記者の直撃に答える上西雄大監督(2022年)映画業界の性暴力は社会的な問題になった。映画監督有志が声明を出すなど改善への動きがあるが、まだ明らかになっていない事実も多い。「性暴力は言語道断ですが、ほかにも課題は山積みで、現場ではパワハラも横行しているようです。“監督の厳しい指導に耐えて演技に目覚める役者”という構図が称賛されてきた悪しき習慣がありますから。言葉の暴力に加え、金銭的な搾取も行われていると聞きますよ」(映画ライター)映画監督の上西雄大氏もそのひとりだという。「40歳を過ぎてから俳優になり、監督業を始めたのは最近のことですね。『西成ゴローの四億円』や『ひとくず』など、いくつかの作品が海外の映画祭で賞を取っていますが、どれも権威のある映画祭ではないので、あまり価値はありません」(同・映画ライター)「てめぇの人間性がおかしいんだよ」俳優の男性Aさんが、被害に遭った体験を話してくれた。「2年ほど前、監督から“今度映画の撮影でこういう役があるから、出たいなら来て”と連絡がありました。ギャラや宿泊費、交通費の話はなかったんですが、映画に出られるならいいかと思って、自腹で手配したんです。撮影地の宮古島に到着すると、別のスタッフから“今日の撮影なくなったらしいよ”と聞かされ、なぜか3日間スタッフの手伝いをすることに。4日目の早朝にようやく私のシーンの撮影があったのですが、2時間で終わったうえ、現場で解散と言われ空港まで1時間歩いて帰りました」Aさんは1泊2日の予定だったはずが、4日間宮古島に滞在することになった。「演技より、手伝いに駆り出される時間のほうがずっと長かったんです。ギャラの支払いなどはいっさいなく、10万円ほどかかった滞在費はすべて自分持ちです」(Aさん)それなのに、感謝の言葉はなかったという。「スタッフの手伝いをしていると、“てめえの人間性がおかしいんだよ”と急に怒鳴られたことも。感情の起伏が激しい人なのはわかっていましたが、ミスをしたわけでもなく、ましてや私は役者として来ているのに……」(Aさん)スタッフの男性Bさんも、上西監督の現場での横柄な態度と行動を目撃していた。「自分よりも格上の役者さんに対しては人当たりがいいのですが、下のスタッフ、キャストに対しての振る舞いは“王様”そのものですね。とにかくお金を使いたくないらしく、スタッフの数が圧倒的に少ないうえに、ギャラをほとんど支払わない。私なんて、当初提示されたギャラをクランクイン直前になって半額にされました。スタッフが少ないから現場がうまく回らないのに、“おまえらの頑張りが足りないからだろ!”と激高するんです」威嚇されうつ病を患った劇団の元女優も’20年の映画『ひとくず』が仲間内から称賛されたことで、慢心していったらしい。「津田寛治さんや赤井英和さんなどは、上西監督に心酔していて、よく作品に出演されています。でも、最近では撮影現場での悪行が知られるようになってきました。被害を受けた人だけでなく、上西監督のもとを離れる人が増えているんです」(Bさん)『ひとくず』には、あの木下ほうかも出演していた。「児童虐待を扱った映画なのですが、現場では監督自身が威圧的な行為をしていたわけです。女性への抑圧をテーマにした映画『蜜月』を撮った榊英雄監督が性加害を行っていたのと似ていますね」(前出・映画ライター)映画ではなく、上西の主宰する劇団の元女優・Cさんからも被害の証言があった。「劇団に所属していた4年間、ワークショップや団費、舞台ノルマなどを支払っていました。生活が苦しくなり、劇団をやめたいと申し出たら、“うざい、芝居がヘタクソ”などと恫喝され、殴りかかるようなそぶりで威嚇されて……。このことが原因で、今はうつ病を患っています」母親の看病で休みを取ろうとしても許されなかった。「急にエキストラの仕事を命じられ、母親の死に目に会えませんでした。そのときは交通費、宿泊費、食費がすべて自腹。ギャラは1日3000円ほどだったので、完全に赤字でしたね。映画の脇役での出演に、6万円を支払わされたことも。とにかくお金を吸い取ろうとするんです」(Cさん)小劇場ではキャストにチケットのノルマが課されることはあるが、上西は度を越していた。「普通は20〜40枚程度ですが、彼は最大100枚のノルマを課すことも。ある舞台では、ワンシーンのみの出演だった俳優が50枚のノルマを課されて、上西監督に降板を願い出ました。すると監督は“ノルマの半分のお金を払うなら降ろしてやる”と迫り、その俳優は、泣く泣く約10万円の“降板料”を支払ったそうですよ」(舞台関係者のDさん)金に汚いだけでなく、事務所“乗っ取り”のトラブルも。「上西監督の事務所兼稽古場は、もともとほかの芸能プロダクションのものでしたが、“名前を変えない”“所属俳優の面倒を見る”という条件のもと、無料で譲り受けたんです。それなのに、しばらくすると断りもなく事務所の名前を変えて、ギャラも支払わないから俳優たちは相次いで退社。約束を守らない男なんですよ」(芸能プロ関係者) 謝罪したいと言いながらも弁解に終始明らかになった上西監督の“ひとくず”な振る舞いの数々。真相を確かめるべく、5月上旬、本人を直撃した。─役者さんに宮古島までの往復航空券や滞在費などをすべて負担させた?「それはないと思います。全員にお支払いしたはずですから。誰のことですか?」否定しつつも、苛立った様子で“告発者”が誰なのか執拗に聞いてきた。─その方は現場で解散と言われ、空港まで1時間歩いて帰ったそうですが……。「ああ、わかりました。そうだったかな……もし、事実でしたら、それは申し訳なかったです。もしそうだったとしたら、きちんとお支払いして謝罪もしたいです」─元劇団員の女性に殴りかかろうとした?「いや、それはありえないですよ。恫喝ではなく、“芝居がうまくないんだから”という感じだった気がします」謝罪したいと言いながら、弁解に終始した。「辞めていった人はみんな、僕を悪く言うんですよ。でも、残っている人は、僕のことを信用して頑張っているんです。ついてこれなかった人は悪く言う」後日、改めて本人に質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。60分に及んだ“謝罪”は、その場しのぎの言葉だったのか。
2022年05月18日松崎悠希(まつざき・ゆうき)/’81年生まれ。日米で俳優やプロデューサーとして活動。『ラストサムライ』などに出演今、日本の映画界・芸能界において初めてといっていい、ハラスメント告発ムーブメントが起こっている。「女優さん、そして業界にいる女性の方々で、セクハラ・性被害を受けたことがない人を探すほうが難しいレベルで、みなさん何らかのセクハラ被害を受けている」そう話すのは、俳優の松崎悠希さん。日米で活動し、『硫黄島からの手紙』(’06年)などの出演で知られる。プロデューサーとしても活動し、“現場”に触れてきた。今、業界においてハラスメント告発が増えているが、起こりやすい事情があるのか。「演技指導だ」と俳優を追い込む日本映画界「1つの要因として、日本の映画産業、テレビドラマ産業において、監督に権限が集中しすぎていること。日本では、監督の名前に“組”を付けて、製作陣を『○○組』と呼ぶことが多いですが、監督をトップとするチームです。監督にすべての決定権があるように進む。日本は監督がお山の大将になりやすい環境があります」(松崎さん、以下同)性加害が告発された映画監督の園子温は、『有料ワークショップ』を開催していた。彼だけが行ってきたものではないが、ここに業界で長年行われ続けてきた搾取の構造が。「有料のワークショップに参加した人の中から映画のキャストを選んだりします。役が欲しい俳優の気持ちを利用し、お金を搾取し、それで作品を撮っている。園子温氏のワークショップは参加に10万円かかり、特に悪質なケースでした」“決定権”を持つ監督、木下ほうかのような“発言権”のある有名俳優と出演を願う俳優。完全に上下関係にある。日本の映画や演劇界では、監督が過剰なまでに俳優を演技指導として追い込み、ダメ出しし、そのおかげで“名作ができた”というように美談として取り上げられてきた。「それを誰も疑問に思ってこなかった。アメリカでは、先に演技を学び、お芝居ができるようになってから俳優としてのキャリアの階段を上っていきます。しかし、日本はお芝居ができない状態のタレントを出演させている」大手事務所の若手イケメンが、いきなり“主演で演技デビュー!”。日本の芸能界で繰り返されてきたものだ。「監督が無理やり自分の望む芝居を指導し、そこでパワハラが生まれる。その俳優はお芝居を学ぶ健全な環境を与えられていないから、その現場で受けたパワハラ指導が、正当な演技のステップであり、当然と思い込んでしまう。監督もこの俳優は演技ができないから、自分が教えてやらなければいけないという勘違いをし、厳しく当たる」演技指導の名目で行われる罵倒や暴行。監督だけでなく俳優自身もパワハラを正当化してしまっていた。女優を誘うのは“普通のこと”「美談化され、そして武勇伝のようになってきた。自分が育ててやったかのように監督たちが自慢をする。そしてそれを聞いた若手の監督も、そういう演出がありなんだと覚え、現代社会で社会人としてありえないようなパワハラ行為が、なぜか映画界だけでは許されているという恐ろしい現実があるのです」これらは昔の話ではなく、現在でも行われていること。「すごいよかったです。児童虐待、撮りました」悪びれずにそのように話していたのは、’17年公開の『ヘドローバ』という映画の監督を務めた小林勇貴。作中、子どもが暴行されるシーンがあるが、演技ではなく実際に暴行が加えられており、メーキング映像では暴行場面が映されている。何度も平手打ちを食らった少年は、撮影直後、嗚咽が止まらず嘔吐。これを“宣伝”としてメーキング映像で公開することが、異常と捉えられないのが映画界。そこに対し、ようやく“異常だ”と声が上がってきたのが、今なのだ。水原希子は性加害について『週刊文春』の取材を受け、次のように話した。《友人の役者さんから園氏はそういう(性加害の)噂があるから気をつけた方が良いと言われた事がありました》性被害・セクハラについてもパワハラ演技指導と同様の“意識”がはびこってきた。「例えば監督やプロデューサーが女優を誘うのは“普通”のことであり、その誘いをかわす技術を持っていることが、当然であるというようなワケのわからない常識がある。セクハラをどうやって受け流すかというスキルを持っているべきである。持っていなかったらその女優さんが悪いというとんでもない考え方です」なぜ俳優たちはこれまで声を上げられなかったのか。「俳優の立場が弱いことが1つ。そして俳優として、加害行為を行った人だけに迷惑がかかるならいいのですが、その周りの人にも迷惑がかかるというプレッシャーがある。また、加害者を守る圧力のようなものもあります」だが、相次ぐ告発で変化が。「自分が声を上げなければ、これから先も自分と同じような被害者が生まれると考える人が増えてきた。日本はハラスメントに対する法整備、俳優を守る法整備が遅すぎるし、甘すぎます。俳優を守る法律を作るべきです。日本の政治・法律は、誰かが死んで、問題が表面化するまで変わらないことが多い。誰かが死ぬ前に変えなくてはなりません。それが“今”なのです」素行が悪いことを“尖った”と表現さらに松崎さんが「許せない」と話すのは……。「日本の映画会社、テレビ、制作会社などが、“ハラスメントを許さない宣言”を出さないことです。これは本当にありえない。自分の会社はそういうことをしませんというポリシーを出せない。なぜかというと、自分たちの抱えている作品にパワハラ監督が作った作品があるかもしれないから。そういう痛い腹を抱えているから宣言ができないんです。公に宣言した瞬間に、自分たちの組織内でも宣言内容を守らなければいけないという拘束力が発生します」これは“作品に罪はあるのか”という議論にもつながる。「公に宣言を出した後、ハラスメントが認定されれば、その人をすぐにクビにすることができます。宣言をした手前、その人を使うことが体裁としてできない。宣言にのっとり、監督を厳正に処罰する。作品は新しい監督を雇い、製作を続行し、作品を発表できる。つまり作品は守られる。これこそが“作品に罪はない”ということだと考えます。すでに撮っている作品でハラスメントがあったものはいずれ表沙汰になるはずです。そういった作品はもう“死んで”います。公開を諦めるしかない。今、ハラスメントを隠蔽し、最終的にバレてしまった場合、さらに被害が大きくなります。だからこそ今、膿を出すべきなのです」悪い習慣はまだある。「“尖った人間”のほうが面白い作品を作る、“尖った俳優”がよい俳優とされる。尖ったということは何かというと、“悪い”。素行が悪いことを尖ったと表現している。業界の膿を生む最悪の考え方だと思います。そしてこういう考え方をしている映画会社の重役は非常に多い」古い考え方ゆえに、ハラスメントへの認識が甘い。「そこにはハラスメント監督とずっと作品を一緒に作り、世話になってきたこともあり、ハラスメントを許しちゃうような癒着がある。こういう人たちがまず自分がどれだけ認識が甘いか知るべき。映画会社の重役レベルから、全員ハラスメント講習を受けろ!と言いたいですね」健全化はいつの日か……。
2022年05月13日いよいよ公開(5月13日)!『シン・ウルトラマン』5月13日についに公開となった映画『シン・ウルトラマン』。企画・脚本庵野秀明、監督樋口真嗣が、現代の日本を舞台に新たに世に送り出すウルトラマン。公開までに明かされている情報は限定されているが、「2人が手がけ大ヒットした『シン・ゴジラ』のごとく、現代社会に怪獣(作中では「禍威獣/カイジュウ」と呼称)やウルトラマンが現れたらという、リアリティを追求した作品になっています」と、ある映画ライター。「『シン・ゴジラ』はこれまであまりゴジラ映画を見ていない層も見て大ヒットしましたが、『シン・ウルトラマン』も、従来のウルトラマンシリーズの予備知識がなくても楽しめる作品。特撮ファンも、一度ウルトラマンの知識を忘れて見るとより衝撃を楽しめるのではとも言われます」(同)予告に姿を現した怪獣と宇宙人とはいえ、原典となったオリジナルのテレビ作品も知っておくほうがより深く「シン」の世界も楽しめるのではないだろうか。見る前に、または、見たあとに抑えておくことで、より『シン・ウルトラマン』を楽しめそうな作品を、特撮作品に詳しい芸能記者に全39話の中からピックアップしてもらった。『シン・ウルトラマン』の予告や特報にその姿を現した怪獣(禍威獣)と宇宙人(作中では「外星人」)は、ネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラス。まずは透明怪獣ネロンガが登場するのが第3話「科特隊出撃せよ」。「かつて江戸時代に出現したものの、ある武士に封印されたものが、電気エネルギーをエサとすることにより巨大化して復活したという怪獣です。4足歩行型の正統派スタイルで、スマートなスタイルのウルトラマンと戦う姿も映え、人気も高い。撮影用のスーツは、東宝映画で使用された地底怪獣バラゴンを改造したもので、電気を吸収する前には透明な姿で肉眼で見えないことも特徴ですが、もしかしたら当時はできなかった透明状態を活かした描写が最新の技術で表現されているかもしれません」ウラン怪獣ガボラが登場するのが第9話「電光石火作戦」。「ファンは知っていると思いますが、ガボラはネロンガのスーツをさらに改造した、大きな襟巻き状のヒレが特徴の怪獣です。初代版での設定ではウランをエネルギー源としますが、電気のネロンガとともに、インフラ系がピンチになりそうな要素、さらにCGで表現するのにあえて共通のスーツを使用した2体をチョイスしたことに大きな意味が含まれているかもしれません」そして、地球以外の知的生命体として登場する凶悪宇宙人ザラブ(星人)が登場するのが第18話の「遊星から来た兄弟」。「その名前が“ブラザー”のアナグラムとなっていますが、自分たちよりも技術がまだ低い地球人を弟のような存在と親しみ深く近づいてくる。そのいっぽうで、ニセウルトラマンに化け街を破壊するなどし、ウルトラマンの信頼を失わせようとするなど、力でなく頭脳と戦略で攻めてくる宇宙人でした。今回、ニセウルトラマンまで登場するかどうかは分かりませんが、印象的な存在の宇宙人です」最後に、悪質宇宙人メフィラス(星人)が登場するのが第33話「禁じられた言葉」だ。「ザラブ星人の侵略法をさらに推し進めたというか、自ら選んだ地球人の子供に、『地球をあげます』と契約を迫ることで挑戦してくる宇宙人でした。先に登場したザラブ星人や、バルタン星人、ケムール人を手下のような存在として登場させることでその力をアピールもしました。ウルトラマンとも互角の勝負を繰り広げますが、その途中で『宇宙人どうしが戦っても仕方がない』と言い、停戦するなど紳士的な一面も見せました。『シン・ウルトラマン』ではその人間体として山本耕史が登場し、『メフィラス』と書かれた名刺を差し出す場面がありましたが、どのような心理戦を繰り出してくるのか、その戦略がどうリアルにアップデートされているのか、初代と比べてみると、ますます楽しめるはずです」『8日で死んだ怪獣の12日の物語』にも注目そして注目したいのが、本作のポスタービジュアルなどに記載された「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」というコピーだ。「これは初代ウルトラマン最終回『さらばウルトラマン』で、宇宙恐竜ゼットンに敗れ、故郷である光の国からその生命を助けるために現れたゾフィーの言葉です。ゾフィーはウルトラマンを甦らせようとしますが、ウルトラマンは人間体であるハヤタ隊員のほうを生き返らせてほしいと願います。そのときのゾフィーの驚き。その言葉が選ばれていることから、ゾフィーやゼットンは登場するのか、そしてこのようなやりとりが存在するのか、または全く別の形で交わされるやりとりなのか。その比較のためにもぜひ押さえてもらいたいですね」初代のウルトラマンで押さえておくとより楽しめそうなのはこれらだが、全く別の作品も、合わせて見るといいかもしれないと、前出の映画ライターは言う。「2020年に発表された、岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語』です。コロナ禍の真っ只中にリモート等を駆使して制作された作品で、コロナと戦ってくれるという怪獣を通販で購入し育てていくといったものなのですが、作中にはいわゆるスーツ等での怪獣はいっさい登場しません。監督は岩井俊二さんですが、主演が『シン・ウルトラマン』と同じく斎藤工で、斎藤工が育てる怪獣についての知識をいろいろたずねる相手が樋口監督という、『シン』つながりなのが、興味深いです。ふたりのやりとりを見ながら、『シン・ウルトラマン』撮影中の雰囲気を妄想したりするのも面白いのではないでしょうか」公開された後は、『シン・ゴジ』や『シン・エヴァ』のような新たな衝撃が目白押しであることは間違いないが、これらをサブテキスト的により深く「シン」の世界を楽しんでみたい。〈取材・文/渋谷恭太郎〉
