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子どものサッカーを見ていると、「スペースに走れ」「そこで止まって」など、声に出さずとも思ってしまうこと、ありますよね。ピッチサイドにいると適切な位置などがよく理解できるものです。ですが、実際にプレーをしているとどうでしょう?サッカー少年団でお母さんコーチを経験した後、自身もサッカーを習い始め「実際にやってみたら周りも見れないし、足も止まらない」と話すお母さんに、子どものサッカーへの理解について聞いてみました。現在中学生で反抗期真っただ中のお子さんとのサッカーという共通ワードでの会話も、参考にしてみてください。(文・木村芽久美)(写真はサッカーのイメージです)関連記事:「なんで走らないの」なんて言えなくなった。サッカー未経験の父たちが、自身もサッカーを始めて変わった子どもへのかかわり方■サッカー未経験のお母さんがコーチをやることになったきっかけ川崎市在住のササキさんのお子さんは、小学校入学時に小学校のサッカー少年団に入部し、サッカーを始めたそうです。当時は仕事が忙しく、普段一緒に遊ぶ時間がなかなか作れなかったため、サッカー未経験だったけれどもお母さんコーチを始めたのだそうです。「熱心なコーチがいて、お母さん達にも『コーチやりませんか?』って気さくに声をかけてくれて」チームのコーチ自身が元々サッカー未経験者で、お子さんのサッカーがきっかけで大人になってからサッカーをやり始め、インストラクターをするまで上達をされたのだそうです。「お父さんコーチだけじゃなくてお母さんコーチもウェルカムな感じで、『教えるんじゃなくて、見守るだけでいいんです』って言うので。サッカーは未経験でしたけど、子どもと一緒にいる時間をできるだけ作りたくて挑戦してみました」とササキさんは振り返ります。■見るのとやるのでは全然違う。サッカースクールに通い始めて、理解が深まる(写真はサッカーのイメージです)お母さんコーチをしていた時も多少ボールに触っていたけれども、大人のフットサルに時々誘ってもらったり、サッカー大会に参加しているうちに自身もサッカーが楽しくなっていったそう。お子さんも中学に入学し、親の手を離れ始めたこともあり、2か月前から大人のためのサッカー教室に通い始めたのだそうです。「これまでもサッカーやフットサルのイベントに参加はしてたんですけど、体が全然いうこと効かなくて(笑)。子どものサッカーを見ている時には『もっとああして、こうすればいいのに』って思うんですけど、自分がいざピッチに立つと、ボールがきてもうまくできないし。だから私も習いたいなと思って」お母さんコーチをしている時から『サッカーは見るのとやるのでは全然違う』とは思っていたそうですが、実際やってみると、自身の体で実感したそう。「子どものサッカーを見てた時は『あのスペースに走って』『そこで止まって』とか思っていたんですが、自分がやってみると周りを見る余裕もないし、走ってると急に止まれなくてバタバタバタってなってしまったり......。どこにパスを出していいのか判断の難しさを実感し、自分がやってみたからこそ、子どもたちは頑張ってサッカーをしているのだと、さらに理解が深まりましたね」■サッカーが、思春期の息子との大切なコミュニケーションツールに(写真はサッカーのイメージです)今、中学2年生の息子さんは部活でサッカーを頑張っていますが、まさに反抗期のまっ最中。「試合を見に来ないで」と言い、機嫌が悪い時はもう話しかけないでほしい雰囲気を出しているといいます。子どもの気持ちもわかるけど、それでも気になるのが親心というもの。「先日、息子にみつからないようこっそり見に行きましたけどね。中学入学以降、試合を見に行ったのは初めてです」とはにかみながら教えてくれました。反抗期真っただ中の息子さんですが、サッカーの話題になると「これができるようになったよ」と自分から報告してくれたり、ササキさんからサッカーのことで息子さんに「これどうやるの?」と聞くと「お母さん、それだと全然ダメだよ。もっとここで触るんだよ」と教えてもらっているのだそうで、親子にとって、サッカーは良いコミュニケーションツールになっているのだそうです。「サッカーは反抗期の子どもとのコミュニケーションにも役立っています。上から目線ですけどね(笑)」■サッカーは人生を豊かにし、生涯楽しめるのが魅力ササキさんは学生の頃ソフトボールをしていたそうで、その楽しかった経験から、スポーツの価値は競技志向というよりは、生涯スポーツとして人生を豊かにしてくれることにあると位置付け、息子さんのサッカーについても口出しせず、夫婦で温かく見守っているのだそうです。「スポーツで別にプロにならなくても、サッカーは仲間もできるし、国内外問わず色々な人と出会えたり、仕事関係以外でも仲間ができたり、人生を豊かにするものだと思っていて。だから小学校でやめちゃうよりは中学校、その先でも続けてスキルを上げた方が、人生的にも自分で頑張ってきた証になるし、積み重ねたものになれば」と話します。ひとつのことをやりきる充実感や忍耐力は、生きる力につながるでしょうし、友人たちとのコミュニケーションを学ぶ場として、また社会人になっても趣味として楽しめるという点などをサッカーの最大の魅力だと捉えているのです。■サッカーを通じて、親子で一緒に成長する息子さんにはできれば高校入ってからもサッカーを続けてほしいとササキさんは言います。「社会人になってからも趣味でサッカーをしたり、サッカー観戦を楽しんだり、生涯サッカーを好きでいてほしいなとは思いますね」ご自身の目標は『サッカーがもっと上手になりたい』そうで、「スクールでは今年一年ドリブルをやるみたいなので、ドリブルとかボールタッチがうまくできるようになれたら」と意欲を示します。お母さんが目標に向かって頑張る姿は、息子さんにとって大きな力になるでしょう。保護者が行動で示すことは、お子さんに大きな影響を与えるという意味でも大切だと言えるでしょう。大人も年齢に関係なく、自分の趣味や目標を持ち、サッカーを頑張るお子さんを、楽しみながら支えていけるといいですね。
2025年02月20日子どものサッカーを見ていて、「もっと走れ!」「そこ空いてる」「周りよく見て」なんてピッチサイドから声を上げる親御さん、いませんか?グラウンドの外からだと、動きがよく見えますよね。相手のスペースや味方の位置も理解できます。ですが、ピッチの中ではどうでしょう?子どものサッカーをきっかけに自身もサッカーを始めたら、「思ったより走れないし、顔を上げる難しさもわかった」というお父さん2人に、サッカーを始めてから子どもへのかかわり方がどう変化したのか聞いてみました。(取材・文木村芽久美)サッカー少年少女の考える力やチャレンジ精神を育てる方法をLINEで配信中>>関連記事:うるさいから来ないで!息子の一言で正しい応援の仕方に気づいたお母さんの話■サッカー未経験のお父さんたちが、サッカースクールに通い始めた理由とは?ブラジルの国内トップリーグで、育成においても定評があるクラブチーム「クルゼイロ」。そのクルゼイロのスクールを運営する小林ヒロノリさんが主宰する大人のためのサッカー教室に通う、ナカノさんとフジイさん。ナカノさんもフジイさんもサッカー未経験のお父さんでしたが、息子さんたちと一緒にサッカースクールに通い、ご自身もサッカーを楽しんでいます。ナカノさんは息子さんが卒園時期にサッカーをやり始めたことをきっかけに、ご自身も運動不足解消にと、大人のサッカースクールに通い始めたそうです。フジイさんは、今まで運動経験がほとんどなく、所謂「文化系」だったと言います。息子さんが1年生の夏休みにスクールに通い始め、一緒にスクールでサッカーをするだけでなく、コーチや審判のライセンスを取るまでになったのだとか。「自分がサッカーをしてみて、そのコミュニケーションツールとしての素晴らしさみたいなものに気づいて、世界中の人ができるってよくわかったんです。それで子どもにもサッカーを勧めているうちに自分も楽しくなって、一緒に上達したい、『一緒にうまくなろうぜ!』っていう想いで続けてきて」当初息子さんはスクール通いだけだったそうですが、学校のクラスの友だちを集めてチームを作り、区の大会に出場。結果はボロ負けだったのだそうですが、息子さんの向上心に火がつき「 俺、もっとうまくなりたい!」と、本格的にチームに所属し、サッカーをやり始めたのだといいます。■自分のプレーはさておき、練習や自主練にもつい口出ししてしまった経験息子さんたちのサッカーが本格的になるにつれ、つい口出ししたくなる時もあったと話してくれたナカノさん。「やっぱり息子にはチームで頑張ってほしいなっていう思いがあって、 Youtubeを見ながら一緒に練習したり、公園で一緒にボール蹴ったり、ついつい『もっとちゃんと練習やんなきゃダメだよ』って言っちゃうこともありました」フジイさんも普段代表戦やJリーグを見ていることもあり、子どもの試合や練習を見ていて、つい口出ししそうな時があったと言います。「『なんでそこ走んないの』『なんでそのポジションにいるの』とか、色々言いたくなってくるんですよね。でも同じように自分もサッカーをやっているから、自分ができないこともわかるんですよ、自分の動画なんかを見てもできていないですし(笑)」■「子どもたちはよく走っている」、プレーする子どもの立場になって考えられるようにナカノさんはプレイヤーとして同じ立場になってみると、子どもたちがよく走っていることに気付かされたと言います。またサカイク10か条やスクールコーチの声かけや発信物などから、様々な経験を積んだ大人とは、気持ちの持ち方も違うということを理解したり、子どもがやる気がないように見える時があるけれども、実はそうではないということも学べたのだそうです。「大人のサッカー教室だと、コーチの接し方って優しいじゃないですか。そうするとあまりプレッシャーを感じずにサッカーができるんで、サッカーがやりやすい。そういうところは見習って声かけをしています」フジイさんは自身のサッカー経験から、子どもの視点にたち、言い方にも気をつけるようになったのだそうです。「大人でも『お前何やってんだよ』とか言う人がいるんですよ。そう言われると萎縮して余計いいプレーができなくなったり、とにかくうまい人にパスしなくちゃいけないみたいな気持ちになっちゃうんですよ。でもそれってサッカーが楽しくないし、うまくもならないし、何もいいことはない。だからそういう言い方はしないようにしていますね」■ボール一つあれば、世界中どこでもサッカーができる。コミュニケーションツールとしてのサッカーの魅力ナカノさんもフジイさんも、息子さんたちにサッカーを勧めた理由の一つとして、グローバル社会を見据え、サッカーがコミュニケーションツールとして優れている点があるのだと言います。ナカノさんは息子さんにサッカーを勧めた理由に「ヨーロッパを旅行している時に、公園でみんながサッカーをしていたら、国の違いなど関係なく、そこに入って一緒にサッカーしている光景をよく見たんです。知らない人同士がサッカーを通じて一瞬で仲間になる、そういうことができたら楽しいだろうなと思って」と言います。フジイさんは外国人とサッカーをしていて、その国の人たちの性格や特性がプレーに出るという面白い発見があったそうです。「様々な国の人がそれぞれの個性を持ちながら、でもボール1個あれば誰でもサッカーができるっていうのが、コミュニケーションツールとしては非常に優れているなっていう気がしていて。だからサッカーがうまくなるとか、プロを目指すようなモチベーションでやることだけが全てじゃなくて、そこまでではなく、例え遊びでやっていたとしても、 すごくたくさんの人と友だちを作れるツールみたいなのを、サッカーに感じたんですよね。最近妻が英語をやり始めたんですけれども、いや、英語やるよりサッカーの方が外国人とコミュニケーション取れるぞ(笑)。みたいなことを話したりもしています」■子育てを無理なくでき、サッカーをしていて家族が幸せになれることの大切さライセンスを持ち、指導者としての観点も持つフジイさんは、保護者が子どものサッカーに前のめりになり、「レギュラーになれない」とか「試合に出られない」など、親の方が気にしていることが多い気がすると話します。「習い事とかって親も負担があるし、特にサッカーなんて土日全部取られるし、 ものすごい負担感があるじゃないですか。でも自分の場合は、サッカーが好きで一緒にできるから、息子のサッカーのサポートに関して負担を感じずにやれています。だから親自身も楽しいって思える環境が、家族にとっても大事なことなんだと思っています。親が子育てを無理しちゃうと続かないんですよ。だから親も楽しくてサポートできるっていうような親子の関係性を作ることが、家族の幸せに繋がっているって、すごく感じますね」ご自身もサッカーライフを楽しみながら、サッカーを通じて子どもの幸せな将来を見据えているお二人。ついついお子さんのサッカーに口出ししてしまう保護者は、実際にサッカーをしてみると、今までとは違う視点で、お子さんのサッカーを見られるようになるのかもしれません。サッカー少年少女の考える力やチャレンジ精神を育てる方法をLINEで配信中>>
