ネット依存にならない、かっこいいネットとのつきあい方 デジタルネイティブを育てるpart2
専門家・プロ:遠藤美季
ネットが利用できる端末ごとに特徴を考えてみよう
デジタル機器が日常生活にあふれた環境で育つ子どもたちについて考える第2回は、利用する端末についてです。
いまの子どもたちは小さいときからさまざまな端末に親しみながらネットを利用しています。
パソコン、スマホ、ガラケー、タブレット、TV、ゲーム機などに加え、今年はAIスピーカー※が家庭にあるという子にも数人出会いました。スマホだけでなく、家庭内にちりばめられた複数の端末を使いこなしているようすがうかがえます。
※音声操作に対応したAIアシスタントが利用可能なスピーカー。スマートスピーカーともいう
それぞれの端末には特徴があります。
スマホを例にして考えてみましょう。スマホはパソコンに比べるとはるかに小さく、子どもの手でも無理なく使うことができますが、使うときの姿勢を考えると心配です。
まず、スマホに顔を近づけて利用しなくてはならないため、目への負担は大きくなります。スマホやパソコンから出ている“ブルーライト”は近くで浴びるほどリスクが高くなり目への悪影響が指摘されているからです。また顔から15cm~20cmの位置で見るため、より目や片眼視のくせがつくおそれもあります。
ストレートネックのリスクも心配ですね。ストレートネックとは、本来重たい頭を支えるため柔軟に少しカーブしている首の骨が、うつむき加減の同じ姿勢が長時間続くことで、文字どおりまっすぐになってしまうこと。スマホなどを悪い姿勢のまま長時間同じ姿勢で使っていると、ストレートネックになりやすいのです。ストレートネックは肩こり、頭痛の原因になるだけでなく、気持ちの落ち込みや疲れもひきおこします。
これらの点を考えただけでも、利用する子どもの年齢や体の大きさ、健康を考えた端末選びが必要になることがわかりますね。
ブルーライトに関してはブルーライト軽減のメガネもありますが、まずは間近で浴びることを避けるようにしたいところです。そのためにはなるべくスマホよりパソコンを利用することがおすすめです。またパソコンを使うならば、大きなモニターで目からの距離をあけたり、目の高さに合わせて利用すると心身への負担はかなり軽減されます。
ストレーネックにならないようにするためには、まずスマホやタブレットを使用するときの姿勢に注意しましょう。うつむき加減や、寝そべった姿勢で長時間利用するのはNGです。