2022年05月13日みなとみらいエリアに属し、カップルのデートスポットとして、家族連れの観光地として、絶大な人気を誇る横浜・桜木町。桜木町駅北改札出口から直結するコレットマーレの6階、7階のレストランフロアが2022年春リニューアルグランドオープンを迎えました。海側レストランからは、横浜ベイサイドの眺望と夜景が広がります。現在、「コレットマーレ」内にある17店舗のレストランをグルメサイト「ヒトサラ」経由で予約をすると、各店舗先着20名、計340名に映画『流浪の月』の全国共通鑑賞券をプレゼントするキャンペーンを開催中。さっそく対象となる店舗の中から6店舗をピックアップし、ご紹介します。※予約数に達し次第、終了となりますので、お早めにご予約ください。【GARDEN HOUSE】イタリアン【お料理 真】和食【CARVAAN BAY YOKOHAMA】アラビア・地中海料理【iliescape】フレンチ【焼肉 大徳壽】焼肉6階【GARDEN HOUSE】イタリアンガーデンハウス3店舗目はパスタとピザがメインの店季節からのインスピレーションを大切に、石窯で焼き上げた「クラフトピザ」や自家製の「生パスタ」、グリーンデリやパンケーキ、パフェ、クラフトビールを常時用意。ランチ、カフェ、ディナータイムと、あらゆるシーンで食を通した心地よさや楽しさを提供するレストランです。GARDEN HOUSE Minatomirai【エリア】桜木町【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】2000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【お料理 真】和食本格和食を窓一面に広がるみなとみらいの絶景とともに2022年4月30日にオープンしたばかり。築地や北海道直送の天然鮮魚を使用し、四季折々の本格和食を提供する和食店。ライブ感あふれる10mのフルオープンカウンター席をはじめ、プライベートな空間を演出するボックスシートもあるので、日常のお食事から接待や顔合わせまで、シーンに合わせて利用できます。お料理真【エリア】桜木町【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-7階【CARVAAN BAY YOKOHAMA】アラビア・地中海料理非日常の空間でいただく、アラビア・地中海料理2022年4月15日にオープンした、異国情緒溢れる空間から港町ヨコハマの景色を一望できるレストラン。スパイス香るモロッコのタジン料理やトルコのケバブ料理とともに、カールヴァーン社醸造のクラフトビールや、レバノン、ギリシャから直輸入したワインが楽しめます。CARVAAN BAY YOKOHAMA【エリア】桜木町【ジャンル】アジア料理【ランチ平均予算】4000円【ディナー平均予算】6000円7階【iliescape】フレンチ奥田政行シェフが手がける【アル・ケッチァーノ】の直営店【アル・ケッチャーノ】奥田政行シェフが手掛けるフランス料理店【iliescape(イリエスケープ)】。山形庄内や静岡、神奈川県内の生産者から運ばれる新鮮な食材を使用し、現代風のフランス料理を奥田シェフの感性で革新的にアレンジした、オリジナリティあふれる料理を堪能できます。iliescape【エリア】桜木町【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】6000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【焼肉 大徳壽】焼肉1972年創業、横浜・関内にある焼肉の老舗【大徳壽】の2号店国産の黒毛和牛や各種ブランド牛を厳選し、みなとみらいの夜景が見渡せるラグジュアリーな空間で提供する老舗焼き肉店の2号店。横浜デート、記念日や接待、ご家族での食事会など、とっておきの時間を過ごせます。焼肉大徳壽【エリア】桜木町【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】2000円【ディナー平均予算】6000円【アクセス】桜木町駅 徒歩1分7階【サクラギ横丁】横浜の名店が終結したグルメスポット1969年創業の老舗【横浜中華街 保昌】をはじめ、炉端焼き店【海鮮肉炉端 大夢】、横浜・本牧に日本初のカフェ&バーとしてオープンしたアロハカフェの復活店【ALOHA cafe HONMOKU since1976】など、横浜・野毛の名店や横浜中華街の人気店などこだわりのお店が揃う横丁。ふらっと気軽に立ち寄れます。その他の参加店はこちら!1階【ALOHA TABLE】ダイニングバー6階【割烹そば 神田】そば6階【鉄板・お好み焼き 電光石火】お好み焼き6階【GARDEN HOUSE Minatomirai】イタリアン6階【蘭の拾璞】中華料理7階【海鮮肉炉端 大夢】海鮮料理7階【横浜中華街保昌】中華料理7階【寿司処かぐら】寿司7階【〆蕎麦千花庵】そば7階【ALOHAcafe HONMOKU since1976】カフェ7階【IL SALTIMBANCO produced by ANTHONY GENOVESE】イタリアン7階【BISTROT TORI-BORI】ビストロ7階【鍋専科 鍋屋】すき焼きさまざまなジャンルの飲食店が軒を連ねる「コレットマーレ」。館内には多数のシアターを誇る映画館「横浜ブルク13」も併設しているので、グルメ、シネマが一度に楽しめるのも魅力。ぜひ、「コレットマーレ」のおいしいお店をヒトサラで予約し、話題の映画【流浪の月】全国共通鑑賞チケットをお得にゲットしてください。「コレットマーレ」施設情報住所:神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7電話:045-222-6500アクセス:①電車の場合:JR「桜木町駅」北改札直結、JR・横浜市営地下鉄 桜木町駅より徒歩1分、みなとみらい線みなとみらい駅より徒歩7分※横浜ランドマークプラザから動く歩道でコレットマーレ2Fに直結しています。②お車の場合:首都高速 横羽線「みなとみらい出入口」より約2分営業時間:ショッピング・サービス(B1~5F)11:00~20:00/レストラン(6F~7F)11:00~23:00定休日:無休【流浪の月】映画情報2022年5月13日全国ロードショー
2022年05月12日山田孝之と南沙良(本人のインスタグラムより)俳優の山田孝之が5月6日、短編映画プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season 3』の初日舞台あいさつに登壇。自身の監督作である南沙良主演『沙良ちゃんの休日』の撮影に関して、「基本、盗撮でやっていくので」と、“冗談”を口にしたのだが、SNS上では、「最悪」などと総スカンを食らった。「信じられない」「恐ろしすぎる」発言『MIRRORLIAR FILMS Season 3』は、山田ほか、俳優の阿部進之介、映画プロデューサーの伊藤主税らが立ち上げたプロジェクトで、『沙良ちゃんの休日』はその中の一作品という位置づけ。同プロジェクトの『Season 2』でタッグを組んだ南と監督・紀里谷和明が俳優として起用された同作は、公式サイトで「晴れた日に道を歩く女と男の不可思議な関係を描く想像力をかき立てる作品」と紹介されている。「監督と脚本(小寺和久と共同)を務めた山田は、初日舞台あいさつで、同作の撮影について『ドキュメンタリーで、南さんの休日に密着するということなのですが、まず撮影する時点で(南に)バレちゃいけない。基本、盗撮でやっていくので、バレちゃいけない』と明かしていました。しかし、これは山田なりのジョークだった模様。同作はドキュメンタリーではありませんし、単に『沙良ちゃんの休日』というタイトルにひっかけて、“盗撮”と冗談を言ったのでしょう」(芸能ライター)その後も山田は、「なんとか撮り切った後に、(南の)事務所さんに『これ、出していいですか?』とお願いしに行く、2つ高いハードルがあった」「なんとか乗り越えることによって、劇場公開まで持ってこれた。やっぱり、映画を作るのは難しいと思いますよね」「隠し撮りは気持ちよかった」と語るなど、南を盗撮したていで、話を広げていったという。「山田がウケ狙いで冗談を言ったのは間違いないでしょうが、この発言がネットニュースに取り上げられると、嫌悪感を抱くネットユーザーも少なかったのです。言うまでもなく、盗撮は迷惑防止条例違反などにあたる可能性がある行為だけに、SNS上では『信じられない』『恐ろしすぎる』などと批判が続出する事態になりました。たとえ冗談だとしても“山田の冗談はまったく笑えない”と批判が加熱してしまったのです」(同・前)山田の発言が南を萎縮させてしまう3月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、映画監督・榊英雄の性行為強要問題を取り上げて以降、セクハラやパワハラ告発が相次いでいる映画界。そんな中、山田が盗撮をネタにし、さらに「気持ちよかった」と発言したことには、多くの人が嫌悪感を抱いたようで、SNS上では、≪今、こんなことを宣伝で言うんですか。正気ですか?≫≪ボケでもなんでも言って良い事と悪い事の区別はつけなよ…公なんだぞ…≫≪ネタというかそういうつもりだとしてもきしょすぎる……≫といったコメントが多数見受けられる。「昨年、東京オリンピック・パラリンピックの開催に際して、女性アスリートへの性的な意図を持った盗撮や画像の拡散が、社会問題として大きな注目を浴び、あらためて盗撮自体の悪質さも問題視されるようになりました。山田は何も考えずに、盗撮という言葉を使ったのでしょうが、さすがに非常識と言わざるを得ません」(スポーツ紙記者)そんな山田も、南に対してセクハラやパワハラにあたる行為はしてはいけないと自戒しているようで、ウェブメディア「シネマトゥデイ」のインタビューでは、「僕はもっと関係を深めて、一緒にゲームとかもしたいと思っていますが、まだ19歳の女優さんに、40歳手前のおじさんがあんまり近づかないほうがいいかなとも思っています」と、冗談めかして発言していた。「しかし、そもそもこういった発言自体が、若手である南を萎縮させてしまう可能性がある。山田は自身の発言が周囲に与える影響を、もっと真剣に考える必要があるのでは。Netflix配信ドラマ『全裸監督』の村西とおるや、ドラマ『闇金ウシジマくん』(MBS)の丑嶋馨など、数々の難役を演じ、“天才俳優”との呼び声も高い山田ですが、このままでは不用意な発言で身を滅ぼしかねません」(同・前)SNS上では、山田への落胆の声が噴出しているが、果たして本人は、この事態を把握しているのだろうか――。
2022年05月11日市原隼人(撮影/佐藤靖彦)『おいしい給食』は連ドラとして ’19年秋にスタート。舞台は ’80年代の公立中学。厳格な教師・甘利田幸男(市原隼人)は、実は給食を溺愛。うんちくたっぷりに、真正面から給食を受け止め、味わい尽くす。しかし意識してやまないのは、斬新なアレンジ技で給食を堪能する生徒・神野ゴウ(佐藤大志)。甘利田にとって苦手な生徒だったが、給食バトルを繰り広げる中で好敵手、そして同志ともいえる関係へ……。 ’20年春には映画化され、 ’21年秋には連ドラのシーズン2が放送に。そして5月13日には映画化第2弾となる『劇場版おいしい給食卒業』が公開を迎える。コメディーに振り切った市原隼人の新境地始まりは在京キー局ではなくローカル局での放送と、派手なスタートではなかったが、作品がこれほどまでに大きくなると思っていた?「先のことを考える余裕は一切なかったです。まずは原作のないオリジナルということで、0から1を作れる喜びをすごく感じていました」がっちりファンを獲得した大きな要因は、コメディーに振り切った、市原の新境地ともいえる演技だ。「もう修行のような感じですね(笑)。1シーン1シーン、燃え尽きる思いで挑んでいました。手を抜いたらやっぱりバレてしまうと思うので。今まで本当にいろんな感情芝居や、保険をかけたアクションなどもやらせていただきましたが、そのすべてを差し置いていちばんハードな現場でしたね」しかし、ここまでコメディーに振り切った演技は嫌いではないとニヤリ。「とにかく一貫して、滑稽な姿をたくさん見てもらう。負けた姿もさらけ出して、どこまでも一生懸命。甘利田は給食のために学校に通ってるといっても過言ではない男。給食愛に満ちあふれ、給食に翻弄されながらも、自分の好きなものを好きだと言い、人生を謳歌している。多くの方にその姿を見ていただきたいですし、“こんな大人になりたい”と羨ましく思う気持ちもあります」必死すぎて、本当に記憶がないんですシリーズを追うごとに、甘利田のキャラもパワーアップ。演じる側はさぞ、大変なのでは?「はい(笑)。『おいしい給食』は赤ん坊から、100歳を越えるご年配まで楽しめる大衆エンターテイメント。姿形や動きを見て楽しめるし、知識や教養を培っていける内面的な面白さもある。やりすぎはいけないし、引きすぎてもいけない。常にその選択の連続で、必死すぎて本当に記憶がないんです(笑)。コロナ禍で撮影に規制もある中、40度を超える夏を15歳の子どもたちとともに走り抜けた経験は忘れられない。誇りとなる時間になりました」くしゃっとした笑顔には、作品への愛情と自信が満ちあふれる。市原にとってのハマり役、新たな代表作という声も聞こえてくるが、「そう思っていただけたら本望です。役者の醍醐味というか。でもそれは自分で決めることではなく、みなさまに自由に思っていただくことで、こうして公開にたどりつけるのは『おいしい給食』という作品のファンのみなさまの賜物ですので、そこにはもう感謝しかありません。“何かお返しがしたい”という思いだけで現場に立っていました。シリーズを通して2年の月日が流れ、今作で神野ゴウも卒業へと向かいます。旅立ちに対しての哀惜は大切にしました」宿敵の卒業によってシリーズは一息つくと思われるが、今後も甘利田をライフワークにしていきたい気持ちは?「すごくうれしいのですが、僕の体力がもたないかもしれません(笑)」何度も嫌いになり、 何度も好きになった芝居甘利田にとっての給食のように、市原が心の底から愛しているものを尋ねてみると、「よくも悪くもやっぱり芝居の世界ですね」スカウトされたのは11歳。映画『リリイ・シュシュのすべて』( ’01年)で鮮烈な主演デビューを飾ったのは14歳のとき。ちょうど神野ゴウくらいの年齢だと振り返る。「若いころはやっぱり、プレッシャーや圧に負けることもあって。感情が商売道具であるがゆえに、自分がわからなくなってしまったり。部屋の隅っこでひざを抱えて泣いたり、吐いてしまうこともありました。改めて考えると、人生の約3分の2は、役として人の人生を生きていると思うんです。ほかのことを考えてしまうとその役に対して失礼になるから、プライベートでもどこかでずっと役のことを考えていて」それが寂しくなるときもあるという。「役者は、ちょっと特殊な職業でもあると思うんです。何度も嫌いになって、何度も好きになって……。もう、好きなのか嫌いなのかよくわからない領域に来ていますが(笑)、何より芝居に助けられている面もあって。結局はずっと現場にしがみついている。やっぱり芝居の魅力に取り憑かれてしまった人間なので、だからもう、死ぬまで現場で芝居と向き合っていたいと思っています」演じ続けることで、本当にいろんなことを感じさせてもらえると感慨深げ。「ファンの方から“余命わずかですが、隼人くんの作品を見ると頑張れます”“手術前で怖いんですが、力をください”という言葉をもらうこともあって。いろんな思いで見てくださる方がいるからこそ、改めて自分のやるべきこと、担う居場所、努力すべきポイントを教えてもらえる。だから、僕にとっては芝居なんです」心のうちをここまで語ってくれる俳優はなかなかいない。カメラが回っていようがいまいが、俳優・市原隼人はいつだって全身全霊だ。忘れられない先生は?「どの先生も、みんな愛情をもってくださったと感じています。たくさん怒られて、たくさん褒めていただきました(笑)」ぶっちゃけ、けっこうやんちゃだった?「そうですね(笑)。トム・ソーヤみたいに、とりあえず冒険に出たいという探求心と好奇心の塊でしたから。教師にとって印象的な生徒だったかはわかりませんが、僕は本当に手を焼く子どもだったと思うので……いい印象だといいんですが(笑)」衣装協力/73r
2022年05月10日福山雅治「商店街を通行止めにするほどの大がかりな撮影でしたね。本当にパレードが開催されているのかと思いました」(目撃した住民)4月中旬、静岡県内で『ガリレオ』シリーズの最新作『沈黙のパレード』のロケが行われていた。撮影現場の様子「’18年『週刊文春ミステリーベスト10』の国内部門第1位にも輝いた東野圭吾さんの同名のベストセラー小説が原作。商店街の人気娘が遺体となって発見されるも、容疑者は無罪に。しかし商店街の名物であるパレード当日に、容疑者が殺害されたことで、意外な事実が浮かび上がる……という壮大な復讐劇です」(出版関係者)タイトルにもなっているパレードは作品の鍵を握る大事なシーンとあり、観客役などエキストラだけで300人ほどが集まる大規模な撮影だったという。「主演を務める福山雅治さんが現場に現れると、一気に厳戒態勢に。福山さんを撮影しようとしたエキストラはスタッフに厳しく注意されていました。撮影のルールを知らない地元の人が多かったのか、注意を受けた後も撮影しようとするエキストラはいましたね」(前出・住民)原作では遺体となって発見された商店街の人気娘は高校卒業間もない設定だが、映画版では変更されているようで……。「福山さん演じる湯川教授とパレードを見学するのは、原作の設定では殺害されてしまった女性の3歳年下の妹。しかしパレードシーンで福山さんと一緒に撮影していたのは、彼と同世代のベテラン女優。キャストを含めて、原作とは変わっている部分もありそうです」(芸能プロ関係者)“異例”の撮影となった理由9月16日に公開予定の同作。昨年4月には『女性自身』で、クランクインしていたことが報じられている。「映画公開に合わせて、今秋フジテレビでスペシャルドラマの放送も決定しているんです。『女性自身』で報じられたロケの様子は、新木優子さんと撮影していたのでドラマ版のほうでしょう。新木さんの出演はスペシャルドラマのみで、新作映画では、第1シリーズでタッグを組んだ柴咲コウさんがヒロインに復活。北村一輝さんらおなじみのメンバーが出演します。ドラマ版は順調に撮影が進み、昨夏にはクランクアップしています」(フジテレビ関係者)スペシャルドラマの撮影と並行して、映画版も同時期にクランクインしていた。「ドラマも一緒に撮影していたので、通常の映画より撮影期間が長くなるのは当然ですが、それでも1年以上も撮影しているのは異例ですよ」(前出・芸能プロ関係者)映画の場合、編集や宣伝の関係もあり、公開の半年以上前に撮影が終わっていることが一般的だ。4か月前まで撮影が行われていて、公開に間に合うのだろうか?「実は映画版のほとんどを昨年の夏には撮り終えています。柴咲さんがTBS系で放送中のドラマ『インビジブル』の撮影に参加できているのは、そのためです。ただ、まん延防止等重点措置(以下、重点措置)の関係でメインとなる大人数を集めた撮影が難しく、重点措置が一時解除された昨年秋に再開させましたが、撮り終えることができなかった。メインのパレードシーンの撮影は、重点措置が再び解除される今春まで延期になってしまったんです」(映画配給会社関係者)「背に腹はかえられない」人知れず、撮影現場を“アクシデント”が襲っていたようだ。「新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は、密を避けるために撮影に参加する人数が制限されるなど、多くの映画やドラマが対応に追われました。スケールの大きさが売りの『ガリレオ』シリーズも例外ではなく、大がかりなロケは緊急事態宣言や重点措置が解除されてから……という業界のルールに従うしかなかったのでしょう」(同・映画配給会社関係者)人気シリーズながら撮影が大幅に遅れた影響か、パレードシーンはギャラがいっさい出ないボランティアエキストラに頼ることになった。「各日300人ほど人数が必要なうえ、静岡の中心部から離れた場所での撮影とあり、エキストラ集めに苦戦していましたね。福山さんのような人気俳優が参加されるロケはヤジ馬などが集まりやすいので、普段は登録制のエキストラ会社がひっそり募集を行います。ただ今回は背に腹はかえられないと、ニュースサイトなどでも大々的に募集を掲載してどうにか人数を確保しました」(制作会社関係者)そのためヤジ馬も殺到し、現場では混乱する場面もあったという。「アクシデント続きの撮影になりましたが、福山さんら俳優たちは集中して撮影に臨んでいて、さすがプロだなと感心しましたね」(同・制作会社関係者)コロナ禍でスケジュールこそ予定どおりにいかなかったが、原作もキャストも一流だけに、“実に面白い”仕上がりになるはず!