2025年01月15日子どもが生まれながらに持つ3つの素質タイプによって、響く言葉ややる気を上げる働きかけ、失敗や敗戦後の言葉かけの違いを、統計心理分析の理論をもとに、子どもと親の関係性の改善をアドバイスしてきたJr.アスリート分析アドバイザーの河野真杞さんに聞いてきました。今回は、タイプによって「アウトプットの仕方が違う」ことを紹介します。サッカーノートや野球ノートも、親として理想の書き方があったり、「うちの子これしか書けない。もっと詳しく長文で書いてほしい」という方は少なくないですが、それにはアウトプットの特性という理由がありました。子どものタイプを知ることで、他の子と比較せず我が子の成長を喜べるようになるのです。(構成・文:小林博子)<<前回の記事:子どものタイプを知って親のストレス軽減!3つの素質タイプ別コミュニケーション術サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■3つのタイプの見分け方<共感タイプ>共感タイプは家族や友達のために頑張りたいタイプ。心許せる仲間と一緒に行動するが好きで、自己主張はあまり得意ではありません。辛いとき悲しいときは「どうしたの?」と自分の気持ちを聞いてほしかったり、スキンシップで気持ちを安定させたりするのも共感タイプの特徴です。チーム全体を引っ張る役割より、影ながら皆を支える役割が向いています。<独立タイプ>自分で決めた目標を自分のやり方で達成する力に長けた独立タイプ。ただし目標は具体的かつ現実的、自身が納得いくものである必要があり、そうでないととことんダラける一面も。周りがピーディーに頑張っていても「自分は自分」と、マイペースすぎる面が裏目に出ることもあるでしょう。日常生活では自己主張が強く頑固、ストレートな発言で周りをびっくりさせてしまうこともあります。<直感タイプ>「直感」タイプはその名の通り、直感力に優れています。試合の流れや波を俯瞰して的確につかみ、最後のここぞという場面でスイッチが入るタイプです。状況を感性でキャッチして動いているため、日頃からコツコツと努力したり、終わった後に反省することが苦手。過去の振り返りより大活躍する未来をイメージして頑張るタイプです。これらの特徴は、日々の行動全てに表れます。家庭では、宿題のやり方などで判断するとわかりやすいかもしれません。<<前々回の記事:子どもの素質別3タイプの詳細サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■タイプによって、アウトプットの方法や考え方のクセも違うこれらのタイプ別の特徴は、サッカーや野球のノートを書く際にもとても役立ちます。というのも、「ノートを書く」という行為は、気持ちや考えなど心の中にある事象を言語化しアウトプットすること。それらのやりやすさや得意不得意には、タイプの違いが顕著に現れるのです。書くことに100%の正解がないノートだからこそ、何を書くか、そして書いたことをどう活かすかはそれぞれ。わが子のアウトプットのタイプを知ることで、他の誰かと比較してジャッジするのではなく、本人比での成長具合が分かり、どこを褒めれば良いか分かりやすくなるのです。■タイプ別・アウトプット法の特徴&おすすめなノート活用法<共感タイプ>3つのタイプの中では最も文章を書くことが得意ですが、書く内容が「自分のこと」となると筆が止まってしまうのが共感タイプさん。なにごとにおいても「伴走」が頑張るための栄養源となる共感タイプ。アウトプットも1人きりで考えず、周りの人との会話や質問により、自分の状況を表現したり言語化することがよりよくできるようになります。ノートの「よかったこと」などの項目は、グループワークにして同席している子どもたちに聞いてみるのがおすすめ。友達から認めて受け入れてもらえるのはとにかく嬉しいと感じるタイプですし、それにより、自分のよいところを遠慮せずスムーズに書けるようにもなります。また、練習中に指導者からその都度「今のプレーは良かったよ!終わったらノートに書いておくといいよ」といったアドバイスをするのも効果的。きっと素直に書いてくれます。<独立タイプ>自らこうだと決めたことは、軸をブラさずやりぬく精神を持つ独立タイプ。ノートの書き方も「自己流」を貫き、周りからのアドバイスを必要としていない場合もあります。独立タイプさんの長所は「目標達成力に優れている」こと。目標を定めたら、そこに辿り着くまでの布石を置き、着実に達成して上へ上へ行く能力に長けています。そのため、「ノートが自分の目標達成への近道だ」と納得すれば、ノートを使いこなして自分の成長に繋げられる子が多いでしょう。そんな独立タイプさんには、その能力を存分に発揮できるサポートが効果的。理想を思い描ける材料を与える、目標を自分で決めさせる後押しになる質問をする、「できるようになったらどんな自分になる?」と目標達成時の自分をイメージさせる、そんな導きがおすすめです。前述のことからわかるように、独立タイプはサカイクサッカーノートでいうと「なりたい自分にちかづこう」のページが大好き。このページを書く時はイキイキとしますし、努力の糧にしてくれます。<直感タイプ>本番に強く、振り返りが苦手な直感タイプ。感情や考えを言語化せずに自分の頭の中に置いておくので「ノートに言葉を書く」ことは大の苦手です。どうにか書いたとしても、あとから読むことすらしたがらないケースも......。そもそも文章を読むことが得意ではなく、説明書や資料の文章を読むよりも図解を見たりオーディブルなどのように耳から情報を得るほうが理解しやすいタイプでもあります。直感タイプは、ノートにキーワードだけを記すだけでも合格点。短い一言だとしても、彼らの頭の中にはイメージや気持ちがしっかりあることを理解してあげましょう。とはいえ、サッカー/野球ノートは指導者とのコミュニケーションツールでもあります。「短すぎる!」と注意するのではなく、「自分はわかっていると思うけど、それだけだとやっぱり監督やコーチはわかりにくいから補足説明してくれる?」など、彼らの特徴を否定せずに働きかけてみてください。■3タイプ共通なのは「他人のノートと比較しない」ということノートは親から見て、子どもの考えや成長がわかりやすい存在です。そのため、「あの子はあんなにぎっしり書けているのに、あなたはどうしてちゃんと書けないの」など、つい苦言を呈してしまいがちに。ですが、3つのタイプからわかるように、たとえ単文ばかりでも考えはしっかりある直感タイプや、自分の良いところを自ら発信するのが苦手な共感タイプなどもいて、「ノートをしっかり書けているかどうか」はあまり重視しなくてもいいことがわかります。他人との比較ではなく、「過去の子どもと今の子どもの比較で、成長しているところを褒めてあげること」がノートを最大限に活用するための最も有効な方法です。■子どもはあなたの所有物ではなく「一人の個性ある人」。特徴を捉えれば関係性が良好にここまで3回にわたり、人が生まれながらに持つ特徴を3タイプに分け、それぞれの考え方や言葉の受け取り方、アウトプットのしかたの違いを詳しく解説してきました。「我が子であっても自分とは違うとはよく言われますが、具体的にどこがどう違うかと言われるとわからない人は多いはず。3つのタイプは3か国の言葉くらい違うのだと捉え、『自分とわが子のタイプの違い』をつねに念頭に置き、わが子が理解できる言葉を使ったコミュニケーションに活かしてみてください」と、河野さんは話します。親と子どものタイプが違えば捉え方が全く違いますし、その組み合わせにより、関係性の特徴もバラバラ。それがわかるだけでイライラせずに済むシーンもきっと増えるはず。ぜひ実践してみてください。河野 真杞(こうの まこ)親子関係/チームスポーツ専門 心理タイプ分析アドバイザー自身の子育ての悩みから、3000万件以上のデータを活用して日本で開発された統計心理分析ツールに出会う。子ども達のやる気・自信・自己肯定感をまっすぐに伸ばしたいという思いから、子どもと接する大人を対象に、子どものタイプに適した関わり方を伝えたいと考え、心理タイプ分析アドバイザーの活動を開始。子育てに悩む親やスポーツをしている子どもの親、スポーツチームの指導者に対してセミナーや個別相談等を行い、これまでに延べ300名以上をサポート。現在は、大学・高校の運動部のメンタル・チームワーク構築をサポートする"High Performance Analysis"という事業を立ち上げ、担当チームの全国大会初進出、選手権優勝などの結果にも繋げながら、学生達の自己肯定感・協調性・他者理解力の向上に取り組んでいる。著書に『子どものやる気を引きだす親 うばう親』(キノブックス)。High Performance Analysisのページはこちらサッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年07月06日同じ親から生まれた子でも、本来持つタイプによって声かけが響く子と響かない子がいたり、同じように接しても反応が違ってイライラしたり......という事があると思います。それは、親と子の持つ特性のタイプが違うから。自分と子どものタイプを理解することで、わが子が受入れやすい言葉を選んで伝えられるようになるため、子どもに響きやすくなったり、親自身のイライラが軽減されることを前回の記事で紹介しました。今回は指導現場でのタイプ別コミュニケーション術をご紹介します。子どものタイプを理解してアプローチすることで、選手は自分の特性に気づき自信を持って伸びていくのです。(構成・文:小林博子)<<前回の記事:子どものタイプを知って親のストレス軽減!3つの素質タイプ別コミュニケーション術サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■3つの素質タイプとは?まずは前回の記事で解説した3つのタイプについておさらいします。教えてくれたのは、統計心理分析学ツールの理論をもとに、子どもの素質や特性を3つのタイプに分けて多くの子どもと親の関係性の改善アドバイスをしてきたJr.アスリート分析アドバイザーの河野真杞さんです。特性別3タイプとは、「共感」「独立」「直感」の3タイプ子どもの特徴「共感」タイプ・仲間への気遣いや優しさを人一倍持っている・信頼できる仲間と一緒なら頑張れる・注目される場面で緊張しやすい・自分より周りの意見や気持ちを尊重する・新しい環境や集団に1人で入るのが苦手「独立」タイプ・個人プレーが得意・自分のペースを崩さない・思ったことをストレートに言葉にしがち・具体的な目標があると頑張れる・他人への関心度が低め「直感」タイプ・本番に強くここぞというところで力を発揮できる・理想が高く、大きな夢や展望がある・俯瞰でものごとを捉えることが得意・上下関係を大切にする・努力や反省は大の苦手<<前回の記事:子どもの素質別3タイプの詳細サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■指導現場で役立つ、タイプ別子どものやる気を引き出す言葉それぞれのタイプで大きく変わるのが響く言葉。特に褒める際に使う言葉や褒めポイントが全く異なり、やる気スイッチをオンにしてあげられるかどうかが変わります。サッカーや野球でも、指導者が使う言葉次第で子どもの目の色はガラリと変わるはず。具体的にご紹介します。共感タイプとは、まず良好な信頼関係を築くこと!河野さんによると、人の特性は「共感」「独立」「直感」の3つのタイプに分かれるそうです。これは子どもだけに限らず、親や指導者も同じです。それぞれの特徴をご紹介します。なお、さらに詳しくご覧になりたい場合は前回の記事をご覧ください。慕っている指導者や、応援してくれる親、大好きなチームメイトを喜ばせたい気持ちが人一倍強いのが特徴です。そのため、共感タイプのやる気スイッチは、まずは信頼関係をしっかり築いておくことが大前提。信頼している指導者からの優しい励ましの声かけがあれば「監督に喜んでもらうために頑張ろう!」というやる気スイッチが入ります。なお、緊張しがちで、自分一人で責任を背負うのが苦手でもあります。大事な場面で不安そうにしていたら「みんながいるから大丈夫」「昨日願掛けの勝ち飯を食べたからきっとうまくいくよ」など、周りの環境や条件が整っていることを伝えて背中を押してあげてください。独立タイプには具体的な場面を褒める言葉が必要対して独立タイプは、抽象的な褒め言葉が嫌い。漠然と「凄いな!いいぞ!」などの言葉だけで繰り返し褒めると「コーチはどこをどうみてそう言っているの?」とドライな反応をされてしまう可能性大です。そんな独立タイプさんは、「あのシーンでああしたのは良い判断だったね」など、良い動きをした場面を具体的に伝えると自己肯定感が上がり、イキイキとします。また、おすすめなのは「次はどうしたい?」といった"ネクスト"を考えさせてあげること。それが自分の意思で次の行動を定めることが好きな独立タイプさんには最も効果的なやる気を引き出す言葉です。直感タイプに響く言葉は「君ならやってくれるはず!」「君ならやってくれるはず!」「ここはお前しかいない!」という本番強さに期待する言葉によってさらに奮起します。試合後は「大事な場面で活躍できるのはさすがだね」など直感タイプさんの得意分野を褒めてあげるのもいいでしょう。さらに、直感タイプは賞賛されることが大好き。「天才的なプレーだった!」など、ともするとこそばゆくなってしまうような褒め言葉を素直に喜ぶかわいらしいところもあります。また、「いつか世界で活躍したい!」という大きな夢を持っている直感タイプさんには、自分達の試合動画より、動画配信サイトにある海外のスーパープレイ集などを見せると、気分が盛り上がりやる気スイッチが入りやすいでしょう。■タイプ別、試合に負けた時、ミスした時の接し方続いて失敗したときや、試合で負けてしまった際にしてしまいがちなNG行動についてもタイプ別にご紹介します。これも3つのタイプそれぞれ、全く違うのが驚くところ。失敗を糧に次に繋げるためにも、より効果的な行動をしてあげたいところです。なお、3つのタイプすべてに共通して「だからお前はダメなんだ」といった人格そのものを否定する言葉は最もよくありませんのでご注意ください。共感タイプは隣にいてあげる負けや失敗を誰よりも気にするのが共感タイプ。「大切な仲間のために」「信頼してくれているコーチのために」「活躍を喜んでくれる親のために」と、周りの人を喜ばせることがモチベーションの彼らにとって、失敗は大きなダメージとなり心を重くしてしまいます。そんな共感タイプには、失敗にはあえて触れずにドリンクを手渡したり、「お疲れさま」と笑顔で頭をぽんぽんとたたいて軽いスキンシップをしたりするのが良いでしょう。ベンチでしょげていたら横に座って優しく声かけしてあげるのもいいでしょう。こんなフレーズが心に響きます「サッカーはミスをして当たり前のスポーツだよ」「次頑張れば大丈夫!そんなに気にするな」独立タイプは注意やアドバイスが苦手、本人なりの「納得解」へ導く失敗も成功も、自分で考えて消化したい独立タイプ。悪かったところはコーチから指摘されるよりも、自分の言葉で考えて反省し、次につなげたがります。そこでおすすめなのは、試合のビデオを見ながら自分の動きをふり返らせ、「あのシーンではどうすればよかったと思う?」など、考えのヒントを与えて次の目標をみつけさせること。自分なりの納得できる解に辿り着けば、頑張る糧が手に入り、あとは自分1人で努力してくれます。なお、独立タイプに効果的なスキンシップは逆効果。「そんなことをしても結果は変わらない」とイライラされてしまうかもしれません。こんなフレーズが心に響きます「今日のミスは次の試合で必ず取り返すぞ!」「今日と同じミスをしないためには、次までに何を練習しておけばいいと思う?」直感タイプは振り返りが嫌い、早くも「次」の話をする負けや失敗など自分にとってマイナスな過去は、試合が終われば忘れる(忘れたい)直感タイプ。感性でその場限りの行動をするので、あとから反省するという行動を嫌がります。そのため、振り返りや反省は面倒なだけ。チームの反省会でも上の空かもしれません。そんな直感タイプに効果的なのは、「次の試合では活躍できる」と思える景色をイメージさせること。憧れの選手が同じシーンでは失敗せずむしろスーパープレーになったという動画があれば最適です。こんなフレーズが心に響きます「あの場面、メッシはこうやって切り抜けたらしいよ」「君なら次はきっとできる!メッシのプレーを見てイメトレしよう!」■特性に合わせた接し方は、良好な関係性構築のきっかけに3つのタイプごとに、褒め方や失敗への声かけのコツに大きな違いがあります。