子育て情報『知的障害の原因は?遺伝する確率はあるの?』

2016年8月4日 15:00

知的障害の原因は?遺伝する確率はあるの?

2014年にも脳内タンパク質の遺伝子変異が知的障害の原因の一つとなるという研究が発表されました。

知的障害の原因は十分には解明されていない状況ですが、主な要因は病理的要因・生理的要因・環境要因の3つの面から分類できると考えられています。

病理的要因は病気や外傷など脳障害をきたす疾患で、これらの合併症として知的障害が一緒に起きることがあります。この中にはてんかんや脳性まひなどのほか、ダウン症などの染色体異常による疾病も含まれます。

一方、特に疾病などがなくたまたま知能水準が知的障害の範囲内にあるといった場合、生理的要因と呼ばれます。

環境要因は、直接の原因となるわけではありませんが、脳が発達する時期に不適切な環境であることで知的障害の症状が悪化したり、脳の発達が遅れる原因になったりすると言われています。

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140502134517048
中日新聞 「脳内タンパク質の遺伝子変異、知的障害の原因に」 2014年

知的障害を引き起こす病理的要因としては、主に以下のような病気・けがが挙げられます。

・感染症によるもの(胎児期の風疹や梅毒、生後の脳炎や高熱の後遺症など)
・中毒症によるもの(胎児期の水銀中毒や生後の一酸化炭素中毒など)
・外傷によるもの(事故や出産時の酸素不足など)
・染色体異常によるもの(ダウン症候群など)
・成長や栄養障害によるもの(代謝異常や栄養不良など)
・その他(早産、未熟児、仮死など)

病理的要因を考え、もしその要因が治療可能であれば、知的障害を最小限に抑えることができるかもしれません。
また、その要因が及ぼす影響を予防したり、支援の方向性を検討したりできます。

https://www.amazon.co.jp/dp/4750325465
参考:宮本信也・武田一則/編著『障害理解のための医学・生理学』(明石書店/2010年刊)

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~cpshama/syllab/syllab13/clph2013_08.pdf
浜渦辰二「ケアの臨床哲学 ー障がいとそのケアー (8)知的障害」 2013年


時期によって発現する原因は変わります

知的障害の原因はどのように発現するのでしょうか?出生前・周産期・出生後の3つの時期ごとにご説明します。

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