2022年05月10日左から遠藤憲一、小日向文世(撮影/佐藤靖彦)「じゃあ次は、おふたり同じポーズでお願いできますか?」撮影中、カメラマンからのリクエストに、「さっき現場でやったの、こうだっけ?」「これもやりましたよね」と頬づえをついたり、こめかみに指を当てたり。5月6日より放送開始の連続ドラマ『嫌われ監察官音無一六』(テレビ東京系金曜夜8時~)で、顔も性格もまったく似ていない兄弟、音無一六(小日向文世)と万丈二六(遠藤憲一)を演じる2人の、和気あいあいな撮影中のひとコマだ。アドリブ三昧のコミカルなやりとりが魅力これまでにスペシャルドラマが6作放映、大好評を受けて連続ドラマになった今作。音無一六は、警察官の職務や私生活に不正がないかを調べる監察官でありながら、捜査にも介入し難事件を解決していく。己の正義を貫きわが道を突き進む、頑固で几帳面な主人公だ。対する万丈二六はスペシャルの第5作から登場した、明るく陽気なタクシー運転手。あまりにも正反対で、毎回ゲスト出演者が「本当に兄弟!?」と驚くほどなのだが、実はちょっとしたところで同じ仕草が出る。それを冒頭で再現してもらったわけだ。連ドラ化についての感想を聞くと、小日向は「スペシャルが6作まで行ったからそろそろ終わるのかなあと思っていたところだったので、びっくりしたんですよ」と笑い、遠藤は「一六はセリフがものすごく多くて、しかも難しい単語もいっぱい出てくるので、小日向さんは毎回全部覚えるのが大変だろうなあと思ってます」そう、このドラマの特色のひとつが、事件解明の際の一六の膨大なセリフ量。「大丈夫かなあ。ギリギリなんだから、ほんと」と、苦笑する小日向に「ほんと、尊敬します。これだけ先輩が頑張ってるんだから、自分も愚痴なんて言ってられない、頑張らなきゃ!って、勇気をもらえますよ」と遠藤。「あの分量はギリ単発……」と続けると、小日向がすかさず「そうだよね!?」と返すやりとりが、なんだかとてもチャーミング。しかも小日向は、台本を一言一句きっちりそのまま言っているというから驚き!遠藤「シーンとして成立しているのに、“すいません、今のところもう一回”と、語尾までしっかり台本どおりに言っていて。自分から大変なところに身を置いているのが、すっごいなあ!と思う」小日向「僕、ちょっと癖があって。1個でも間違えるとわかるし、それが悔しくてね」その分、コメディータッチの2人の場面ではアドリブ三昧。小日向「台本が“2人、わいわいやりつつ”みたいな感じで終わってるよね(笑)」遠藤「緊迫したシーンが多いから、俺との場面では息抜いてほしいなと。小日向さん、アドリブをバンバン出してくるし(笑)」小日向いわく、「アドリブは、ちゃんと受けて返してくれるという前提がないと、成立しないもの」。この2人だからこそのコミカルなやりとりは、見逃し厳禁!女房はたぶん、かなり変人だと思ってる現場以外でのエピソードを尋ねてみると、「エンケンは、仕事が終わったらすぐ家に帰って奥さんとの時間をつくるからなあ(笑)」と言う小日向に、遠藤も照れつつ爆笑。だが、小日向も同様のようだ。小日向「家族の時間は大事だよ。だから一緒にいるのは現場が主。でも本当によかったなと思うのは、エンケンはとても優しいから、無理なく一緒にいられて、僕はすごく楽しい」遠藤「小日向さんは誰に対してもフランクで、一緒にいると自分の素をそのまま出せる。それが小日向さんの持ち味ですね」では、“嫌われ監察官”にかけて、奥さんに嫌われても貫き通したいことは?小日向「貫くというより、いやがられていただろうなというのは、 ’20年コロナ禍での自粛期間で、2か月中2回しか外に出なかったこと。普段から休みの日はずっと家にいるし、女房はたぶん、かなり変人だと思ってる。でも僕は変えられないので、女房は半分あきらめてるんだろうな。でも、エンケンは奥さんに合わせるでしょ?」遠藤「怒られたりしますね(笑)。いまだに銀行の手続きを、1人でできないし。洗い物も、なるべく手伝うようにしているけど、ちゃんと洗い切れてなくて怒られる(笑)」小日向「僕は逆だ。徹底して洗う。食洗機に入れる前に全部洗い流して、それから入れるもん」ほのぼの家庭人の一面に、思わずほっこり。そんな2人の共通点は、音楽好きなところ。遠藤「でも聴き方が違いますよね。俺はウォーキングしながらですけど、小日向さんは自宅で聴くんですよね?」小日向「うん、じっくりと。今は、ジャジーな雰囲気のアンジェリーナ・ジョーダンというシンガーが好き」遠藤「俺が今ハマってるのは、テイラー・スウィフトのいちばん新しいアルバム。その中の1曲が好きで、そればかりしつこく聴いてます」小日向「僕もしつこく何度も聴くな。同じだ」逆に、真逆なのが読書について。小日向は「エンケンがすごく本を読むということにびっくりした」と言い、遠藤は「小日向さんが読まないと聞いてびっくりした(笑)」と。遠藤「もともとは全然読まなかったんです。高校中退して劇団に入って、そこで読めと言われて読むようになったんですけど、小日向さんは……」小日向「僕は、中学高校のころはよく読んでたの。でも劇団に入ってからまったく読まなくなった。『ムー』は読んでたけどね(笑)。エンケンは、暇さえあれば読む。台本を読んだあとに本を読むと聞いて、ほんとびっくりした(笑)。僕はムリだ」心のあったかい芝居が魅力だと思う一六の上司で警務部長・千住遼子を演じる田中美佐子、元署長で今は居酒屋「みつる」の店主・二宮満役の小野武彦など、スペシャルからおなじみの面々も続投。現場では「美佐子さんが面白くって」と、2人が口をそろえる。小日向「美佐子さんが、スペシャルのときよりセリフが増えていて、“私、こんなにしゃべってなかったんだけど。あなたの分を私がずいぶんしゃべらされてる”って笑ってました」また一六の相棒として新たに加わった四堂厘太郎役の古川雄輝は、「いつもニコニコしていて、すごく好青年」と小日向。遠藤「高校まで英語圏で暮らしていたと聞いて。今、すごくきれいな日本語をしゃべるし、ものすごくお芝居も上手なので、どれだけ努力してきたんだろうって、びっくりしました」小日向「偏差値、高いよね。僕たちより全然(笑)」遠藤「俺と一緒でいいの?(笑)」というわけで、放送開始が待ち切れないこのドラマ。最後に見どころを聞くと。遠藤「小日向さんを筆頭に、美佐子さんもオノタケ(小野武彦)さんも、みんな心のあったかい芝居をするので。このあったかさが作品の魅力じゃないかという気がします。刑事役であったかいものが全面に出ている人ってそんなにいないけど、小日向さんはすごくあったかい。そこがいいんじゃないかな」小日向「この年になって、そういう役をやらせてもらえるだけでもありがたいな」遠藤「また続いたら、やるしかない(笑)」小日向「いや~、どうかなあ(笑)。とにかく今は、来ている台本を全部頭に入れないと!」Q刑事ドラマの魅力は何だと思いますか?「実際に起きている事件では、犯罪者の心理などはわからないけれど、ドラマではそのときの心境や手口が明らかになっていく。ドラマだからもちろん虚構なんだけれど、非日常的なドキドキ感が味わえるところが魅力なのかなと思います。あと、一緒に推理する楽しさも」(小日向)「今はお酒をやめちゃったので行ってないんですけど、前によく行っていた焼き鳥屋さんのママが刑事ドラマをすごく好きで。お店で流しっぱなしにして、料理を作りながら見てたんです。あれは話の流れを見るのが楽しかったんだなと。物語がテンポよく展開していくから、飽きないんじゃないかな」(遠藤)金曜8時のドラマ『嫌われ監察官音無一六』5月6日(金)スタートテレビ東京系毎週金曜夜8時~(※初回は2時間スペシャル)
2022年05月06日インターネットの発展によって、パソコンやスマホを使えば、いろいろな動画を見ることができる時代になった現代。配信サイトも多く存在しており、公開されている映画の中から作品を検索し、気軽に触れられるようになりました。そんな時代でも、映画館に足を運ぶ人は絶えません。大きなスクリーンと優れた音響が備わったシアターで、多くの人と作品を見る…それが、映画館の魅力なのです。映画館で『盗撮らしき人』を見かけ…?映画館での出来事を漫画に描き、Twitterに投稿したのは、漫画家の福井セイ(@fukuisei)さん。ある作品の公開初日に、胸を弾ませながら映画館に向かったところ、気が散ってしまうような出来事に遭遇したといいます。映画館いったら隣の人が盗撮してそうだった体験談(2/2) pic.twitter.com/mBf3VI8zKa — 福井セイ@かけあうつきひ (@fukuisei) May 5, 2022 一般的に、音や光が上映の妨げになるため、上映中は携帯の電源をオフにするよう推奨されています。にもかかわらず、隣の席の人はスマホを取り出すどころか、カメラをスクリーンに向けるような動きを取っていたのです。勇気を出して福井さんがスタッフに声をかけたことで、なんとか盗撮行為を防ぐことができました。彼らがなんの目的で盗撮をしていたのかは分かりません。ですが、もし福井さんがスタッフに報告をしなければ、ネット上に公開されるなど、動画が悪用されていた可能性があります。投稿は拡散され、盗撮行為に対する非難の声や、犯罪を防いだ福井さんの勇気ある行動に称賛の声が寄せられました。・素晴らしい対応!投稿者さんに、今後いいことがありますように。・こういうのって犯罪以前に、周囲の人が作品に集中できなくなるから本当に迷惑。・平然と盗撮するだなんて、怖すぎる…。「盗撮かも?」と思ったらスタッフに報告を!文化庁は映画の盗撮行為について、たとえ私的使用が目的であっても、著作権法に基づき10年以下の懲役、もしくは1千万円以下の罰金、またはその両方が科せられると警告。また、映画業界や多くの施設が、シアター内で不審な人物を見かけた場合は、スタッフに報告するよう声を上げています。福井さんのように、相手が盗撮行為をしているかの判断が難しいケースもあるでしょう。確証のない状態でスタッフに報告をするのは、気が引けるものです。ですが、勇気を出してスタッフに盗撮の可能性を告げることによって、犯罪を防ぐことができるかもしれません。映画という1つの文化の未来を守るためにも、盗撮行為には「NO」といい続けていきたいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年05月06日(写真左から)園子温、木下ほうか映画監督・榊英雄氏が女優たちに告発されたことを皮切りに始まった映画界の『#Me Too』運動。その後も有名監督や人気俳優、プロデューサーらも告発され、まだまだ収まる気配はない。映画の聖地、ハリウッドで同運動が始まったきっかけは2017年10月5日のニューヨークタイムズの報道だった。大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる女優や彼の周囲の女性たちへの性暴力やセクハラが暴露され大きな反響を呼ぶと、実名で被害を公表する有名女優たちが続出した。女優や彼が立ち上げた製作会社の社員ら、被害者は名乗り出ただけでも実に80人以上にも及び、そのなかには、アンジェリーナ・ジョリー、グウィネス・パルトロウなど有名女優も。ワインスタイン氏は、アメリカ合衆国などの映画業界人を中心に結成された団体である『映画芸術アカデミー』から追放された。その後、訴訟や捜査を経て、2020年に強姦罪などで有罪判決が下され禁固23年の実刑が言い渡されることに。現在も収監されている。セクハラ・パワハラは“当然の体質”として黙認日本では榊氏に続いて、俳優の木下ほうか、映画監督の園子温らもが“性加害”を告発されている。是枝裕和監督をはじめとする映画界の未来を危惧した監督たちによって結成された『映画監督有志の会』が3月18日、「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します」という声明文を発表した。先日はセクハラ・パワハラ防止等の提言書を大手映画会社からなる『日本映画製作者連盟(映連)』に提出している。提言書に対し同月26日、映連からの回答が出された。《映画制作現場における暴力、ハラスメントには断固反対の立場を取る》と記し、今後は対策をとるとしている。それを受けて『有志の会』は、《取り組みは評価するが、具体的な施策や実施時期が明記されていない。引き続き提言、協力を行っていきたい》とコメントを出した。「映連サイドの関係者のなかには、自分たちも同じようにキャスティング権を行使したり、セクハラ・パワハラも行ってきた人も少なくない。なので、そういった提言書について『ややこしい』と言っている人もいます。そういった方に限って立場は上だったりするんです。加えて、昔から映画界にはびこるそういった行為に関して『当然の業界体質』として黙認してきた“傍観者”も多い。また『有志の会』に名を連ねていない監督のなかには脛(すね)に傷がある、と感じ自覚している人も多いといいます。特にパワハラについて、ですね」(映画製作会社関係者)日本で実名告発した有名女優は水原希子のみハリウッドで『Me Too』運動が活発化したときは、前出のアンジェリーナ・ジョリーら有名女優らが次々と告発したものだったが、現在日本で実名告発をした有名女優といえば、水原希子くらいのものだろうか。「ハリウッドと違い、日本の女優さんはなかなか名乗り出づらい部分はあると思います。ハリウッドではオーデイションなど実力で役を勝ち取ることが多いのに比べ、日本では所属事務所の力で演技未経験者が主要キャストに抜擢されたり、枕営業も存在していることが世間にも浸透している。なので、名乗り出たとしても“それで役をもらったんだろう”といった世間の目に晒されてしまう部分もある。業界体質がなかなか変わりにくい背景には、そういった芸能界の構造的問題があると思いますね」(映画プロデューサー)性加害が伝えられた者たちの今後はどうなっていくのだろうか。「事務所を解雇された木下さんですが、今後俳優としてのメジャー作品に出演するのは難しいと思いますよ。彼に出演オファーをするところはないでしょうから。同じく監督たちも厳しいでしょう。映画を撮るにしても名前のある俳優たちは出演したがらないでしょうから。ただ5、6年経って、世間の記憶が薄れてきた頃に無名の俳優を使って自主制作、つまりインディーズ映画を作る可能性は大ですね」(同・映画プロデューサー)ハリウッドとは大違いだ。 “性加害者”たちが厳罰に処せられる気配はない。業界の浄化にはまだまだ時間がかかりそうだ。<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中
2022年05月02日嬉し楽しいゴールデンウィークがやってきました!しかし、意外と友人と予定が合わなかったり、大型連休は旅行も高かったり、どこへ行っても混んでるんですよね……。日頃から趣味がある人はこの休みを利用して楽しく過ごせると思いますが、趣味がなくてすることがない……なんて方もいらっしゃるのでは?今回はそんなすることがなくて休日を無駄に過ごしてしまうと感じている人に観て欲しい映画『リトル・フォレスト』をご紹介します。■田舎の小さな集落でひとりスローライフ『リトル・フォレスト』の主人公は、東北地方のとある村の中にある小さな集落“小森”に住むいち子(橋本愛)。一度、都会で男の人と暮らしたこともありましたが、恋愛も人間関係もうまくいかず、小森に戻ってきて、母が残した小森の家で一人暮らしをしています。いち子の家は山の上にあり、集落の中央にある小さなスーパーや商店まで行くのも一苦労。隣町の大型店舗に買い物に行くとしたら1日がかりになってしまうような、人里離れた場所に住んでいます。そんないち子が畑で野菜や米を作り、山で木の実や山菜を採り、たまに日雇いで仕事を手伝いながら自給自足のような生活をしている様子を、春夏秋冬の4部構成で、『夏・秋』編、『冬・春』編の2作品に分けて上映されたのが、『リトル・フォレスト』です。■生きるために食べるということ物語の大きな起伏はあまりない映画ですが、野菜を収穫したり、料理したりするシーンの美しさと心地よいBGMがとてもすてきで、いち子の生活を一度は体験してみたいと思うはず。作中に登場する田舎のお家にぴったりな、素朴ながらもセンスのある調理道具やインテリア。おしゃれな食器に盛りつけられた料理は、どれも味を想像しては唾を飲み込むほど美味しそう!生活音や料理の音がさらに食欲をそそるので、この映画を観る時はヘッドホンをつけることを推奨します。ここまでの話だと、のほほんとしたスローライフを描いた映画だと思われてしまうかもしれませんが、美味しそうな料理を楽しむ映画や、自給自足の生活を美化した映画ではなく、雪が多くて作物が育たない冬に備えて、春・夏・秋に食材を準備する大変さがしっかりと描かれた作品となっています。毎年同じ作業の繰り返しのように見えて、気候が悪くうまく育たなかったり、雨を心配しすぎて作りすぎてしまったりと、同じようにはいかない様子は、美化されていない現実の姿。暑い日でも寒い日でも食材の手入れをして、食材を長期間食べれるように加工する。そして、生き物を自ら絞めて、命の重さを感じる。「食べて生きる」ためには、誰かが「食材を作っている」こと。そして、その大変さを実感することができる映画です。■とにかく自分でやってみる「言葉はあてにならないけれど、私の体が感じたことなら信じられる」(『リトル・フォレスト夏・秋』より引用)私が今回のテーマでこの映画を選んだ理由は、何でも自分でやってみないと気が済まない、いち子のセリフに共感したからです。私は小さい頃から好奇心旺盛で、今までの人生で、やることがなくて暇だと感じたことがほとんどないのですが、やってみてすぐやめたことや、熱狂的にハマっていたのに、急に飽きたこともたくさんあります。始める理由は、流行ってるからとか、周りがやってるからとかでも良いと思います。実際にやってみたら自分に合わないこともたくさんあるでしょう。それなら無理して続けなくってもいいんです。自分で繰り返し、繰り返しやってみて、続けたいと思えることが、いつしか自分の人生に欠かせないことになっていくんだと思います。いち子は生きるために自給自足をしていますが、あの生活が肌に合わない人なら絶対に無理!私だったら生きるために就職して、スーパーの近くに引っ越すと思います(笑)。ある意味、生活すること自体が、いち子にとっての趣味なんです。わざわざ習い事をしたりしなくても、料理や家事など身近な生活の中に、自分が人よりこだわれることが見つかるかもしれません。まずは気軽な気持ちで、いつもとは違う食材を買ってきて丁寧に料理をしてみる……なんかもいいかもですね!■自分の「好き」を見つけよう何をしたらいいかわからない時、自分の中の「好き」や「興味」を見つける一番早い方法は、とにかく映画を観たり、本を読むことだと思います。でもそれは、あなた自身の体験ではなくて、他人が感じたことの集合体を見ているだけ。見て知った気になるのではなく、自分の知識を広げる中で興味を持てることがあれば、実際に挑戦してみる。そうすると自分の世界がもっと広がるはずです!ゴールデンウィークは、観ようと思っていた映画や、積読になっていた本を読むところから始めて見ると良いかもしれませんね♪(文・イラスト:トモマツユキ)
2022年04月29日映画「おそ松さん」公開記念舞台挨拶での目黒蓮(’22年3月)Snow Manの目黒蓮(25)が映画『わたしの幸せな結婚』で映画単独初主演を務めることが発表された。同名原作は小説投稿サイト「小説家になろう」で顎木あくみ(あぎとぎ・あくみ)氏により連載がスタートし、小説とコミックを合わせたシリーズ累計発行部数は400万部を突破。アニメ化も決定している。映画はすでにクランクアップ済みで、2023年春公開予定だ。目黒は主演として“主人公”の久堂清霞を演じ、今田美桜(25)が“ヒロイン”斎森美世を演じるわけだが、そこにはこんな火種が。不可解な主役変更原作は明治・大正期の雰囲気をまとった架空の時代を舞台に、名家で継母と義母妹から虐げられてきた美世が、冷酷無慈悲と噂された軍人・清霞のもとへ嫁入りし、新たな運命を切り開いていく“和製シンデレラ”と銘打たれたラブストーリー。つまり主人公は今田が演じる美世のはずなのだが、映画化と共に発表されたのは目黒の「映画単独初主演」作品になるということと、美世は“ヒロイン”扱いになるということだった。これに対し、原作ファンからはネット上で、《どうして清霞さん役が主演なんだろうか。主演は美世役では? だって主人公は美世でしょ??》《主人公が清霞ってなんで? 原作通り美世が主人公で清霞がヒーローじゃダメなのだろうか》《清霞が“主人公”ってどういうこと? 美世が主人公だよね。“わたしの”幸せな結婚だしょ?》と主人公が変更されていることに疑問視する声が多くあがった。こういった“主人公変更”があったのは、「目黒だけではない」と話すのは映画誌ライター。「グループ最年少のラウールさん(18)は、’21年公開の映画『ハニーレモンソーダ』で三浦界役として映画単独初主演を飾りました。ヒロイン・石森羽花役は吉川愛さん(22)が演じましたが、原作では羽花が主人公。またリーダーの岩本照(いわもと・ひかる)さん(28)も、今年7月公開予定の映画『モエカレはオレンジ色』で蛯原恭介役として映画単独初主演を務めます。ヒロイン・佐々木萌衣を生見愛瑠さん(20)が演じますが、こちらも原作では主人公だった萌衣がヒロイン扱いに。Snow Manのメンバーが演じる役が原作と異なり主人公に変更されている点が、目黒さん、ラウールさん、岩本さんと共通しています」主役をジャニーズ俳優に設定する理由なぜか主人公をSnow Manのメンバーに変更されていることに対し、Snow Manファンからも、《少女漫画とか女性主人公なのに映画になるとお相手のジャニ側が主演。で、原作ファンが怒る。メンバー個別出演映画3作続けてだからね……》《出演作、どれも本来は女の子の方が主人公やね。地味だけど、こういうとこでSnow Man嫌われてしまったらやだなぁ……》《滝沢さん。Snow Man推したいのはわかるが原作ファンを敵にまわすなよ。無理やり主人公にしないといけないのか?》と不満や心配の声があがっている。なぜこのような原作からの「主人公変更」が起こるのだろうか。映画やテレビなどに詳しいエンタメ誌デスクによると、「まずは“主演作”と言えば、大事な役で出ているだろうから絶対に見に行く、というファンがいるからじゃないでしょうか。女優やアイドルにお金を出す男性ファンが減っている一方、俳優や男性アイドルにお金を出す女性ファンはすごく多いので、そういう女性ファンに観てもらう映画を作ろうというのは、以前から続いていると思います。特にジャニーズ俳優は、ファンが確実にいますからね。実際に映画を観てみると、“主役じゃない”なんてこともよくあります」たしかに“推し”の『主演作』がコケないように、また次の仕事につながるように、ジャニーズファンが映画館に通い詰めるというのはよく聞く話だ。しかし、なぜ女の子が主人公の恋愛系作品でも男性が主人公になるのだろうか。「恋愛系の漫画、そしてその映画は、メインターゲットを女性に設定していることがほとんど。なので、人気のある男性俳優が出ているほうが相性がいいんです。ただ、キスシーンは見たくない、っていうファンもいると思いますが(笑)」(同・エンタメ誌デスク)芸能活動を引退し裏方に回った滝沢秀明氏肝入りのSnow Man。単独主演を張れるほどの人気メンバーが多数所属するのはすごいことでもある。あとは誰が主演か、主人公かに関わらず、原作ファンも納得の作品に出来るかどうかにかかっている……?