同じことをしても素直に聞いてくれる子とそうでない子、成長に繋げられる子とふてくされてしまう子など、全く違う反応をする理由は、受け手である子どものタイプの違いかもしれません。また、その違いがわかると接し方がぐんとラクになるのも事実。選手と良好な関係性を築き、サッカーでも伸ばしていくためにぜひ実践してみてください。次回の記事では、選手のタイプ別サッカーノートの書き方の特徴やアドバイス方法を具体的にお伝えします。河野 真杞(こうの まこ)親子関係/チームスポーツ専門 心理タイプ分析アドバイザー自身の子育ての悩みから、3000万件以上のデータを活用して日本で開発された統計心理分析ツールに出会う。子ども達のやる気・自信・自己肯定感をまっすぐに伸ばしたいという思いから、子どもと接する大人を対象に、子どものタイプに適した関わり方を伝えたいと考え、心理タイプ分析アドバイザーの活動を開始。子育てに悩む親やスポーツをしている子どもの親、スポーツチームの指導者に対してセミナーや個別相談等を行い、これまでに延べ300名以上をサポート。現在は、大学・高校の運動部のメンタル・チームワーク構築をサポートする"High Performance Analysis"という事業を立ち上げ、担当チームの全国大会初進出、選手権優勝などの結果にも繋げながら、学生達の自己肯定感・協調性・他者理解力の向上に取り組んでいる。著書に『子どものやる気を引きだす親 うばう親』(キノブックス)。High Performance Analysisのページはこちらサッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年07月05日同じ親から生まれた子どもなのに、同じような対応や声かけをしても、兄弟姉妹ごと反応が全く違う......。そんな経験はありませんか。それは生まれながらに持つ価値観や特性の「タイプ」が違うからかもしれません。Jr.アスリート分析アドバイザーの河野真杞さんによると、それぞれのタイプによって、接し方や響く言葉が大きく変わるのだとか。それを知っておくだけで、サッカーでも家庭でも「なんで伝わらないの?」というモヤモヤが減って、コミュニケーションが円滑になるのです。(取材・文:小林博子)サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■生まれながらに持つ3つのタイプとは?河野さんは統計心理分析学ツール の理論をもとに、人が持つ特性や価値観を3つのタイプに分類し、それぞれのタイプについてわかりやすく解説。「親と子」「指導者と選手」のコミュニケーションのアドバイスを行っています。大きく3つに分類されるタイプ診断方法は、統計学を用いた生年月日による分類と、その人の持つ特性から。日々子どもと接している親御さんは、我が子のタイプを知ることで、日常やサッカーで「我が子にダイレクトに響く言葉かけ」ができるようになるはずです。このタイプ分類は子どもに限らず大人も同様の特性を持つそうです。もちろん、親も子もどれか一つのタイプだけに特徴がぴったり合うということではなく、これも当てはまるし、こちらも......、と掛け合わせたタイプが多いそう。今回は、3つのタイプの特徴と、それぞれのタイプに響く接し方をご紹介します。これを知り実践することで、子どもの表情や行動が変わり、親もストレスが軽減されるのは間違いありません。親子のよりよいコミュニケーションのために、ご活用ください。サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■3つのタイプそれぞれの特徴でカテゴライズされるのは「共感タイプ」「独立タイプ」「直感タイプ」の3つのタイプになります。前述したように、かならずしも1つにドンピシャなわけではなく、掛け合わせた特徴を持つ子も多いので、「うちはコレだ」と決めつけず、子どもをよく観察し、理解することが重要です。<共感タイプ>「共感」タイプは"仲間と一緒"が大好きな優しい人共感タイプは周りの人たちとの関わりをとても大切にするタイプです。特徴・仲間への気遣いや優しさを人一倍持っている・信頼できる人と一緒なら頑張れる「誰と」というのが大事・結果より経過を見守ってほしい・人の表情をよく観察している・注目される場面で緊張しやすい・「大好きな仲間のために!」がパワーの源苦手なこと・大勢の前で自己主張すること・新しい環境や集団に1人で入ること・へこんだ後、気持ちをすぐ切り替えること・周りの人が不機嫌で緊張感のある状況<独立タイプ>「独立」タイプは1歩1歩着実に目標を達成していく努力の人自分の考えを大切にする気持ちが強いく、マイペースで、1人で行動する時間が必須です。特徴・自分のペースを崩さない・自分は自分、人は人、と考えている・個人プレーが得意・具体的な目標があると頑張れる・途中経過より結果にこだわる・思ったことをストレートに言葉にしてしまいがち苦手なこと・場の空気を読むこと・相手を気遣いながら発言すること・ゴールが曖昧なまま進行すること<直感タイプ>「直感」タイプは空気の波をキャッチして成功を手にする感性の人「直感」タイプはその名の通り、直感力に優れています。空気の流れを的確につかみ、ここぞというところで力を発揮。一瞬のチャンスを逃さずに自分のものにすることを直感的にできるタイプです。特徴・本番に強い・大きな舞台であればあるほど奮起する・俯瞰で物事を捉えて対処できる・大きな夢や展望がある・集中力の落差が大きい・上下関係に忠実苦手なこと・コツコツ努力すること・言葉でわかりやすく説明すること・過去を振り返って反省すること・「ダメかも」と感じた後もやらされること■親の特徴も3タイプある子どもの特徴と同様、親も同じ3つのタイプがあります。もちろんこちらもどれか一つに100%合致するということではなく、どれかの要素を多く持ちつつ、他の要素も持ち合わせている方が多くいます。それぞれの特徴をご紹介します。<共感タイプの親>「自分より子どもが大切」というマインドのもと、子どものことを最優先にするのが共感タイプの親の特徴です。そのため、干渉しすぎてしまったり、早め早めに手を打って危険をあらかじめ回避してあげたりと、やや過保護なところがあります。その影響で、自分でできることでも親に任せる子になりがちという側面はありますが、愛情深さを子どもにもしっかり伝えられる、「愛情たっぷり」なお父さん、お母さんです。<独立タイプの親>独立タイプの親は、親としてもマイペース。子育て中でも自分の時間は大切にします。わが子には「早く1人前になってほしい」と願っています。また、自分のやり方を良しと考えるため、自らの成功体験から得た「自分メソッド」を子どもに押し付ける人も。とはいえ、それを子どもに否定されたとしても「ああ、そう。あなたはそう思うのね」と、割り切って捉え、さっぱりとした子育てをします。<直感タイプの親>理想が高く、子どもにも高いステージで大活躍してもらいたい「直感」タイプ。習い事も、できるなら一流の先生に習わせたいと考えています。我が子の試合やテストでは、1番でないと褒めないところもありそうです。上下関係に厳しいので、子どもは親の意見に従うべきと考えがち。それゆえ、子育ても上司が部下に命令するような「トップダウン方式」になることもあります。ただし、子どもが最高の成果を挙げた時は両手放しで称賛してくれます。■子どものタイプを知って親子のコミュニケーションに活用しよう上記の特徴をふまえ、自分と子どもがどのタイプかわかったら、お互いがどんな関係性を持ちがちなのかをまずは知りましょう。親のタイプと子どものタイプ別の9パターンでご紹介します。①親「共感」×子ども「共感」お互いが相手を大切にする関係性。親友のように仲良しで、いわゆる「友達親子」タイプ。家でも外でも相手を必要とし連絡はマメ。その分依存しあう関係性になってしまう一面も。②親「共感」×子ども「独立」愛情たっぷりな親と、干渉されたくない子ども。「親がウザい」「細々と聞かないでほしい」と子どもが思い、冷たい態度を取られてしまうこともある関係性。共感タイプの親は、大切なわが子だからこそ「少し離れたところから見守る」努力をすると、独立タイプの子の独創性がもっと伸びていきます。③親「共感」×子ども「直感」上下関係を大切にする直感タイプは、基本的には親に対しては従順です。愛情表現がやや暑苦しくても子どもはうまくかわすことができます。それどころか、共感タイプ親の愛溢れる褒め言葉を心地よく感じる子も。とはいえ、勉強も練習も計画的に進めるのが大嫌いな直感タイプの子を、共感タイプ親は心配なあまりついあれこれ言いがち。最後はやってのけるわが子を信じて見守りましょう。④親「独立」×子ども「共感」共感タイプの子どもは、態度には出さずとも親の愛情を欲しがっています。それに対し独立タイプの親は、愛情表現より自分メソッドを教え込む方に注力してしまう事も。共感タイプの子の良さを伸ばす方に目を向けてほしいところです。また、頑張っている最中もずっと見守って声かけしてほしい共感タイプの子に対し、結果が出るまで待つのが独立タイプの親。子どもは「かまってもらう頻度が少ない」と寂しがっているかも。⑤親「独立」×子ども「独立」自己主張が強めな似たもの同士の親子。時には激しい言い合いになることも。そこは大人の親が一歩引き「この件は意見が別という事で終わり!」と言えば、個の意見を尊重し合えます。一緒に出かけても別行動をするなど、さっぱりとした関係性です。⑥親「独立」×子ども「直感」親と意見が違っても、聞き入れたフリをして全く聞いていない直感タイプの子。独立タイプの親がやってしまいがちな「試合後のダメ出し反省会」はNG行動。ミスばかり指摘せず、次の試合に向けた明るいアドバイスをしてあげましょう。また、練習方法が最も食い違う関係性なので、独立タイプ親は「自分とは違う生き物」と捉え、気分の乗った時に練習する直感タイプのわが子を静観する忍耐力が必要です。⑦親「直感」×子ども「共感」高い理想を子どもにも期待しがちな直感タイプの親と、できるかぎりその期待に応えたい共感タイプの子ども。結果が伴わないと親はイライラ、子どもは疲弊して涙......となってしまうことも。子どものやさしさや思いやりも大切な特性と捉えて目を向けてあげられると、お互いハッピーになる関係性です。⑧親「直感」×子ども「独立」上下関係や権威を大切にする直感タイプの親は、我が子を自分の理想に従わせたくなりますが、全く聞き入れないのが独立タイプの子どもです。時には激しい口論になることも。のびのびできない環境を息苦しく感じ、寮に入るなど早く親離れするケースも多いです。わが子の強さを信じて、自分で決めた夢に向かって自由に行動させてあげましょう。⑨親「直感」×子ども「直感」親の理想と子どもの理想が同じであれば、最強のタッグになれるふたりですが、目指す世界に相違がある場合は、子どもは親に隠れて別の行動をすることがありそうです。また、感覚的に考えや目指す舞台がコロッと変わるタイプでもあるので、1つに決めつけず様々な世界を見せてあげて、本人がピンと来るのを待つ事も大切です。■タイプ別「サッカー辞めたい」と言われた時の対応法もしも我が子がサッカーや野球を「辞めたい」と言った時にできる対応のコツを河野さんがアドバイスしてくれました。辞めたい理由や意志の強さにもよりますが、その時にどうすると良いのかのヒントとして頭の片隅に入れておくとよさそうです。共感タイプ:辞めたいのは人間関係が理由かも周りとの信頼関係を最も重視する共感タイプは、辞めたい理由が人間関係というケースが多め。つまり、サッカーや野球など「競技そのものを辞めたい」訳ではない場合も。まずは隣に寄り添って、辞めたい本当の悩みを話させてあげましょう。もしチームを移籍する場合は、次に入るチームの体験参加が必須!監督や仲間のムードが自分に合っているかを感じさせて「ここならできそう」と思ってから決める事が重要です。独立タイプ:納得できる解決策に導いてあげる嫌なことがあった時は、自分で指導者に言えるタイプですが、集団行動や空気を読んでチームの雰囲気に合わせることが苦手ゆえ、チーム内で浮いてしまうことも。そうなっても静かに耐えられるタイプでもあるため親やコーチが気づかないうちに、長引いているかもしれません。問題解決できそうな内容なら、まずは親が出ていくよりも自分で解決したいと思うはずなので、「コーチに言った方が良いよ」と漠然と後押しするより「こんな言い方をするといいんじゃないかな」など、具体的なアイデアを出して行動しやすくしてあげてください。自分で納得できる結果に落ち着けば、そのまま継続するでしょう。直感タイプ:俯瞰的視点で「合わない」と判断して辞めたいのかも直感タイプは全ての事象を俯瞰して見ています。チーム内の自分の立ち位置を客観的に見た上での「辞めたい」という意志であることが多く、感情論ではなく感覚的な判断です。そのため理由を聞いても「なんとなく」としか答えられないでしょう。親がしてあげられるのは、感覚タイプの子がピンと来るまで場を提供するのみ。ハイレベルな環境に魅力を感じやすいので「元日本代表」や「優勝経験者」「選抜クラス」などのキーワードを含んだチームがおすすめです。なお、前述したように3つのタイプは100%これだけということではないことも多く、「独立だけど共感要素もある」など、シームレスな場合もあります。その場合は両方の対応策を試してみると良いようです。次回の記事では、指導者と選手のタイプ別コミュニケーションを具体的にお伝えします。河野 真杞(こうの まこ)親子関係/チームスポーツ専門 心理タイプ分析アドバイザー自身の子育ての悩みから、3000万件以上のデータを活用して日本で開発された統計心理分析ツール「i-color」に出会う。子ども達のやる気・自信・自己肯定感をまっすぐに伸ばしたいという思いから、子どもと接する大人を対象に、子どものタイプに適した関わり方を伝えたいと考え、心理タイプ分析アドバイザーの活動を開始。子育てに悩む親やスポーツをしている子どもの親、スポーツチームの指導者に対してセミナーや個別相談等を行い、これまでに延べ300名以上をサポート。現在は、大学・高校の運動部のメンタル・チームワーク構築をサポートする"High Performance Analysis"という事業を立ち上げ、担当チームの全国大会初進出、選手権優勝などの結果にも繋げながら、学生達の自己肯定感・協調性・他者理解力の向上に取り組んでいる。著書に『子どものやる気を引きだす親 うばう親』(キノブックス)。High Performance Analysisのページはこちらサッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年07月04日平日はサッカー経験がない保護者が数人で見守りをしているチーム、高学年は自分たちで練習メニューをこなしたりするけど、低学年は遊んだりケンカしたりで練習せず時間が過ぎてしまう。