くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て 大丈夫! 子どもの反抗期は克服できます
専門家・プロ:松井美香
「うちの子、今、反抗期で困っちゃう。」や「なんでもかんでもイヤイヤするのは反抗期だから仕方ない。」あるいは逆に「反抗期がなくて心配。おとなになって反動が出るんじゃないかしら。」このような話を耳にしたことはありませんか。
子どもが素直に親のいうことを聞かなくなったとき、「反抗期」という言葉が使われますが、あなたが子どものころにも心あたりがあるのではないでしょうか?今回は、アドラー流子育てでは「反抗期の子どもについて」どのように考え、具体的にどうするかをお伝えします。
反抗期という言葉に惑わされないで
一般的には、幼少期に第一次反抗期、そして思春期に第二次反抗期があるといわれています。
言葉が話せるようになった頃の子どもが、スーパーなどで親の言うことを聞かず「イヤイヤ!」と駄々をこねている姿をよく見かけます。また、思春期になった途端、子どもが「うるせぇ!」などといった乱暴な言葉を家庭で使うようになった、というような話も聞きます。
でも、彼らは本当に反抗期なのでしょうか?
あなた自身は子どもの頃、親に反抗したことはありますか?
反抗したことがあるとすれば、それは一体どんなときだったでしょうか?
おそらく、親にろくに話も聞いてもらえず、一方的に叱られたり責められたりしたときに、反抗したくなったのではないでしょうか?
これは、幼少期の子どもも同じ。年齢を問わず同様のことが考えられます。
親が一方的に叱ったり責めたりしたとき、まず子どもは「自分の意思をなんとかして通したい」という意思表示をします。同時に、どんな子どもも親の反応をうかがっています。言い方を変えれば、親の対応の仕方で、子どもの行動も変わってくるということです。
「イヤイヤ!」に対して、親が感情的に叱ったり、逆に言うことを聞かせるためにおだてたりすれば、「イヤイヤをすればかまってもらえる」ことを、子どもは覚えていくので、ますます「イヤイヤ」を言うようになります。
思春期によくある乱暴な言葉遣いも、同じように考えてみると良いでしょう。子どもが急に暴言を吐くようになったとしたら、そこには何らかの理由があるのです。
行動には必ず目的がある
子どもがそのような行動をすることには目的があると、アドラー流では考えます。反抗することの目的、それはなんだと思いますか?
それは「自分をわかってほしい、認めてほしい」