2022年04月27日小説家の東野圭吾さん著作の『ガリレオ』シリーズ。物理学者の湯川学が、科学的な検証と推理で、数々の事件を解決していくミステリー小説です。作品は、テレビドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)や、映画『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』などで実写化。ドラマや映画で主演の湯川学を演じてきたのは、俳優の福山雅治さんです。柴咲コウが『ガリレオ』に帰ってくる!そんな『ガリレオ』シリーズの最新映画『沈黙のパレード』が、2022年9月16日から公開されることになりました!今回も、湯川学役には福山さんを抜てき。また、警視庁捜査一課の刑事である内海薫役を、俳優で歌手の柴咲コウさんが演じます。柴咲さんが『ガリレオ』シリーズに出演するのは、2007年10~12月に放送されていた第1シリーズのドラマ以来、実に14年ぶりです。さらに、湯川の大学時代の同期で、内海の先輩である刑事の草薙俊平役として、俳優の北村一輝さんが出演。豪華俳優陣たちの出演に、今から目が離せませんね!【あらすじ】行方不明になっていた女子高生が、数年後に遺体となって発見された。警視庁捜査一課の刑事・内海の説明によると容疑者は、湯川の親友でもある先輩刑事・草薙がかつて担当した少女殺害事件で、無罪となった男。その男は今回も完全黙秘をつらぬき証拠不十分で釈放され、女子高生の住んでいた町に戻って来た。町全体を覆う憎悪の空気…。そして、夏祭りのパレード当日、さらなる事件が起こる…。湯川、内海、草薙にまたもふりかかる、超難問…!この秋、新たなる「ガリレオ」ミステリーが幕を開ける!また、YouTubeでは、同作品の予告編が公開されています。予告編を見たファンからは「やっぱり、このコンビだよ!」「楽しみすぎる」などの声が上がりました。今から公開が楽しみですね![文・構成/grape編集部]
2022年04月27日杉田雷麟撮影/山田智絵「杉田雷麟(すぎたらいる)」は芸名ではなく本名。初見で読める人はいない。「学校の先生も最初は読めませんでした。名前を聞かれて“すぎたらいる”と言っても“?”という反応でした。親からは“雷のように厳しく育つように、麟は漢字が難しいから頭がよくなるように”。あと名字と名前に(語感や表記の)ギャップがあって印象が強いからつけたと聞かされました。テストのときは(画数が多くて)ちょっと面倒くさかったし、習字は名前がふたつの黒い丸になってしまいました。でもいい名前だと思っています。メンタルが強いのは厳しく育てられたからかなと思うけど、頭はそんなによくならなかったです」幼少期からボールを蹴り、中学生まではサッカー選手を目指していた。「高校進学のときに自分のレベルでサッカーを続けていけるのか考えて、役者なら、警察官やほかにもなりたいものになれると思って14歳のとき今の事務所のオーディションを受けました」2017年から芸能活動を始め、翌年スペシャルドラマ『Aではない君と』で殺人容疑者の少年役で注目される。映画『半世界』では主演の稲垣吾郎の息子役を演じてヨコハマ映画祭最優秀新人賞、高崎映画祭最優秀新進男優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『エール』や映画『罪の声』『孤狼の血LEVEL2』など話題作に出演し、4月22日公開の初主演映画『山歌(サンカ)』を含めて多くの役をオーディションでつかんだ。「主演と聞いたときは不安もあったし、頑張らなくちゃと力んでいました。でも本読みやリハーサルを繰り返して則夫という役をつかめてきたときに主演の重荷が下りて、意識せずにいつもどおりに自分がやれることをやるだけと思えるようになりました」悔しい思い含めて芝居は楽しい主人公の則夫は、受験勉強のために都会から山奥の田舎にやってくる。そこで山で生きる流浪の民、山窩(サンカ)と出会い、ある事件が起きる。’19年夏に群馬県中之条町の山中で撮影したが、雨に見舞われることが多かった。「1日1回は雨が降っていました。川が増水してセットが壊れたり、車のタイヤがパンクしたり、溝にハマったりしました。気づかないうちにヒルに足の血を吸われていて血だらけになったりもして大変でした。でも巨木の生命力にパワーをもらえて、映画ポスターの“共に、生きろ。”というキャッチコピーを実感できる撮影現場でした」役者の世界に入って5年だが、発見や楽しさは?「思っていたのと違ったのはカメラの後ろに大勢の人がいたこと。テレビや映画を見ていたときには3人くらいで撮っているのかと思っていました。いまは(作品が)大勢のスタッフや関係者に支えられて作り上げられているのがわかって感謝しています。難しかったのは感情を表に出すこと。初仕事のCM撮影のときに紙で指を切って“痛っ”というだけのセリフが、いろんな人に見られていることで気恥ずかしくて言えなかったことをいまでも覚えています。何度もテイク(撮り直し)を重ねて乗り越えるしかありませんでした。その後もいろんな作品でそういう悔しい思いをしたことがあったけど、そういったことも含めて(芝居は)楽しいです。いまでも緊張はするけど自分の殻を破って振り切って演じるしかないなと思います」役者は死ぬまで、いずれは監督も目指す俳優像には亡き大杉漣さん(享年67)の言葉が影響している。「映画『教誨師』( ’18年公開)に主演した大杉漣さんと試写会でお会いして“またやろうな”と声をかけてくれて握手をしてくれました。でも、その半年後に亡くなられて。新聞の訃報記事に大杉さんの“脇でも主役でもどっちでも大丈夫って気概がないといけない。そのなかでどうやって『大杉漣』ってものを残すかが大事”という言葉を読んで考え方がガラリと変わりました。中学生の僕は当時、大きな役をやりたいという思いが強かったけど、その記事を読んでからは大小問わずにどんな役でも印象に残る役者になりたいと思うようになりました。大杉さんの記事はいつも持ち歩いて、僕の原点でバイブルです。(『教誨師』で)共演シーンがなかったのが残念です。役者は死ぬまでできる仕事。いずれは監督もやってみたいです。監督をしながら演者もやりたい。この世界にはずっとい続けたいです」印象的な目力が一層際立った。ガンダムと準備期間親の影響でガンダムと洋画好きに。「子どものころから大好きなガンダムの世界観を、鉄道模型のNゲージに取り入れてジオラマを作るのが夢です。『グリーンマイル』や『羊たちの沈黙』が好きでレクター博士みたいな役を演じてみたいです」12月に20歳になる。「大きな節目だと思っていて、いろいろな役を幅広く演じられるようになると思う。ひとり暮らしも考えていて、19歳はいろんなことの準備期間になると思っています」『山歌(サンカ)』高度成長期の昭和40年。受験勉強のため東京から祖母の家がある山奥の田舎にやってきた則夫は、一方的な価値観を押し付けられ生きづらさを抱えていた。そんなとき既成概念にとらわれず自然と共生する流浪の民サンカの家族と出会い魅せられていく。/杉田雷麟、小向なる、渋川清彦ほか出演/4月22日(金)よりテアトル新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開/(c)六字映画機構
2022年04月22日小芝風花(撮影/齋藤周造)(’22年)「続編も映画化も夢として話していたので実現すると聞いたときはびっくりしたけど、うれしかったです。(夢は)言ってみるものだなと思いました」小芝風花、心境の変化主演連続ドラマ『妖怪シェアハウス』が、1年半ぶりに続編『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日系、毎週土曜夜11時~)となってスタートし、映画化も決まり6月に公開されることになった小芝風花(24)。お岩さん(松本まりか)、酒呑童子(毎熊克哉)、座敷童子(池谷のぶえ)、ぬらりひょん(大倉孝二)と個性的な妖怪たちとの同居生活を描いた異色ホラーコメディーは評判に。「面白いですねと声をかけていただくことが多かったです。妖怪さんたちが白目でテレパシーを送るのを親子でやっている動画を見て家族みんなで楽しんでいただける作品になっているのがうれしかったです。私自身が妖怪さんたちのファンです。いろんな妖怪モノ作品があるけど、うちの妖怪さんたちがいちばんかわいいと思っています」前作は、恋人に裏切られ仕事もなくして無一文のどん底にいた主人公の澪が妖怪たちと暮らすことに。人目を気にして気弱な澪だったが自由な生き方の妖怪たちに感化されて小説家になる夢を見つけ、妖怪化した“妖怪ヒラキナオリ”としてシェアハウスを巣立っていくところで終わった。続編では、独り立ちした澪だが現実は厳しく生活は困窮し小説も書けない状態になってシェアハウスに舞い戻ってくる。「妖怪さんたちにまた会えるのがうれしかったです。不安もあったけどシェアハウスメンバーと本読みをしたときに詩子さん(座敷童子)の“むか~し、むか~し”と劇中アニメーションのナレーションを聞いたときに帰ってきたなと思いました」見どころのひとつは人間界に紛れて暮らす妖怪たちが“闇落ち”して暴れだすところ。「前作は人間にだまされ苦しめられた澪を妖怪さんたちがコテンパンにやっつけてくれました。今回は人間社会にもまれて本来の自分を忘れて闇落ちをした妖怪さんに澪が苦しめられます。“人間”“妖怪化”に“闇落ち”が加わったのがポイントです。映画はドラマの収録が終わってからではなく、ドラマを見終わって熱が冷めないうちに届けられるようにドラマと並行して撮影しています。闇落ちした経緯が明らかになり澪の恋もあります」涙を流すほど辛かった時期自身が闇落ちした経験は?「1年くらい前に1週間ほど笑えない時期がありました。仕事では笑えても家に帰ると(気分が)落ちちゃう。今振り返ると闇落ちだったと思います。原因は漠然とした不安だと思います。主演の仕事をいただいたりして気づかないうちにプレッシャーがあったのかなと思います。そういう状態は初めてで、母に“病院に行く?”と言われたときに涙がポロポロと出てきました。“何が悲しいのかつらいのかわからないけど、すごくしんどい”と言えたことで徐々に気持ちが晴れていきました。心配させたくないと内にこもっていたけど母に指摘されて感情を吐き出せたのがよかったのかなと思います」本作をはじめドラマ『トクサツガガガ』や『美食探偵 明智五郎』でコメディエンヌとして女優の評価を高めた。この1年は主演ドラマ『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』では物や植物の気持ちがわかる繊細な女性を演じ、ヒロイン役で主演した『彼女はキレイだった』ではラブストーリーに初挑戦し新境地を切り開いた。「私を応援してくださる方は上の世代が多かったけど同年代や10代の女性に知っていただく機会が増えたので、作品を見てもらえる層が変わったのかなと思います。初めてのラブストーリーでは、ほかの女優さんは10代でキュンキュン系の作品を演じていると思いますが私はまったく求められていなかった(笑)。どうしたらキュンキュンしてもらえるのか模索して、恋愛モノと意識せずに役として素直に相手のことを思って演じたら自然と視聴者のみなさんに、ときめいてもらえるのがわかって収穫になりました」「自分らしく生きていきたい」4月16日に25歳の誕生日を迎える。「今までは休みが続くとこのまま仕事がなかったらどうしようと不安になったけど、忙しいときは忙しいから暇なときは暇を楽しもうとオンとオフを切り替えるように心がけています。人と比べられる職業ですが気にせずに自分らしく生きていきたいです。作品を作っている瞬間が好き。今回も妖怪さんたちがパワーアップしてめちゃくちゃ楽しい作品になっていると思います」闇落ちを乗り越え期待が膨らむ。★収録は苦行?シェアハウスメンバーだけでなく妖怪役には演技巧者がそろう。「新しく登場する妖怪さんもキャスティングがハマっていて、面白い方ばかりです。アドリブのあった本番では笑いをこらえるのに必死で苦行と思うくらいです(笑)」★ギター続けています前回の取材で母親の影響で甲斐バンドのファンであることや移動中の練習用にミニギターを購入したことを教えてくれた。「甲斐バンド以外の曲も楽譜を見ながら弾けるようになりました。(SNSなどで)発表することはないけど、役で弾く機会があったらいいなと思います」
2022年04月16日こんばんは。イラストレーターのトモマツユキです。「次こそやさしくてすてきな男性に出会う!」と思っていたはずなのに、なぜか付き合う男性はダメンズばかり……なんて、人いますよね?ダメンズにもいろいろ種類はありますが、中でも毎回浮気されるとか、既婚者ばかり好きになってしまうなんてお悩みは多いのではないでしょうか?今回は、そんな男を見る目がない女性に見てほしい映画『アパートの鍵貸します』をご紹介します。■白黒であることを忘れる面白さ『アパートの鍵貸します』は、1960年公開のアメリカのロマンティック・コメディ映画です。この映画を手がけるビリー・ワイルダー監督の作品の中でも『アパートの鍵貸します』は、名作中の名作なのでご存知の方も多いと思いますが、もしかしたら白黒映画に苦手意識を感じて、観たことがない方もいるかもしれません。しかし、コントみたいな大袈裟な動作がクスッと笑えて、ウィットに富んだ会話や演出はいつ見ても色褪せない面白さ。気づけば白黒であることを忘れてしまう作品です。■憧れの女性の恋のお相手は……さて、映画のストーリーをご紹介します。主人公は、大手保険会社に勤める平社員のバクスター(ジャック・レモン)。彼は、自宅のアパートを4人の上司に時間単位で貸すという不思議な行動を取っています。そんな行動を取る理由、それは上司が不倫相手と逢引きする場所を提供するためだったのです……!バクスターは3万人以上の従業員がいる超大手会社で働いていて、出世するのは至難の業。上司に部屋を貸す見返りに昇進の話を持ちかけられ、ついつい部屋を貸してしまいます。そのせいで、本人は自宅のアパートになかなか帰れず、近隣からも女を取っ替え引っ替え連れ込んでいると勘違いされて困っているものの、昇格のためにこのような行動を取ってしまうのでした。そんなバクスターですが、会社での唯一の楽しみは、恋い焦がれるエレベーターガールのフラン(シャーリー・マクレーン)と話すこと。社内でも人気の彼女は高嶺の花でした。そんなある日、妻子持ちの人事部長・シェルドレイク(フレッド・マクマレイ)もバクスターの部屋を貸してほしいと言い出します。その見返りとしてバクスターはスピード出世で課長補佐に昇進!その勢いで憧れのフランをデートに誘います。最初は「約束がある」と誘いを断るフランですが、バクスターの熱弁に負けて、「約束している人に会った後に行く」とOKするのですが、実はフランが約束している相手は、バクスターのアパートを借りたシェルドレイク部長で……⁉︎■自分を客観的に見るために自宅をラブホ代わりに人に貸すという、今の日本では考えられない設定のコメディ映画なのですが、お偉いさんが会社の女性に手を出していたり、いつか振り向いてもらえると信じて不倫から抜け出せない……という話は、残念ながら60年以上経った今も変わらず聞く話ですよね。私が今回この映画を選んだ理由は、ダメンズに引っかかってしまう人は、ダメな恋愛を繰り返してしまう理由を客観的に見る必要があると思ったからです。主人公のバクスターは明るくていいやつではあるのですが、ラクして出世しようとしているし、上司に良いように使われている男。人によってはダメンズと思う人もいるでしょう。一方、シェルドレイク部長は権力を振りかざして人事を自由に動かせるし、妻子持ちなのに会社の女の子に手を出している明らかなダメンズ。しかし、権力と妻子持ちの余裕からか、言い寄られたら魅力を感じてしまう人もいるのかもしれません。対照的な二人のダメンズと三角関係になるのが、エレベーターガールのフラン。頭ではシェルドレイク部長と別れた方が良いとわかっているのですが、「妻と離婚する」という話をチラつかせられると真に受けてしまいます。ダメンズの毒牙にかかってしまったフランは、バクスターの行動が、これ以上フランが傷つかないためのやさしさということに、なかなか気づけません……。私は不倫から抜け出せない人や、何度も浮気されてしまう人って、真面目で純粋だからこそ相手の言葉を真に受けてしまうのではないかと思います。でも、世の中的にダメなことや、相手の悪い部分を見ないフリしていると、自ら相手をダメンズに育ててしまうこともあるんですよね。そして、ダメンズを好きな間は、自分のことを大切にしてくれる存在がいたとしても、その人に気づけないかもしれません。好きになってしまうと周りの声が聞こえなくなってしまうものですが、映画の登場人物に自分を置き換えてみると、少し客観視できて、現状から抜け出す方法が見つかるかもしれませんね。■思い切っていつもと違う選択をこの映画はダメダメな登場人物たちの物語で、思い詰めるシーンもあるのですが、主演のジャック・レモンの演技が憎めなくてとても面白いコメディです。あれこれ考え込んでしまう時の気分転換にぴったりな作品です!途中、カードゲームで遊ぶシーンがあるのですが、恋愛も引いてみるまで何が出るかわからない、カードゲームのようなものですよね。いらないカードは捨てて、新しいカードを取る。同じ失敗を繰り返さないためにはいつもと違うところからカードを取ってみるのも良いかもしれませんね。(文・イラスト:トモマツユキ)
