子育て情報『こどもの皮膚科ドクターが語る 秋 -季節の変わり目- になぜ湿疹が悪化するのか』

こどもの皮膚科ドクターが語る 秋 -季節の変わり目- になぜ湿疹が悪化するのか

涙によって目の周りに湿疹ができることもあります。ひょっとすると鼻水、よだれ、涙の成分は外に排出されることで、皮膚に対して刺激の強いものに変化している可能性もあります。

風邪をひくとスキンケアの量と質が変わってしまうから、湿疹が悪化する

風邪に伴うスキンケア、とくにシャワーや入浴習慣の変化は湿疹を悪化させることになるでしょう。とくに熱を出したとき、日本人は入浴やシャワーの回数を減らします。すると、汗などの刺激物が皮膚に対して、より長時間接触することになり、結果として湿疹を悪化させることになってしまいます。熱が上がれば当然発汗の量が増えますので、皮膚科の立場で言えば、発熱があまり強くなくて本人に元気があれば短時間で良いので入浴したり、シャワーでざっと汗を流したりしてほしいところです。石鹸は使わなくてかまいません。

保湿剤についても、熱を出している子に元気なときと同じ回数塗ることは難しいですから、湿疹悪化の一因といえそうです。


ストレス・寝不足も湿疹を悪化させる

最後に体調を悪化させるような生活の変化そのものも湿疹を悪化させるというお話をします。たとえば夜、よく眠れないだけでも湿疹がひどくなるというのは、大人のアトピー性皮膚炎では頻繁に起きる話です。大人の湿疹もこの季節に悪化することが多いのですが、これは気候の変化によるものだけではなく、お盆に休んで溜まった仕事をなんとかしようと無理をしてしまうのことも1つの原因です。子どもたちも同様に、風邪のためによく眠れない、ずっと体調が悪くてストレスをためてしまうというのも湿疹を悪化させる1つの原因となってしまうのでしょう。

このように細かく考えると、風邪と湿疹との密接な関係が十分に考えられるのです。ではなぜ知られていないのか。それは証明が非常に難しいから。証明するためには風邪をひいた子どもたちを集めて、いろいろと調査し、条件を変えて研究をして・・・さすがに難しいですよね。


難しいことはいろいろありますが、知っておくべきことは1つだけ。

「風邪をひくと湿疹が悪化する可(・)能(・)性(・)が(・)あ(・)る(・)」
――それさえ押さえておけば十分に対処できます。子どもが風邪をひいたときには湿疹が悪くなることを想定して、いつもよりもしっかりと薬や保湿剤を塗ってあげる、体調の良い時間を見計らってシャワーをしてあげる、こまめに体を拭いて洋服を替えてあげる。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.