[第4回] アスペルガー症候群でも、自分をきちんと理解すれば「会話のつまづき」は解消できる
「言葉をそのまま受け止めてしまう」発達障害のコミュニケーション特性
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10250000618
畠山:僕の場合、例えば、中学受験の後の出来事が象徴的かもしれませんね。
努力して努力して、試験当日までは応援されとやかく言われなかったのですが、
試験が終わって合格発表までの間、親に「落ちたらどうなると思っているの?」「絶対合格しなさいよ!」など言われたんです。
親も焦っていたのだろうとは思います。そこで「焦ってるんだな、まあしょうがないよな」と思えず、言葉のまま受け取り、「落ちたら一体どうなるのだろう!?」と不安が募るばかりでした。
しかも、試験は終わってしまい合格発表までの数日間です。その間は、僕にはもう努力の仕様がない。
でも「絶対合格しなさい」ということは、今から試験問題を管理しているところに忍び込んで、解答用紙を書きなおせば、いいのかな?とモヤモヤしました。
編集部:そのときは、どうされたんですか?
畠山:仕方ないから辛い思いしながら待っていました。
(笑)
辛かったですね。なぜ、「今終わってどうしようもないときに言うのか」と思いますよね。
例えば、会社で「何でこんなに売上が少ないんだ!」と言われたらそのまま受け取るので「じゃあお年寄りを騙してでも営業してこなくてはいけない・・・」と考えてしまうのと同じでしょう。
患者さんに納得してもらうため、コミュニケ―ションを変えようと思った
編集部:ちなみに、医師として地域の患者さんとコミュニケーションの中で難しいなという場面はなかったのでしょうか?
畠山:最初の1年くらいは、コミュニケーションが上手くいかないな、というのは多々有りました。
何を言ったか、ではなくてどう伝えたか、相手はどう受け取ったか、を意識する必要があると。
極端な話、ちゃんと診察して医学的に考えて正しいお薬を出しても「ちゃんと診てくれなかった」と感じる患者さんはいますよね。
どんなコミュニケーションを取ろうが、出す薬も診断内容も診断できるまでの時間も同じなんです。むしろ客観的な事実で、感情に流されず、しっかり診断することが医学では大切だったりします。
だとしても、どんなコミュニケーションをとったかで、その患者さんの納得が違う。