2022年04月15日『嫌われ松子の一生』の舞台挨拶に臨む中谷美紀(’06年)監督・榊英雄、園子温、俳優・木下ほうか、プロデューサー・梅川治男……日本映画界で名を馳せてきた男性たちの性加害報道が相次いでいる。これをきっかけに、映画界のハラスメント体質自体が問題視され、『万引き家族』などで知られる是枝裕和ら映画監督の有志らが、「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します」とする声明を発表するなど、業界内からも意識改革が叫ばれている。こうした流れの中、以前では、“美談”として語られていた監督から俳優へのスパルタ演技指導も、今後は「ハラスメントではないか?」という厳しい目が向けられそうだ。「じゃあ、脱げ」「じゃあ、踊れ」一連の性加害報道の始まりは、3月10日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、「性被害」を題材にした映画『蜜月』の監督である榊の性行為強要問題を取り上げたことだった。「この記事が世間で波紋を広げる中、SNSでは、日本映画界のパワハラ問題にもメスを入れるべきという論調が高まりました。具体的に名前が挙がった監督の一人が、井浦新と成田凌の出演映画『ニワトリ☆フェニックス』の公開を4月15日に控えていた、かなた狼監督です。成田が、前作『ニワトリ☆スター』公開時に、『A-Studio』(TBS系)で明かしたところによると、役作りのためのワークショップを行う中、かなた監督からの『恥ずかしいことはあるか?』という質問に、『別にないです』と答えると、『じゃあ、脱げ』『じゃあ、踊れ』と指示され、全裸でAKB48の『ポニーテールとシュシュ』を披露することになったそう。あまりの厳しい指導に『それ(ワークショップ)を2回、3回目に行く中で、車中でおしっこをもらしました。監督に会いたくなさすぎて』とも語っていたんです。成田は『宝物のような作品ですけど』と、出演を後悔しているわけではないとフォローしたものの、SNS上ではあまりにも非人道的な指導であると、物議を醸しました」(芸能ライター)このように、日本映画界では、俳優本人の口から、“監督によるスパルタ演技指導”のエピソードが語られることは珍しくないが、「あらためて振り返ってみると、俳優側からパワハラで告発されていてもおかしくないというもの、少なくとも、今の時代では、世間から問題視されるものが散見されます」(同・前)という。かなた監督以外にも、すでにSNS上では、さまざまな監督の名前が取りざたされている。特に目立つのが、CM業界の第一線で活躍し、映画界に進出した中島哲也監督。これまで中島監督は、『下妻物語』(2004年)、『告白』(2010年)、『渇き。』(2014年)など、数多くの話題作を世に送り出してきたが、『嫌われ松子の一生』(2006年)の主演・中谷美紀が明かした彼の撮影中の言動は「想像を絶するものがある」(映画ライター)という。「下手くそ!」と罵られて「中谷は同作で、数奇な運命に翻弄される主人公を演じましたが、2015年放送の『A-Studio』で語った撮影現場のエピソードは、映画の内容以上にショッキングなものでした。なんでも撮影中、中島監督から怒鳴られ続けた中谷は、睡眠時間が1日1時間の日が続いたこともあり、『「辞めろ」とか「殺してやる」とか毎日言われていたので、途中で本当に嫌になってしまって、涙が止まらなくなって』撮影を放棄したというんです。ほかにも、中谷は公開当時から、撮影時のエピソードを各所で披露しており、撮影放棄のきっかけになったのは、監督の『あんたの感情なんてどうでもいいから』という言葉だったこと、また『顔が気持ち悪い』と罵声を浴びせられたことなども、つまびらかに語っていました。それでも中谷はのちに、中島監督に再会した際、同作の撮影期間について『今では豊かな日々だったと思います』と述べ、『思い出深い……何かの折に思い出す作品ですし、一生、私の原点になる作品だと思います』と断言しています」(同・前)また『渇き。』で、謎の失踪を遂げた女子高生役を演じ、スクリーンデビューを飾った小松菜奈も、中島監督の現場で涙を流したことを明かしている。「小松は、ウェブメディア『cakes』のインタビューで、中島監督から何度も『下手くそ!』と叱られていたと語り、『あまりに何度もダメ出しが入ったので、「どうしたら私に加奈子が演じられるんだろう?」っていう感情がガーッとこみ上げてきて、思わず現場で泣いちゃいましたね』と振り返っていました。ただ小松本人は、中島監督のことを『すごく優しい方だった』と受け止めているそうです」(同・前)『フラガール』(2006年)、『悪人』(2010年)、『怒り』(2016年)などで知られる李相日監督もまた、俳優への厳しい演出が疑問視されている。『怒り』で、当時未成年の広瀬すずは、沖縄の米兵に乱暴される女子高生という難役に挑んだが、李監督からの言葉に「恐怖」を感じたことを、2021年11月放送の『情熱大陸』(TBS系)で語っていた。「同作のラストシーンを撮影した際、1~2回でOKが出たものの、李監督の顔は『全然OKじゃなくて』、その後、誰もいないところに呼ばれ、「すごく冷静なトーンで『この映画壊す気?』って言われた」といいます。広瀬はその時の感情を『もはや悔しいというより恐怖でした』と表現していました。しかし、そうした厳しい指導も、『全てが愛情』と、ウェブメディア『シネマトゥデイ』のインタビューで総括しています」(雑誌編集者)『許されざる者』(2013年)に、渡辺謙扮する主人公・釜田十兵衛とともに賞金首を追う青年を演じた柳楽優弥は、李監督からOKが出ず、1カットに100テイクを重ねることもあったと、2021年放送の『A-Studio+』で告白している。Netflixはハラスメント研修を「渡辺ほか、柄本明や佐藤浩市といった大御所俳優の前で、何十、何百テイクもやったという柳楽は、『結構やっぱ怖かったですし、俺、このまま死ぬのかな(と思った)』『緊張して震えてるのか、寒くて震えてるのか、わからないぐらい』と、かなり精神的に追い詰められていたようです。それでも柳楽は、ウェブメディア『MOVIE WALKER PRESS』のインタビューで、『厳しくしてもらえる現場にいられることが幸せだと強く思いました』と語り、李監督に感謝しているといいます」(同・前)中谷、小松、広瀬、柳楽の例からもわかるように、「俳優が語る監督の鬼指導エピソードは、“何度も怒鳴られ、けなされても、必死になって食らいついていくことで、役者として一皮むけることができた……”というパターンが定番」(同・前)だという。「しかし、そのような美談によって、監督からの言動に苦しめられた俳優やスタッフの声がかき消されてしまう危険性もある。仕事中に罵声を浴びせられたり、『死ぬのかな』とまで追いつめられるというのは、やはり一般社会から見たら、あまりにも異様な光景といえるのではないでしょうか。最近では、Netflixが、現場でのハラスメント行為を防止するため、全ての関係者に『リスペクト・トレーニング』という研修を課すようになっています。ハラスメントに関する基本的な考え方を学ぶだけでなく、参加者が意見交換を行いながら、『何が問題となるのか』を共有していくという取り組み。今後、『リスペクト・トレーニング』を取り入れる作品は増えていくものとみられます」(前出・映画ライター)日本映画界は、ハラスメント体質から脱却できるのか……今こそ、膿を出し切るタイミングなのかもしれない。
2022年04月14日2022年4月4日、映画監督である園子温(その・しおん)さんに性的関係を迫られたという、複数の女性の証言を、一部の週刊誌が報じました。また、同年3月には俳優や映画監督として活躍する榊英雄さんや、俳優の木下ほうかさんの性行為強要疑惑が報じられています。原作者「映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」同月12日、作家の山内マリコさんと、柚木麻子さんが、「映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」という声明を発表しました。過去には、山内さんの作品『ここは退屈迎えに来て』『あのこは貴族』や、柚木さんの作品『伊藤くん A to E』が映画化されています。山内さんたちは、「物語がスクリーンに映し出される感動は、作者として何物にも代えがたい幸せ」とつづりました。一方で、「その作品がいかなるものであっても、自分の生み出した物語である責務を負う」と訴えています。原作者の名前は、映画の冒頭にクレジットされ、その作品がいかなるものであっても、自分の生み出した物語である責務を負います。映画制作の現場での性暴力・性加害が明るみに出たことは、原作者という立場で映画に関わる私たちにとっても、無関係ではありません。不均等なパワーバランスによる常態的なハラスメント、身体的な暴力、恫喝などの心理的な暴力等が、業界の体質であるように言われるなかで、今回、女性たちが多大なリスクを背負って性被害を告白したことは、業界の内外を問わず、重く受け止めるべきと考えます。声をあげてくださった方々の勇気に応えたく、私たちは、連帯の意志を表明します。原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。ーより引用また、「映画業界の内部にいる人たちは声を上げづらい状況にあることを目の当たりにした」という、山内さんたち。映画業界と特殊な関係性を持つ原作者だからこそ、連帯し声を上げられると考えたことが、今回の声明を発表したきっかけだそうです。今後は、契約の段階から適切な主張を行っていくとともに、万が一、被害があった場合は原作者としてしかるべき措置を求めていけるよう、行動するそうです。映画界が抱える問題は、出版会とも地続き声明では、「映画界が抱える問題は、出版界とも地続きです」ともつづっています。これからは、出版界のハラスメント根絶のためにも、声を上げていくという、力強い意志を表明しました。声明には、数々の作家が賛同しています。山内マリコ「さすがにここでアクションを起こさないのは」声明とは別に、山内さんは自身のTwitterで、このように想いをつづっています。ステートメント【原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます。】公開しました。小説家は自作が映画化される際、蚊帳の外というか、直接なにか意見を言える機会はとても少なく、言っても反映されることはまずない無力な存在(わたしだけか)ですが、 — 山内マリコ (@maricofff) April 12, 2022 一連の性加害報道を受けて、さすがにここでアクションを起こさないのはどうなんだと思い、映画化経験のある知人作家まで、という小さな括りで賛同者を集めました。— 山内マリコ (@maricofff) April 12, 2022 また、「ここから何かが変わることを心から望みます」ともつづりました。山内さんたちの力強いメッセージに、ネットからも賛同の声が上がっています。・映画ファンとして、賛同します。勇気ある行動に拍手を送りたい。・声を上げることは大切なことだよね。一時的なニュースとして話題になるだけじゃなく、いい方向に変わっていかないと。・「素行は悪いけど、あの人の作る作品は素晴らしいから」ということがなくなることを祈ります。・素晴らしい、大切な一歩だと思う。作品を楽しむ側も、ハラスメントに対しては厳しい声を上げたいね。まずは、原作者として声を上げた18名の作家たちの勇気ある行動に拍手を送りたいですね。そして、この声明が、映画業界や出版業界のみならず、さまざまな業界によい影響をもたらすことを願います。[文・構成/grape編集部]
2022年04月13日園子温「予想どおりの反応でした。そもそも謝る気がないんです。自分がした行為がどれだけ卑劣なことか、わかっていないんですよ」怒りで声を震わせながら、そう話すのは、映画監督の園子温から受けた“性被害”を、4月5日発売の週刊女性で告白した元女優のひとり。園は自身の公式サイトに直筆の謝罪文を発表したが、《関係者の皆様にご迷惑とお騒がせをしてしまいました事、また、作品を見てくださった視聴者の方を含め、皆様にお騒がせをしてしまっていることにつきまして、深くお詫びいたします》と、どこにも被害女性たちへの謝罪の言葉は見当たらない。そればかりか、法的措置を示唆する文言も記載されている。報道後に“俳優T”・坂口拓が園監督に言われたこと冒頭の元女優を飲み会へと連れていき、強制性交未遂の間接的な加害者となったアクション俳優のTこと、坂口拓も5日、YouTubeに謝罪動画を投稿。「10年前のこととはいえ、不快な思いをさせた方がいるのであれば、この場を借りて謝罪したいと思います」と頭を下げたが、「不快な思いをさせた方がいるのであれば」と、あたかも、そんな被害者はいないかのように語った。前出の元女優は、「まるで根も葉もない誹謗中傷を受け、自分が被害者だと言わんばかりの言い分ですね。こっちは被害を受けて眠れない日が続いたり、当時のことがフラッシュバックして震えが止まらなくなったり、感情のコントロールができなかったり……。私はそうやってずっと苦しんできたのに……」そう話し、悔しさをにじませた。週刊女性は坂口が謝罪動画を投稿した翌日、彼に電話で取材を申し込んだが、「園監督が、とりあえず弁護士を通じてすべてやると言うので、自分からは何もしゃべらないでほしいとのことでした……。自分の中では正義を通して生きてきたので、本当にこういう感じになったことに驚いています」と話すだけ。しかし、週刊女性には園だけでなく、坂口に対する告発も相次ぐ。「知人女優も園と坂口の被害に遭っている」「坂口さんが花見で女性スタッフを罵倒し続け、暴力まで振るおうとしていた」「ある映画監督のアトリエで坂口さんが嫌がる女優を無視して胸を触り、下着をめくって覗き込んでいた」まさにパワハラやセクハラのオンパレード。それでも坂口は“そのような被害者がいたのなら”と言うのだろうか。「まだ私の知らない被害もたくさんあるはず。現に私の知人女優も、園と坂口の被害に遭っています。2人に無理やりされたって……。被害者の1人に今回、告発しないか聞いてみましたが“嫌だ、もう思い出したくもない”と言っていました。こうやって苦しんでいる女性がいるのに、謝罪をせず、法的措置をにおわせて、脅すかのように威嚇してくる。ただ、正直に言えば、私も怖いんです。訴えられる恐怖だけじゃなく、家族にも何かされるんじゃないかって……」(前出・元女優)被害女性たちは、今も絶え間なく、不安に苛まれる日々を送っているが、園はそんな彼女たちについてどう思っているのか。個人事務所に改めて聞いてみると、《ご質問につきましては、先日弊社ホームページ上で発表させていただきました謝罪文の通りでございます》妻の神楽坂恵から、そう回答があっただけだった。かつて園と親交のあったという別の女優は、彼の人柄についてこう明かす。「性暴力ではないですが、撮影現場で“俺にはヤクザがバックについてるからな!”と、もめた相手を威圧しているのを見たことがあります。本当にヤクザと関係があるなら、そんなこと言わないでしょうけど。自分を大きく見せようとする、すっごく気の小さい人なんですよ」これ以上の被害を生まないためにも、事実を認め、被害女性たちに向けた真摯な謝罪が求められている。
2022年04月12日4月上旬、自宅マンションから出てきた榊英雄監督。記者の姿を見ると、急いで自転車に飛び乗り、走り去っていった明らかになりつつある日本映画界のゆがんだ体質。発端は、榊英雄監督の非道な行為の報道だった。3月10日に発売された『週刊文春』で、4人の女優が榊監督に性行為を強要されたと告発。「強い立場を利用して肉体関係を迫り、暗がりに連れ込んで暴力を振るったとも。所属事務所を通じて謝罪コメントを発表しましたが、スタッフや観客に謝ることを優先して、被害女性は後回しでした」(スポーツ紙記者)榊監督は意気地がいないタイプ撮影ずみだった映画『蜜月』の公開は中止となり、所属事務所は榊との契約を解除した。「榊さんは若いころ、京都の『太秦映画村』にいたことがあります。昔の太秦では、大御所俳優や監督に対する枕営業の噂があったので“いつか自分も”と思っていたんじゃないかな。何本か映画を撮ったけど、監督としての評価はそれほど高くない。自分では大物気取りみたいだけど、今回の件で4月に公開予定だった映画『ハザードランプ』も“お蔵入り”になりました」(映画ライター)報道から約1か月が過ぎた4月上旬、榊の住む都内マンションを訪ねた。同じマンションで暮らす住人の1人によると、入り口の郵便受けから《榊》の名前が消されたという。報道を受けて、ひっそりと暮らしているようだ。彼の人となりについても尋ねると、意外にも評判は悪くない。「すごくいい人ですよ。16年ほど前に、次の物件を探す“仮住まい”のつもりで引っ越してきたみたいですが、近所にすっかり溶け込んで、ずっと住んでいます。マンション内にある花壇のパンジーに水をあげてくれたり、雪かきを率先してやってくれたり。子どもが生まれてからは、近所の子どもたちと遊んでくれるし、天気が悪い日には学校まで一緒に送ってくれます」親切だが、情けない姿を見せることもあった。同じマンションの別の住人が語る。「榊さん一家が住む部屋の下にクレーマーみたいな人が住んでいて、近隣にひどい嫌がらせをしていたんです。それでも榊さんの奥さんは毅然とした対応をしていたのですが、榊さんはその陰に隠れて見ているだけ。意気地がないんです。だから今回の被害者への対応も、彼らしいとはいえますね。会見などを開いて、直接、謝ったりするような度胸はないんでしょう」住人の中には“気持ち悪い”“同じマンションに住みたくない”と、榊への嫌悪感をあらわにする人もいたそう。それでもマンションの管理組合の役員をしているという住人の1人は、こう明かす。「同じマンションに住んでいるよしみだし、なんとかしてあげたいと思って、ほかの住人とも話をして、榊さんに手紙を書いたんです。そうしたら、彼の地元の名産だという“五島うどん”の乾麺をレジ袋に入れて持ってきましたよ。やせ細って、憔悴しきっていたから私は“榊さんの味方だよ”と伝えたら“ありがとうございます”って、泣いて謝っていましたね」記者を指さして「警察呼びますよ!」しかし『週刊文春』は翌週の発売号で、新たに4人の女優の告発を続報。事態は深刻の度を増す。「さすがに打つ手はないと思い“ここまできたら復帰は無理だし、弁護士に依頼して、ちゃんと謝罪会見をしてから、やり直さなきゃ”と言ったら“自分もそう考えていますが、会見はちょっと……”って。蚊の鳴くような声で“死にたい”とも言っていた。奥さんはネットの配信番組で“夫婦関係にケジメをつけようかなと思ってはいる”と話した直後にいなくなりました。いま榊さんは長女と暮らしています。次女は見かけないので、奥さんが連れていったのかな」(同・住人、以下同)何よりも心配なのは、子どもたちのことだという。「つらいでしょうけど、長女は父親のそばにいてあげているんじゃないかな。でも、彼には甘さがあって、報道があった後も、まだ復帰したいという気持ちが見てとれる。泣いていたときも、どこかそんな気持ちがあったと思います。かわいそうな部分もあるけれど、これ以上の保身に走るのはやめたほうがいい」しばらくすると榊本人がマンションの外に出てきた。『週刊女性』に話をしてくれていた住人の1人が彼に声をかける。「ちょうど記者さんがいるし、被害者に謝罪を伝えるチャンスだよ」しかし、当の榊は「子どもを迎えに行くので」とだけ言い残し、その場から去っていった。ほどなくして戻ってきた榊は、記者に指をさすと、「警察、呼びますよ!」と言い放ち、部屋に入った。翌日、再び榊のマンションを訪ねると、部屋から出てきたのは榊の妻だった。「シンガー・ソングライターの橘いずみさんで、ストイックな歌詞から“女・尾崎豊”と呼ばれたこともありました。’05年に榊さんと結婚。’20年からは芸名を『和』にして、音楽活動をしています」(音楽ライター)今の心境と今後について聞いてみると、「私はもう、関係ないですから」─関係がないとは、榊監督とは離婚したのか?「いえ、まだ何も」それ以上は、何を聞いても無言。携帯電話を取り出し、どこかに電話をかけ続けるだけで、記者の問いかけに答えることはなかった。「俺はモテるんだ」と豪語この前日の夜、榊は記者に話をしてくれたマンション住人たちのもとを訪れて“マスコミに話さないでくれ”“僕にも人権がある”と訴えていたという。住人のうちの1人が呆れたように『週刊女性』に語る。「彼が被害者に対して、ちゃんと謝罪する最後のチャンスだと思ったのに……。あれでは、いつまでたっても本人の口から謝罪なんてありませんよ。弁護士がいるとも言っていたけれど、本当に雇っているのかも疑問です。榊さんは人権って言うけれど、被害者の人権はどうなるの?警察に通報したいのは被害者の女性たちなのでは?」榊の妻に対しても落胆を隠さない住人もいた。「いずみさんは芸能界が長いし、女性の気持ちがわかるかなと思っていたのに……。離婚するみたいなにおわせを語って、世間に同情を引こうとして、結局は離婚しない」かつて晴れた日には、ベランダに干した布団を妻がパンパンと叩く音が聞こえていたが、報道があってから、その音は聞こえず、ひっそりとしているという。榊が契約を解除された所属事務所に、今も橘は所属している。一連の報道を受けて、夫婦の今後について問い合わせると、「別居はしていません。離婚も今のところはしていません。ただし、家族のことなので、詳しくはわかりません」榊が今後、会見などを開く予定があるか聞くと、「榊さんは3月26日に退社しており、わかりません」とのことだった。このまま自らの口で説明することなく、被害女性への謝罪もしないつもりなのか。「榊さんは若いときから強烈な自信家で“俺はモテるんだ”と、周りに吹聴していました。今回の報道で、彼のそんな一面を思い出しました。自分中心の考えでおごりがあるから、女性に対してあんな振る舞いができるんでしょうね」(榊を知る女優)妻との“ケジメの話”は、被害者への謝罪と説明の責任を果たしてからだろう。
