「いじめじゃないよ、ふざけてただけ!」子どもたちの無邪気な言葉に、大人は何をどう伝える?
「いじめとふざけ、何がちがうの?」子どもたちの問いにどう答える?
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「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。
「このくらい、ちょっとふざけていただけだよ」
「いじめとふざけ、何が違うの?」
こんな問いに答えを出すことが、教育の現場では求められます。
私が学校でおこなっているいじめ防止授業では、その問いにこう答えます。
「ふざけや遊びのつもりでも、いじめられた側がつらい・やめてほしいと思ったら、それはいじめです。」
とてもシンプルでありきたりな答えですが、子どもたちにとってもこれは「あたりまえ」のことなのでしょうか。
「いじめられる側にも問題がある」という考え方
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私がある中学校でいじめ防止授業を行ったときのお話です。事前アンケートで、500人の生徒にある質問を投げかけました。
「あなたは、いじめられる側にも問題があると思いますか?」
そのうち、「問題がある」「少しある」と答えた生徒は合計186人に上りました。
そして、「いじめられる側にも問題がある」と答えた生徒達は、その理由として、
・いじめられている相手も、恨みをかうようなことをしたと思う
・性格が悪い
・イラつかせる行動をした
などを挙げたのでした。
こうした回答からは、いじめる側の自分たちからの視点を前提としており、いじめられた側がどう思うかという、相手の立場に立つ視点の欠如を感じさせます。
「こんなことをすると人が傷つく」「この言葉をなげかけたら人は嫌な気持ちになる」ということが想像できない子どもたちが、いわば無邪気にいじめを行い、その深刻さを認識しないままに他人を追い詰めてしまうのでしょう。
ある絵本を題材に、いじめられた側の気持ちを疑似体験
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私は「嫌なところがあることと、いじめは分けて考える」