2023年3月8日 12:00|ウーマンエキサイト

「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

目次

・「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」史上一番大きい赤ちゃんマークが登場
・子育て環境日本一を目指す京都府の取り組み
・西脇隆俊京都府知事に取材 みんなに優しい街づくりの条件
・「泣いてもかましまへん!」をきっかけに広がる優しい街
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】「公共の場で泣き出してしまった赤ちゃんを、なんとか泣き止ませようと必死な親御さんに“大丈夫ですよ”、“温かく見守っていますよ”という気持ちを伝えるステッカーを、一緒に作りませんか?」。

WEラブ赤ちゃんプロジェクトは、私、エッセイスト・紫原明子からウーマンエキサイト編集部への、こんな突然の呼びかけを機に、2016年5月5日の子どもの日にスタートしました。プロジェクトの中で制作した「泣いてもいいよ!」ステッカープレゼント企画には、直後から私たちの予想をはるかに超える大きな反響をいただき、今日では300以上の企業・団体や28つもの自治体が賛同を表明し、オリジナルの方言版ステッカーを配布を実施してくださっています。

今回から始まる本企画「賛同自治体キャラバン」では、WEラブ赤ちゃんプロジェクトに賛同してくださった各自治体の思いや、特色豊かな取り組みの事例を詳しくご紹介していきます。初回となる今回は、「泣いてもかましまへん!」ステッカーを街中で配布してくださっている、京都府での取り組みの模様をお届けします。
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」史上一番大きい赤ちゃんマークが登場

「紫原さん、京都に行きましょう!」と石上さんに声をかけられ、急遽京都に赴いたのは昨年12月のことでした。石上さんはウーマンエキサイト編集部で、WEラブ赤ちゃんプロジェクトを立ち上げからずっと担当してくれている人です。そんな石上さんが、なにやら京都がすごいことになっている、と言うのです。「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】
そんなわけで降り立った京都駅、クリスマス直前の大階段は鮮やかにライトアップされ、寒い中にも関わらず行き交う人の足を止めていました。そこへ突然出現したのは、見覚えのある可愛い赤ちゃんのイラストと、大きな「泣いてもかましまへん!」の文字。圧巻の光景に思わず息を飲みました。
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

2022年12月25日まで、京都駅の大階段が「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」の仕様に点灯



子育て環境日本一を目指す京都府の取り組み

2021年11月、「京都府子育て環境日本一推進会議」を設置した京都府では、子どもや子育て世代を社会全体であたたかく見守り、支え合う取り組みの一環として、WEラブ赤ちゃんプロジェクトへの賛同を表明しました。

これまでの各地自治体との取り組みでは、地元の方により親しみを持っていただけるよう、「泣いてもええんやに!」(三重県)や「泣いてもええんでぇ!」(岡山県)など、ご当地の方言版ステッカーを制作、配布してきましたが、京都版では「泣いてもかましまへん!」と、なんとも京都らしい、温かみのある言葉が選ばれました。

実はそんな京都府では、この「泣いてもかましまへん!」を、過去に例のないほど大々的に展開してくださっているのです。京都駅構内でのステッカーの配布やポスターの掲示、地下鉄やバス車体のポスター掲示、車内中吊り広告。府内全域の郵便ポストでの掲示や、ラッピングバスの走行。さらに今回の京都駅大階段イルミネーションの点灯。 京都府では一体どうしてここまで大きな取り組みができたのでしょうか。今回の訪問では、なんと西脇隆俊京都府知事から、直接その背景を伺うことができました。

「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

賛同後の2022年は、京都府内では電車の中や駅構内でプロジェクトをPR



西脇隆俊京都府知事に取材 みんなに優しい街づくりの条件

「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】
「京都でプロジェクトを展開して以来、至るところで“あれいいね!”と声をかけてもらいます。京都府での認知度は非常に高い。ごくたまに、“子どもにだけ優しくして”と言われることもありますが、子どもに優しい街はみんなに優しい街。街に子どもの姿は絶対に必要なんです」。

そう語る西脇隆俊知事は、知事就任以前、国土交通省と復興庁で、東日本大震災の震災復興に携わってこられました。被災した町を再び人が住めるよう整備し、仮設住宅を建てるも、以前のような子育て世帯が戻ってくるまでには随分長い時間がかかったと言います。
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】
その間、何度も東北を訪れては、子どものいない町を目にしたという西脇知事。知事就任直後から子育て支援政策を重要視し、その一環としてWEラブ赤ちゃんプロジェクトへの賛同に至った背景には、発展していく街には絶対に子どもが必要、京都を子どもの声が溢れる町にしたい、という強い思いがあったそうです。

「もともと、WEラブ赤ちゃんプロジェクトの賛同後は、ステッカーを配るだけの予定だったんです。ところが京都府子育て環境日本一推進会議キックオフイベントで紫原さんのスピーチを聞いてね。これはもっと本腰を入れてやらなきゃいかん、と。それでその日のうちに、大々的にやってくれ、と副知事室に行って指示を出したんです」。
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

2021年11月に京都府で開催された京都府子育て環境日本一推進会議キックオフイベントにて放映されたビデオスピーチ


知事が自ら副知事室に赴き指示を出すと言うのは、府政においても極めて異例の事態だといいます。そんな西脇知事の強い思いを受け、現在プロジェクトの実行を担う、京都府こども青少年総合対策室長、東江赳欣さんは、プロジェクトに賛同したことの意義について、次のように語ります。


「京都府での子育て環境支援では、風土づくり・まちづくり・職場づくりという三つの視点から取り組みを進めています。この中でも風土づくりに関しては、重要でありながらも行政主導で進めるのが特に難しいところでもあります。この点で、WEラブ赤ちゃんプロジェクトは、ステッカーを貼るという気軽さから府民が参加しやすく、まさに街の風土づくりを後押ししてくれると感じています」(東江さん)。

京都府での「泣いてもかましまへん!」ステッカーは、現在に至るまでなんと100万枚以上印刷し、配布されているほか、府内のサッカー場の特定の試合において「WEラブ赤ちゃん特別席」を設け、子連れ歓迎観戦を実施するなど、京都府独自の取り組みも積極的に展開しています。「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

京都サンガFCの試合前に知事が自ら「泣いてもかましまへん!」ステッカーをPR

「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】

(C)KYOTO.P.S. WEラブ赤ちゃん特別シートは、赤ちゃん連れでも気軽にサッカー観戦ができるよう、プレイルームと観戦シートを行き来できる工夫も



「泣いてもかましまへん!」をきっかけに広がる優しい街

京都では「泣いてもかましまへん!」ステッカーを貼っている人同士が街中でたまたま出会い、「貼ってるんですね」と言葉を交わすなど、人と人との繋がりを生み出すきっかけになっているという話も聞きました。

ポジティブなメッセージが京都の街全体に溢れることで、子育て中の親御さんの心強いエールになるだけでなく、京都に住む人、京都を訪れる人にとっても、温かい街、京都を感じることができる。子どもに優しい風土作りはまさに、みんなに優しい街なのだと感じました。
■取材後に京都府のみなさん、石上さんと記念撮影
「泣いてもかましまへん!」があふれる街づくり【WEラブ赤ちゃんプロジェクト賛同自治体キャラバン#京都府編】


文・紫原明子
電車、バスなどの一部の写真・(C)photo picnic(藤田二郎)

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