親たちもどう声かけして良いかわからない。低学年もちゃんと練習してくれるようにするにはどうしたらいい?とのご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、アドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<点取り屋がいなくなって決定力ガタ落ち、今いる選手で何とかして優勝する方法を教えて<お父さんコーチからの質問>はじめまして。小学校の1年生から6年生までが所属するチームの父母会長をしています。私自身は指導者という立場でないのですが、ご相談を送らせていただきました。私たちのチームは、子どもの頃に多少やっていた経験はあるけれど基本的にはサッカーの素人である父母が指導やコーチにあたり、週に月水金の練習と土日は練習若しくは大会出場しています。相談したいのは、低学年の練習のさせ方を教えてほしい、です。土日の練習や大会の指揮は、監督や前述した多少サッカーを知っている父母コーチが行いますが、平日3日間は当番のお母さんが2人いて練習を見守ります。練習時間は16:30~18:30の2時間、土日は8:30~11:30です。高学年は比較的自主性があり練習メニューをこなしますが、低学年はできません。遊びや喧嘩で時間が過ぎます。世間では低学年でもちゃんとできる子たちもいると思いますが、たまたまうちのチームにはそういう子が集まっているだけなのでしょうか。お母さんたちもどう声掛けしてよいか分からなくて困惑しています。何か良い方法はないでしょうか?<池上さんからのアドバイス>この相談文を読んだときに、まずは「こんなに練習しているんだ」と驚きました。小学1~2年生の子どもたちが週5回もやっています。これだけの回数で練習が組まれているのであれば、一回の練習をもっと余裕のある楽しいものにする視点で考えませんか。例えば、もっと試合ができるような環境にしてあげてください。練習の最初からどんどんゲームをしてもらいます。審判は必要ありません。子どもたちにジャッジさせてください。彼らができるだけ自由にサッカーを楽しめる環境を目指しましょう。■スポーツの練習=しっかり学びにつながることをしないといけないという事ではないスポーツの練習というと、大人たちはそこで何かを学ばないといけない、しっかりやらないといけないという脅迫強迫観念に似た感覚に陥りやすいようです。そうではなく、子どもたちが楽しく試合をやってる間に、ひと月、ふた月と経つうちにどんどん変わっていく姿が見られるはずです。どうしても何か手を加えたいということであれば、試合の人数を変える(3対3を4対4にするなど)、ゴールの数を二つではなく四つにするというように、試合のオーガナイズを変えてください。試合はもちろん全員が平等に同じ時間プレーします。そうすれば、見守り役のお母さんたちにとってもそんなに難しくないはずです。もし、見ていて誰かが楽しくなさそうだったら、子どもたちにひと言言ってあげてください。「サッカーはみんなでやるものだから。みんなが楽しくなるようにやろうよ」と。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■子どもたちが自分から練習について言ってきたらちゃんと聞いてあげるまた、もし子どもたちが自分たちから何か練習したいと言ってきたら「何がしたいの?」と聞いてあげてください。彼らがそのとき一番したいものをやってあげればいいかなと思います。シュートかもしれませんし、パスかもしれません。「じゃあ、どんなことをするの?」とまた聞いてあげればいい。お母さんたちが見守るとしたら、それで十分だと思います。実はこの環境設定だけをする、オーガナイズをすることで技術を習得できるという考え方は、ここ最近の新しいコーチングの流れです。放任とか放置ではなく、実は最先端であることをご相談者様は知っておいてほしいと思います。■学年を混ぜて練習すると、両方にとって成長になる加えて、平日練習3回のうち1回は、低学年から高学年まで全部が混ざってやる。そういう日も作れると良いでしょう。チームがどんなグランドでやっているのかはわかりませんが、そんなふうに高学年の子たちが低学年を教えることは両者にとってすごく勉強になります。低学年は高学年のお兄さんやお姉さんのようになりたいと思うし、高学年は相手のことを考えて丁寧にパスを出したり、コーチングすることを覚えます。これは同級生の横割りだけの練習よりも身につきやすいものです。■大人目線での短期的な上達具合に注目しすぎないことひとつ気をつけてほしいのは、大人の目で短期的に見て上手くなっているか、伸びているか?に注目しすぎないことです。サッカーが楽しくて仕方がない子どもにすることを目指してほしいのです。私がよく使うのは「その遊びをするなら、公園に行ってくださーい」というフレーズ。ここはサッカーを楽しむ場所ですよと子どもに伝えます。とはいえ、遊びや喧嘩で時間が過ぎてしまうこともあるでしょう。そんな時間が必要なときもあります。そういう姿を見ても、大人は怒らずに「じゃあ今日はやらなくてもいいよ。また次に来たときにちゃんとやればいいよ」と言ってもいい。例えば、そんなにもめるなら違うことしようっていう提案をしてあげてもいいでしょう。私も「じゃあ、ドッジボールでもするか」と違うことをやらせたりします。体を動かす遊びであれば鬼ごっこでもよいのです。そうやってドッジボールするときは「じゃあ、3回戦にしよう」とある程度の時間を決めます。それが終わったら、サッカーの試合にするね、みたいなことを言ってからドッジボールをやります。■試合ばかり続けたチームの1年後は......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)最後に、実際にあった話をお伝えします。2000年代にJリーグクラブの元選手だったコーチが、Jクラブで小学6年生のひとつのクラスを1年間指導しました。練習で1年間ずっと試合ばかりしたそうです。保護者からは相当の量のブーイングが来たようですが、続けました。ところが1年後、そのコーチのクラスから一番多くジュニアユースに上がったのです。まさしく試合で使えるものを、試合で学んでいくことの証です。見守りのお母さんしかいない練習は、まさしく大人が消えている環境です。試合の人数や形をどんどん変える部分だけやっていただければいいと思います。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年06月17日市内でも下から数えた方が早いチーム。とある公式戦で久しぶりの勝利にベンチのコーチ陣も盛り上がったが、選手たちが嬉しそうじゃない。選手の話を聞いて、試合中の指示がノイズになるならと気づきを与えるに留めるようにしたら、選手はやりやすくなったが、試合会場では相手チームに比べ盛り上がりに欠ける雰囲気だし何となく押し込まれているような印象に。チームを盛り上げる声かけって、どうすればいい?とのご相談をいただきました。今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが指導者の悩みに答えます。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<チーム内で技術差が大きい、上手い子とそうでない子に分けて練習するべき?レベル差のあるチームの指導を教えて<お父さんコーチからの質問>いつも記事を拝見しとても勉強になっています。 「伸ばしたいと思うなら離れなさい」の書籍は見つけた時に「これだ!」と思い同じ学年の保護者同士で回し読みをしていた程です。U-11、12の指導をしていますが、試合中の声かけについてご相談があります。うちのチームは決して強くはなく市内でも下から数えて何番目......というレベルですが、選手達は仲良く楽しくサッカーができていると思います。今、私は試合中の声かけは最低限を心がけています。 前述の通り決して強いチームではないのですが、以前、公式戦で勝てそうな展開の試合がありました。結果、めでたく勝つことができたのですが、試合後の選手達の表情を見て大きな疑問が湧きました。せっかく掴み取った久しぶりの勝利なのに選手が全く嬉しそうでないのです。その後、色々と観察し、話も聞いてみると、どうやら試合中にベンチの指示が多すぎた事が気になっているようでした。良い展開のためベンチも盛り上がり声が増えていましたが、自分たちの大事な試合を指導者に横取りされた......、みたいな気持ちなのかと推測しています。そのような事もあり、また、展開の早いサッカーの試合中に簡潔にメッセージを伝える難しさを実感し、選手達のノイズになるくらいなら余計な事は言わないでおこう、と思いました。 試合中は良いプレーを(ボールに絡んでなくても)とにかく見つけて褒める、アドバイスはプレーの合間に「逆サイド空いてたよ、見えてた?」「後で呼んでたのは聞こえてた?」などの気付きを与える程度に留め、細かい振り返りは試合後にする事を意識しています。選手もその方がやりやすいらしく、逆にこちらのメッセージをよく聞いてくれるようになりました。 ただ、そうなると相手チームのベンチと比べて自チームのベンチが盛り上がっていない、選手の後押しをしていない、という雰囲気になり、何となく試合全体の空気も押し込まれたものになる印象を受けています。選手にもチーム内で良いプレーを褒める、意思表示をする、という声を出すように伝えていますが、まだ試合の空気を動かす程にはなっていません。池上さんは試合中のベンチからの声かけはどのような事を心がけていらっしゃいますでしょうか? また、チームを盛り上げるベンチからの声かけについてアドバイスをいただけると嬉しく思います。以上よろしくお願いいたします。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。拙書も読んでくださったようで、ありがとうございます。さて、試合に勝っても子どもたちがこころから喜んでいなかったと反省した、言い過ぎだったという結論に達して過度な声かけをやめたら、ベンチがおとなしいことに気づいた、とあります。「相手チームのベンチに比べて盛り上げっていない」と、対戦相手のベンチと比較していますが、このベンチが指導者が盛り上げていたのか、選手だけで支えていたのでしょうか。いずれにしろ、大人が引っ張らないと静かになってしまうことの原因を探らなくてはなりません。■声が出ていなかったのはどうしてか、を子どもたちに問いかけよう「自分たちの仲間がピッチで戦っていて、いいプレーがあっても声が出ていなかったね。どうしてだろう?」まずは、子どもたちに問いかけてください。4種(小学生)の監督さんのなかには「自分たちのプレーで観ている人を喜ばせよう」と子どもに伝える方もいらっしゃいますが、私は違和感があります。小学生がサッカーをするときは、自分たちが嬉しくて、楽しくてたまらない。それしかないはずです。ここでいう「自分たち」は、試合に出ているレギュラーも、ベンチにいるサブのメンバーも全員のはずです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■子どもたちにとってサッカーが「自分ごと」になっているか一つめ。全員が試合に出ているか?交代しながら出ているのか?自分も目の前で行われている試合に出ると思えば、その試合は「自分事(じぶんごと)」です。一方で、試合に出るのは先発メンバーだけ、交代してもひとりか二人といった状況であれば、その試合は子どもの目から見れば「他人事(たにんごと)」に映ります。中学生や高校生には「チームのためにひとつになれ」「チーム一丸」といった価値観は通用します。しかし、サッカーの入り口である小学生には通用しません。何より、そういった言葉で説得させるのではなく、全員をなるべく均等に出場させてほしいと私は思います。このような「試合における環境設定」に問題はないか、考えてみましょう。■子どもたちのサッカー認知度は育っているか確認しようサッカーを理解してないと声が出ないもの二つめは、サッカーの認知力が育っているかどうかを振り返りましょう。サッカーを知っているからこそ、ベンチから声を出せます。よく理解していなかったり、自信がなかったりすると声が出ません。そのチームの子どもたちがどのくらいサッカーのなりたちを理解しているかは、ベンチメンバーがピッチにいる仲間にかける指示や声かけでそのレベルがわかります。例えば、自陣のゴール前まで攻め込まれたとき、守備をしている選手がそのボールを取り返したとします。そのとき、子どもたちはどんな声かけをしているでしょうか?「大きく蹴って!」とベンチから叫んでしまうチームはどうでしょうか?そうではなく、「ほら、キーパーがいるよ」とか「つないで!」と声をかけるチームは、多くの場合良いサッカーをしています。つなごうとしてキーパーに戻してミスしたとしても、結果はどうでもよいのです。何も考えずただ蹴り出してしまえば、同じ場面がきて、カウンターに切り替えられるパスが出せるのに結局また蹴り出してしまいます。■子どもが声を出しやすい環境か、チーム全体の雰囲気を観察しよう三つめ。試合をしている子どもたちの様子はどうでしょうか?嬉しくて、楽しくて、生き生きと試合をしているでしょうか?勝たなければいけない、ミスしてはいけないと委縮してはいないでしょうか?子どもは大人の目や周囲の目を気にして縮こまってしまうと、声は出ません。そういったチーム全体の雰囲気はどうなのかを、よく観察してください。コーチは、試合までに準備するのが仕事です。よって、試合中に指示や命令を出さなくていいはずです。子どもたちに「相手チームの特長はわかった?」「トップに足に速い子がいるね」などと話します。子どもたちに「あとは考えてね。練習してきたことを思い出して試してみよう」と試合前に声をかければ、それで役目は終了です。そのような三つのことを、他のコーチや保護者など大人たちで話し合って、どうすれば子どもたち全員が楽しく生き生きと試合をできるのかを考えてみましょう。大人が子どもたちの気持ちやチームの空気を感じることが重要です。そこをきちんと感じ取って、良い方向に替えていってください。■いい試合でも選手は「外から修正してほしかった」と......ピッチの中と外で感じ方は違うもの(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)私は現在も、幼児、小学生、中学、高校とすべてのカテゴリーを指導しています。つい先日、かかわっている高校の公式戦がありました。選手は集中し、インテンシティ(強度)も高く、とてもいい試合でした。結果は0対0のスコアレスドローで、強い相手から勝ち点をもぎ取れました。しかしながら、選手たちに尋ねると、彼らは試合内容に満足していませんでした。