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江戸、明治、大正…と日本人はどんな子育てをしていたのでしょうか? 家族のあり方やライフスタイルが多様化している今、改めて日本の歴史を見直してみませんか! 不思議な公家のたぬ君と遊び女おこんのふたりが…

ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。

前回は古代から中世(戦国時代末期)までの遊女たちの意外な姿を見てきました。

時代劇などで見るイメージとはずいぶん違って驚きましたか?

夫にこの話をしても最初はよく理解できなかったようで…。

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それでは、いつもとは違う格好のおこんさんと、慶長年間(江戸初期)の京都四条河原に行ってみましょう…!

阿国歌舞伎(おくにかぶき)とは?

そこで演じられていたのは、戦国時代から江戸時代への転換期の話をするのに外すことはできない「阿国歌舞伎」。
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出雲国の歩き巫女だったという阿国(おくに)が率いる一座は都で一世風靡しました。阿国はジプシー的巫女兼芸能者ですね。

阿国歌舞伎は、女性が男装し、当時流行していたかぶき者 (他と異なる服装や行動をする若者) を取り入れた「かぶき踊」を演じて人気となったようです。

これも現代の感覚だとなかなか受け入れ難いのですが、江戸時代までの性愛対象って異性に加えて「若衆(未成年男子)」も対象として存在していたんですよね。
(詳しくは同性愛の歴史をご参照ください)

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つまり男装(女装)して演じるという男女が入れ替わった内容は、異性愛に限定されず、どの立場の人にとっても関心が高く注目を集めやすい演目だったのではと…。これを遊女屋が真似し始めると風紀が乱れるとのことで禁じられ、すると若衆を売る陰間屋が真似していき…最終的に「成人男性」だけが歌舞伎を演じてOKというルールに落ち着いて現代に至ります。

そして異性装や変わった服装で舞踊に興じるブームって、実は時代の混迷期・転換期によく起こるなぁと。
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平安時代末期には白拍子舞。
戦国末期には歌舞伎。
江戸末期にはええじゃないか踊り。
そして…ちょっと飛躍してるって言われるかもしれないけれど、個人的には1980年代のディスコブーム。

異性装や派手で変わった服装で踊るというのは、文化の爛熟期と不安定な社会情勢への庶民の反発が強まっている時期に流行りがち…と考えられませんか?

その視点で見ると阿国は、まるで中世の終わりを告げにきた存在に見えます。貴と賤、聖と俗、男と女、いろんな両極間の媒介者であり自由の象徴でもあった中世までの遊び女(あそびめ)が活躍するのはここまで…です。

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