友達に急に跳びかかる息子、トラブルの原因は一年前の苦い記憶にあった
自閉症スペクトラムの子は、見通しを立てたり応用する事が苦手と言われますが、「忘れていい」と明確にわかり「忘れてもこの先問題ない」という見通しがないと、忘れることさえ不安なのかもしれません。
親子で一歩ずつ、「苦い記憶」と上手に付き合っていけるように

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10248009872
アスペルガー症候群である息子は、知的に遅れもなく言語も達者です。だからこそ「理解できるだろう」と安易に解決を求められ、消化できない苦い記憶が増えてしまうのかもしれません。
こうやって積み重なった苦い記憶は、二次障害の原因のひとつにもなると私は感じています。
私は、息子に関わる大人にいつもお願いしていることがあります。それは特別扱いをして欲しいとか息子の肩を持って欲しいとかではなく、
「本人の言い分を聞いた上で、息子も相手も納得できる解決をして欲しい」ということです。こうした関わりが、消化できない苦い記憶ばかりを増やさない大切なプロセスだと思うからです。
周囲の協力と、家でのコミュニケーションを重ね、息子は成長と共に「ある程度流せること」も増えてきました。
私に気持ちを話し、共感してもらえると落ち着けるようにもなってきました。
それでも、過去の苦い記憶を思い返してグズグズする事もあれば、私が十分に話を聞けない時はなかなか切り替えられない事もあります。ストレスが多いときほど、苦い記憶は忘れにくく、そして思い出しやすくなるように感じます。
全ての要因を排除するのは無理だとしても、二次障害を誘引しない程度に、ネガティブな要因を避ける術を学ぶのが目標です。まだまだ「苦い記憶を忘れる」ハードルは高いけれど、親子で1歩ずつ飛び越えて行きたいと思います。