ナイスゲームだったねと声をかけても「いい試合ではなかった」と言います。なぜなの?と理由を聞くと、「中盤が受けられなかった」といった声が出ました。「外(ベンチ)から、ポジション修正するとか、選手交代してほしかった。システム変更とかをベンチにしてほしかった」と言うのです。しかし、ベンチから観ればいい試合だったので、何かを動かす必要はないと考えていました。このように、外からの目と、中にいる選手の考えはすれ違うことが往々にあります。であれば、外(ベンチ)からどう声かけしようが、あまり意味はないということです。ベンチが騒がしければいいわけでもありません。ぜひ、様々な角度からチームのあり方を見つめ直してみてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年05月01日世間はお盆休みですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2022年1月から7月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった記事をランキングでご紹介します。サッカーを通して子どもを自立させる方法など参考になることがたくさんありますので、記事配信当時に見逃した方も、いま一度ご覧ください。第3位「日本にいた頃はピッチサイドで圧を......」ドイツ在住サッカーママが現地に行って気づいた子どもを伸ばす大人のスタンス「明らさまなダメ出しの言葉こそ言っていませんでしたが、かつての私はダメ親でした」と語る、現在ドイツ在住のサッカーママNさんが変われたお話が第3位でした。過去の映像を整理していたらお子さんに「お父さんもお母さんも(声かけが)ひどいね」と言われたエピソードなどを通じて、今は子どもを自立させるためのサポートに徹するようになったという経験談は、現在サッカー少年を育てている保護者の皆さんにとって大変身近に感じられたのかと思います。Nさんは、ドイツでも最初の頃は周りが日本語がわからないこともあってピッチサイドから大声を出していたら、「あなたは親として頑張っている。プレーをするのは子どもなのだから、落ち着いて」と言われた経験などを通じて、お子さんを一人の人間として成長させることが大事なのだと気付いて変わっていったそう。子どもには子どもの人権がある、という考えが当たり前にある環境で、子どもの成長をサポートするためにどう接すればいいか、のヒントがあります。ぜひご覧ください。記事を読む>>サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!第2位夏場に休むことで子どもが伸びる! あるサッカークラブが「夏休みは練習しない」を決めた理由「夏休みは休みます」と指導者が決断し、それを受け入れたチームのお話が第2位でした。年々暑くなる夏。炎天下で連日サッカーをさせることが、果たしていいことなのか。熱中症などのリスクや身体の成長に影響はないのか、など、内心気になっている保護者やチーム関係者の方も少なくないと思います。暑い中での練習は心配だけど周囲のチームもやっているし、とか、自分たちだけ休んだら周りに差をつけられるのが心配......、など様々な理由で「休む」ことを躊躇する気持ちもあるのでは。そんな中で、夏休みをとることを決断し、受け入れたチームのお話は、保護者・指導者両方の興味を引いたようです。子どもも大人も、サッカー活動だけでなく家族や友達と過ごす時間も大切です。ぜひ今後のことをチームで話すきっかけにも、いま一度記事をご覧ください。記事を読む>>第1位元日本代表・久保竜彦さんが2年連続監督 試合中「声を出さない」理由とは1月に開催された「ワールドチャレンジ2021」で監督を務めた久保竜彦さんのインタビューが、上半期一番読まれた記事となりました。少年サッカーの悩みの一つとして、「何やってるんだ!」というような監督・コーチが怒鳴る指導があり、近年はニュースで目にすることも増えたので、保護者の関心も高いですよね。厳しい指導を受けて来た年代の指導者は、自分が受けた指導を現場でも行いがちです。そんな中で、元日本代表として活躍された久保竜彦さんが、どうして声を出さないのか、その理由を知りたいと思う方が多かったようですね。久保竜彦さんが、子どもたちの良さを引き出すためにどんなことを意識したこととは。記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。サッカー少年の親が知っておくべき「サカイク10か条」とは
2022年08月11日気持ちの切り替えがスムーズにできない…。そんなわが子への対応のヒントを、公認心理師・佐藤めぐみさんが教えてくれました。イラスト/杉浦さやか公認心理師:佐藤めぐみさん育児相談室「ポジカフェ」主宰。欧米で心理学を学び、ポジティブ育児メソッドを考案。ポジ育ラボにてスマホで受講できるママ向け子育て心理学講座を配信中。HP:■あんふぁんママに聞きましたQ.嫌なことがあった後や好きなことに熱中している時、わが子はスムーズに気持ちの切り替えができる方だと思いますか?※2020年6/3~7/1あんふぁんWebアンケート。有効回答数13143人に1人のママが「わが子は切り替えが苦手」と感じている嫌なことがあった後や好きなことに熱中しているときなどに「そろそろ次のことをしようか」と声を掛けても、全く聞く耳を持たない…。子どものそんな姿を見て、途方に暮れたことはありませんか?右のアンケート結果のように、ママの約4割弱が「わが子は気持ちの切り替えが苦手」と感じていることが分かりました。上手に気持ちを切り替えることができれば、親子両方にとってうれしいこと。では一体どのように声を掛けたり、行動したりすれば良いのでしょう。それにはまず、気持ちの切り替えが「早い・遅い」の原因について知ることが大事!その原因について紹介していきます。気持ちの切り替え要因は気質と学習ケンカの後、お友達はすぐにケロッとしているのに、わが子はいつまでもぐずぐず…。同じ環境で育っているはずのきょうだい間でも、気持ちをサクッと切り替えられる子とそうでない子がいます。これはなぜなのでしょうか?気持ちの切り替えの「早い・遅い」には、大きく「気質」と「学習」の2つの要因があります。気質的なことの場合、その気質がどういう場面で使われるかで状況が変わります。粘り強い・集中しやすいタイプの子は、親に指示されることを「自分の意思が妨げられた」と感じ、強く反発することがあります。親としてはとても困るシーンなのですが、前述の通り、ある程度は生まれついたものである、と認識しておくと良いでしょう。気質の見極めには、生後21カ月(1歳9カ月頃)に見られる姿が一番参考になると言われています。自我が芽生え始め、かつイヤイヤ期突入前のこの時期の様子は、子ども本来の気質である可能性が高いようです。その頃の子どもの様子を振り返ってみると、適切な対応の仕方のきっかけが見つかるかもしれません。そしてもう一つの要因が「学習」です。これは、生まれた後の経験などから習得したもののこと。自分の気持ちを自分でなだめるということは、成長する上で必要なことですが、園児の場合、それができる子とできない子の差が顕著な時期でもあります。そのため、「うちの子はできていない」ということが悪目立ちしてしまい、親は余計に気になってしまう…ということになるのです。これら生まれ持った気質的な素因と、生まれた後の学習が掛け合わさることで切り替えの得手・不得手が決まっていきます。例えば、気持ちが一点集中して意固地になってしまう気質を持った子が、さらに「自分が粘ればママ・パパは折れてくれる」と学習すれば、親にとっては一番大変な状況になってしまうのです。わが子はナゼ早い?遅い?気持ちの切り替え、原因はコレ「気のそれやすさ」という気質気質とは、その子が持って生まれた素因のこと。気がそれにくい子は一般的に集中力が高いとされ、反対に気がそれやすい子は、他のことに目が行きやすいです。それやすい=気が散りやすいことはあまり良いイメージを持たれませんが、「他のことを提案すると気がそれる=気持ちの切り替えがしやすい子」ともいえます。集中しやすい子はその逆の素質を持っているので、「切り替えは苦手」という子が多いようです。生まれた後に「学習」したこと0歳時の絶対的依存期(感情を他者によってなだめてもらう期間)を過ぎ、自分で感情コントロールできるようになっていく過程で、誰もがいろいろなことを学びます。切り替えが遅い子の場合、切り替えないことでメリットがあるから遅くなることがありますが、これは「10分泣けば、ママは折れてくる」と学習し、切り替えないことが自分の意思を通すツールになっているケースと言えます。どうしたらいいの? 子どものこんなときあんふぁんママに子どもの「こんなとき困った!」をアンケート。みんなの切実な声を、一部紹介します。● 夜、自分の見たいテレビやDVD、動画を見ていると、「あと1回だけ!」を繰り返してなかなか消そうとしません。● 公園で遊んでいるとき、帰る時間だと声を掛けるとまだまだ遊ぶとだだをこねます。何度もあと10分あと10分と繰り返し、1時間帰れないことも…。● 集中していると声掛けしても聞こえなくなるほど入り込んでしまいます。そういうときは何を言ってもやめないし、自分のタイミングで終わりにしないと泣いて怒ります。● 兄弟げんかをしたりママに怒られたりするとしばらくすねています。最近は「ママはもううちの子じゃない、出ていけ!」と部屋の角で座っています。仲直りだよと言っても拒否。「ママ1人でゲームしよっかなぁ」と言うと僕も!となるのですが、やめる時間を過ぎてもやり続けているとまたママに怒られ、そうすると…繰り返しです。● 仲間に入れてもらえなかったり、おもちゃを貸してもらえなかったり、鬼ごっこで捕まったり…と自分の思いが、通らないと大声でわめき、八つ当たりがひどくなります。● 子どもが眠いとき、疲れているとき、空腹のときなど、切り替えがうまくできません。試してみよう!ケース別、気持ちの切り替え方子どもの気持ちを上手に切り替えるために、声掛けはとても大切。誰かに説得されると反抗したくなる心理を「心理的リアクタンス」と言います。この心理を理解した上で、どういった言葉を掛けると良いのかを紹介します。case.1子どもが熱中していることを無理やり中断させられたとき、いつまでも機嫌が直らない先々の良いことを想像して、今我慢するという「満足遅延耐性」力が、まだまだ低いのが子ども。大人でも、ダイエットしているからとケーキを食べることを我慢できる人もいれば、できない人もいますよね。子どもであれば、目の前にある好きなこと・楽しいことに流れるのは当たり前。その方向を変えなくてはいけないのだから、少し言ったくらいですぐにやめられるわけではない、と理解しておきましょう。その上で、声を掛けるときに気を付けたいのは、突然一方的に中断しないこと。まずは先を見越して前振りをしつつ、先々の楽しみを提示してみましょう。[例]「18時からごはんだよ。タイマーかけておくから、鳴ったらテレビはおしまいね」→タイマーが鳴る5分前に「あと5分でタイマー鳴るからね」と声を掛ける。このときは必ず、子どもと目を合わせて、聞いていることを確認しましょう。→「18時だからテレビはおしまいね。きちんとごはんが食べられたら、食後に大好きなデザートがあるよ」case.2叱られると、いつまでもぐずぐずと気持ちを立て直せない子どもを叱るとき、どんな言葉で叱っていますか?その子の行動を改めようとするあまり、子ども自身を否定していないでしょうか。「あなたなんかいらない」というような、子どもを全否定する叱り方をすると子どもも引きずりがちです。もし言い過ぎてしまった場合は、「ママが間違っていた、ごめんね」ときちんと謝りましょう。親の謝罪は、子どもが気持ちを切り替えるきっかけにもなります。そして、完璧にできていなくても、少し良くなった部分を認めてあげると、子ども自身に対する信頼感が深まり、次はもっと頑張ろうと感情をコントロールする意欲が高まります。[例]「この間より短い時間で泣きやめたね!」「幼稚園のお支度、昨日よりテキパキできたね」など、小さな成長もどんどん褒めてあげましょう。case.3自分の思い通りにならない・こだわりが受け入れられなくて不機嫌に生まれたばかりの子どもはとにかくかわいいもの。だから、好きなようにさせてあげないと傷つけてしまうのでは?と必要以上に丁寧に扱ってしまうことがあります。そうすると基礎的なしつけができず、感情を切り替える機会を得ないまま、園生活に突入してしまいます。結果、自分の思い通りにいかないことに子ども自身も折り合いがつかず、気持ちの切り替えがスムーズにできないことも。我慢を体験せずに育ってしまうと、ママ自身を追い詰めてしまうことになりかねません。子どもが負の感情を持つことをあまり怖がらないようにしましょう。[例]「遊びたい気持ち、分かるよ。楽しいもんね。でも今はこれをする時間だよ」と、まずは受容する言葉を掛け、でも譲れない部分では毅然とした態度は崩さない。→「じゃあ、今ママの言うことを聞いて褒められるのと、聞かないでずっとママがプンプンしているのと、どっちがいいかな?」「今日頑張って遊びをやめておうちに帰れたら、明日もこの時間に遊びに来られるよ」など、選択肢を与えて子どもに選ばせましょう。自分で決めた!と言う感覚に落とし込めると、子どもは行動に移しやすいです。case.4生理的欲求(食欲・睡眠欲など)が満たされないと、怒りだす大人であっても、睡眠を削られればイライラしますよね。生理的欲求が原因で悪くなった機嫌は、その欲求を満たしてあげないことには変えることは難しいもの。だから、そのような状況に陥らないよう工夫するしかありません。お腹が空くのが予想できる時間に子どもをおでかけさせるのならば、その前にごはんを食べる、などです。また、規則正しい毎日を過ごしている子の方が、機嫌が良いという研究結果もあり、就寝時間が遅いとぐずりがちになる傾向も。テレビやゲーム、スマートフォンなどに長時間触れて就寝時間が遅くなると、就学後に歯止めが効かなくなることがあります。園時代にスクリーンとの付き合い方をきちんと導いてあげることは、正しい生活習慣にもつながりますよ。パパ・ママ注意!やってはいけないNG声掛け【1】突き放し言葉子どもが感情的になってグダグダしてしまうと、つい突き放すような言葉を使っていませんか?その子の存在を全否定する言葉はやめましょう。[NGワード]●「どこかに行っちゃいなさい」●「あなたはもう、うちの子じゃない」【2】過保護・過管理・過干渉子どもにご機嫌でいて欲しいがために、先回りして手を出し、失敗を拭ってしまったりするのはNG。失敗を経験しないで育つことで、自立心が育たず、感情をコントロールする機会を失ってしまいます。「寂しい」以外の負の感情を持つことは、いけないことではありません。