今すぐ知りたい! 親子のための、学ぶアプリ探検隊 すてきな女性になるヒントが詰まっている 映画『赤毛のアン 卒業』
トップライター:中森かなめ
100年以上経っても、少女たちに愛されて続けているL.M.モンゴメリの小説「赤毛のアン」。
それを原作として映画化し、昨年公開された『赤毛のアン』、今年10月から公開された『赤毛のアン 初恋』に続き、いよいよ完結編となる『赤毛のアン 卒業』が11月2日(金)から、全国順次ロードショーとなります。
恋心を封印してライバルとなったアンとギルバートに注目!
3部作の完結編となる『赤毛のアン 卒業』は、相変わらずおしゃべりの大好きなアンが、ちょっぴり大人になって、教師になるという夢に向かって邁進していく姿が描かれています。
また、前作『赤毛のアン 初恋』で、たがいに恋心を抱きながらもすれ違ってしまったアンとギルバート。今作でも気持ちがすれ違ったままの2人は、おたがいに素直になれないがゆえに、学業のライバルとして闘争心を燃やすようになります。そして、切磋琢磨しながら、将来の夢へ向かって突き進んでゆくのです。
恋心を封印し、勉強でのライバルとなったアン(写真右/エラ・バレンタイン)とギルバート(同左/ドゥルー・ヘイタオグルー)。対抗心を燃やすふたりの会話は、微笑ましくもあります。
進む道が違っても旧交を大事にするアンとダイアナ
アンのギルバートとの〝腐れ縁〟に対して、腹心の友であるダイアナとの関係の変化には切なさがこみ上げます。アンの養父母・マシュウとマリラ兄妹は、アンに良い教育を受けさせるべく、アンの上級学校への進学を賛成し応援しますが、ダイアナの家族は女性が上級学校に行く必要はないという考えを持っています。
そのため、ダイアナは家族の意向に従い上級学校への進学をあきらめ、ふたりは違う道を進んでいくのです。しかし、アンとダイアナは違う道に進んでも腹心の友であり続けます。
この映画の副題となっている〝卒業〟という言葉に象徴されるように、この作品でアンは学校の卒業とともに、深い悲しみを経験することによって少女から卒業して、すてきな女性へと変貌を遂げていきます。
そんなアンの変化が描かれるクライマックスは涙なしには見られないのですが、「曲がり角の先にも、きっと素敵なことが待っている」と信じ、どんなにつらく悲しいことがあっても前を向けば、すてきな景色に出会えるはずだと、未来へと向かっていくアンの姿から勇気をもらいました。生きていれば悲しいこともあるし、うまくいかないこともあるし、おもしろくないこともあります。