不登校の間に抱えていたのは「元気なのに行けない」罪悪感
不登校になる前の学校生活は、いたって普通。むしろ、元気な子どもだった。
勉強は苦手で遅刻もよくしていたけれど、人間関係に苦手意識はなくて、友だちもたくさんいた。
学校は好きでも嫌いでもなく当たり前に行く場所だった。
けれど、クラスの女の子へのいじめを止められない自分、「次は自分がいじめられるのでは」という恐怖から学校を休むようになった。
「学校に行かなければ、楽になれる」と思っていた。けれど、それは間違いだった。
いじめの恐怖はなくなったけれど、今度は「学校に行けない自分」に対する罪悪感を感じるようになる。
友達や先生、近所の人にも会えない。外に出られない。
健康な子が休むのはありえない、なぜ行かないんだ、なぜ行けないんだ、ということが頭の中でぐるぐると回りパニックになった。クラスでの悩みを思い返す余裕はなかった。
何1つ解決をできず、自分の気持ちを誰にも相談することもできない。本当に辛い日々が続いた。
自分のせいで、家族までしんどくなっていく
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母の「学校に行ってほしい」という気持ちが、痛いほど伝わってきた。毎朝ランドセルを持って起こしに来てくれて。
母が僕のことで悩んでいるのはわかっていたけど、「僕はどうしてあげることもできない」。
親の願いに応えられない状況は本当に苦しかった。顔を合わすことも辛くなっていた。
それが原因で、不登校から引きこもり状態に。
そのとき僕は、元気な姿を人に見せてはいけないと思っていた。
病気でもないのに学校に行かないなんてダメだと思っていた。
元気な姿を見られたら「学校いけるやん!」って思われ連れていかれる、と。
そうやって過ごしているから気持ちも暗くなり、体調も悪くなった。家族にも重たい空気が伝染していくのを感じていた。
「ぼくのせいで家族がしんどくなっていく」
家族の中で笑える空気がなくなっていく状況を見ながら、自分を責めてばかりいた。
罪悪感を和らげてくれた母の一言
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10685001238
そんな時期に、同じように不登校になった双子の兄弟が自殺をしようとした。
それをみつけた母が、
「学校に行かへんって、死ななアカンほど悪いことなんか!
お母さんはあなたが元気で生きていてくれたらそれだけでじゅうぶんや!何があってもお母さんは味方やで!」