その状態から学び、自分で気持ちを切り替えるチャンスだと捉えましょう。【3】選択肢を与えるときは「没収系」ではなく 「収穫系・報酬系」気持ちを切り替えるための声掛けとして、子ども自身が決められるよう、選択肢を与えるのは良いことです。しかし、その内容が「片付けないと、捨てちゃうよ」という没収系はやめましょう。注意する割に結局捨てられないことが多く、「ママは本気じゃない」と話半分で聞くように。「片付けたら、ママと遊びに行けるよ」などの収穫系・報酬系にすると、子どもも受け入れやすいようです。【4】物質的欲求を満たすのは、ほどほどにおもちゃを買って~と言われるとつい買ってしまう…。このように、物欲が満たされすぎると「言ったら願いがかなう」と考えるようになり、感情のコントロールが苦手になることも。物を欲しがったら、例えば「お誕生日のプレゼント候補リスト」を子どもと一緒に作り、そこに書いてみましょう。リストを作るだけで気持ちが一時的に満たされます。そして誕生日前にそのリストの中から一つを子どもに選ばせるようにしましょう。頑張るママ・パパに佐藤さんからエール!園という集団生活の中で、わが子だけが気持ちを切り替えられていない場面に遭遇すると、周囲の目が気になってしまうことがありますよね。どうしてうちの子だけ…と自分を責めてしまう親御さんも多いようです。でも、切り替えの得意・不得意は、生まれ持った気質が理由の場合もあるので、自らを責め過ぎないでください。そして子どもは、辛い・しんどい・嫌だ・やりたくないなどの負の感情と向き合うことで、たくさんのことを学びます。親がなんとかしなくては!と思わず、今まさに学習しているのだと考え、立ち直れた時にたくさん褒めてあげることで、良い循環・環境を作っていきましょう。外出自粛などの行動制限で、他の子と会う機会が減っているかもしれません。でも、裏を返せばわが子に集中・知ることができるまたとない機会とも言えます。子どもの昨日と今日を比べて、ここがちょっとだけマシになった!そんな小さな成長を見付けて、どんどん褒めてあげてください。2020年度のあんふぁんは、「幼児期の子どもが“今持っている力“を見つけて育てることが将来を生き抜く力になる」と捉え、「みつけようコドモノチカラ」をテーマにさまざまな情報を発信していきます。「あんふぁん」と姉妹誌「ぎゅって」、そして小学館の子育てメディア「HagKum」では、新しい時代の“つながり”を応援しています。今回は家族(=いえ)の応援がテーマです。
2020年10月17日暑さで体力的に疲れていることも多い、夏休み明け。これから新学期を迎える時、あるいは新学期が始まったばかりの時期に、親が子どもに投げかける言葉や見せる姿勢は、子どものやる気やエネルギーに大きく影響してしまうこともあります。今回は心理カウンセラーの立場から、新学期を前にして親が子どもに言ってはいけない言葉を紹介します。勉強の遅れを心配する言葉まず注意したいのは、勉強の遅れを心配するような言葉。親としては、どうしても子どもの勉強の進み具合は気になるもの。一度遅れてしまうと取り返すのは大変だと考えるため、宿題や家庭学習の状況などに焦りを感じるのは普通のことと言えるでしょう。一方で、夏休み明けの子どもたちはのんびりしたもの。夏休み気分が抜けず、また残暑が厳しいこともあって、学校から帰って来たらすぐにクーラーの効いた部屋でダラダラ…などということもあるのではないでしょうか。そこで親が言ってしまいがちなのが、「学校始まったんだから、勉強もしないとね」「勉強が遅れちゃうと大変だから」という言葉です。しかしこれは意外と子どもにとってはダメージになります。勉強について気にしていても、それを指摘されるとうんざりしてしまうのです。このような場合は、まずは「暑いね」「疲れたよね」と共感を示し、落ち着いてから「そろそろ、頑張ろうか!」とプラスの声がけを心がけましょう。休んだのだから頑張りなさいという言葉夏休みという期間があったのだから、学校が始まったらしっかりしてほしいと親は考えがち。しかし「いっぱい休んだんだから、頑張りなさい!」というのは逆効果。休みの期間が長いほど、エンジンはかかりにくくなります。大人でもなんとなく、理解できる感覚ではないでしょうか。頑張りなさいと言われてしまうと、頑張っているのに…と思ってしまいませんか?休み明けは、学校まで行って帰って来られたらそれで上出来。それ以上のことができたら、ほめてもいいくらいです。1、2週間は子どもの様子をよく観察し、勢いがつくまで急かさないようにしましょう。他人と比較して叱咤する言葉親はついわが子と誰かを比較しがち。でも、他人と比べる言葉は子どもの心を傷つけます。例えば「お兄ちゃんはちゃんとやってるよ!」といったようなきょうだいと比べるものはもちろん、「〇〇くんはすごいのに」というような親しいお友達なども同様です。夏休み明け、どれくらいでエンジンがかかってくるかは、子どもによって個人差が大きいところです。他人と比べることは本人の自信を失わせ、エンジンがかかってからの加速をさらに遅くしてしまう可能性も…。他の子どもと比較しないように扱うのは、夏休み明けに限ったことではありませんが、コンディションが整わないうちは特に気をつける必要があります。ゆっくりと普段のリズムに戻して夏休み明けに身体が重そうにしていたり、何かに取り組む意欲が感じられなかったりするのは、当たり前のことです。普段のリズムにすぐに戻らないことで親が焦ったりイライラしたりすると、子どもは「自分がダメなんだ」と不安になってしまうもの。特に今年は、コロナ禍の下、例年以上に不安定になる子どもも増えることが予想されます。まずはいつもよりゆるめでOKと親がゆったり構えること、一所懸命にやっていないように見えてもそれを許す気持ちを忘れないようにしたいですね。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2020年08月31日みなさまこんにちは、どすこい母さんことケイコモエナです。ママ友たちと子どもたちの就寝時間の話になって、うちはこんな感じなのーと言っていたら、「うちも」「うちも」と言われ、「あるあるなの?」って思ったエピソードがあったので描いてみました!就寝時間前は兄妹で小競り合いばっかりしてても、「そんなんだったら、もう寝に行くよ!」の号令をかけた途端、急にとっても楽しそうに遊び出す子どもたち。1日の終わりで疲れてハイになってる? いや、寝たくないからわざと? うちの場合は1日の中で兄弟が一番仲の良い時間かもしれません。そして、いつもは「ちょっとまってー」「あ、これが終わったらー」と言う子どもたちも、大きな声で数え出すとめっちゃ急いでめっちゃ頑張る。そのあとご褒美は何もないのに、ただただ急いでくれます(笑)このカウントダウン、うちではあらゆる時に使っていて、お片付けやお出かけの用意のときなどに「さあ! 1、2、3ー」と活用しています。息子がもっと小さい頃、お友達とミニカーのおもちゃの取り合いで喧嘩し始めた時に「今持ってるミニカーで競争するよー、1、2、3 ~ 」と言った途端、喧嘩もそっちのけでレースのスタートポジションにつき、そのあとはレースでフィーバーしまくり、いつのまにか仲直り、ということもありました。カウントダウンすごく便利ですよ。最後まで読んで頂きありがとうございました!それではまた次回に!
2020年07月30日こんにちは、そんたんママです。暖かくなってきましたね。春眠暁を覚えずで、自分はなかなか布団から出ることができません。そんな母親に対して、乳幼児は早く起きがちで…。■朝、母の顔をたたく息子に…私はかなりの低血圧で、そのせいなのか朝パッと起きることができません。そんな私に対し、3歳頃のきーちゃんは、早くに起きてキビキビ動き出していました。なかなか起きない母親にしびれをきらし、「おかーさん、おーきーてーよー!」と顔面をバシバシたたいてきました。ただでさえローテンションのところをたたき起こされ、「たたかないでよ!!」とイライラしながら目を覚ます朝…。きーちゃんも怒られて不機嫌になり、いいことはひとつもありません…。■「たたかないで!」では伝わらない? 言い方を変えてみたその頃は毎朝のように同じことがくり返されました。そのたびに「たたかないでよ!」「痛いって言ってるでしょ!」など言っても、やめてくれません。ある朝、やはり寝起きにきーちゃんに顔面をたたかれたので、やけくそになって「たたかないでナデナデしてよ!!!」とキレ気味に返すと…なんとナデナデしてくれたではありませんか!そう、きーちゃんは何も私の顔をたたきたくてたたいていたのではなくて、他に起こし方を知らなかったのです。やさしいナデナデで目を覚ました私は、「ありがとう」、「うれしい」、「大好き!」をいっぱい伝えました。以来きーちゃんは私の頭をナデナデして起こしてくれるようになり、ものすご~く幸福な気持ちで目覚める日々が続きました。(どっちが子どもなんだか…)■子どもが大きくなった今、私が心がけていることきーちゃんが5歳になった今は、いつしか遅起きになり、私が起こす側になりました。自分がされてつらかったのでたたき起こすことはせず、なるべく優しい気持ちで起きられるように声かけすることを心がけています。最近ではこんな感じで返ってくるので、人間らしくになってきたなと感じるのでした。 \おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年04月04日子どもは「こちらの声が聞こえてないの?」と思うぐらい、親の言うことを聞いてくれないときがあります。思う通りにいかないことは百も承知、イライラしてもしょうがないと思うものの、もう少しストレスを減らすことはできないかと私は考えました。そして、ある言葉を意識的に変えてみるという作戦を実行してみました。その内容と成果を紹介します。「ちょっと待って」から「今行くよ!」3歳の娘に、「ママ、来てー!」と呼ばれたとき、私の返事は「ちょっと待ってね」がほとんどでした。何か作業をしているとき、多くの親がつい言ってしまう言葉だと思います。ですが、娘は「早く来て!」とか「まだー?」とぐずり始めてしまいます。本当は私もすぐに行ってあげたいという気持ちなのだから、もっといい返事はないかと思ったのです。そこで、この「ちょっと待って」を、「今行くよ!」に意識して変えてみました。返事のみの変更です。しかしこれが意外にも効果が絶大だったのです。待たせている時間が変わったわけではありません。ですが、娘にとって、期待通りの返事である「今行くよ!」は、「聞きたかった言葉」だったようで、素直に待っていてくれるように。ママの気持ちが自分に向かっているということが実感できるからか、待たせている間に不機嫌になることがとても少なくなりました。しかもこの言葉の変化は、私にとってもプラスでした。つい言ってしまう「ちょっと待って」から、すでに要求に対してアクションを起こしているのが分かる「今行くよ」に変えたことで、ずいぶんと心が軽くなりました。「おまたせ」と笑顔で娘のところに向かえます。「早くして」から「素早く行動できるかやってみない?」保育園からの帰り道。何かにつけてすぐに立ち止まってしまう娘。時間に余裕があるときはいつまででもつきあってあげたいのですが、そんなときばかりではありません。つい出てくる言葉は、イライラのこもった「早くしなさい」。こんなトゲトゲした声をかけたいわけではなく、ただ急ぎたいだけ。もう少し楽しくできないものかと考えなおし、ポジティブな言葉に変えてみたのです。「今日はおうちに早く帰りたいんだけど、昨日よりちょっと素早く行動できるかやってみない?」と言ってみたところ、目の色が変わりました。子どもは何でもチャレンジしてみたいもの。どうしたら素早く動けるのかを自分なりに考えて、タイムアタックに挑戦してくれるようになりました。早く帰れたあかつきには、親子2人で大喜び!達成感もあって、笑顔のひとときになりました。いきなりよりも、少し前から始める「準備をしてね」食事の用意ができて、娘にかける言葉は「ごはんができたよ」。ごはんの準備をしている間、娘は遊んでいたり、テレビを見たりしています。できてから声をかけても、返ってくるのは「今遊んでるの!」という言葉。すぐに食事をしてくれることはめったにありませんでした。これもよく考えてみれば、突然こちらの都合を押しつけているのですから、その反応は当然のこと。大人でも突然やれと言われたら困ります。では、どうしたら困らないか、自分ならどう言われたらすぐに行動できるかを考えて、こんなふうに声をかけました。「もうすぐごはんだから、準備をしてね」。少し前の段階から声をかけるように変えてみたのです。さすがに、これだけで毎回成功!とはいきませんでしたが、反応は変わりました。何度か声をかけて、最後の仕上げで「ごはんができたよ」と言うことで、食べ始めるまでの時間が、これまでよりぐっと短くなったのです。「子どもが自分なりの準備をするための時間をあげる」ということの大事さを実感しました。考え方を変えたら、言葉が変わった!普段何気なく使っている言葉を変えるだけで、これだけ効果があるとは驚きでした。きっと大事なのは、子どもを変えることに必死になるのではなく、親の方が考え方を変えて働きかけること。ぜひ一度お試しください。<文・写真:ライター幸森陽子>