2022年04月12日綾野剛「城田優さんに続き、彼も『ガーシーch』で奔放すぎる女性関係を暴露されたばかりですが、仕事への影響は今のところ出ていませんね」(テレビ局関係者)かつての飲み仲間からの暴露で、今後の活動が心配される綾野剛だが、7月スタートのTBS系日曜劇場『オールドルーキー』で主演を務めることが発表されたほか、彼自身が映像化を熱望していた漫画原作の作品にも出演が決まったという。「友達にすすめたくなる漫画を選ぶ『マンガ大賞2021』で3位になった和山やまさんの『カラオケ行こ!』という漫画の実写映画化が決まり、綾野さんの出演が内定しました。ある事情から歌がうまくなりたいヤクザが、合唱部の部長を務める中学生にカラオケを指導してもらううちに奇妙な友情が芽生える……という笑って泣けるコメディー作品です」(出版関係者)作者の和山やまとは“相思相愛”の関係綾野は和山のファンを公言しており、’20年ごろからインスタグラムのストーリー(24時間で消える機能)で何度も絶賛投稿を行っている。「昨年1月に日本テレビ系で放送されたバラエティー番組『うちのガヤがすみません!』に出演した際も、和山作品の魅力を熱くアピール。サプライズで和山さんが彼の似顔絵をプレゼントした際には大興奮していました。それを受けてか、和山さんは漫画雑誌で連載中の『女の園の星』という作品で、綾野剛さんの名前を登場人物のセリフ内で言わせるなど、“相思相愛”の関係です」(前出・テレビ局関係者)それだけに映画化のキャスティングも作者である和山の意向が反映されているのかも。「映画化の際、歌が下手なヤクザの役は綾野さんにやってほしいと和山さんが提案したそうです。ただ暴露系ユーチューバーによる影響か、相手役となるカラオケを指導する少年役のキャスティングは難航しています」(映画配給会社関係者)ファンと作家という関係以上の間柄にも思えるが、「『女の園の星』の作中に綾野さんの名前が出たのは、和山先生の提案ですが、個人的なお付き合いはないと思いますよ」(和山を知る編集者)私生活では少々トラブルを抱える綾野だが、役者としての評価は高い。「綾野さんが主演を務めたある映画の衣装合わせの際、主人公の細かい設定が監督やスタッフの間でまだ定まっていませんでした。そこで綾野さんは衣装を着てセリフを言いながら、いろんな演技を見せてくれた。それでスタッフ全員が“この作品の方向性が決まった”と意見が一致したんです。普段から作品づくりに熱中するあまり、食事をとらずに深夜になることもあるなど、彼の演技にかける思いは熱いです」(制作会社関係者)『カラオケ行こ!』の出演について、綾野の所属事務所に問い合わせると、「出演のお話はいただいておりますが、製作自体がかなり先の話なので、どうなるかは未定です。少年役のキャスティングに関しては、難航しているのではなく、撮影時期がかなり先だから決まっていないのだと聞いています」大好きな作品に出演するためにも、私生活でのお騒がせはほどほどに!
2022年04月11日第94回アカデミー賞の授賞式で、司会のクリス・ロックに平手打ちをした、ウィル・スミス。同賞を主催する『映画芸術科学アカデミー』は、この件に対し、ウィル・スミスの資格停止や除名などを検討していました。アカデミー賞授賞式で、司会者を平手打ちしたウィル・スミス理由に「かっこいい」「正しいと思う」ウィル・スミスへの処分が決定FNNプライムオンラインによると、『映画芸術アカデミー』は2022年4月8日、ウィル・スミスへの処分を決定。今後10年間、授賞式への出席を禁止するとのことです。また、アカデミー賞だけでなく、授賞式を含む関連行事への出席を禁止。一方、ウィル・スミスが受賞した主演男優賞のはく奪は行われません。ウィル・スミスは同月2日、『映画芸術アカデミー』から退会する意向を表明していました。ウィル・スミス『平手打ち』でアカデミー退会を表明「それでいいのか」「考えさせられる」日本では、ウィル・スミスの行動に理解を示す人が多い一方、アメリカでは、彼を批判する声が多く上がっています。そのため日本では、ウィル・スミスの行動に対する賛否のほか、国や文化によって考え方が大きく異なることにも注目が集まっていました。今回の処分に関しても、ネットからはさまざまな声が上がっています。・ウィル・スミスへの処分は、「暴力はだめ」という意味で理解できる。でもやっぱり、「言葉の暴力は許容していいの?」って思うんだよな。・ウィル・スミスだけ、処分が下されるのか。アメリカでのクリス・ロックを擁護する声の多さに、結構驚いている。これが文化の違いか。・「暴力はだめ」という、ウィル・スミスへの圧力自体がいきすぎた暴力に感じる。こう感じているのは、私だけ?・暴力は絶対にだめという姿勢に、私は賛成。たくさんの人が注目する機会だからこそ、「暴力反対」という強いメッセージを示すべき。妻への許しがたい発言を受けたウィル・スミスが、どのように対応すべきだったのか…。人によって意見が分かれそうです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月09日園子温日本映画界に波紋が広がっている。映画監督の榊英雄、俳優の木下ほうかによる“性暴力”が明るみに出たのだ。「『週刊文春』で複数の女優が榊監督から性行為を強要されたと告発。彼は事実を一部認め、公開直前だった映画『蜜月』と『ハザードランプ』は公開が中止になりました。木下さんも複数の若手女優に性行為を強要していた過去が報じられ、放送前のドラマから降板。芸能活動も無期限休止することになりました」(スポーツ紙記者)一連の報道を受けて、西川美和、是枝裕和などの映画監督有志らが、《加害行為は、最近になって突然増えたわけではありません。残念ながらはるか以前から繰り返されてきました》と声明を発表。その一方で、井筒和幸監督は、《日本映画の業界全体が色眼鏡で見られてしまうことが問題。監督はみんなこんなことしてるんちゃうか、と思われるのは心外だ》と、夕刊紙のインタビューで語った。出演予定の女優を呼び出して……「確かに、すべての監督がそうでないにせよ、少なからず現実に起こっている“異常”な実態があるんです」そう話すのは、さる映画配給会社の幹部だ。話を続ける。「今も平気で“俺とヤッたら仕事をやる”と言う映画監督がいます。彼の作る映画は評価が高く、作品に出たがる女優はたくさんいます。それを利用して、彼は当たり前のように女優たちに手を出している。それが、園子温です」園はカルト的な人気を持つ映画監督で、海外作品にも進出している。「注目を集めたのが’09年に公開された西島隆弘さん主演の映画『愛のむきだし』です。これはベルリン国際映画祭で、カリガリ賞と国際批評家連盟賞をW受賞しました」(映画ライター)ここから園の快進撃が始まっていく。「’10年には『冷たい熱帯魚』、’11年には『ヒミズ』、’13年には『地獄でなぜ悪い』の3作品を、ベネチア国際映画祭に出品。’21年にはハリウッド進出を果たすなど、世界的に評価されています」(同・映画ライター)私生活では’11年に園の映画に出演していた女優の神楽坂恵と結婚。’19年に脳梗塞で緊急搬送され、生死の境をさまよった末に回復。入院した2日後には長女が誕生している。そんな園の悪評が、業界内で後を絶たないというのだ。前出の映画配給会社の幹部が明かす。「出演予定の女優を園監督が自分の事務所に呼び出して、性行為を迫ったけれど、彼女は断った。すると園監督は前の作品に出ていた別の女優を呼び出して、目の前で性行為を始めたというんです。それを見せられた女優が驚いて固まっていたら、一緒にいた助監督が外に連れ出してくれて。助かった……と思っていたら、今度はその助監督が彼女をラブホテルに連れ込もうとしたというのです……」園の映画作品に出演したことがある、女優のAさんは眉をひそめ、こう証言する。「普段から“女はみんな、仕事が欲しいから俺に寄ってくる”と話していました。“主演女優にはだいたい手を出した”とも。ある女優さんのことを“俺のおかげで売れたんだ”と言ってましたが“別の男に乗り換えられて、捨てられた”って嘆いていました」映画監督という立場を利用して、女優たちに関係を迫っていたというのであれば、悪質極まりない。これが“噂”であればよかったのかもしれないが、園作品に出演したことがある女優のBさんが、その身に起きた実体験を告白する。急に脱ぎ出した園子温「あるイベントで出会い、LINEを交換したんです。その後、新宿で飲むことになりました。複数人いましたが、その席ではたしかに“俺はたくさんの女優に手を出しているけど、手を出したやつには仕事を与えている。だからほかの監督とは違うんだ”と話していました」悪びれる様子もなく、堂々と話していたというのだから、それが“問題行為”だという認識を持ってはいなかったのだろう。しかし、Bさんも、それが問題だということに気づけてなかった。「当時の私は“役者として売れたい”という目標があったから必死でした。あるとき園さんから連絡が来て、都内のシティホテルに来ないかと誘われて。“俺は仕事あげるよ”とずっと言っていたので、受け入れて向かったんです」(Bさん、以下同)平日の昼間、Bさんはそこで園と関係を持った。「嫌がることをされたとかはありませんが、“彼氏がいるなら、彼氏に電話しながらシタい”と言われました。“いない”と伝えたら“俺のために彼氏つくって”と。そういう性癖なんでしょうね。避妊はしてないです」ほどなくして、園が監督する新作のオーディション案内が事務所に届いた。「会場で園さんと会ったとき、アイコンタクトをしてきたので“受かった”と思いました。撮影が終わった後も、何度かLINEが来ましたが、“都合が合わない”と返事をしていたら、連絡が来なくなって……」別の女優からは、こんな話も聞いたという。「マネージャーと一緒にアトリエに呼ばれて3人でビールを飲んでいたら、いきなり園さんが脱ぎ始めて“ふたりでして”と要求してきたそうです。結局、園さんは飲みすぎたせいか、途中でやめてしまったみたいですけど」これだけではない。元女優で音楽活動もしていたCさんは、怒りをあらわにする。「10年ほど前、枕営業を公言していた女優さんに誘われて、俳優Tの自宅で行われていた7~8人ほどでの飲み会に参加しました。時間が深くなると参加者たちはなんとなく帰るような空気になり、私もそのタイミングで帰ろうと、エレベーターで降りました。すると、Tの舎弟のような後輩俳優が、階段を駆け降りて追いかけてきました。そこで、“Tさんが帰らないでって言ってます”と腕を掴まれて、しばらく口論になって。ですが、なんとかタクシーに乗って帰ることができました」「コレクション見せるよ」後日、その飲み会の別の参加者を通じて、Tから連絡があったという。「“俺の後輩が悪いことをした”と謝りたいという連絡がありました。さすがにその気持ちを無下にするのも悪いので、直接会うことに。後日、ランチに行ってお店を出ると“俺、このあと友達の家に行くんだけど一緒に来る?”と誘われたのが、園の部屋でした」連れられていったのは、都内の高級マンション。「2LDKほどの部屋で、生活感が全然ありませんでした。私は、ソファを背もたれのようにして床に座って、園は赤いカーペットに置かれた小さいテーブルで、缶ビールを飲みながら『みんな!エスパーだよ!』の脚本を書いていたようでした。私たちも缶ビールを渡され、3人で話していると“この子、Tの女?”と、確認されました」(Cさん、以下同)しばらくすると、Tの携帯に着信が。「そのままTは部屋を出て行って、全然戻ってきませんでした。その間“有名女優と別れて落ち込んでいたとき、今の奥さんに俺は救われたんだよ。だからすごく感謝してる”という話をしていたのを覚えています」向かいに座っていたはずの園だったが、話をしながらだんだんCさんに近寄ってきて、いつの間にか隣に。「肩に腕を回して、突然キスされて……。私は驚いて“本当にやめてください。さっき、奥さんに感謝してるって言ってたじゃないですか”と。すると、今度は違う話をし始めて、抱きついてきたんです」その後も押し問答が続く。「ずっと抵抗していると“俺は業界で有名なヤリチンだよ?”って言ってきました。言い間違えだったようで“違う、違う!有名なアゲチン!”と焦っていましたが……。そして“俺、ハットがすごい好きなんだよ。コレクション見せるよ”と、別の部屋に案内されました」その部屋が、寝室だった。園子温に直撃!「私は、絶対に寝室に入りたくなかったので、ドアの外からハットを見ていました。でも、強引に腕を引っ張られ、ベッドに押し倒されて馬乗りされました。そして、キスをされたり、首元を舐められたり、胸を揉まれたり……。私の身体に股間を押しつけてきて触らせようとしてきたり、服の首元から、中に手を入れられたりもしました」どうにか部屋を出ようと、Cさんは床に転がり下りた。「園は服を脱いで、“見て見て”と言ってきました。その隙に荷物を取って、なんとか逃げ帰ることができて。お酒が入っていたこともあり、追いかけてはきませんでした」しかし、その後も一方的な連絡が続いたという。「後日、プロデューサーを名乗る人から“『みんな!エスパーだよ!』出ればいいじゃん”、園本人からも“曲をエンディングに使わせてよ!”と連絡が来たんです。私はどちらにも淡々と、マネージャーの連絡先を伝えました。それでも園は“結局政治で負けて、曲使えなかったよ~”と私に直接連絡をしてきて。しばらくは“舐めたい”とか“今何してるの?”といったLINEが届きました」Cさんは、不信感を抱き続けていることがある。「いったいどこから仕組まれていたのかと考えると怖くって。女優さんに誘われてTの飲み会に参加したところか、Tの後輩俳優が追いかけてきたところか、後日Tから謝罪したいと言われたところか、Tが電話をして出て行ったところなのか……。どの出来事も、園のレイプ未遂につながっていたような気がして。この10年の間に、被害を受けている方が増えていると考えると、本当に胸が痛いです」日本を代表する映画人の1人として、自身がしてきた行為についてどう思っているのか。3月下旬、園の携帯に電話をして、話を聞いた。─映画に出演するにあたり、園監督が女優に性的な関係を求めていたというが?「いやいや……ちょっと待って……ええっと……何の話ですか」─キャスティングする際に性行為の対価として映画に出演させていた?「それは……知りませぇん……それは……」小さな声でボソボソと話し、ろれつが回っていない。─実際にそう証言する女性がいます。「そんな……ありえ、ありえないですね」すると突然、園に代わって女性が電話に出て、文書で質問するように要求。しかし、質問状を送っても期日までに回答はなかった。すべての性的な虐待が許されないことに、彼は早く気がつくべきだ。
2022年04月04日’18年の夏、大衆居酒屋で一般女性と楽しそうに飲んでいた東出。この頃、すでに子どもは3人いたが…「僕は、あなたを十六年四か月、思い続けてきた」これは詩人・三好達治の言葉だ。週刊女性3月1日号が報じた『東出昌大、“DV詩人役” 主演映画が今冬公開!』。その映画『天上の花』が4月4日、情報解禁となった。「本作は日本を代表する詩人・萩原朔太郎の娘、萩原葉子さんの同名小説『天上の花-三好達治抄-』が原作です。東出さんが演じるのは、妻を愛しすぎるがあまり、暴力を振るってしまう詩人・三好達治。そのほか、朔太郎の妹で三好達治の妻・慶子を入山法子さん、萩原朔太郎を吹越満さん、詩人の佐藤春夫を漫画家の浦沢直樹さんが演じています」(同・映画ライター)’20年1月に唐田えりかとの不倫が報じられて大バッシングを受け、8月には杏と離婚した東出昌大。表舞台からほとんど姿を消していた彼だったが、最近は徐々に仕事が増えている。1月公開の人気シリーズの映画『コンフィデンスマンJP英雄編』では長澤まさみ演じる詐欺師“ダー子”の相棒“ボクちゃん”を好演。詐欺師のお次はDV詩人とは……話題を常に提供してくれる男だ。主演抜擢(ばってき)のウラには、東出への熱烈なラブコールがあったという。「三好達治のイメージが東出さんの雰囲気とピッタリで、製作陣はどうしても演じてほしかったようです。東出さんもその期待に応えられるように、三好達治に関連する書籍を読み漁ったみたいですよ。昨年の11月に新潟県で撮影が行われたのですが、限られた予算のなかでなんと2週間ほどで一気に撮り終えています。キャスト、スタッフを含めて、作品に大きな手応えを感じているみたいですよ」(映画製作関係者)しかし、そんなタイトなスケジュールの現場でも、話題提供を欠かさないのが東出。現場に誰か連れ込んでいるのかな…クランクインの直前、『週刊文春』によって“広島のロケ現場にハーフ美女を呼び寄せて3連泊させていた”と報じられたのだ。東出の大胆な行動に映画スタッフたちは驚いたようで、「“この撮影現場にも誰か連れ込んでいるのかな……”なんて噂する声もありましたね。結局、そんな素ぶりはまったくなくて、真面目に撮影に取り組んでいました。あんな記事が出た直後も同じことをしていたら、それはそれでスゴイですが(笑)」(同・映画製作関係者)本作は喧嘩が強くて、三島由紀夫をして“文壇最強”と言わしめた男・三好達治が妻子を捨て、一途に思い続けた朔太郎の妹・慶子と結ばれるというストーリーだが、「東出さんの実生活とオーバーラップする部分もあるといえますね(笑)。慶子への一途な愛と憎しみが制御できなくなっていく三好達治を怪演していますよ」(前出・映画ライター)先の“ハーフ美女と3連泊”がきっかけで、所属事務所をクビになった東出。完全フリーとなって何ものにも縛られなくなった今、プライベートはなるべく“制御”したほうがいいかも……。