2020年01月24日「ほめる子育て」が推奨され、「子どもはほめて自分に自信がもてる子に育てましょう」と言われる昨今。もしもあなたが下記のような言葉を発することが多いなら、子どもへの声がけに少し注意をしたほうがいいかもしれません。・「どうせママなんて…」・「こんなママでごめんね」・「(ほかの子と比べて)〇〇ちゃんは何でもできてスゴイね」これらは「自分に自信が持てない」人が言いがちな言葉です。今回は心理カウンセラーの筆者が、それぞれの言葉の裏にある親の心理と、子どもとの関わりにおいて気をつけたい点についてお話しします。自分を否定する「どうせママなんて…」親が自信がないと、自分で自分を否定する言葉を発してしまうことがあります。たとえば、子どもが自分の言うことを聞かない、子どもが自分の思った通りにできてないときに、子どもに問題があるとは考えず、「自分がダメな親だから、子どもがうまくできない」「自分の教え方がよくないのだ」と感じてしまうのです。でも、パパもママも、子どもから見れば世界一のヒーローであり、ヒロインです。いつも完璧とはいかなくても、親が自分を否定している言葉を聞きたくありません。親が自分自身を否定している言葉を聞くことで、子どもは「自分はダメな人の子どもなのだ」と知らず知らず考えてしまうようになります。それが、子どもの自己肯定感にも影響を与えるのです。自分の存在を謝る「こんなママでごめんね」大人になっても、上手に立ち居振る舞えなかったりして、失敗したなと思うことはあります。たとえば、園などの集まりで、ほかのママたちと一緒に行動をしたときに、うまく交わったり関わったりできないとき、落ち込んでしまうこともあるでしょう。そんなときに、「こんなママでごめんね」と自分の存在そのものを謝るようなことは決してしないでください。子どもは親のその言葉を聞いて、親が思っている以上に、「自分のせいでママが悲しんでいる」と感じるのです。親が自分の存在を責めることは、やがて子どもが自分を責めることにつながっていきます。ほかの子と比べる「〇〇ちゃんは何でもできてスゴイね」」自分に自信のない親ほど、ほかの子とわが子を比べたがるものです。心の中で比べてしまうことはあるかもしれませんが、実際にそれを親から言われると、子どもは大変なショックを受けてしまいます。親にとっては軽い気持ちの言葉でも、自分よりもほかの子のほうが「できる」と言われ続けると、子ども自身は「自分はできる」とは考えられなくなります。「できる」という自信がない子どもには、新しいことにチャレンジする意欲や、何かを知りたいという好奇心が芽生えにくくなるのです。大切なのは、親が自分自身の存在を認めて受け入れること「自分の存在や価値を否定すると、自己肯定感が下がる」これは親も子も同じです。子どもの自己肯定感ばかりが気になりがちですが、親自身も自分の存在を否定をせずに、まるごとの自分を認めて受け入れることが大切。子どもに対する言葉がけも、子どもや自分の存在を否定するものではなく、もしダメだと感じることがあるのならそんな自分を受け入れた上で次につなげられる、進歩するようなものを選んでいけたらいいですね。たとえば、自分が失敗したと感じたら「ごめんね!次からはこうしよう!」など、次につなげられる言葉を発してみましょう。また、わが子ができない部分、足りない部分を感じても、ほかの子ができているところを挙げるだけでなく、わが子に対して具体的に「ここを、こうしたらもっと良くなるよ!」と言葉をかけるのもおすすめです。これらの子どもにかける言葉は、子どもの自信を育むだけでなく、ママやパパの心にも跳ね返ってきて、親の心も強くしてくれると思います。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2019年11月25日こんにちは! 3人の子育てに奮闘中のArareです!今回は出産直後、病院でのエピソードをご紹介します。■恥ずかしさが勝っていた第1子私が入院していた病院は母子同室ではなく、決められた時間になると、入院中のママ達が授乳室に集まって授乳をするというスタイルでした。長男を出産したとき、入院中はこの授乳の時間が我が子と触れ合える唯一の時だったので、楽しみで仕方ありませんでした。保育士をしていたので赤ちゃんには慣れていると思ってましたが、新生児を見るのは初めてで、こんなに可愛いのかと感動したのを覚えています!心の中で可愛い〜! を連発しながらオムツを替えたり授乳の準備をしていたとき…私以外のお母さん達は我が子にたくさん話しかけている事に気づいたのです。私も心の中ではオムツを替えながら、おっぱいをあげながら色々話しかけていたのですが…人目を気にしてしまうタイプの私はそれを声に出すのが恥ずかしいと感じてしまい、周りのママ達みたいに自然に赤ちゃんにお話することができなかったのです。保育士として働いている時はそんな事気にならなかったのに…母として我が子に接するのは生まれて初めての体験だったからかもしれません。私もあんな風に、人目とか気にせず自然に話しかける事ができるようになるのだろうか…。とちょっと心配しながら退院していったのでした。■第2子、第3子誕生! 恥じらいはどこへ…? そして数年後…、2人目も3人目も同じ病院にお世話になり入院していました。何回経験しても授乳の時間が入院中1番の楽しみに。そして我が子と対面すると、長男の時の恥じらいはどこへやら!笑口が勝手に…と言いたくなるくらい無意識に話しかけまくっている自分がいました。そして今では、家ではもちろん、外出先のどこでも人目を気にせず赤ちゃんとお話しまくっています!今思うと1人目の時はなぜあんなに恥ずかしく感じていたのか不思議なくらいです。生まれて間もない頃は話しかけても反応がないように見えてしまうので、自分の中で何か抵抗があったのかもしれません。でも毎日お話していくうちに、だんだん赤ちゃんの方も反応してくれるということを知れたので、2人目以降は自然と声が出てしまっていたのかなーと思いました!今も3人目の長女とのお話タイムを毎日楽しんでいます。
2019年11月20日こんにちは!甥&姪大好きおばバカ平八です!今回は注意力散漫だった私の子供時代を振り返ってお話をさせて頂きます。■「気をつけて」という声かけに戸惑った子供時代育児をしていると、しょっちゅう口にしてしまうこの言葉。 ついつい自分でも発してしまうのですが、私はこの言葉を聞くと苦い気持ちが蘇ります。幼少期の私は大変どんくさい子どもでした。末っ子だった私は、周りのことは姉2人が世話を焼いてくれるためか常時気が抜けており、不注意からミスを起こすこともしばしば…。 もちろん親に言われるのはこの言葉。 「手元に注意がいかないなら、コップを遠くに置きなさい」と母は具体的な指示を出してくれていましたが、それでも何度も同じ失敗を繰り返し…。言われた時には一瞬気をつけるものの注意を続けられない。自分でも不注意を直したいと思っていましたが、この性質は簡単に直りませんでした。■「注意力散漫」を解決するには…結局、今も私はサッパリ注意力のない大人なのですが、注意力がないなりの気をつけ方を多少は身につけたので、あの頃と比べると幾分かマシになりました。今の私がもし子供時代の私に会えたら… こんな提案をすると思います。言葉で「気をつけて」といってもなかなか頭に入らない…そんな過去の自分に伝えたい! 過去の自分を振り返って感じるのは、注意力に欠ける子どもには「気をつけなくても良い仕組み作り」が大切だということ。タイムマシーンに乗って過去の自分に会うことはできませんが、甥と姪と接する時には、「どうすれば課題がクリアできるのか」を、一緒に試行錯誤したいと思います!
2019年09月12日わが家の娘は3歳になったばかり。少しシャイなところがあり、友達との距離をガンガン詰めていくタイプではありません。初めて会う友達と遊ぶとき、どう仲良くしていこうか悩んでいるのが見てわかります。こんなとき私がしている声がけと、きっかけ作りに効果のある魔法の言葉を紹介します。思わず口や手が出そうになるけど、まずは様子見するわが子は仲良く遊びたい意思はあるようで、友達の様子を伺ったり、気を引こうとするしぐさも時折見られます。しかし友達に話しかける声は蚊の鳴くような小さな声。気づかれないまま終わることがほとんどです。そんな娘に気づいたとき、親としてはどうにかして間を取り持ってあげたい気持ちになりますが、ぐっとこらえ、まずは様子を見ることにしています。最近では諦めることなく、再び声をかける姿が見られるようになりました。しばらく一緒にいたあとにかける、「魔法の言葉」とは?ごはんを食べたり、移動したりと、しばらく一緒の時間を過ごしたあとに少しだけ助け船を出してみます。そのきっかけの言葉は「お手手をつないで歩いてみない?」です。子どもは不思議なもので、一度でも手をつないでみると、あっという間に距離が縮まるようです。今のところ、連戦連勝。あまりの効果に驚いています。タイミングや子どもの性格などで失敗することもあるかもしれませんが、ほんのひと言声をかけるだけなので試す価値はあるかと思います。ぜひきっかけ作りに試してみてください。反対に言わないようにしている言葉反対に言わないようにしている言葉もあります。それは「お友達があの遊びをしているから、あなたも行っておいでよ」です。この言葉をかけた当初は、娘が友達と遊びたそうにしていたことと、一緒の遊具で遊べば仲良くなるのかなと思ったからなのですが・・・。しかしこれで遊べるようになっても、すべてが相手のペースで進んでしまったようで、娘には無理があったようです。疲れた様子を見せた娘を見て、後でとても反省しました。今、同じような場面になったときは「お友達があの遊びをしているけど、あなたはどうする?」と聞き、なるべく娘のペースを守ることを心がけています。2歳までは友達と一緒にいても、ひとり遊びばかりでしたが、3歳を過ぎ、子ども同士の関わりがだいぶ増えてきました。こうすればうまくいくという簡単な答えがあるものでもなく、自分の体験が宝ものになっていくでしょう。娘には試行錯誤しながら友達との関わり方を覚えていってほしいと思います。<文・写真:フリーランス記者幸森陽子>
2019年04月13日「もう、早くしてよ!」「すぐお出かけするって言ったでしょ!」こんなふうに子どもに言葉を投げてしまったことはありませんか?はい、やっていました、筆者自身も(汗)時間の感覚がまだなく、時計も読めない、動作も器用にできない。そのうえ、いろいろなことに興味津々で次から次へと横道にそれて時間がかかるばかり…。かわいいわが子とはいえ、そんな自由な子どもとの日々を、しっかりまわそうとすればするほど、ママにはイライラが募ってしまい、キツイ言葉を発してしまう。まさに悪循環です。そんな日々を少しでも楽しくスムーズにしたい、と試しに取り入れてみたのが、"砂時計"。インテリア好きな筆者。お気に入りの砂時計をキッチンに置いてみたら、幼稚園児だった娘が、とても興味深そうにしていたことがきっかけでした。実際に子どもとの生活に取り入れてみた、オススメの活用法をご紹介します。まずは“じーっと眺めて”超アナログの世界を親子で楽しむ!まずは導入編。砂の流れを見ているだけでも楽しい砂時計。「何これ?おもしろい!」と興味をもってくれたら、つかみはOK。子どもが愛着を感じたら、良き相棒になる可能性大!この砂が全部落ちるまでの時間を「〇分間」と言うのよ。と話しながら、まずは親子でじーっと眺めて楽しんでみて。特にママは、いつも忙しく動いている分、数分の時の流れをみつめていることがとても新鮮に感じられるかもしれません。なんだかふっと落ち着くような気持ちになるから不思議です。キッチンにシンプルな造形美!HIGHTIDEのHourglassさぁ実践!子どもとの生活に取り入れる方法とは?そのあとは実践編。「砂が全部落ちるまでの間に、靴下を自分で履いてみようか!」「歯磨きは、この砂が全部落ちるまでしっかりやってみようね」「今、ママはごはんの準備中。この砂が全部落ちるまで待っていてね」「砂が全部落ちたら、お遊びはおしまいにしてお片づけができるかな?」というふうに、子どもとの生活に取り入れてみるのです。「急いで!」「早くおわりにして!」などと言葉で一方的に伝えるよりも効果的。子ども自身が視覚で感じられるのでわかりやすく、自発的な行動につながるようです。ママも怒った言葉を発するより、気分も穏やかに。繰り返しやっていると、子どもの時間感覚も自然に養われていくようです。やはり視覚・体感は大切なのでしょう。場面に応じて、3分計・5分計・10分計を使い分けたり、3分計×〇回、と倍数を使って時間を調整することもできます。時間内に作業をしよう、一定の時間を待とう、というちょっとしたことがスムーズにしやすくなるのは、子どもにとってもママにとっても、大きな収穫です。軽くて割れにくい!100円ショップの「ダイソー」で見つけた、表面がポリカ&樹脂製の3分計長さもデザインも素材も!バリエーション豊富な中からお気に入りを選んで”砂時計”とひとくちに言っても、とても種類が豊富。色や形のデザイン、時間の長さも1~数10分、インテリア性の高いものから100均で買える手軽なものまで、実にさまざま。お子さんの好みや特性に合わせて選んでみるとよいでしょう(ガラス製は割ってしまいそうで怖いという場合には、プラスティックや樹脂製のものを選ぶなど)。マグネットで冷蔵庫の側面にくっついちゃう!DULTONのSANDGLASS BALMA小学生になってもGood!宿題や家庭学習に効果を発揮嬉しいことに、小学生になっても砂時計は効果を発揮しています。生活面で取り入れるだけでなく、学習面にも活用できるのです。宿題の計算プリントに取り組むときなどに、横においてちょっとスピードを意識してみると、よい刺激になるようですよ。子どもの成長にともない内容は変わっていきますが、“時間のやりくり”は永遠のテーマです。忙しい毎日に、ほんの少し彩りをプラスしてくれる”砂時計”。こんな小さな楽しみを親子で大切にしていきたいですね。<文・写真:フリーランス記者石川友美>
2019年02月14日専門家・プロ:松井美香言わない方がいいとわかっていてもお母さんが常勤で働くことが当たり前の時代になってきました。仕事も家事も頑張るお母さんはいつも何かに追われていて、我が子にも「早く、早く」と言ってしまいがち。かつてのわたしも同じです。「早く起きなさい!」から1日が始まり、「早く食べなさい」「早く支度しなさい」「早く行きなさい」「早く宿題しちゃいなさい」「早く手伝って」「早く片付けて」「早くお風呂に入りなさい」「早く寝なさい」などなど・・・「早く」という言葉を使わない日はなかったと思います。言わないように気をつけていても、いつもこんな調子でした。子どもはグズグズ・ダラダラ、親はイライラ親であるわたしたちは、子どもが期待通りに行動するとほめ、期待通りにできないと叱るのが当たり前になっています。早く行動すれば「えらいわね」「すごい!やればできるじゃない」「あなただけね、いつも早いのは」などとほめ、早く行動しないと「なんで早くしないの!」「何やってるの!早く!って言ってるでしょ!」「早くしないと、おやつあげないわよ」などの言葉で叱るのです。わたしたち自身、子どものときこのように育てられてきたので、もしかしたらそれ以外の方法があることを知らないからかもしれません。ですが、本当にこのような方法で、子どものグズグズやダラダラは改善されるのでしょうか?そもそも、これは親の都合を優先した対応であって、子どもには理解されないのです。「なんで早くしないの!」と叱っても効果はありません子どもが期待通りに行動しないと、「なんで?」と聞きたくなってしまいますが、原因を探ったところで、ほとんどの場合は解決につながりません。アドラー流子育ては、「原因」を探るよりも「目的」を考えます。つまり、子どもがグズグズ・ダラダラする目的を考えてみるのです。このコラムで何度もお伝えしているように、人は注目されるところが強化する、とアドラー流では考えます。良いことも悪いことも、注目されればされるほど、その行動をしてしまうものなのです。子どもの行動の目的。そのほとんどは、親に愛されたい、認めてもらいたい、注目してほしい、無視されたくない、です。無視されるよりは、叱られたい(注目されたい)のです。グズグズ・ダラダラしている方が親にかまってもらえるグズグズ・ダラダラしている方が、親の気を引くことができることを、子どもたちは経験を通して学んでいます。だから、それを繰り返すのです。だとしたら、親であるわたしたちはどのように対応すれば良いのでしょうか。そうです。「早くしなさい」と命令したり、叱るのではなく、子ども自身が自分の行動を決め、やる気になるような環境づくりをすることが大事です。子どものこういった行動が繰り返されるのは、親の対応が効果的ではないということを意味しています。いつもとは違う対応をしてみることで、子どもの反応も変わってきます。まずは、イライラする気持ちを深呼吸などでコントロールし、冷静になりましょう。もしかしたら、子どもがグズグズ・ダラダラしていることに過剰に反応しているだけかもしれません。子どもに勇気を与え続けましょうまずは、子どもの行動に振り回されないように気をつけたいものです。「同じ土俵で戦わない」ようにするのです。つまり、子どもの態度に感情的に反応せず、一貫した態度を示すことが大切なのです。例えば、子どもがダラダラと食事をしていたら、「お母さんは、そろそろ片付けたいんだけど、もうそろそろ食事は終わりにできるかな?」と提案してみます。それでも、まだダラダラとしているようなら「じゃ、お母さんはほかの用事があるから、あとの片付けはよろしくね」と言って、その場を離れてしまうのです。叱る必要など全くありません。また、親というものは、どこか「親が思うようにできて当然」と思っている節があります。親の目から見れば、決して早く行動しているようには見えないけれど、本人はそれなりに頑張っていることがあるものです。ほんの少しでも努力していたら、それを見逃さずに、「今日は頑張ってるね」という言葉をかけてあげましょう。「良いところ探し」をするのです。わたしたち親ができることは限られていますが、どんなときも子どもへの「勇気づけ」を心がければ、子どもはやがて自分の行動を自分で管理できるようになっていくものです。松井美香(まついみか)東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中。*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆。松井美香公式ホームページ:
2018年11月19日専門家・プロ:松井美香「うちの子、今、反抗期で困っちゃう。」や「なんでもかんでもイヤイヤするのは反抗期だから仕方ない。」あるいは逆に「反抗期がなくて心配。おとなになって反動が出るんじゃないかしら。」このような話を耳にしたことはありませんか。子どもが素直に親のいうことを聞かなくなったとき、「反抗期」という言葉が使われますが、あなたが子どものころにも心あたりがあるのではないでしょうか?今回は、アドラー流子育てでは「反抗期の子どもについて」どのように考え、具体的にどうするかをお伝えします。反抗期という言葉に惑わされないで一般的には、幼少期に第一次反抗期、そして思春期に第二次反抗期があるといわれています。言葉が話せるようになった頃の子どもが、スーパーなどで親の言うことを聞かず「イヤイヤ!」と駄々をこねている姿をよく見かけます。また、思春期になった途端、子どもが「うるせぇ!」などといった乱暴な言葉を家庭で使うようになった、というような話も聞きます。でも、彼らは本当に反抗期なのでしょうか?あなた自身は子どもの頃、親に反抗したことはありますか?反抗したことがあるとすれば、それは一体どんなときだったでしょうか?おそらく、親にろくに話も聞いてもらえず、一方的に叱られたり責められたりしたときに、反抗したくなったのではないでしょうか?これは、幼少期の子どもも同じ。年齢を問わず同様のことが考えられます。親が一方的に叱ったり責めたりしたとき、まず子どもは「自分の意思をなんとかして通したい」という意思表示をします。同時に、どんな子どもも親の反応をうかがっています。言い方を変えれば、親の対応の仕方で、子どもの行動も変わってくるということです。「イヤイヤ!」に対して、親が感情的に叱ったり、逆に言うことを聞かせるためにおだてたりすれば、「イヤイヤをすればかまってもらえる」ことを、子どもは覚えていくので、ますます「イヤイヤ」を言うようになります。思春期によくある乱暴な言葉遣いも、同じように考えてみると良いでしょう。子どもが急に暴言を吐くようになったとしたら、そこには何らかの理由があるのです。行動には必ず目的がある子どもがそのような行動をすることには目的があると、アドラー流では考えます。反抗することの目的、それはなんだと思いますか?それは「自分をわかってほしい、認めてほしい」と言う気持ちの表れです。わかってもらい、認めてもらう適切な方法を知らないので、態度や言動をあれこれ変えて試し、おとなの反応を見て探っているのです。つまり、こちらが対応を間違えてしまうと、不適切な行動が強化される恐れがあります。ここは、わたしたちがしっかりと学び、適切な対応で切り抜けましょう。具体的に、どうすればいいのでしょう?子どもの挑発にのらず、冷静に受け止めることが重要です重要なのは、子どもの不適切な行動に過剰に反応しないことです。「イヤイヤ」を言い始めたら、感情的にならず冷静に、あわてず、騒がず、叱らず、子どもの要求をまずは受け止めます。そのうえで、きちんと伝えたいことを伝えます。小さな子どもだからわからないだろうと思いがちですが、そんなことはありません。どんな小さな子どもでも対等に話をすることで、子どもの脳もじょじょに育っていくのです。乱暴な言葉を使ったときも同様です。一瞬、「なんて生意気な・・・」と感じてしまうことでしょう。叱りたい気持ちがむくむくと湧いてくることでしょう。でも、ここで「なんでそんな言い方をするの!」「そんな言葉遣いは許しません!」などと怒鳴ったり、感情的に言い返してはいけません。子どもの挑発に乗ってはいけないのです。ここでもやはり冷静に、受け止めます。その上で「そんな言葉を言われたら、お母さんは悲しい気持ちになるよ」と「I(アイ)メッセージで、「わたし」を主語にして自分の気持ちを伝えるのです。アドラー流の子育てをすれば、子どもの反抗期というものはほぼなくなると言われています。なぜなら、一方的に命令をしたり、支配・強制したりすることがなくなるからです。また、子どもの意思を尊重し(これは子どものわがままを聞くことでも、言うなりになることでもありません)、親子で共に成長するという考えのもとに、子育てをするからです。あなたもアドラー流子育てを取り入れ、「反抗期」というとらえ方をせず、子どもに対する見方や接し方を変えてみませんか?関連記事思春期の反抗期でお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてみてください。「思春期の子どもと良い関係を保つには」松井美香(まついみか)東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中。*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆。松井美香公式ホームページ:
2018年10月15日専門家・プロ:松井美香「運動会」が苦手な子に対しての関わり方今年も運動会のシーズンがやってきました。親であるわたしたちも、運動会当日は子どもたちが自分の実力を発揮できるよう、一生懸命応援したくなるものですね。毎年楽しみにしている保護者の方も多いことでしょう。さて、どの学校(幼稚園・保育園)でも、種目として採用されているのが「徒競走」や「かけっこ」。でも、走ることについては、得意不得意、あるいは好き嫌いが比較的はっきりと分かれるように思います。お子さんはいかがでしょうか?もしも、お子さんが急に「運動会で走りたくない」と言い出したら、あなたはどんな声かけをしますか?スポーツは勝敗がつくものいつでしたか、「順位がつくことに問題がある」と、一部の幼稚園や学校で、徒競走やリレーに順位をつけないルールを作ったという話がありました。確かに、なんでもかんでも競争させるのは意味がないと思いますが、そこまで気にする必要もないのではないかと思います。なぜなら、スポーツは競技(ゲーム)だからです。勝敗がつくからこそ楽しい、と感じることもあります。それを認識した上で、真剣に取り組むことは決して悪いことではないのです。ただし、ここで少し気をつけたいことがあります。走ることが苦手、と感じている子に対して、「頑張りなさいよ、○○ちゃんに負けちゃダメよ!」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)は1位だったのよ。だからきっとあなたも1位を取れるはず!」「ちゃんと練習しないと、速く走れるようにならないよ!」などの言葉は、避けたいものです。勝敗や結果にこだわりすぎると子どもは力を発揮できない勝敗は目に見えやすいものです。「オンリーワン」よりも「ナンバーワン」の方がわかりやすいので、多くの人がそれにこだわるのもわかります。けれども、スポーツに限らず、勉強などにおいてもそうですが、勝敗や結果だけがすべてではないはずです。おとなが偏った価値観で育ててしまうと、子どもたちは影響を受けてしまいます。まるで、勝敗や結果がすべてであるように感じてしまうかもしれないのです。人生は勝ち負けで決まるものでもありませんし、結果が全てではありません。そういったことを、親であるわたしたち自身が気をつけていないと、子どもたちを苦しめることにもなりかねません。でも、どうぞご安心ください。わたしたちが偏らないよう意識し、言葉かけを工夫することによって、子どもたちは健全に育ってくれます。アドラー流子育てでは、まず子どもの気持ちに共感します話を元に戻しましょう。「運動会で走りたくない」と言う子どもにどう声かけをするか。「何でそんなことを言うの!そんなことできるわけがないじゃない!ダメに決まってるでしょ!今さら、そんな勝手なこと言うんじゃありません!」と言いたくもなりますが、このような言葉を言ってしまったら、子どもは親に対して本音を言えなくなってしまいます。そこをぐっとおさえて、まずは、子どもの言い分をすべて聞いてあげましょう。走るのが苦手だった保護者であれば共感もしやすいですが、ご自分が得意だった場合は、子どもの気持ちはなかなか理解しにくいものかもしれません。「やってみなければわからないじゃない!そんな弱気でどうするの!ビリになっても恥ずかしくないよ。一生懸命走ればいいんだよ!」これはどうでしょう。子どもは「頑張って走ってみよう!」と思い直すでしょうか?多くの場合は違います。親は励ましのつもりで言っているのですが、子どもの心には残念ながら届いていません。正論を語るだけでは、子どものやる気は起きない保護者の言いたいことは、とてもよくわかりますし正論です。でも、子どもだって、本当はよくわかっているのです。それでも、「走りたくない」という気持ちになってしまうのです。だったら、その気持ちに寄り添ってあげましょう。「そうなんだ、なんだか心配になっちゃったんだね。もしもみんなより遅かったり、転んだりしたら恥ずかしくなっちゃうもんね。嫌になっちゃうね。」このように、まずは否定せず、弱気になっているお子さんの気持ちに共感してみるのです。言いたいことを全部言わせてあげることも大切です。そして、全部受け止めたあと、あなたが伝えたいことを伝えてほしいのです。「本当に心配だよね。でも頑張って走れるといいね。勇気を出して走ることが速く走ることよりとても大事だと、お母さんは思うよ。」と、アイメッセージ(「わたしは」を主語にする言い方)で言ってみてください。お子さんはきっと「お母さん(お父さん)は自分の気持ちをわかってくれた」と安心し、運動会では大いに力を発揮してくれることでしょう。走り終わってからのフォローも忘れずに運動会が終わったあとの子どもへの声かけにも、注意したいものです。やはりここでも、人と比較しないこと。そして、勝敗や結果だけに注目しないことが重要です。「やったね!○○ちゃんより早く走れたね!」「○位が取れたね!すごいね!速かったね!」ではなく、「頑張ったね!(あなたが)勇気を出して走れたこと、お母さん(お父さん)、とってもうれしかったよ。」と伝えます。本人が望んでいた結果が出なかった場合も、「残念だったね、惜しかったね、悔しかったね!」と、まずは共感します。そのあと「でも、一生懸命走ったあなたを、お母さん(お父さん)は誇りに思うよ。」と言ってあげてください。お子さんはきっと、勇気を出して走ったことで、少しずつ自分に自信をつけていくことでしょう。苦手なことは誰にでもあるものです。でも、こうして少しずつ困難を乗り越えていくことで、自信は生まれてくるもの。走ることに限らず、わたしたち親は、子どもの心に届く勇気づけの声かけを、日頃から心がけたいものです。松井美香(まついみか)東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中。*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆。松井美香公式ホームページ:
2018年10月02日■親のなにげないひと言で…ふだんから声かけを気にしていたんですが…大失態です。私は軽い冗談のつもりで「重い~」だったのですが、娘にとっては「いけないコト」として聞こえたようで…。■謝る娘を目の前に猛省!「ごめんね」と言われて心臓がひゅっとなりました。「こっちこそごめんね!!」と猛省でした。その後「重くなったのはナナちゃんがお姉ちゃんになったからだよ。もっともっとお姉ちゃんになっていいんだよ」と言いました。子どもに大人の冗談は通じません。子どもはいつだって一生懸命生きています。なのでこれ以降、発言にはより一層気をつけるようにしています。娘に二度とあんなことを言わせないように、気が引き締まる出来事でした。
2018年09月28日ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。モチコです。イチコは超マイペース! 何をするにも動き出すまでがとーっても遅いです。そんなイチコを動かすワザをご紹介します!まずはこちら!そう、カウントダウン!あくまで遊び風に楽しい声色で、そして子どもがぎりぎり間に合うタイミングで数えるのがコツです。間に合ったらもちろんものすごーく褒める!さてお次は…競争形式&実況!幼稚園でやっているのか、イチコがし始めたのですが、これがまぁ効く!イチコが動いている間は休めますしね。ふふふ!ということで、特にイチコに効く技2つを4コマにしてみました。このほか、「ちょうちょさんに変身してお片付けしよっか? おもちゃをひろうわパタパタ~こっちに持って行くわひらひら~」という変身作戦や、「お母さんイチコをぎゅーってしたい! 早くごはん食べて! ごはんの後ぎゅーするから!」というご褒美ぎゅー作戦を使っています。パターンを変えつつ、なるべく楽しくイチコを急かす毎日です。(毎回やってられるか! という気持ちもありますが…ごにょごにょ。)
2017年10月16日