2022年04月04日こんばんは。イラストレーターのトモマツユキです。まだ今年が始まったばかりだと思っていたのに、気がつけばもう春ですね!歳を重ねると時間の流れの早さを身をもって実感します(笑)。さて、春は新たな出会いと変化の季節。入社してきた新入社員の初々しさが、まぶしすぎて直視できない……なんて方もいるのでは?今回はそんな“若さを羨ましく感じてしまう人”におすすめしたい映画『セブンティーン・アゲイン』をご紹介します。■突然、17歳の姿に戻ったら!?『セブンティーン・アゲイン』の主人公・17歳のマイク(ザック・エフロン)は、コーチから期待されるほどのバスケットボールの実力の持ち主。スカウトマンに認められれば奨学金で大学にいけることになっていました。スカウトマンが観に来る大事な試合の日。応援に来た彼女のスカー(アリソン・ミラー)の様子がいつもと違うことに気づきます。マイクがその理由を問い詰めると、スカーはマイクの子を妊娠していたのです!マイクは一度試合に出るものの、会場を後にしたスカーを走って追いかけます。そして、二人はめでたくゴールイン!……ところが、それから20年の時が経ち、37歳になったマイク(マシュー・ペリー)は、妻のスカー(レスリー・マン)と離婚調停中で、親友のネッド(トーマス・レノン)の家に居候の身。若い頃は周りからキャーキャー言われていたルックスも、現在はお腹も出てきて冴えない中年になっていました。さらに追い打ちをかけるように、仕事での昇進を逃し、上司に暴言を吐いてクビになってしまったマイク。彼は、かつていた高校へ行って、17歳の自分の写真を眺めながら、輝いていた頃の思い出に浸っていると、急に現れた用務員さんに、「“あの時”に戻ってやり直したいか?」と聞かれます。マイクは「もちろん」と答えるのですが、振り返ると用務員さんの姿はありません。その夜、あの用務員さんが橋の上から川へ飛び降りようとしているのを見かけ、マイクは慌てて止めに行きます。しかし、近づくとまた用務員さんの姿はなく、マイクは覗き込んだ川の中へ落ちてしまうのです。……そして、朝、目が覚めると、見た目だけが17歳の頃の姿に戻っていて!?というコメディ映画です。■“若さ”は過去のものこの映画の面白いところは、“17歳にタイムスリップして人生をやり直す”という話ではなくて、時間も周りの人たちもそのままで、自分の見た目だけが若返る(“名探偵コ○ン”と同じ)ところです。マイクは、“高校生に戻って人生をやり直せる!”と浮かれて、親友のネッドに父親役を演じてもらい、偽装工作して高校に入学するのですが、実際入学してみると同じ学校に通う自分の子どもたちが問題を抱えていることに気がつきます。息子のアレックス(スターリング・ナイト)は、マイクの前ではバスケを頑張っているフリをしていたけど、実はバスケ部員からいじめられていました。また、娘のマギー(ミシェル・トラクテンバーグ)は、弟のアレックスをいじめているバスケ部員のリーダー的存在の男子と付き合っていて、恋にのめり込みすぎて有名大学への進学をやめようとしています。マイクは17歳になったことで、ずっと過去の栄光にしがみついて自分のことしか見ておらず、離婚したいと言い出した妻の気持ちも、子どもたちのことも、何も見えていなかったことに、やっと気づくのです。そして、ようやくマイクは“現在”を見つめ、家族を救うために動き始めるのですが……。はたしてマイクは家族を救うことができるのでしょうか?そして、元の姿に戻ることができるのでしょうか?ぜひ、映画を観て確かめてみてくださいね♪■“今の自分”を認めて楽しもう!現実でも、マイクのように若かった頃にすがりついてしまうことってありますし、ちやほやされている若い子を見て羨ましく思ってしまうこともありますよね……。でも、私はこの映画を観て、戻ってこない日のことを考えるよりも、大切なのは“今”ということを再認識させられました。若さをもてはやされるのは、若い人たちが“今”楽しむべきためのもの。若いとは言われなくなった年頃の人たちは、その人たちが楽しむべき“今”が別にあるはずですよ♪小じわが増えたことに気づいたり、寝ても疲れが抜けなかったり……歳を感じて悩んでしまう日もあるけれど、大人になったからこそ楽しめる余裕があったり、知識も沢山ありますよね。過去は変えられないけど、今からできることだって沢山ありますよ!前向きに“大人”を楽しみましょう♪(文・イラスト:トモマツユキ)
2022年04月01日東出昌大3月28日(日本時間)、米アカデミー賞で、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が、国際長編映画賞に輝いた。日本映画が同賞を受賞するのは、2009年の『おくりびと』(滝田洋二郎監督)以来、実に13年ぶりの快挙とあって、国内は大きな盛り上がりを見せている。そんな中、『ドライブ・マイ・カー』に登場する若手俳優のキャラクターに関して、実在の人物がモデルになっているとの話を『週刊女性PRIME』はキャッチ。『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹氏の著書『女のいない男たち』(文藝春秋社)に収録された同名タイトルの短編を原作とする。最愛の妻・音(霧島れいか)を亡くした俳優兼演出家の家福(西島秀俊)が、演劇祭で出会った専属ドライバー・みさき(三浦透子)と時間を共にすることで、目を背けてきた自身の喪失に向き合っていく……というストーリーだ。「女性問題で身を滅ぼした」という共通点「そのほかに、本作の重要な役どころとなるのが、家福が演出する舞台に参加する俳優・高槻です。原作では40代でしたが、映画版では甘いルックスで人気の若手俳優という設定になっています。彼は、脚本家だった音と不倫関係を結んでいた過去を持ち、のちに未成年女性とのスキャンダルで事務所をクビになったという問題児。そんな高槻を演じたのが岡田将生で、家福とともに“音の秘密”について語り合うシーンは、本作のハイライトの一つと言えるでしょう」(芸能ライター)岡田は高槻を演じたことについて、ウェブメディア「CINEMA Life!」のインタビューで「この役を演じることができたことは大きいです」「お芝居が好きになりました」と語っており、岡田のキャリアにおいて、重要な作品になったことは間違いないだろう。そんな高槻は、実在の人物がモデルになっているというから驚きだ。「“高槻は東出昌大の要素を入れている”といい、東出をイメージして脚本もアレンジしていったそうなんです。東出といえば、濱口監督作品『寝ても覚めても』(2018年)で共演した、当時19歳の唐田えりかと不倫関係に発展、妻の杏とは別居を経て離婚に至りました。それまでの良き夫、良き父イメージは大暴落し、芸能活動に大打撃を食らったことは、記憶に新しいでしょう。東出と高槻は『女性問題で身を滅ぼした』という共通点を持つわけですが、濱口監督が人間性の部分でも、高槻に東出を投影していたのでは……と考えると、これまでとは違った観点で本作を鑑賞できるかもしれません」(映画業界関係者)例えば、家福に過去の女性スキャンダルを咎められた高槻が、怒涛の反論を展開するシーンがあるという。「高槻は、『あれはハメられたんです』『(身元のわからない女性と肉体関係を持つことって)ないですか?』『フィーリングが合って、もっと知りたいって思ったら、(肉体関係を持つことって)ないですか?』と、まくし立てるのですが、東出もこういった衝動的な面を持っているのかな……と邪推してしまいます」(同・前)一方で、高槻は音に対して特別な思い入れがあり、また自身の演技に葛藤しながらも、舞台に真摯に取り組む姿を見せていた。シンクロぶりは“もはや奇跡”「高槻は女にだらしないけれど、ただの軽薄な人間ではないというキャラクター。家福が高槻に『君は自分を上手にコントロールできない。社会人としては失格だ、でも役者としては必ずしもそうじゃない』『君は相手役に自分を差し出すことができる。同じことをテキストにもすればいい』と、芝居に関して助言するシーンを見ていると、濱口監督自身が東出に語り掛けているようにも見えてしまいます」(同・前)濱口監督が、東出の役者としての才能を高く買っていたことはよく知られている。ウェブメディア「PINT SCOPE」での両者の対談(2018年8月30日掲載)では、≪僕が最初に東出さんを観たのは、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)で、勿論そのときはまだ一緒に仕事をするなんて全く思っていないんですが、「こいついいやつだな」と感じたんですよね。東出さんの「そのまま」が写っている感じを見て、「ずっと見ていたい人だな」と感じました。その印象は、今でも変わらないですね。≫と、俳優・東出昌大を絶賛していた。「東出は以前から、ネット上で『棒演技』『大根役者』『滑舌が悪い』などと、演技力を揶揄されることがよくありました。しかし、濱口監督は東出を大いに気に入っていたようで、『寝ても覚めても』では、マイペースでつかみどころがなく、恋人の前から突然姿をくらます美青年・麦と、誠実で情に厚いサラリーマン・亮平という、正反対なキャラクターの一人二役という難役に抜てき。麦と亮平を通して、東出の存在感が際立っていた印象でした。濱口監督は、≪東出さんの「そのまま」≫に魅力を感じ、『ドライブ・マイ・カー』でも、高槻のモデルにしたのかもしれません」(前出・映画ライター)なお東出は、昨年10月、コロナ禍の中、映画のロケ地である広島に、交際中の一般女性を呼んでいたことを「週刊文春」(文藝春秋)にスクープされた。これを受け、今年2月、所属事務所「ユマニテ」から専属契約を解消され、奇しくも東出は高槻と同じフリーの道を歩むことになった。「ここまでシンクロしているのは、もはや奇跡だけに、もし東出が高槻を演じていたらどうなったのだろう……と思わずにはいられません。ただ、実現していても、不倫スキャンダルのあおりを受け、作品がイロモノ扱いにされてしまった可能性は高いと思いますが」(同・前)自身がモデルになったという高槻を見て、東出は何を思うのか。ぜひ『ドライブ・マイ・カー』の率直な感想を聞いてみたいものだ。
2022年03月31日2022年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』で寡黙な専属ドライバーみさきを演じた三浦透子さん。作品の裏話を明かしてくれた、2021年夏の取材の模様をお届けします(2021年8月18日配信記事)。三浦透子さん【映画、ときどき私】 vol. 4042002年にサントリーのCMで“2代目なっちゃん”としてデビューしたのち、さまざまなドラマや映画に出演し、アニメーション映画『天気の子』ではボーカリストに抜擢されたことでも注目を集めている三浦さん。『ドライブ・マイ・カー』で三浦さんは、舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)が演劇祭で出会う、寡黙な専属ドライバーみさきを演じています。そこで、現場での様子や本作を手掛けた濱口竜介監督の演出、将来の自分について語っていただきました。―以前、濱口監督作『偶然と想像』のオーディションに行ったことがきっかけで、本作のオファーがあったそうですね。お話があったときはいかがでしたか?三浦さん最初に脚本を読ませていただいたとき、みさきがとても魅力的な女性だと思いました。特に、相手に対して的確な言葉選びができるところや仕事に対する哲学がかっこいいなと。なので、この役を私にと思っていただけてとにかくうれしかったです。ただ、運転がものすごく重要な役にもかかわらず、免許を持っていない私にオファーするなんて、濱口監督はすごいなとも思いました(笑)。―その後、この作品のためにすぐに免許を取られたそうですが、大変でしたか?三浦さん撮影前にたくさん乗っておきたかったので、朝から晩まで毎日教習所で練習して、17日間でマニュアルの免許を取りました。けっこうハードでしたけど、すごく楽しかったです。―それはすごいですね。劇中では、見事なドライバーぶりを見せていましたが、ご自身は運転に向いていると感じましたか?三浦さん実は、もともと車はすごく好きで、ガソリンスタンドでバイトしていたこともありました。車内や運転の仕方に乗っている人の人間性が出るところがおもしろい。車が好きなだけに、運転が苦手だったらどうしようかと心配しましたが、乗ってみてもやっぱり好きだったのはうれしかったです。―ただ、劇中の車は左ハンドルなので、初心者には難しかったのでは?三浦さんそうですね。免許を取ったあと、練習用に左ハンドルの車を用意していただいたんですが、左ハンドルなのでどれも高級車ばかり。練習のためとはいえ、初心者マークをつけた高級車が走っているのは、周りの方は嫌だったかもしれません(笑)。初めてが多い現場で、西島さんの存在は心強かった―慣れない運転をしながら演技もしなければいけないという状況で、どのようなことを意識されていましたか?三浦さんマルチタスクをこなさなければいけない難しさはありましたが、私にとっては「それができるみさきはどういう人なんだろう」と考える作業こそが役作りに直結すると思いました。みさきは、顔を見なくても空間から相手のことを感じ取れる繊細な人。それを表現するのは難しかったですが、かっこよく運転している姿を見せることが、いちばんみさきを表すことに繋がると思ったので、運転には一生懸命取り組みました。―車のなかでは、西島秀俊さんとほぼ2人きりでの撮影が続いたと思いますが、共演されてみていかがでしたか?三浦さん西島さんはとてもフランクな方で、いつも笑顔でお話をしてくださいました。かと言って、準備と本番とでオンオフがあるわけではなく、リラックスしているときと集中しているときが地続きにあるような感じ。すごく不思議な方だなという印象です。それはこれまでいろいろな経験をされてきた西島さんだからこそのたたずまいだと思いますが、おかげで私は安心していることができました。今回一緒にお芝居をさせていただいて、すごく勉強になりましたし、とても心強かったです。―そのなかでも、印象に残っているやりとりなどもあれば、教えてください。三浦さん今回の現場では、私にとって初めてのことがたくさんありましたが、西島さんは細かいところで本当にさりげなく声をかけてくださいました。車のなかで西島さんと2人でいる時間もけっこう長かったですが、沈黙があっても緊張することなく、落ち着いていられたのも、劇中の家福とみさきの関係性に通じていたように思います。―そういうお二人の雰囲気は、スクリーンにも表れていたように感じました。三浦さんあれだけの狭い空間に2人だけでいるというのは、会話をしていなくても相手の存在を気にせざるを得ない状況。そんななかでも、緊張感が解けていく瞬間を感じることができました。それは家福とみさきの間にもあった瞬間だと思うので、実際に現場で体験できたのは大きかったです。濱口監督の書く言葉には覚悟があると感じる―そして、この作品は何と言っても脚本の素晴らしさがあると思いますが、三浦さんはどういったところに惹かれましたか?三浦さんまずは、セリフのおもしろさですね。一度読み出すと、最後まで手放せなくなるような緊張感がありました。その空気感は、完成した映画からも伝わってくる部分だと思います。これは特にみさきに感じたことですが、しっかりと思考してからちゃんと言葉を選んでいるところも、すごく印象的でした。言葉というのは、人を救うこともあれば、殺してしまうこともある、そういう恐ろしさがあると思います。良くも悪くも強い力を持っている。そういったことを濱口監督は普段から意識されているんだと思います。実際、濱口監督とお話していると、ものすごく丁寧に言葉を選んで話されているかがわかるので。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、濱口監督の書くセリフには、これは発するべき言葉である、という覚悟を感じるというか。キャラクターたちに魂を感じます。だからこそ、声にしたときに言葉の持つパワーに背筋を正されるような感覚があるのかなと。それでいて、すごく繊細で丁寧に私たちに語りかけてくれているような印象も受けました。―そういったところも、世界で評価された理由かもしれませんね。ご自身が役作りで特にこだわったのはどのあたりでしょうか?三浦さんこれまでの役だと、わからないことをわかるようにする作業を通して役に近づこうとしていましたが、みさきには共感できる部分ばかりで、わからないことがないような状態でした。極端なことを言うと、することがないと思ったくらい。でも、撮影の前に濱口監督ともその話をしたら、それでいいですと。「特別なことはしなくていいので、ただ運転の練習だけしてください。それがみさきの役作りです」と言われました。なので、とにかく運転練習を一生懸命やりました。いま思えば、運転している最中に考えていたことがみさきへの理解にもつながっていたと思います。原作の魅力がきちんと残った作品に仕上がった―現場では、濱口監督ならでは演出などもありましたか?三浦さん映画のなかでも、感情を入れずに淡々と読んでいく“本読み”という作業をしていますが、実際の現場でも行なっています。こんなにも本読みに時間を使うことは、私にとっては初めての経験でした。濱口監督は、「その声で語られるだけで、心を動かされる。そんな声がある。役者からそういう声で台詞を聞きたい」とおっしゃっていました。本読みはその声を探す時間だったと思います。みんなでその“音”を探しているような感覚。とても不思議で素敵な体験でした。濱口監督の現場じゃないと味わえないものだと思います。―そんな時間を過ごすなかで、忘れられない監督の言葉もあれば、教えてください。三浦さん監督と話していて興味深かったのは、「歌はメロディも歌詞も決まっているけど、そのままを何度歌っても人の心を動かすことができる。セリフでもそれができると思う」と言われたことです。その言葉を聞いたとき、私のなかではすごくしっくりくるものがありました。濱口さんの演出には新鮮で驚く部分も多い反面、点と点が繋がるような瞬間もあってとても楽しかったです。―原作者である村上春樹さんの作品の魅力については、どうお考えですか?三浦さん私が村上春樹さんの作品と出会ったのは中学生くらいの頃で、短編集の『レキシントンの幽霊』が最初でした。そのあと長編もいくつか読ませていただきましたが、村上さんの作品は、自分に対する深い考察を感じるというか、キャラクターの心の中に沈んでいくような感覚になります。最初はそういった部分をどうやって映像化していくんだろうとか、ファンの方々に自分のみさきがどういうふうに受け取られるんだろうかと心配もありました。設定も原作とは変わっていますし、追加された部分も多いので。ただ、できあがったものを読むと、原作にある言葉の緊張感や匂いといった小説の魅力がちゃんと脚本にも残ってるどころか、むしろ増幅しているようにすら感じました。村上さんの文体と濱口監督の文体のマリアージュもとても魅力的でした。数字と触れ合うと気持ちがリセットできる―これから観客のみなさんの反応も楽しみですね。現在は、女優としても歌手としても活躍されていますが、今後チャレンジしてみたいことはありますか?三浦さん実は、私はこの歳でこういうことをしたいとか、こうなりたいみたいなビジョンがまったくないタイプなんです(笑)。だからこそ、思ってもいなかったことにも挑戦できるのかなと。私が歌を歌うことになるなんて、昔の私は想像すらしていなかったと思います。そういう意味では、これからもいまの自分が想像できない何かをやっていけたらいいですね。―では、プライベートでやってみたいことは?三浦さんこれはかなり先の話になりますが、おばあちゃんになったら近所の子どもたちに勉強を教えたりしたいなと、ぼんやり考えています。以前、家庭教師のバイトで小学生に算数を教えていて、それがすごく楽しかったので。―そのために準備していることもありますか?三浦さんセンター試験の問題を解いてみたりとか、勉強はするようにしています。―すごいですね。そんな多忙の日々で素に戻れる瞬間といえば?三浦さん素に戻れるというのとは違いますが、数字と触れ合っているときは頭の中をリセットできる時間だと思います。余計なことを考えずにいられるので。頭は使っているんだけれど無というか。考えているけど考えていないみたいな感じ。―意外な一面を教えていただき、ありがとうございました。それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。三浦さんこの作品を観ると、もしかしたらみさきは苦しく見えるかもしれません。でも、人との関わりのなかで傷ついた経験を持つ彼女が自分の人生をポジティブに捉え、仕事も含めて誇りを持って生きて行こうとする姿を見るだけで私には感じるものがありました。みなさんにも、ぜひみさきのかっこいい生き様を感じてもらえたらと思います。インタビューを終えてみて……。劇中のみさき同様に、ミステリアスな雰囲気をまとっている三浦さんですが、話し始めると明るい笑顔が印象的で、その魅力に心をわしづかみにされました。先のことは決めていないという三浦さんだけに、これからどんなふり幅で私たちを魅了してくれるのか、ますます楽しみです。唯一無二の物語が魂に訴えかける秀逸な脚本に、俳優陣の見事な演技が重なり、圧倒的な力で観る者を引き込む本作。孤独と秘密を抱えた男女が葛藤の先に見つけた再生の道は、誰にとっても希望を与えてくれるものとなるはずです。さまざまな感情が渦巻く忘れがたい経験は、ぜひ劇場で体感を。写真・北尾渉(三浦透子)取材、文・志村昌美ヘアメイク・秋鹿裕子(W)、スタイリスト・白山春久ベロア素材のシャツ¥36,300/ロク(エイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、2タックパンツ/マメ クロゴウチ(www.mamekurogouchi.com)ショートブーツ¥85,800/アクネ ストゥディオズ(アクネ ストゥディオズ アオヤマ 03-6418-9923)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥22,000/ラッツェル アンド ウォルフ(ザ・ウォール ショールーム 03-5774-4001)、左耳につけたシルバーイヤーカフ¥93,500/ラッツェル アンド ウォルフ(アディッション アデライデ 03-5786-0158)、右耳につけたシルバーイヤーカフ¥16,500/フェノメナ コレクション(ザナドゥ 東京 03-6459-2826)、シルバーチェーンネックレス¥77,000/ララガン(ララガンデザイン/info@ralagan.com)、パールのついたチェーンネックレス¥107,800/ソフィーブハイ(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007)、シルバースネークチェーンネックレス¥13,200/カルペディエム(カルペディエム/シルバーチェーンブレスレット¥52,800/ジジ(アパルトモン 青山店 03-5778-4919)、シルバーリング¥35,200/アン バイ トモヨ ヨシダ(アン・デザインズ/info@un-designs.com)ストーリー舞台俳優で演出家の家福悠介は、愛する妻・音と満ち足りた日々を送っていた。ところが、音は家福にある秘密を残したまま、突然この世からいなくなってしまう。それから2年が経ち、演劇祭で演出を任された家福は、愛車のサーブで広島へと向かうことに。そこで家福が出会ったのは、寡黙で優秀な専属ドライバーのみさき。喪失感を抱えたまま生きていた家福は、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ドライブ・マイ・カー』8月20日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー配給:ビターズ・エンド©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会写真・北尾渉(三浦透子)
2022年03月28日※このコラムには「ハリー・ポッターシリーズ」のネタバレが含まれますある日、家にふくろうがやってくる。くちばしにくわえているのは手紙のようなもの。封を切ると、そこには「ホグワーツ入学許可証」が……。当時9歳だった私は、分厚い『ハリー・ポッターと賢者の石』をランドセルに詰め込んで小学校に通う、夢見がちで想像力豊かな少女でした。自分より少し年上のハリーが魔法の世界に誘われ、仲間たちとともに悪の魔法使いに立ち向かう姿はとっても刺激的で、毎日のように物語に没頭し、新刊が出るたび我先にと本屋へ駆け込んでいたのを、今でも鮮明に覚えています。■夢の世界に憧れた少女時代あれから20年。サブスクで『ヘドウィグのテーマ』を聴くと、あの時の思い出がまるで魔法にかかったようによみがえります。羊皮紙にインクで英語を書くことに憧れ、母親と一緒に百貨店に行き、羽ペンをねだって買ってもらったこと。ハリーと同じ杖が欲しいと、クリスマスにサンタクロースへお願いしたこと……。私にとってハリー・ポッターシリーズは、人生を彩るすばらしい魔法です。きっと同世代の人たちの中にも、そう感じている人が多いのではないでしょうか。私の中で“魔法界”というのは憧れに溢れていて、1年に1度、クリスマスの夜にしか開けられないプレゼントのような世界でした。なんの変哲もないマグル(魔力を持たない人間)の小学校で毎日を過ごしていた私にとって、魔法学校であるホグワーツの「動く階段」や「喋る肖像画」は未知のものでした。そして特に、そこに通う生徒たちが着ているローブがとびきりお気に入りでした。4つの寮ごとにシンボルやカラーがあるのも、「もし私が組分け帽子をかぶったらどの寮になるのだろう」という想像をさせてくれる魅力的な設定でした(きっと皆さんも1度は同じことを考えたことがありますよね!)。それだけではありません。ハリー、ロン、ハーマイオニーのおなじみ3人組が列車の中で食べていた「蛙チョコレート」や「百味ビーンズ」といった、「どんな味?食べてみたい!」と思わせる不思議でエキセントリックなお菓子たち。魔法薬学や飛行術といった、魔法界ならではのわくわくしてしまうような授業の数々……。作品の魅力を挙げればきりがありません。作品と出会った当時から今に至るまで、私は今までの人生の半分以上をハリーと一緒に生きてきました。11歳になれば私の元にもふくろう便でホグワーツ入学許可証が届くはず……。そんな風に信じていたこともありました。今となってはほほえましい思い出です。■大人になって気づいた作品の新たな一面そんな私が今、この場で声を大にして言いたいことがあります。幼い頃は気づかなかった作品の魅力に気づいた時、ますますこの世界のことが愛おしくなりました。私が大人になって改めてハリー・ポッターの世界を味わい、感じたこと。それは……ハリー・ポッターの真の魅力とは、表面的にとどまらない情緒に富んだ人間描写にある、ということです。中でも私の大好きなセブルス・スネイプ先生の話をさせてください。彼はホグワーツで魔法薬学をハリーたちに教え、闇の魔術に対する防衛術の教師になり、のちに校長となった人物です。小説を読んだり映画を観たりした人なら、シリーズ第1作目である『ハリー・ポッターと賢者の石』で厳しく怖い先生、というイメージがついているかと思います。ハリーに冷たく接する姿が印象的ですが、実は闇の魔法使い・ヴォルデモートからハリーを守るため、二重スパイとなって危険をかえりみず行動した結果、命を落とすという作中でも重要な役割を持ったキャラクターなのです。なぜハリーを守ったのか?それはハリーの母親であるリリーを、彼が愛していたから。ヴォルデモートの毒牙にかかりリリーが亡くなったあと、彼はリリーの一人息子であるハリーを守り抜くと決意します。ハリーの父親であるジェームズとは彼と同じ時期に学生時代を過ごしていたのですが、ジェームズは級友たちと一緒にスネイプをからかい、いじめていました。ゆえにスネイプはジェームズを憎んでおり、そんな男と愛する女性の間に生まれたハリーには、リリーとジェームズどちらともの面影を見ていました。リリーの慈悲深いまなざし、そしてジェームズの冷たい視線……。なんという運命のいたずらなのでしょう。命をかけてハリーを守ったスネイプの心境を思うと、胸が張り裂けそうになります。シリーズ最終作の『ハリー・ポッターと死の秘宝』でスネイプが死ぬシーンを観た時には、熱い涙が止まりませんでした。人にはみな、複雑で不器用な部分があると思っています。全てをかけて誰かを愛そうとしても、さまざまな理由でそうすることがかなわなかったり、懸命に愛そうとするあまりに、他のことに関心を持てなくなったり。リリーを愛して人生を捧げたスネイプの、偉大ではあれ人間としては完璧でない部分に親近感を覚えました。だからこそより感情移入することができ、彼の想いが溢れる最期のシーンで号泣してしまったのではないかと思います。また、彼に感情を寄せられた理由として、私が大人になって「人を愛するとはどういうことか?」という問いについて考えられるようになったからとも感じています。「ハリー・ポッター」で描かれている「愛」は、直接的だったり表面的だったりする愛ではなく、もっと心の深い部分に入り込んで描かれたものです。初めて作品を読んだ当時、幼かった私にはあまりピンとこず、理解できていない部分でした。成長するにつれいろいろな映画を観たり、本を読んだりして「ハリー・ポッター」に立ち返った時に初めて、スネイプが抱えている「愛」について考えを巡らせることができるようになっていました。ゆえに、私が彼のことを深く知ったのは大人になってからで、セブルス・スネイプという人の、表には見せなかった海よりも深い愛情と最期まで人間らしくあった姿に胸打たれました。彼を通して、大人になった私はファンタジックで夢に満ちた作品が持つ新たな側面を知ることができたのです。他にも私の好きなエピソードとして、シリーズ4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』に登場するセドリック・ディゴリーの死があります。彼もまた自分の信念のためにヴォルデモートに立ち向かい、若くして命を落とすのですが、注目すべきは彼がハッフルパフ寮だということ。ハッフルパフの寮生は特殊な能力よりも献身や勤勉、忠誠などを見出され組分けされることが多く、そんな彼が正義のために果敢にも悪に対峙し命を落としたこともまた、私の心を強く揺さぶりました。ちなみに、ハリー・ポッターシリーズに続く新シリーズ『ファンタスティック・ビースト』の主人公ニュート・スキャマンダーもハッフルパフ出身なのですが、彼のことが大好きな私からすると、その事実に大きく頷けます。ニュートもまたハッフルパフ・プライドを持っているキャラクターなので、もしファンタビをこれから観るよという人がいれば、そのあたりに注目して観てもらいたいです。■20周年を迎えても変わらない作品への愛ハリー・ポッターシリーズが誕生してから20周年を迎えた昨年は、当時映画に出演したキャストたちが勢ぞろいして同窓会を開き、思い出を語り合う『リターン・トゥ・ホグワーツ』が配信サイトU-NEXTで公開されたり、シリーズのリバイバル上映が行われたりなど、賑わいを見せていました。時の移ろいを感じながらも変わらない「ああ、やっぱりハリーたちが大好きだなぁ」という気持ちに胸がいっぱいになりながら過ごした2021年。これからも世代を超えて愛されていく物語になるんだろうな、と感慨深くなりました。私にとってハリー・ポッターシリーズとは、永遠に色あせない夢を与えてくれた物語であると同時に、人間らしく生きるとはどういうことなのかを教えてくれた偉大な作品です。シリーズを通して成長し、大人になったハリーたち。今では私もすっかり大人ですが、これからもずっとこの愛すべき世界に憧れ続けて生きていきたいです!(文:安藤エヌ、イラスト:谷口菜津子)
2022年03月25日こんばんは。イラストレーター のトモマツユキです。このご時世で、派手に酔っぱらう機会はめっきり減ってしまいましたが、人とお酒を飲むのって楽しいですよね!私も20代の頃は毎週末飲み歩いていて、朝帰りが当たり前でした(笑)。お酒を飲むと普段言えない本音を言えたり、初対面の人とも一気に距離を縮めることができるので、大人の人間関係には欠かせません。でも、飲みすぎるとお酒の勢いでやらかしてしまうことも……。今回はお酒に頼ってしまいがちな人に見てほしい映画『ワタシが私を見つけるまで』をご紹介します。■お酒の勢いで普段よりも大胆に!?『ワタシが私を見つけるまで』の主人公のアリス(ダコタ・ジョンソン)は、同棲中の彼氏・ジョシュ(ニコラス・ブラウン)と付き合って4年。マンネリを感じていたアリスは、ひとりの時間を満喫してみたくなり、ジョシュに少し距離を置きたいと言い出します。ジョシュはアリスの申し出にあまり納得できていないままですが、アリスは姉のメグ(レスリー・マン)の家に居候して、NYの法律事務所の事務係として新しい生活を始めます。新たな職場で出会った同僚のロビン(レベル・ウィルソン)に、彼氏と距離を置いていることを話すと、「シングルならワンナイトラブを楽しまなきゃ!」と強引にバーに連れ出されます。最初は「一応彼氏がいるから」と、乗り気じゃなかったアリスですが、バーの店員・トム(アンダーズ・ホーム)を紹介されて、お酒の勢いもありそのままトムとキス!一気にトムに夢中になったアリスは、翌日の仕事中もトムからの連絡を待つばかり……。そして、トムと関係を持つのですが、実はトムは女癖が悪く、アリスと付き合う気がないことがわかります。我に返ったアリスは、ジョシュに連絡して復縁を持ちかけるんですが、ジョシュにはすでに新しい彼女がいて……!?という、アリスが失敗を重ねる中で、自分を見つけるストーリーです。■飲みすぎて自分を失ってしまうあなたに建前に本音を隠してしまう大人にとって、自分の許容量を超えた飲酒の末に出てくるのは、“本音”を通り越した“本性”ですよね(笑)。アリスは「恋人が途切れたことがない」と“モテる女”を自称しているんですが、実は男に言い寄られると、すぐにその気になってしまう“チョロい女”。こういう女ほど、自分では“ガードが堅い”と思っていたりするんですよね〜。お酒が入るとそのガードが簡単に外れてしまって、“本性”が現れてしまう。……なんて書いている私も身に覚えがなくもないので、痛々しいアリスに共感してしまいました(笑)。多くのロマコメは、“本性”を見せてしまったところから、ときめくような恋愛ドラマに発展して行きますが、ぶっちゃけ現実はそううまくいきません。ドラマティックではないところがこの映画の魅力!そして、アリスの恋愛がうまくいかない原因を、同僚のロビンがズバっと言うシーンがあるのですが、そのセリフがとにかく痛快!ついついお酒を飲みすぎてやらかしてしまっている人は、ぜひこの映画を観てみていただきたい。きっと心にグサっと刺さるはずですよ!■アリス以外にもさまざまな“こじらせキャラ”が登場これまで“アリス”と“お酒”に焦点を当ててご紹介してきましたが、この映画は、アリス以外にもさまざまな登場人物が出てきて、もがきながら自分を見つけていく偶像劇です。独身を貫いてきたが、体外受精で赤ちゃんを産むことを決意するアリスの姉・メグ。本気で出会い系サイトで結婚相手を探すルーシー(アリソン・ブリー)。女にだらしないけど、気になる女性にはうまくアプローチできないバーの店員・トム。メグに一目惚れするけど、若さのせいで本気にされないケン(ジェイク・レイシー)など、個性豊かなこじらせキャラたちが登場します。パートナーがいない期間を自分らしく生きるヒントがたくさん詰まっているので、ひとりで過ごすのが苦手な人にもぜひ観てほしい映画です。最初からシングルライフを謳歌しているロビンを演じるレベル・ウィルソンが最高で、爆笑シーンも盛りだくさんですよ♪■本音はちゃんとシラフのときにお酒の席って楽しくってついつい羽目を外してしまいますよね。でもそんな経験も楽しい思い出!しかし、あまりに飲み過ぎると、周りの人がいなくなってしまう可能性があるので、何事もほどほどに楽しむのがいいのかもしれませんね。(文・イラスト:トモマツユキ)
2022年03月18日2022年3月14日に急逝していたことが分かった、俳優の宝田明さん。同月17日の報道以降、多くの人から悲しみの声が広がっています。【訃報】宝田明、急逝87歳「さびしい」「大好きでした」『ゴジラ』Twitterアカウントが宝田明さんを追悼1954年に公開された特撮映画『ゴジラ』で初主演を務めたことで知られる、宝田さん。それを皮切りに、『モスラ対ゴジラ』や『ゴジラ FINAL WARS』など、数々の『ゴジラ』シリーズに出演していました。訃報から一夜が明けた同日18日、『ゴジラ』のTwitterアカウントは、宝田さんへの追悼メッセージを公開しています。宝田明さんの突然の訃報に接し、大変驚いております。1954年11月3日公開の「ゴジラ」を皮切りに、数多くのゴジラシリーズにご出演をいただきました。晩年までゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ってしまった事は残念でなりません。心からの感謝とともにご冥福をお祈り申し上げます。— ゴジラ (@godzilla_jp) March 18, 2022 「ゴジラを愛し続けてくださったレジェンドを失ったことは残念でなりません」と、宝田さんの死を悔やむ、『ゴジラ』Twitterの運営者。その後、「心からの感謝とともに、ご冥福をお祈り申し上げます」とつづっています。宝田さんへの想いが詰まった追悼メッセージは、多くの人の心を打ちました。・同意見です。ありがとうございます…。・宝田さんのことは、決して忘れません。・物心がつく頃から、ゴジラシリーズ作品とともに生きてきた私にとって、宝田さんはなくてはならない存在でした。ご冥福をお祈りします。宝田さんは、今後も数々の作品の中で生き続けるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2022年03月18日